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第499回高知市議会定例会市長説明要旨(令和5年12月14日)

第499回高知市議会定例会市長説明要旨

 

令和5年12月14日

 第499回高知市議会定例会にご出席をいただき,まことにありがとうございます。
 
 本日,伝統ある高知市議会の本会議場において,発言のお許しをいただいたことに,心より感謝申し上げます。
 この場は,私にとりまして,市長就任後,初めての定例会でありますので,議案の説明に先立ち,今後,高知市政を運営するに当たっての,私の所信を申し述べさせていただき,市議会の皆様方のご理解とご支援を賜りたいと存じます。
 
1 市政運営に臨む所信
 
 私は,この度の高知市長選挙におきまして,時代の変化に着実に対応し,新たな発想を積極的に取り入れた「これから」の市政が必要だと訴え,第39代の高知市長として,私の愛する郷土,高知市のかじ取りを担わせていただくこととなりました。
 市民の皆様の生命と財産そして日々の暮らしを守るという,課せられた使命と責任の重さに身の引き締まる思いでございます。この民意をしっかりと受け止め,全身全霊で務めさせていただきます。
 
 さて,岡崎誠也前市長におかれましては,5期20年にわたり,高知市民32万人のトップリーダーとして市政発展に尽くされました。
 心より,敬意を表しますとともに感謝を申し上げます。
 
 私はそのレガシー・実績をしっかりと受け継いだ上で,良いものはより良くし,足りないものは足し,変えるべきは変えていく,というスタンスで今後の市政運営に臨んでまいります。
 私の描く高知市,それは「高知市に生まれて,育ち,暮らす。そのことが喜びに感じられ,誇りとなる高知市」を作ってまいりたいと考えております。
 
 また,目指すべき社会像,それは子どもたちの笑顔がはじけ,その笑顔が高齢者や働く世代の皆様方を元気づける,そしてそれぞれの世代が分断されることなくお互いが支え合っていく,そんな共生社会像を描いているところでございます。
 そのための道筋は,この度の選挙公約である政策集において,「県都改革!-喜びと誇りの持てる高知市へ-」をキャッチフレーズに,5つのまちづくりビジョン,ビジョンを実現する10の基本政策,150の施策として明らかにしてまいりました。
 
 この5つのまちづくりビジョンに沿って施策の概略を申し上げます。
 
 一番目の「夢がかなえられる街,高知市」では,人口減少,少子高齢化対策,共生社会の構築を主な政策目標に掲げております。
 特に,若い人がいないと街の将来が危ぶまれますので,中学生までの医療費無償化とともに,結婚に伴う経済的負担の支援を検討するなど,若者の定住支援の政策は総合的,積極的に進めてまいります。
 
 二番目の「県都にふさわしい教育都市,高知市」では,魅力ある教育環境づくりを主な政策目標に掲げております。
 不登校への対応や学力向上,ICT教育,スポーツ施設の充実に至るまで幅広く取り組み,「たくましい土佐っ子」の育成を図ってまいります。
 
 三番目の「県都の使命を果たす,高知市」では,県経済に対するけん引力の発揮を主な政策目標に掲げております。
 高知県人口のおよそ半分が暮らす県都高知市には,県全体の発展をけん引する潜在的な力があります。
 国・県・高知市の連携強化の下に,あらゆる英知を結集して「オール高知市」体制を築いていけば,これまでと違った県都の姿がきっと見えてくるはずです。
 高知市の持つ強みと弱みをよく分析して,強みの魅力をさらに引き出して活性化の推進力にしていきたいと考えております。
 高知の持つ強みは様々ありますが,豊かな「自然と食」,よさこい鳴子踊りに代表される「祭り」,高知・土佐の「歴史」と「伝統文化」,こうした全国に発信力のある強みを最大限に活かした取組の強化が即効性につながると考えていますので精力的に進めてまいります。
 
 四番目の「安心して暮らせる,高知市」では,大規模災害対策や日々の暮らしの支援を主な政策目標に掲げています。
 南海トラフ地震の津波対策としての三重防護の早期完成や,事前復興まちづくり計画の策定,津波浸水区域の企業の高台移転に向けた対策などを進めてまいります。
 特に,地震は突発対応ですので,これまで構築してきた備えが有効に機能するのか検証を行います。
 また,災害級の物価高騰に,国,県と連携して暮らし支援の施策を早急に実施してまいります。
 
