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第487回高知市議会定例会市長説明要旨(令和3年12月6日)
第487回高知市議会定例会市長説明要旨
令和3年12月6日
第487回高知市議会定例会にご出席をいただき,まことにありがとうございます。
今回議題となっております市第154号令和3年度高知市一般会計補正予算につきまして,ご説明申し上げます。
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中,厳しい経済状況にある子育て世帯を支援するため,18歳以下の児童を養育する一定所得以下の世帯等の方々を対象として,児童1人当たり10万円相当の支援を行うことが国の経済対策に盛り込まれ,先月19日に閣議決定されました。
本議案につきましては,今般の10万円相当の支援のうち,18歳以下の児童1人当たりに対しまして,5万円の現金を先行して支給する「子育て世帯への臨時特別給付金」に係る補正予算を計上するものであります。
この補正予算では,本市における対象児童約5万人への支給に係る25億8,700万円を予算計上しており,提出議案のご承認がいただけましたら,速やかに給付金の支給に向けた準備を進め,今月中の支給開始を目指します。
なお,10万円相当の支援のうち,残る5万円相当の支援につきましては,来年春の支給に向けまして,クーポンの配布を基本とした支援事業の検討が国において進められ,本日召集された臨時国会において,補正予算案の審議が行われることになっていますので,制度の内容が判明次第,予算計上を行うなど的確に対応してまいります。
以上,概要の説明を申し上げましたが,よろしくご審議の上,適切なご決定をお願いいたします。
引き続きまして,市第134号議案から市第153号議案につきまして,提案理由の説明を申し上げます。
議案の説明に先立ち,当面する市政課題に関連して,ご報告と考え方を申し上げ,ご理解を賜りたいと存じます。
1 国政・経済の動向
まず,国政の動向と我が国の経済状況について申し上げます。
先月25日に発表された月例経済報告では,新型コロナウイルスの感染者数が減少し,飲食や宿泊などのサービス消費が回復していることから,個人消費の判断が1年1か月ぶりに引き上げられた一方で,半導体不足により自動車輸出が減少していることなどを踏まえ,景気の総括判断は据え置かれ,「厳しい状況が徐々に緩和されつつあるものの,引き続き持ち直しの動きに弱さがみられる」との認識が示されました。
高知県の経済状況は,先月11日に公表された日本銀行高知支店の金融経済概況において,感染動向の落ち着きなどを受け,個人消費や観光が回復しつつあることなどを踏まえ,景気の総括評価を3か月ぶりに引き上げた一方,今後の先行きについては,「景気の持ち直しの持続性については注意を要する」とされ,「感染症や原材料価格の動向が県内の企業収益,雇用所得等に与える影響について,引き続き注視していく必要がある」との見方を示しています。
こうした経済状況の下,10月に行われた衆議院議員総選挙を受け,先月10日に召集された特別国会での首班指名を経て,岸田文雄自民党総裁が第101代首相に選出され,第2次岸田内閣が発足しました。
岸田総理は,「コロナ禍で傷んだ経済を立て直し,一日でも早く成長軌道に乗せていく」方針を掲げ,新型コロナウイルス感染症の拡大防止に加えて,現金給付や消費喚起策,賃上げの推進など,成長と分配の好循環を柱に据えた4つの分野からなる経済対策を,先月19日の臨時閣議において決定しました。
この経済対策には,売上が急減した中小事業者に対する支援金や住民税非課税世帯に対する給付金,雇用調整助成金の特例措置の延長や原油価格高騰の抑制対策など幅広い施策が盛り込まれており,国と地方の財政支出では過去最大となる55兆7千億円,事業規模としては78兆9千億円に上る大型経済対策となっています。
