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第501回高知市議会定例会市長説明要旨(令和6年6月13日)

第501回高知市議会定例会市長説明要旨

 

令和6年6月13日

 

 第501回高知市議会定例会にご出席をいただき,まことにありがとうございます。


 議案の説明に先立ち,当面する市政課題に関連して,ご報告と考え方を申し上げ,ご理解を賜りたいと存じます。


1 人口減少対策


 まず,人口減少対策について申し上げます。


 今月5日に厚生労働省から公表された人口動態統計では,令和5年の年間出生数が72万7,277人で,前年より4万3,482人減少し,過去最少となりました。


 特に,高知県は,令和5年の出生数が3,380人と過去最少で,47都道府県中46番目という大変厳しい状況となり,浜田高知県知事は,「この傾向が続けば,将来にわたって県の活力が失われかねないと大変強い危機感を持っている」とのコメントを発表しました。


 人口減少対策につきましては,本年度,県による新たな支援制度として,「人口減少対策総合交付金」が創設され,本市には,人口などにより配分される「基本配分型」で年間約7,500万円,手挙げ方式の「連携加算型」では,令和6年度から9年度までの4年間合計で1億円程度が配分される見込みであり,本市の当初予算では,「基本配分型」の約7,500万円について,本年10月から中学生までに拡充する子ども医療費の無償化などの財源としています。


 また,「連携加算型」の交付に当たっては,今後県内で毎年2,400人ずつ減り続けると予測される34歳以下の人口を,10年間で令和4年の水準に戻すための事業計画の作成が市町村単位で義務付けられるとともに,県が部局横断的に取り組む事業とも連携し,相乗効果を発揮することが求められていることから,本市では,先月2日に総務部とこども未来部の副部長を中心に,全庁各部局の課長級からなるプロジェクトチームを立ち上げ,全庁体制による交付金活用方法の検討を始めたところです。


 人口減少対策は,本市にとりましても喫緊の最重要課題の一つであり,現在も様々な取組を進めていますが,それらの取組と合わせて,本プロジェクトチームが主体となり,高知県地域本部のサポートもいただきながら,実効性のある事業の創設や既存事業の拡充に向けた検討を進め,本交付金の活用について,9月議会での予算化を目指し,スピード感を持って鋭意取り組んでまいります。

 


2 定額減税及び低所得者支援・定額減税補足給付金


 次に,定額減税及び低所得者支援・定額減税補足給付金について申し上げます。


 昨年11月2日に閣議決定された「デフレ完全脱却のための総合経済対策」に基づき,今月から,定額減税として,原則,納税者及び配偶者を含めた扶養親族一人につき,個人住民税1万円,所得税3万円,合わせて4万円の減税が実施されることとなります。


 このうち,本市で実施する個人住民税の減税につきましては,毎月の給与から天引きする特別徴収の皆様には,6月給与からは差し引かず,減税後の年税額を7月から翌年5月までの11か月で均等に納めていただくことになり,納税通知書を5月中旬に事業者へ発送しています。


 個人事業主をはじめとする普通徴収の皆様には,年4回の納期のうち,第1期分の6月から順次減税を行うほか,年金から天引きする年金特徴の皆様は,10月に支払われる年金から順次減税することとなり,納税通知書を今月10日に発送しました。


 また,所得税は,今月1日以降の給与や年金の支給時に順次減税が行われるほか,個人事業主の方は,予定納税や確定申告の機会に減税が実施されることとなります。


 一方で,減税額が控除しきれない方々につきましては,定額減税補足給付金を支給することとなり,低所得者支援の給付金と併せて,7月中の支給開始を目指して準備を進めています。


 なお,これらの定額減税や給付金につきましては,制度が複雑で多くのご相談が見込まれることから,今月10日に,ワンストップによる専用の相談・申請サポート窓口を本庁舎2階に設置しました。


 引き続き,市民の皆様に寄り添った丁寧な対応に努めてまいります。

 


3 南海トラフ地震対策


 次に,南海トラフ地震対策について申し上げます。


 本年元日に発生した能登半島地震に続き,4月17日には,豊後水道を震源とする地震が発生し,宿毛市で震度6弱,高知市内では震度3が観測されました。


 高知県内で震度6弱以上の揺れが観測されたのは,現在の震度階級が導入された平成8年以降初めてであり,宿毛市に負傷者や建物損壊など,人的・物的両面で大きな被害をもたらしました。