 五番目の「チャレンジできる街,高知市」では,デジタル化や市政改革,住民参加を主な政策目標に掲げております。
 多様化・複雑化する社会の課題解決に向けて女性の副市長を登用するとともに,女性が活躍できる環境整備を進めてまいります。
 
 これらの施策により,県都改革による新たなまちづくりを目指してまいりますが,公約に掲げた施策が絵に描いた餅に終わらないように,事業のスクラップ・アンド・ビルドの徹底を行うとともに,ふるさと納税の取組強化で収益増大を図るなどの行財政改革も併せて進めてまいります。
 
 今般の選挙戦を通じまして,公約に掲げましたこれらの施策を各地域で訴えさせていただきましたが,市民の皆様からは,人口減少等に伴う地域の厳しい実情などを踏まえ,数多くのご要望やご意見をお伺いしておりますので,こうした貴重なご意見等を大切な財産として受け止め,今後の市政運営に活かしてまいります。
 
 高知県知事選挙におきましては,2期目を目指した浜田省司知事がご当選されました。
 これまで以上に県市連携を密にしてまいりますとともに,国との連携も強化してまいりたいと考えております。
 国や県も基礎自治体の実情を踏まえずして政策決定することはもはやできない時代になっていると考えております。
 国・県・高知市は対等・協力の関係として相互に連携し,社会情勢の変化とともにますます多様化・複雑化する行政課題に立ち向かっていかねばなりません。
 そのためには,住民に直接向き合う基礎自治体としての重要課題を政策提言という形で国や県に届け,財源の確保を図っていく必要があると考えております。
 
 特に,人口減少,南海トラフ地震の脅威,経済回復,物価高騰といった重要課題に対応するためには,国・県との連携・協力が不可欠になりますので,日頃からの信頼関係の構築が大切だと考えております。
 私がこれまで培ってきた人脈で,国・県・高知市の相互の人材交流を強化するなど,様々な連携の仕組みを作ってまいります。
 
 最後に,この度の選挙は投票率が約40パーセントで前回の選挙より3ポイント余り下回っておりました。
 市民にとって一番身近な市政の選挙に約6割の人が行っていないという結果には危惧しています。
 市民の皆様に市政をより身近に感じていただき,住民サービスの満足度を一層高めていくためにも,職員の能力を更に引き出して何事にも主体的に高知市が取り組める,より積極的な市政を実現してまいります。
 
 また,高知市は県内のあらゆる都市機能が集中する街ですが,高知市だけが発展していけば良いといった考えは持っておりません。
 「時には県内33の市町村の先頭に立ち,時には後ろに回って後押しをする。相互に連携し支え合っていくことが重要である」と考えております。
 このように高知市は県都としての役割と責任も果たしていかなければなりません。
 
 私はオール高知市の英知を結集して,県都改革を行い,ともに発展する礎を築いてまいります。
 市民の皆様の夢を私の夢として,新しい高知市を作っていくために,職員とともに一丸となって市政発展に全力を尽くす決意をしておりますので,議会の皆様のご指導とご支援を賜りますよう,よろしくお願いいたします。
 
2 国政・経済の動向
 
 次に,国政の動向と我が国の経済状況について申し上げます。
 
 先月22日に公表された月例経済報告では,「景気は,このところ一部に足踏みもみられるが,緩やかに回復している」と,判断が10か月ぶりに引き下げられ,今後の先行きについては,「雇用・所得環境が改善する下で,各種政策の効果もあって,緩やかな回復が続くことが期待される」とする一方で,物価上昇等の影響に「十分注意する必要がある」との認識が示されています。
 
 直近の物価動向では,総務省が先月24日に発表した10月の「消費者物価指数」において,政府のガソリン価格高騰対策によってガソリンの上昇は抑えられた一方,電気・ガスでは,補助額が半減し,価格が上昇したことに伴い,「生鮮食品を除く総合指数」が前年同月比で2.9パーセント上昇し,26か月連続で前年同月を上回る結果となりました。
 
 こうした経済状況の下,第212回臨時国会において,先月20日に提出され審議されていました「デフレ完全脱却のための総合経済対策」を推進する補正予算が,同月29日に成立しました。
 
 補正予算には,低所得の住民税非課税世帯への経済的支援として7万円を給付する事業が盛り込まれたほか,物価高騰の影響を受けた市民の皆様の生活支援や事業者の事業継続支援に引き続き取り組むための「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」に加え,国土強靱化,防災・減災のための予算などが計上されており,その交付金等の本市への配分額が示されましたので,今議会に補正予算をお諮りしています。
 
