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第444回高知市議会定例会市長説明要旨(平成26年6月13日)
第444回高知市議会定例会にご出席をいただき,まことにありがとうございます。
議案の説明に先立ち,当面する市政課題に関連して,ご報告と考え方を申し上げ,ご理解を賜りたいと存じます。
1 国政及び経済の動向
まず最初に,国政及び経済の動向について申し上げます。
去る6月9日に内閣府が発表しました本年1月から3月期の国内総生産の実質成長率(2次速報値)は,外需がマイナスとなったものの,消費税率引き上げ前の駆け込み需要等もあり,消費及び設備投資等の内需がプラスに寄与したことから,前期比1.6パーセント増,年率換算では6.7パーセント増となり,6四半期連続のプラス成長となりました。
一方,5月の月例経済報告では,設備投資の増加,企業収益や雇用情勢の改善がみられるものの,個人消費や生産が駆け込み需要の反動により,弱い動きとなっていることから「景気は,緩やかな回復基調が続いているが,消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動により,このところ弱い動きもみられる」とされています。
本県経済では,全国的な動きと同様に有効求人倍率が上昇し,本市の有効求人倍率は,本年3月末で0.98倍,前年同期比で0.16ポイント上回るなど緩やかな改善を続けておりますが,今月11日に発表された高知財務事務所の県内企業の景気予測調査では,4月から6月期の景況判断指数はマイナス20ポイントで,過去最高値であった前期の1月から3月期と比較しますと28.9ポイント悪化しており,落ち込み幅では平成16年の調査開始以来最大となっております。
その要因としては,「消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動による国内需要の減少」などが挙げられております。
なお,本年7月から9月の見通しでは,プラス7.1ポイントとなっており,上昇を予測する企業が多くなっておりますので,当面は,消費税率引き上げに伴う影響等について注視していく必要があります。
国においては,こうした経済状況の中,デフレ脱却と経済再生の実現に向けて,昨年12月に打ち出した「好循環実現のための経済対策」を含めた経済政策パッケージの着実な実行と,平成26年度予算の早期執行を図ることとしておりますので,本市としても地域経済の活性化につなげる各種施策を積極的に展開してまいります。
次に,TPP(環太平洋連携協定)の動向について申し上げます。
去る5月19日から2日間にわたって,シンガポールで行われましたTPP閣僚会議では,甘利担当大臣から,4月の安倍総理とオバマ大統領の協議を通じて日米の懸案の解決へ向けた道筋が特定されたことにより,参加12か国全体の合意に近づいたという認識が示され,今後,各国との二国間交渉をさらに加速させていく旨の発言があっております。
早速,5月29日と30日には,日米間で牛肉・豚肉や自動車等の重要課題に関する事務レベル協議が行われ,また,来月3日からは,カナダで交渉の山場となる首席交渉官会合が開かれる予定です。
牛肉・豚肉における日米交渉では,関税を大幅に引き下げる一方,輸入量が急増した場合には関税を引き上げる「緊急輸入制限(セーフガード)」と呼ばれる措置を設けることなどが議論されています。
今後,安い牛肉・豚肉が大量に輸入されますと,畜産農家が大打撃を受ける恐れが強いことから,セーフガードを発動する条件等について,徹底的に議論を尽くしていただく必要があると考えます。
また,TPP交渉の状況にかかわらず,農家の方々には,農業従事者の減少や高齢化に伴う耕作放棄地の増大,燃油価格の高騰など厳しい現状が続くことが想定されますので,地域農業発展のための施策をこれまで以上にきめ細かく講じていくことを政府に対し強く求めてまいります。
2 南海トラフ地震対策
次に,南海トラフ地震対策について申し上げます。
まず,国土強靭化の動きにつきましては,昨年12月に施行された「国土強靭化基本法」に基づき,国の各種計画等の指針となる「国土強靱化基本計画」と重要施策指標の目標値を示した「国土強靱化アクションプラン2014」が,去る6月3日に閣議決定されました。
これに併せて,本市が応募しておりました国土強靭化地域計画策定モデル事業の実施自治体として,本市を含む全国の15自治体が選定され,高知県と高知市が一体的に取り組むことが決定されました。