 本市では,この地震発生を受け,翌朝には,上下水道局が応急給水車を宿毛市へ派遣するなど,県とも連携しながら災害対応に当たりました。


 相次ぐ地震発生を受けて,引き続き,来るべき南海トラフ地震への対策を加速させていく必要があると,改めて強く決意をしたところです。


 さて,広域かつ甚大な被害を受けた東日本大震災では,多数の自治体職員が被災する中,応急復旧などの膨大な業務に追われたことや,被災後の土地利用といった従来の制度や仕組みだけでは十分に対応できない事態の発生により,復興事業の着手までに長期間を要するなど,多くの課題や教訓が示されました。


 本市では,この教訓を生かし,迅速かつ円滑な復旧・復興を図るため,昨年度から,被災後のまちづくりの復興方針や,復興に向けた組織体制に関することなど,復興手順等の指針となる「高知市復興基本方針」の策定を進めています。


 また,復興に当たっては,各地域における事前復興計画が重要となりますので,5月28日に高知県が公表した「事前復興まちづくり計画のための津波シミュレーション結果」を基に,8地区を対象地区として選定し,本年度は,このうち2地区について,被災状況の分析や土地利用の可能性,復興に向けた課題等を抽出し,様々な復興パターンの検討を進めてまいります。


 なお,この度県が公表した津波シミュレーション結果は,三重防護事業等の整備効果を考慮することで,土地の利用方法等を幅広く検討することが可能となるため,地域の営みを守り継続していくために取り組む事前復興まちづくり計画のための参考資料の一つとして作成されたものです。


 津波から命を守り,避難するためのハザードマップとは異なりますので,津波の浸水予測や避難計画等を検討する場合につきましては,引き続き平成 24 年 12 月に県が公表した津波浸水想定を活用することとしています。


 来年度は,各地区でのワークショップの開催も予定しており,住民の皆様のご意見も伺いながら,「地区別事前復興まちづくり計画」の策定に向けて全力で取り組んでまいります。

 


4 観光振興


 次に,観光振興の取組について申し上げます。


 まず,ゴールデンウィーク中の観光客入込状況について,高知県観光コンベンション協会が発表した,4月27日から5月6日の10日間における県内の主要観光施設44施設の入込客数は約21万5千人で,3日間の平日を挟んだことや,序盤や最終日の悪天候が影響したことなどにより,昨年比約91パーセントとなりました。
一方,台湾からの団体観光客を受け入れた龍馬の生まれたまち記念館は,前年比115パーセントとなるなど,台湾からのチャーター便就航の効果もあり,昨年のいわゆる「らんまん効果」の反動を心配していましたが,その影響は限定的であったと考えています。


 来年は「あんぱん」の放送も予定されていますので,関係機関と連携を図りながら,さらなる誘客推進に取り組んでまいります。


 また,本市の地域おこし協力隊員として活躍いただいている吉田(よしだ)友一(ともかず)さんのご縁により,高知ロケが実現した「特捜戦隊デカレンジャー」の20周年記念作の劇場公開が今月7日から始まっています。


 この機会を捉え,映画の力を本市の観光振興・活性化につなげたいと考え,昨年10月から12月の期間で,自治体クラウドファンディングを実施したところ,目標額を大きく上回る2千万円を超えるご寄附をいただきました。


 本市では,この寄附金を活用し,今月1日から,歴代シリーズでも類を見ないスーパー戦隊と自治体とのコラボキャンペーン「高知市×デカレンジャーコラボキャンペーン」をスタートさせており,キャンペーン初日となった今月1日のラッピング路面電車の出発式には,県内外から多くのファンが訪れ,大いに盛り上がりました。


 加えて,さらなる機運の醸成に向け,帯屋町アーケードに,大型フラフとフラッグを掲出したほか,周遊企画として,ロケ地巡りのデジタルスタンプラリーを実施しており,デカレンジャーファンのみならず,ご家族連れの方など,多くの皆様に楽しんでいただける企画となっています。


 今回のキャンペーンを通じ,本市の魅力を発信することにより,新たな高知ファンの獲得を進めてまいります。

 


5 国民宿舎桂浜荘の利活用


 次に,国民宿舎桂浜荘の利活用について申し上げます。


 桂浜荘は,平成7年に全面改築を行ってから約29年が経過し,外装・内装のほか,設備も老朽化が進んでいますが,雄大な太平洋や,本浜を見渡せる絶好のロケーションに立地しており,本市の観光振興において,ポテンシャルの高い施設だと認識しています。