本日召集された臨時国会では,これら経済対策の裏付けとなる補正予算案の審議が行われることとなっており,この補正予算には「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」の上積み分として6兆8千億円が計上されるなど,県市にとりまして極めて重要な予算となっています。
国の補正予算は,今月中にも成立すると報道されていますので,引き続き情報収集に鋭意努め,国の財政支援を最大限取り込みながら,本市における新型コロナ対策に係る補正予算を編成いたしまして,急ぐものは来年1月の市議会臨時会においてお諮りしたいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。
2 新型コロナウイルス対策
次に,新型コロナウイルス対策について申し上げます。
新型コロナウイルス感染症の発生状況は,本年9月中旬から新規感染者数が大幅に減少して以降安定しており,県の対応ステージも「感染観察(緑)」に引き下げられました。
先月25日に開催された「高知県新型コロナウイルス感染症対策本部会議」では,国と同様に対応ステージを判断する際の基準が見直され,「直近7日間の新規感染者数」から「最大確保病床の占有率」を重視して判断することとなりました。
全国的にも感染動向は沈静化してきておりますが,海外では韓国などワクチン接種がかなり進んだ国であっても感染が再拡大している地域があるとともに,南アフリカ等での感染が報告されている「オミクロン株」が世界的な警戒対象として新たに指定され,先月30日には国内初の感染者が確認されていますので,今後の感染動向を注意深く観察していく必要があります。
今後,本市でも感染再拡大の可能性があることを前提に,保健所の体制整備をはじめとする備えを固めておく必要がありますので,引き続き人員体制の確保など事前の準備を徹底するとともに,県や高知市医師会,高知県看護協会などの関係機関のご協力をいただき,受入病床,宿泊療養施設の拡充や臨時医療施設の整備など,医療提供体制の確保に取り組んでまいります。
本市におけるワクチン接種につきましては,日々の予約件数が大幅に減少していることから,接種を希望される方々の2回の接種はおおむね完了したものとみられます。
ブースターと呼ばれる3回目のワクチン接種につきましては,感染拡大防止及び重症化予防の観点から,2回の接種を受けた18歳以上のすべての方々に対して接種機会を提供する方針が国から示され,先月16日に関係法令等が公布され,2回目の接種が終わってから原則8か月以上経過した方への接種が実施されることとなりましたので,本市でも今月1日から市内の各医療機関で3回目の接種を開始いたしました。
本年4月末までに2回目の接種が完了した約8千人の医療従事者等の皆様は,今月中に3回目の接種が可能となりますので,接種券を先月16日に郵送しています。
また,3回目接種の対象となる65歳以上の方々については,予約等での混乱が生じないように,2回目の接種時期を1週間ごとに区分しながら,順次接種券を発送いたします。
予約枠数につきましては,対象となる皆様の接種回数分以上の余裕がありますので,接種券が届きましたら慌てることなく,ウェブ予約又は電話でのご予約をお願いいたします。
高齢者施設等へ入所されている高齢者の方など,個別の医療機関での接種が困難な方々につきましては,往診による施設での接種を実施するなど,巡回接種の取組も併せて進めます。
今後とも接種に必要なワクチン量を確実に確保しながら,感染予防や重症化予防などのワクチン効果を市民の皆様に正しく理解してもらえるよう周知を進め,多くの方々に3回目のワクチン接種を受けていただけるよう精力的に取り組みます。
3 本市の財政見通し
次に,本市の財政見通しについて申し上げます。
本年8月に決定された普通交付税及び臨時財政対策債の算定結果では,当初予算計上額を4億円程度上回るとともに,新型コロナウイルスの影響による落ち込みが懸念された市税収入についても,歳入予算額を確保できる見通しとなり,年間の収支均衡は保てる見込みとなっています。