3 国の令和5年度補正予算への本市の対応状況
 
 次に,国の令和5年度補正予算への本市の対応状況について申し上げます。
 
 総合経済対策を盛り込んだ国の補正予算は,物価高騰の影響を受けた市民の皆様や事業者の方々を引き続き支援するためものであることから,本市におきましても,スピード感を持って緊急支援を実施する必要がございますので,先月30日の就任後,12月1日には,住民税非課税世帯約5万世帯に対して7万円を給付する「住民税非課税世帯等生活支援給付金」に係る事務費1億6,000万円の補正予算を市長専決処分するとともに,直ちにその他の補正予算の編成に向けた査定に着手しました。
 
 今回お諮りしている補正予算では,住民税非課税世帯等への「生活支援給付金」に係る事業費約35億円を計上したほか,子育て世帯への支援や,厳しい経営環境に置かれている社会福祉施設等の事業者に加え,農業者等の事業継続を支援するための経費を中心に,本年6月補正に引き続き,幅広い分野への支援策を取りまとめましたので,主なものを申し上げます。
 
 まず,子育て世帯への支援では,市立及び民営保育所,認定こども園などに通う児童の保育料や,市立小中学校等の給食費や保育所等の副食費などについて,2か月間免除することとし,4億1,000万円余りで子育て世帯の負担を軽減することといたしました。
 
 また,物価高騰の影響を受けた子育て世帯への支援に加え,本市の地域公共交通を担うとさでん交通などへの支援として,本市にお住まいの中学生以上の生徒・学生を対象に,路面電車・路線バスの通学定期券が半額で購入できる「電車・バス 通学定期券“半額”キャンペーン」を実施する経費を補助し,子育て世帯の通学に係る負担の軽減と,公共交通の利用促進を図ります。
 
 光熱費等のコストが増大し,経営環境の悪化が懸念されている医療施設や介護施設等の社会福祉施設を運営する事業者の皆様に対する支援では,県が行う支援策と歩調を合わせながら支援を行うこととし,これらの施設に対して,2億7,000万円余りを給付することといたしました。
 
 次に,中小企業への支援では,令和3年度から4年度にかけて実施し,大変好評でした,生産性を向上させる先端設備等を導入する経費を補助する「中小企業等生産性向上設備導入支援事業費補助金」について,今回,従業員への賃上げ表明を新たに要件に加えて,改めて実施することとし,事業者の皆様の生産性向上等に向けた支援を行います。
 
 これらの負担軽減策等につきましては,本市に配分される予定の「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」を最大限活用し,総額で44億円余りを予算計上し,物価高騰で苦しんでおられる子育て世帯の皆様や事業者の方々への支援として実施してまいります。
 
4 本市の財政見通し
 
 次に,本市の財政見通しについて申し上げます。
 
 本年度の普通交付税につきましては,7月に決定された国の算定結果及び今月行われた再算定の結果,臨時財政対策債との合計で当初予算の計上額を19億円余り上回ったものの,最終的に今年度の年間収支の均衡を保つためには,財政調整基金や減債基金の取り崩しが避けられない見込みとなっています。
 
 予算の編成時における財源不足を補てんするための両基金の今年度末残高見込みにつきましては,約45億円程度にまで復元いたしましたが,今後見込まれる補正予算に活用した上で,令和6年度当初予算の財源調整を行うには不十分であることに加え,税収をはじめとする一般財源については,エネルギー価格高や物価高騰によるコスト増大に伴う企業収益の圧迫などの影響に左右される可能性がありますので,今後の歳入見通しが立ちにくく,不安定な状況が続きます。
 
 来年度当初予算の編成におきましても今年度と同様に,多額の基金を繰り入れしなければ収支の均衡が図れない厳しい状況が想定されますことから,今後発表される国の地方財政対策等の内容を慎重に精査しながら,市税をはじめとする一般財源総額を的確に見込んだ上で,ふるさと納税の推進やクラウドファンディングの活用などによる歳入の確保,既存事業のスクラップや見直しによる歳出の削減などの財政健全化に向けた取組を徹底し,事業の優先順位付けを厳格に行い,県市一体となって県都高知市の新しいまちづくりを進めるため,選挙公約で掲げた5つのまちづくりビジョンにおける10の基本政策と150の施策の実現に向けて,積極的に施策展開をするための予算編成を進めてまいります。
 