 新型コロナウイルス感染症の影響により,令和3年9月末をもって休館しており,施設の再開に向けて,令和4年度から5年度にかけて,劣化度調査や民間事業者へのサウンディング型市場調査などを実施し,その手法について検討を重ねてまいりました。


 施設の劣化度調査では,施設を再開し,維持していくために今後20年間に必要となる改修・更新費用として,概算で11億2千万円が見込まれるとされ,またサウンディング型市場調査では,事業期間や整備手法,リノベーション等に多額の投資が必要となることや参入へのリスクなどについて,事業者の皆様からご意見をいただいています。


 これらの調査結果を踏まえ,本年3月定例会の経済文教常任委員会では,施設の売却も含めた5つの選択肢の中から,施設の所有権を行政が有したまま,施設のリノベーションや管理運営を民間事業者が担い,その収益の一部を桂浜公園内の施設整備に還元することにより,管理許可期間を20年間確保することができる「Park-PFI」を活用することが最適であることをご報告させていただいたところです。


 本議会でお諮りする高知市都市公園条例の一部を改正する条例議案は,「Park-PFI」を導入するに当たり,国の「Park-PFI活用ガイドライン」上で必要と定められている施設使用料の最低額の設定と,施設を管理する者を選定する委員会の設置について条例に規定するものです。


 今回の条例改正において,これまで定めのなかった使用料の最低額を設定しておりますが,公募に際しての指針でお示しする使用料の下限額やその他施設から生じる収益の還元方策については,今後実施します「事業化検討マーケットサウンディング」において,民間事業者の参入意向等を慎重に確認しながら決定することとしており,施設の価値を本市にとって最大限に生かすよう努めてまいります。

 


6 オーテピア西敷地整備事業


 次に,オーテピア西敷地整備事業について申し上げます。


 オーテピア西敷地につきましては,平成23年2月に,「中心市街地活性化基本計画検討委員会」に,専門部会として「追手前小学校西敷地土地利用検討部会」を立ち上げて以降,長年にわたりその利活用について検討を重ねてまいりました。


 また,昨年の市長選挙を通じて, 様々なご意見をいただいたところであり, 前市長の下での新たな基本方針策定に向けたスケジュール等は, 一旦白紙としましたが,新たな利活用の方針が無い中で,ロープが張られた砂利敷きの現状からの打開を目指し,本格的な利活用をするまでの当面の間,多目的に利用できる「おまち多目的広場」として整備したいとの思いから,今回,カラーアスファルトによる舗装費用等の補正予算を計上させていただきました。


 当面の間の利用に当たっては,イベント開催等で中心市街地に賑わいを創出するとともに,多くの市民の皆様が憩いくつろげるスペースとなるよう,利用条件の見直しなどによる利便性の向上や,市民が憩うことのできるパラソルやベンチの配置,また,安心して利用いただくための防犯対策など,6つのコンセプトにより整備することとしており,市民の皆様に愛される広場となるようクラウドファンディングやネーミングライツの実施も予定しています。


 今回の整備は,当面の間の利活用に向けた第1のステップであると考えており,整備後は,第2のステップとして,市民の皆様の利活用状況を把握しながら,にぎわい創出に向けた取組を進めることとしています。
また,将来的には,第3のステップとして,今回,ご提案した広場以外での利活用についても検討する必要があると考えていますので,その際には,民間活力を最大限生かすための官民連携の手法や高度利用の可能性のほか,子育て支援機能や広場機能など,公的機能の導入も念頭に,都市計画やまちづくり,財産有効活用の観点を踏まえ,全庁的に検討することとしています。 

 


7 財政構造改革


 次に,財政の健全化に向けた財政構造改革について申し上げます。


 扶助費の増加や公債費負担の高止まりなどにより,財政構造の硬直化が進む本市では,昨年度に「高知市財政健全化プラン(2023年度版)」を策定し,財政健全化に向けた取組を進めていますが,同プランでは,令和5年度から令和7年度までの3か年で94億円の収支不足が見込まれ,厳しい財政運営を余儀なくされています。


 一方で,本市では,少子化対策や南海トラフ地震への備えなど,喫緊の行政課題に対応するとともに,物価高騰など,変化の激しい社会情勢の中で,その時々に応じた効果的な施策を推進することが求められており,そのためには,柔軟な予算編成を行うことができる財政構造への転換が必要だと考えています。


 このため,本年度は,専門家や学識経験者などで構成する「高知市財政問題懇話会」を設置し,本市の行財政について,それぞれの知見からご意見をいただくこととしており,今月7日には,第1回目を開催し,現状の財政状況等について説明をしまして,様々なご意見を賜ったところです。