一方で,新年度当初予算での財源不足を補てんするための財政調整基金及び減債基金の直近残高が13億円程度にまで減少しているほか,税収をはじめとする一般財源についても,今後の感染状況や景気動向に大きく左右される可能性があることなど,歳入の見通しが立ちにくい不確定要素が続いています。
このため,令和4年度の当初予算編成では,今後発表される国の地方財政対策等の内容を慎重に精査し,市税をはじめとする一般財源総額を的確に見込んだ上で,事業の優先順位付けを厳格に行いながら,「新型コロナウイルス対策」,「高知市型共生社会の実現」,「南海トラフ地震対策」などの取組を着実に推進する予算編成を進めます。
4 地域共生社会の推進
次に,地域共生社会の実現に向けた取組について申し上げます。
本市の「第2期地域福祉活動推進計画」では,「だれもが安心して,いきいきと自分らしく暮らせる支え合いのあるまち」を基本理念に,「地域での課題解決力の強化」,「おたがいさま,ほおっちょけんの住民意識づくり」,「つながりのある相談支援体制の構築」の3つを重点目標とし,高知市型共生社会の実現に向けて,様々な取組を精力的に進めています。
このうち,地域の皆様の困りごとなどを身近で受け止めて,適切な支援につなぐ「ほおっちょけん相談窓口」は,令和元年11月に5地区28か所でスタートしましたが,本年9月には,「秦,初月,高須,五台山,大津」の5地区でも新たに開設し,現在,市内10地区59か所まで拡充しており,「わがまちならでは」の地域づくりにご尽力いただいている薬剤師会など関係者の皆様に感謝を申し上げます。
令和4年度からは,「ほおっちょけん相談窓口」の全市展開を目指しており,高知市社会福祉協議会の地域福祉コーディネーターや関係者の方々とも連携しながら,地域で課題を抱える皆様に対する相談支援体制の充実を図ってまいります。
「第2期地域福祉活動推進計画」は,今年度に中間見直しを行っており,来年度から実施する高齢,障がい,子育てなど各分野の垣根を越えて一体的に支援する「重層的支援体制」の構築に向けて,関係部署において精力的に協議を行い,この中間見直し案の中に盛り込んでいます。
さらに,罪を犯し立ち直ろうとする人々を受け入れ,見守り,支えていくことができる環境整備に向けて策定する「高知市再犯防止推進計画」についても,保護司や保護観察所など関係者からいただいた意見を反映し,同計画に包含する形で盛り込んでおりますので,今後とも多様な福祉施策の展開と有機的に組み合わせながら,誰一人取り残さない高知市型共生社会の実現に向けた取組を着実に進めます。
5 県市連携会議
次に,県市連携会議について申し上げます。
今回の連携会議は,新型コロナ第5波の影響により,当初の8月末から10月14日に延期して開催され,「新型コロナウイルス感染症対策」,「経済の活性化」,「健康福祉」の3つのテーマについて,浜田高知県知事と具体的な協議を行いました。
まず,「新型コロナウイルス感染症対策」では,第6波への備えとして,特に若い世代のワクチン接種率の向上に重点的に取り組むとともに,県が行う宿泊療養施設の確保や臨時医療施設の整備に向けた取組と連携し,感染防止対策を徹底することとしました。
また,コロナ禍で厳しい経営環境に置かれている事業者の皆様への支援を効果的に実施し,地域経済の回復に取り組むとともに,教育旅行等の新たな旅行需要に対応しつつ,観光需要の喚起に向けた誘客施策を県の取組と連動させて効果的に推進する方針を確認しました。
「経済の活性化」では,デジタル化の推進として,鏡・土佐山地域でのICT利活用方法等の好事例を県内で横展開していくことや,高齢者等へのデジタル活用支援に県市連携して取り組むとともに,マイナンバーカードの普及促進や行政手続のオンライン化を推進します。
カーボンニュートラルの実現では,グリーン社会の構築に向けた国の新施策を注視し,県と緊密に情報交換を行いながら,CO2排出削減に取り組みます。