5 観光振興
 
 次に,観光振興の取組について申し上げます。
 
 現在,高知観光は連続テレビ小説「らんまん」や桂浜公園のリニューアルオープンなどの効果もあり,桂浜公園の来園者数は,コロナ禍前の令和元年度比で約120パーセントの入込みとなるなど,県内外から大勢の皆様に訪れていただいており,県の報告によると,令和5年度の県外観光客入込数は,目標である460万人を超え,過去最高を更新する見込みとなっています。
 「らんまん」は9月末に放送終了となりましたが,その盛り上がりが冷めやらぬ中,高知県出身の漫画家やなせたかしさんと妻の暢さんがモデルとなる連続テレビ小説「あんぱん」が,令和7年春に放送されることが決定しました。
 再び訪れたドラマ放送という絶好の好機を活かし,高知の豊かな食や自然,歴史,よさこいなどの多彩な魅力の発信をなお一層強化し,まごころこもったおもてなしで,観光客の皆様をお迎えしたいと考えています。
周遊拠点都市である本市におきましても,ドラマの舞台になると思われる香美市や南国市など関係自治体とともに,県内全域の観光需要が増加するよう,高知県等とも連携しながら積極的に取り組んでまいります。
 
 次に,特撮映画を活用した観光振興について申し上げます。
 
 令和4年度に着任し,長浜・御畳瀬・浦戸地域の活性化等にご尽力いただいております「地域おこし協力隊員」がきっかけとなり,スーパー戦隊シリーズである「特捜戦隊デカレンジャー」20周年記念作の高知ロケが実現しました。
 本市では,映画公開に関する10月18日の情報解禁を受けまして,映画の力を活用して高知観光を盛り上げるために,今月20日まで自治体クラウドファンディングを実施しています。
 多くのデカレンジャーファンや,プロジェクトに賛同いただいた皆様からのご寄附は,当初の目標である300万円を大きく上回り,昨日の時点で1,400万円余りとなっており,現在,ファイナルゴールを1,800万円に設定し,引き続きご協力をお願いしているところです。
 お寄せいただきましたご寄附は,映画制作に対する補助やロケ地巡りの受入環境を整備する経費などに活用することとしており,映画の公開予定である令和6年の初夏に合わせ,本市の観光PRを積極的に推進してまいります。
 
 次に,プロ野球秋季キャンプについて申し上げます。
 
 本市では,先月,オリックス・バファローズ及び埼玉西武ライオンズの2球団に秋季キャンプを実施していただきました。
 このうち,オリックス・バファローズは,2位に15.5ゲームの大差をつけ,パシフィック・リーグ3連覇を果たした後,連覇を目指した日本シリーズでは,セントラル・リーグを制した阪神タイガースとの59年ぶりとなる関西対決に臨みました。
 残念ながら日本シリーズの連覇は逃しましたが,最終戦までもつれた連日の好ゲームに,日本中が大いに盛り上がりました。
 先月7日からは,オリックス・バファローズの秋季キャンプが東部総合運動場で行われ,日本シリーズでも活躍した宮城大弥選手などの投手陣をはじめ,紅林弘太郎選手など多くの若手有望選手が参加をし,期間中は平日でも朝早くから県内外の多くのファンが球場を訪れ,週末には臨時駐車場が満車となるなど,過去最多となる約3,800人のファンで大変な賑わいとなりました。
 本市では,観光インスタグラムを活用したプレゼントキャンペーンや,周辺の観光案内を行うなど,来場者の満足度向上に努めたところであり,今後とも,プロ野球キャンプをはじめとするスポーツツーリズムを通じ,高知ファンの獲得や観光消費額の増加を目指してまいります。
 
 次に,冬の観光イベント「クリスマスマーケット」の開催について申し上げます。
 
 クリスマスマーケットは,冬の観光閑散期における誘客の促進や,まちの賑わい創出という課題解決に向け,昨年,初開催したイベントです。
 本年度は,より魅力的なイベントとして継続して開催を目指していくために,本市や中心商店街,地元報道機関の皆様とともに立ち上げた実行委員会を主催者としまして,12月15日から25日までの11日間,中央公園にて開催いたします。
 イベントの会場内には,高さ約10メートルのイルミネーションタワーを設置し,ヨーロッパの山小屋をイメージした出店ブースには,地元食材をクリスマス風にアレンジしたご当地グルメや雑貨が並ぶほか,ステージでは地元出身アーティスト等による歌や踊りが披露されるなど,イルミネーションの光に包まれた中で,高知ならではのクリスマスを楽しんでいただけます。
 昨年の開催期間中には,記録的な大雪の日もありましたが,5万人以上の皆様にご来場いただき,年代別の来場者では高校生やカップルなど10代から20代までの世代が約4割を占めるなど,若い世代にも楽しんでいただける貴重なイベントとなりました。
 中心市街地の活性化やナイトタイムエコノミーにも効果が高い本市の冬の観光の目玉として,実行委員会を中心とした関係者の皆様とともに冬の観光誘客を促進してまいります。
 