 今後は,中核市への照会結果を基に,より深く分析した本市の財政状況等について,8月上旬に開催する第2回目で報告するなど,年度内に5回程度開催し,抜本的な財政構造改革に向けて,幅広くご意見をいただくこととしています。


 本懇話会が,活発な意見交換の場となるよう努めるとともに,いただきました貴重なご意見を庁内で共有し,全庁を挙げて,財政構造改革に取り組んでまいります。

 


8 税外収入の確保


 次に,税外収入の確保について申し上げます。


 まず,昨年度の本市のふるさと納税の寄附額は,過去最高の8億4,600万円余りとなりました。


 さらに,本市では,ふるさと納税の取組を強化するため,本年4月に「ふるさと納税推進室」を新設するとともに,公募型プロポーザルにより「ふるさと納税推進支援業務」の委託事業者を選定することとしています。


 この業務は,委託事業者が,魅力的な返礼品の開発や,主要なふるさと納税ポータルサイトへの返礼品情報の掲載,効果的なプロモーションの実施など,ふるさと納税事業を推進するに当たり,寄附者の皆様,返礼品提供事業者の皆様,ふるさと納税ポータルサイト,そして本市をつなぐ「中間委託事業者」として,重要な役割を果たすものであるため,民間活力による幅広い提案を受けた上で,庁外の有識者を加えた選定委員会で選定することとしています。


 来月上旬には,この選定委員会で業者を選定し,10月からは新たな中間委託事業者とともに,本市のふるさと納税事業をさらに魅力的なものとすることで,本年度の目標額の10億円の寄附を目指してまいります。


 次に,公共施設の維持管理等に係る財源の確保と,企業のPRや社会貢献活動の機会の確保を目的として導入するネーミングライツにつきましては,スポーツ施設や文化施設,公園など34の施設等を対象として,命名権者となる「ネーミングライツパートナー」の募集を今月3日から開始しました。


 本年5月10日の定例記者会見で発表して以来,市内外を問わず反響が大きく,私にも多くのお問い合わせをいただいており,ご期待に応えるため,各施設の内容やセールスポイントなどをより広く伝える取組として,全34施設分の紹介動画を作成し,市のホームページ及び公式YouTubeチャンネルで公開しています。


 ネーミングライツパートナーへの申込は7月末まで受け付け,選定委員会での審査を行ったうえ,8月中にはパートナーと契約し,10月からの愛称使用の開始を目指します。


 このネーミングライツの取組は,厳しい財政状況が続く中,税外収入の確保策として実施すると同時に,民間事業者にとりましては,自社のPRを社会貢献活動の一環として行っていただける官民一体の取組です。


 この取組を通じて,より多くの事業者の皆様に,本市のまちづくりに興味を持っていただき,さらなる官民一体による活力あるまちづくりにつなげてまいりたいと考えています。


 なお,パートナーと契約した施設につきましては,新たな愛称が付与されることとなりますが,条例上の正式名称に変更はありませんので,愛称に親しみを持って接していただきますようお願い申し上げます。

 

 

9 庁内横断的な取組の推進


 次に,庁内横断的な取組の推進について申し上げます。


 本市では,現在の多様化する市民ニーズに対応するとともに,より効果的・効率的な市政運営を行うため,必要に応じて,プロジェクトチームを設置するなど,庁内横断的な取組を行っており,先に申し上げました人口減少対策に関する事業の創設や既存事業の拡充策等を検討する「人口減少対策プロジェクトチーム」もその一つです。


 また,本市の情報発信の拠点である公式ホームページは,平成30年度以降,大幅な改修を行っておらず,定期的な情報の整理や時代に合わせたアップデート,モバイル対応に重点を置いたサイト設計などの必要性が生じていることから,第3期高知市広聴広報戦略プランに基づき,今年度からリニューアルに向けた検討を行っています。


 リニューアルに当たっては,庁内に検討のためのプロジェクトチームを設置し,主要なデバイスに対応したサイト設計や市民が見やすい・探しやすいホームページの構築,DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進の3つの方向性により,庁内横断的に検討した上で,令和8年度の運用開始を目指しています。

 

 さらに,少子高齢化の進展や生産年齢人口の減少をはじめ,大規模災害や感染症などの新たなリスクの顕在化,デジタル社会の進展等により地方公共団体を取り巻く状況が大きく変化する中,若年労働力の絶対量が不足し,経営資源が大きく制約されることが想定されています。