次に,「健康福祉」分野では,地域共生社会の実現に向け,庁内連携のさらなる強化を図りながら,重層的支援体制の整備に取り組むとともに,高知市社会福祉協議会が配置する地域福祉コーディネーターとの連携を深め,地域力の強化に取り組みます。
浜田知事からは近年問題となっているヤングケアラーへの対応について,課題を抱える子どもを孤立させず,早期に発見して適切な支援につなげるため,学校現場やスクールソーシャルワーカー,児童福祉部門との連携を県市ともに強化していく提言があり,互いに重要性を確認したところです。
6 市長と語ろう会
次に,「市長と語ろう会」について申し上げます。
昨年度は新型コロナウイルス感染症の影響で開催できませんでしたが,本年度は感染予防対策を徹底した上で,第1回目を11月30日に,こうち男女共同参画センター「ソーレ」において,「災害に強く命をつなぐ「あんしん・あんぜん」の高知市~みんなで取り組む防災対策~」をテーマに,中学生を含む市内の女性防災グループ等の皆様にご参加をいただき開催いたしました。
ご参加いただきました皆様には,多くの貴重なご意見やご提案をいただき,感謝を申し上げます。
当日行われた意見交換では,被災後の生活支援や地域防災活動に関すること,各種災害への不安や課題などを共有し,課題解決に向けた具体的な提案やアイデアを直接伺うことができ,我々も大変勉強になりました。
今年度は,地域での自主防災活動の担い手育成の観点から,学生さんや各種団体の運営に携わっている若い世代の方々にご参加いただくこととしており,第2回目以降は,来年1月から県内各大学の防災サークルの学生等を対象に順次開催してまいります。
「市長と語ろう会」でいただきましたご意見やご提案等を踏まえ,本市の災害対応における具体的な施策をさらに充実させ,実効性の高い対策につなげてまいります。
7 災害対策
次に,災害対策について申し上げます。
本市では,関係機関が行う災害対策と連携した「総合防災訓練」を開催するとともに,「災害対策本部図上訓練」を実施することにより,総合的な災害対応力の向上を図っています。
今年度の総合防災訓練は,10月31日に泉野小学校において,内閣府と本市との合同で,「高知市総合防災訓練及び内閣府地震・津波防災訓練」を実施しました。
今般の訓練では地域防災力の向上をテーマとして,泉野小学校区防災連合会をはじめ地域の皆様のご協力の下,初めて学校を訓練会場とした避難所の開設や運営訓練,物資配送訓練などを実施することにより,感染症対策を講じた上で実践的な訓練を行うことができました。
南海トラフ地震等の大規模災害発生時には,地域の自主防災組織の皆様をはじめ一人ひとりの自助・共助の力が不可欠ですので,今後とも地域での総合防災訓練を継続してまいります。
また,今年度の「災害対策本部図上訓練」につきましては,出水期となる7月に予定していましたが,新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から延期し,先月15日に実施しました。
今回の図上訓練は,集中豪雨による洪水や土砂災害等の発災から約8時間後を想定して,より実践に近い形とするために,シナリオをすべて伏せた「ブラインド形式」で実施しました。
当日の訓練内容は,鏡川の越水氾濫により多くの被災者が発生した状況を想定し,次々と寄せられる情報等を短時間で整理しながら,速やかな判断が迫られる難しい訓練シナリオでしたので,参加した職員は苦労して処理している状況が見受けられました。
続々と入ってくる様々な情報の整理や対応順位の優先付け,情報共有の重要性など,的確な初動対応の在り方についての課題等を明確にすることができました。
今後とも実践的な防災訓練を重ね,全国的に被害が激甚化している風水害や南海トラフ地震等への備えを着実に固めてまいります。
8 観光振興
次に,観光振興について申し上げます。