6 動物愛護センターの整備
 
 次に,動物愛護センターの整備について申し上げます。
 
 動物愛護に係る施設といたしまして,現在,県と共同で高知県中央小動物管理センターを運営しておりますが,同センターは昭和56年に設置され老朽化が進んでいることや,現在の施設は土地が狭隘であり動物愛護の機能追加が困難であることから,今後,動物愛護行政を推進・強化していくためには,動物愛護センターを新しく整備する必要があります。
 
 平成28年度の県市連携会議におきまして,動物愛護センターの県市共同設置に向けて検討することに合意し,平成30年4月には「こうち動物愛護センター(仮称)基本構想」が策定されました。
 その後,基本構想の「整備の基本的条件」に基づき整備候補地を検討しましたが,なかなか適地が見いだせず苦慮しておりました。
 今年度に入りまして,県有地である高須浄化センター敷地内に余剰地が発生し,県との検討を重ね,同敷地の一部を新たな候補地として,より詳細な検討を進めることとしたところです。
 
 今後設置する動物愛護センターは,基本構想におきまして,動物の適正飼養・終生飼養の啓発の拠点,収容動物の譲渡推進の拠点,獣医師会やボランティア等多様な主体との連携・協働の拠点,動物由来感染症対策推進の拠点,災害時動物救護対策の拠点などの役割を担うこととしております。
 また,動物愛護センターの整備につきましては,測量,設計,工事などに少なくとも3年程度の期間を要する見込みであることに加えまして,現在の高知県中央小動物管理センター運営のスムーズな移行等も勘案し,令和9年度の開設を目指すこととしており,同年度の開設のためには,今年度から測量等に着手する必要がありますことから,県と協調し今議会に補正予算をお諮りしております。
 
7 補正予算・予算外議案
 
 以下,議案についてご説明を申し上げます。
 今回提出いたしました議案は,予算議案12件,条例議案18件,その他議案11件です。
 
 まず,今回の補正予算は,工事期間中の給食の提供が課題となっている小学校6校の給食棟の耐震補強工事に向けまして,工事期間中の給食提供を可能にするため,旧御畳瀬小学校給食棟を改修する費用や,県と共同で整備を行う動物愛護センターについて,県が行います測量や造成計画を策定する費用に対する負担金などの予算を計上しています。
 また,人件費補正では,新陳代謝や人事院勧告に伴う給与改定などにより,全会計で8千万円余り予算を減額することとしております。
 加えて,先に申し上げました国の令和5年度補正予算に伴う総合経済対策に関連し,子育て世帯の皆様や事業者の方々などを支援する予算のほか,公共事業の前倒し補正として,春野漁港施設機能強化事業などを計上しています。
 
 以上,申し上げました内容によりまして,提案しております今回の補正規模は,
  一般会計 66億6,400万円の増額
  特別会計 5億1,884万4千円の増額
  水道事業会計 5億6,000万円の増額
であり,補正後の予算規模は全会計の純計で2,832億5,493万円となり,この補正予算の財源として,特定財源では国庫支出金や市債等を充当し,一般財源では地方交付税等を充当いたしました。
 
 次に,予算外議案について申し上げます。
 条例議案は,給与改定や法令の改正に伴うものなど18件です。
 
 このうち,市第111号高知市長等の給与,旅費等に関する条例の一部を改正する条例議案は,本市の厳しい財政状況に鑑みまして,令和6年1月1日から同年3月31日までの間,市長等の給料月額を市長にあっては10パーセント,副市長,教育長及び上下水道事業管理者にあっては5パーセントの減額を行うものです。
 
 その他議案は,今議会に提出しております「住民税非課税世帯等生活支援給付金」の支給に向けた体制整備を速やかに進めるため,対象世帯の抽出業務や通知文書の印刷・封緘業務等の事務費に係る補正予算を今月1日付けで市長専決処分しましたので,市議会のご承認を求める議案や,指定管理者の指定に関する議案など11件です。
 
 報告1件につきましては,いずれも法令所定の手続によりご報告するものです。
 
 以上,提出をいたしました議案について,概要の説明を申し上げましたが,よろしくご審議の上,適切なご決定をお願いいたします。