 こうした状況の中,安定的かつ効率的に行政サービスを提供するためには,組織全体でDXを推進し,業務改革を行い,業務量削減と生産性向上を両立させることが必要ですので,先月,すべての部署にDX推進員を配置し,庁内横断的に取組を進めることとしています。


 このように,今後も一つの部署での解決が難しい課題への対応や全庁を挙げて推進する必要のある施策等について,職員の業務量とのバランスを図りながら,適宜,庁内横断的に取り組むことで,より効果的・効率的な市政運営に努めてまいります。

 


10 令和5年度の決算見込み


 次に,令和5年度の決算見込みについてご報告申し上げます。


 一般会計では,歳入において,法人市民税や地方消費税交付金などが減少した一方で,固定資産税や特別交付税が想定以上の収入となるとともに,減収補てん債を活用したこと,歳出では,生活保護・保育などの扶助費や情報システムの調達経費等が減少したほか,昨年度に引き続き,生活保護費負担金等,国費や県費の超過受入れが約11億円と多額になったことなどにより,財政調整基金や減債基金を取り崩すことなく,黒字を確保できる見込みです。


 なお,この超過受入れの約11億円につきましては,本年度に国や県に返還することとなり,繰越金だけではなく,財政調整基金を取り崩す必要があるなど,依然として厳しい財政状況に変わりはありませんので,引き続き慎重な財政運営に留意してまいります。


 特別会計では収益事業において,インターネットを活用したポータルサイトの利用増加等に伴い車券売上が伸びたことなどにより,約5千万円を後年度の施設整備のため基金に積み立てた上で,13年連続の単年度黒字を確保した結果,累積赤字額は35億円余りにまで圧縮できる見込みです。


 企業会計のうち,水道事業では,送水幹線二重化事業などの大型事業が完成し,減価償却の開始による費用の増加などにより,純利益は9億1,800万円余りとなり,前年度より1億3,500万円余りの減少となりました。


 また,公共下水道事業では,8億9,900万円余りの純利益となり,うち受益者負担を原則とする汚水事業では,人口減少が進む中ではありますが,普及促進の取組などにより,3億1,700万円余りの純利益を確保することができ,累積赤字額も1億7,900万円余りへと減少しています。

 


11 補正予算・予算外議案


 以下,議案についてご説明を申し上げます。


 今回提出いたしました議案は,予算議案1件,条例議案10件,その他議案8件です。


 今回の補正予算は,本年度より定期接種となる新型コロナウイルスワクチンの接種費用を計上したほか,オーテピア西敷地の整備費用や新たな動物愛護センターの整備に向けた県への負担金,東消防署三里出張所の移転に係る建設予定地の造成工事費等を補正するものです。


 以上,申し上げました内容によりまして,提案しております今回の補正規模は,


一般会計 8億1,100万円の増額


であり,補正後の予算規模は,全会計の純計で2,819億5,356万5千円となり,補正財源として,市債等の特定財源のほか,一般財源では財政調整基金からの繰入金等を充当いたしました。


 次に,予算外議案について申し上げます。


 条例議案は,法令の改正に伴うものなど10件です。


 このうち,市第82号議案の高知市税条例の一部を改正する条例議案につきましては,大規模災害において減免事由に該当することが明らかであり,かつ,減免する必要があると認める場合に,職権による減免ができる規定を整備するものなどです。


 その他の議案は,高知市税条例の一部を改正する条例についての市長専決処分の承認議案や契約締結議案など8件です。


 このうち,市第91号議案の高知市税条例の一部を改正する条例についての市長専決処分の承認議案は,個人市民税の定額減税を行うものなどです。 


 市第92号議案の決算の認定議案につきましては,本年2月末をもって解散しました「高知県広域食肉センター事務組合」に関する事務を本市が承継していましたので,令和5年度の歳入歳出決算について認定を求めるものです。


 決算の概要につきましては,歳入総額9,644万1,937円,歳出総額が5,634万9,262円で,実質収支は4,009万2,675円となりました。


 なお,この4,009万2,675円は決算剰余金となり,構成市町村間の協議書に基づき,一旦本市が受け入れていますので,負担割合に応じた各構成市町村への返還金を補正予算に計上しております。


 報告9件につきましては,繰越計算書など,いずれも法令所定の手続によりご報告するものです。


 以上,提出をいたしました議案について,概要の説明を申し上げましたが,よろしくご審議の上,適切なご決定をお願いいたします。