本市を代表する観光地である桂浜公園は,昭和50年代に現在の都市公園の形に整備されましたが,施設の老朽化や変化する観光ニーズに対応できていないことから,平成28年に策定した桂浜公園整備基本計画に基づき順次再整備を進めており,今年度は県の補助金等を活用して,バス待合所や海辺の休憩所等の整備を進めています。
令和4年度からは民間事業者のノウハウを積極的に活用し,桂浜公園の賑わい創出を図ることを目的として,公園全体を包括的に管理運営する指定管理者制度を導入することとし,本年7月に事業者の公募を実施し,県内4事業者から応募いただきました。
先月1日及び6日に開催した,外部委員4名を含む桂浜公園指定管理者審査委員会において厳正な審査を行った結果,「株式会社はりま家」を指定候補者として選定し,今議会に指定管理者の指定に関する議案をお諮りしております。
指定候補者からの主な提案内容としては,まず,エントランスエリアの商業施設を「桂浜 海のテラス」としてリノベーションするとともに,それぞれの建物ごとに,「食べる」,「買う」,「学ぶ」,「憩う」をテーマとして,飲食や物販などの充実を図り,観光客のみならず市民の皆様にも日常的に訪れていただく交流拠点として桂浜を再生させることが提案されています。
施設のリノベーションのイメージは,現状のノスタルジー感と新しい時代のスタイルを融合させて,「桂浜の風・光・潮の香り」や,坂本龍馬の気配が感じられるデザインとなっています。
さらに,新たなイベントスペースを2か所開設し,イベントによる誘客を図るとともに,桂浜公園の歴史を楽しみながら学べるスペースを整備するなど,新たな賑わいづくりの提案がなされています。
今後のスケジュールとしては,来年10月にプレオープンした後,令和5年3月にグランドオープンする予定となっています。
新しく生まれ変わる桂浜の再生と新たな賑わいの創出に向けて,指定候補者との協議を進め,年間観光客入込数100万人の実現に向けて精力的に取組を進めます。
次に,アマチュアスポーツの合宿誘致について申し上げます。
本市では,プロ野球キャンプをはじめとするスポーツ合宿の誘致を積極的に進めており,この度,正月恒例の箱根駅伝において過去10年間で5回の優勝を誇る全国的な強豪校である青山学院大学陸上競技部が,来年2月12日から21日までの間,市内で合宿を行っていただく運びとなりました。
同陸上競技部の原晋(すすむ)監督には,今年開催した夏季大学の講師を務めていただいた際,高知合宿のオファーをいただき,高知県とともに調整を進めた結果,本市での合宿開催に至ったものであり,原監督はじめ大学関係者の皆様に感謝申し上げます。
本合宿期間中には,高知県との連携により,市民・県民を対象としたランニング教室を開催するとともに,「高知龍馬マラソン」へ招待選手としての出場も予定されていますので,全国的な発信力によるPR効果等も高く,本市のスポーツ合宿地としてのブランド化や競技力の向上に大きく寄与することを期待しています。
9 新図書館西敷地の利活用
次に,新図書館西敷地利活用事業について申し上げます。
今年度はこれまで,民間事業者の公募に向けた具体的な整備方針や事業の条件等を定める実施方針案の策定に当たり,サウンディング型市場調査の追加対話を実施するとともに,事業者選定を行うためのプロポーザル選定委員会を設置し,具体的な議論を重ねてまいりました。
また,事業の進捗や実施方針案等につきましては,市議会のまちづくり調査特別委員会に適宜ご報告申し上げながら,いただきましたご意見等を踏まえ,現在,実施方針案の最終調整を行っております。
今月15日には,この方針案に対するパブリックコメントを実施するとともに,同月20日からは民間事業者との個別対話を行い,幅広くご意見を募ることとしておりますので,その後行われるプロポーザル選定委員会での議論や,市議会の皆様からのご意見等も踏まえながら,事業実施方針等の内容を固めてまいります。
実施方針等の策定は今年度末を予定していますので,策定後速やかにその内容を公表し,公募型プロポーザルによる実施事業者の募集を開始したいと考えております。
また,新図書館西敷地の利活用と併せて,令和5年度を始期とする「第3期中心市街地活性化基本計画」の策定に向けた検討を進め,コロナ禍で入り込み数が落ち込んでいる中心市街地のさらなる魅力向上や来街者数の増加を図り,賑わいのあるまちづくりを目指します。
10 産業廃棄物最終処分場建設
次に,産業廃棄物最終処分場建設について申し上げます。
現在,稼働している県内唯一の管理型最終処分場である日高村の「エコサイクルセンター」は,当初20年間の埋め立て期間を予定していましたが,産業廃棄物に関する取扱い基準の変更などの影響により受入れ量が増加し,当初の見込みよりも早い段階で新たな最終処分場の建設が必要となりました。
そのため,高知県において「新たな最終処分場の在り方に関する基本構想」を策定し,構想に基づく3か所の候補地を選定し,最終的に佐川町加茂地区を適地として調整を行い,佐川町及び佐川町議会から施設の受入れに関する承諾を得ています。
その後,高知県におきまして,建設予定地周辺の測量や地質調査,地下水調査等が行われ,基本設計・実施設計が完成した結果,新たな最終処分場の埋立容量を17万2千立方メートルとし,雨水の侵入を防ぐ被覆(ひふく)構造とすることや,処理水を場外に放出することなく再利用することとし,概算事業費99億9千万円となる事業計画案が提示されました。
当該整備費用につきましては,整備・運営主体である「公益財団法人エコサイクル高知」に加えて,高知県,佐川町を除く33市町村,民間団体で費用を按分して負担することとされ,高知市においては,全体の総事業費から国庫補助金や財団・民間負担金,県負担金等を差し引いた額16億2千万円余りを負担することとなりました。
新たな最終処分場は,令和7年6月頃の開業を目指しており,施設整備の工期が令和4年度から約3年を要することから,本年度中にエコサイクル高知との協定締結に必要な債務負担行為を設定する必要があり,関連議案を今議会にお諮りしておりますので,よろしくお願いいたします。
11 補正予算・予算外議案
以下,議案についてご説明を申し上げます。
今回提出いたしました議案は,予算議案9件,条例議案4件,その他議案7件です。
まず,今回の補正予算では,新型コロナウイルス対策として,3回目のワクチン接種に要する経費やPCR検査費用,入院医療費に係る公費負担分を補正するとともに,要望の多い住宅耐震化改修に係る補助金等を計上しています。
このほか,新型コロナウイルス感染症の影響により中止となりました,よさこい祭りや納涼花火大会等の関連経費を減額して,その予算を観光のオフシーズンにおける新たな誘客イベントとして,高知城において「水・光・音楽を融合した噴水エンターテイメントショー」を開催するための経費に充ててまいります。
特別会計の補正では,収益事業において,G1レースとしては15年ぶり4回目となる全日本選抜競輪の誘致が令和5年2月に決定しましたので,開催経費の増加に伴い,必要となる債務負担行為の設定などを行うものです。
また,人件費補正では,新陳代謝等により全会計で3億2千万円余りを減額いたします。
以上,申し上げました内容によりまして,提案しております今回の補正規模は,
一般会計 1億9,100万円の増額
特別会計 2億2,624万9千円の増額
であり,補正後の予算規模は,全会計の純計で2,795億4,461万9千円となり,この補正予算の財源として,特定財源では国庫支出金や市債等を充当し,一般財源については財政調整基金繰入金を減額いたしました。
次に,予算外議案について申し上げます。
条例議案は,法令の改正に伴うものなど4件です。
このうち,市第140号高知市立市民会館条例の一部を改正する条例議案につきましては,一宮市民会館と児童館との合築に伴い,新設する貸室等の使用料を定めるものです。
その他の議案は,高知市過疎地域持続的発展計画策定に関する議案や指定管理者の指定に関する議案など7件となっています。
以上,提出をいたしました議案について,概要の説明を申し上げましたが,よろしくご審議の上,適切なご決定をお願いいたします。