「国土強靭化地域計画」は,大規模自然災害等に対する「人命の保護」,「重要な機能の維持」,「被害の最小化」,「迅速な復旧復興」を基本目標として,起きてはならない最悪の事態を設定し,種別ごとの脆弱性の分析・評価を行い,緊急度に応じた対応施策の優先順位付けを明記するものであり,国土強靭化に関する本市の地域防災計画などの基本となるものです。
国土強靭化による地域づくりは,経済,社会活動を安全に営むことができる地域づくりを通じて経済の発展にも寄与するものであり,南海トラフ地震が30年以内に70パーセント程度の確率で必ず発生するといわれる現状を踏まえて,国の「国土強靱化地域計画策定ガイドライン」を基に,市長をトップとする本部組織を立ち上げ,市議会や有識者等の意見もお聞きしながら,本年度中の国土強靭化地域計画案の策定を目指してまいります。
次に,国の直轄事業による堤防改修事業について申し上げます。
南海トラフ地震対策として,国において推進している高知海岸堤防改修事業につきましては,平成24年度に完了しました春野町仁ノ工区約1.7キロメートルに続きまして,25年度には,戸原・長浜工区で地質調査や測量設計が行われております。
平成26年度は,戸原・長浜工区約6.5キロメートル区間において,国の事業費約83億円の予算化が図られましたので,順次,液状化に伴う堤体(ていたい)の地盤沈下対策を推進するとともに,さらに津波に対して粘り強い堤体とするための工事が実施されることとなります。
工事着手につきましては,6月下旬頃から地元説明会が順次行われる予定ですので,地域の皆様のご理解とご協力をいただきながら,迅速な工事着手が図られるよう本市としても積極的に取り組んでまいります。
また,浦戸湾口部の津波対策につきましては,現在,本市も参加しております「高知港における地震津波防護の対策検討会議」におきまして,高知新港の防波堤の補強,浦戸湾外縁部及び湾口部の防波堤・防潮堤の補強,浦戸湾内部護岸等の改良・補強という「三重防護」の考え方の下で,具体的な整備手法等について,さらに検討が進められているところです。
次に,津波避難対策等の取組状況について申し上げます。
昨年度までに津波浸水想定区域内の全31地区の皆様と協働で策定しました「地区別津波避難計画」に基づきまして,本年度,全31地区の「津波避難マップ」を作成し,対象となる全戸に配布を予定しており,現在は,全31地区のうち5か所をモデル地区として素案の作成に取り組んでいます。
また,津波避難困難地域における津波避難施設のうち,立地場所が決まっていなかった長浜川南岸地区につきましても,旧南海保育園の敷地内に津波避難タワーを設置することで地元合意が得られましたので,計画しております全11施設の早期完成に向けて,順次取組を進めてまいります。
平成26年度からの新たな取組であります中山間地域における防災計画の策定につきましては,4月23日に土佐山地域で,また,同25日には鏡地域の地区長会でご説明をさせていただき,今後は,自主防災組織を主体にして地域の皆様とともに計画策定に取り組んでいくこととなりました。
7月上旬に開催を予定しております第1回目の協議に向けて,現在準備作業を進めております。
次に,地域防災計画の修正につきましては,3月28日に内閣総理大臣より,「南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」に基づき,本市が「南海トラフ地震防災対策推進地域」及び「南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域」に指定されたことから,防災・減災対策に係る具体的な施策と実施目標を明記した推進計画として地域防災計画を修正します。
併せて,本年度を初年度とする5か年の津波避難対策の具体的な事業を定める津波避難対策緊急事業計画を本年度中に策定します。
次に,「女性の視点による南海地震対策検討委員会」について申し上げます。
同委員会は,平成24年3月に発足し,これまで女性の視点と生活者の視点から本市の防災対策のあり方を具体的に検討し,その成果を貴重な提言として取りまとめ,各関係機関からも高い評価をいただきましたが,本年3月末をもって任期が終了いたしました。
提言のありました95項目のうち72項目につきましては,既に地域防災計画に反映しておりますが,各種防災計画やマニュアル等にも,これらの提言を反映させていくためのアドバイスや検証を行うとともに,引き続き女性の視点による新たな提言等を行う組織が必要でありますことから,前委員会からの継続性を踏まえながら,全部局から様々な職種を有する15人を委嘱・任命し,5月1日に「女性の視点を防災対策にいかすためのフォローアップ委員会」として設置いたしました。
同委員会のメンバーは,本市の防災対策を検討する庁内組織等に委員やアドバイザー等として参画するとともに,関係機関や市民団体等が主催する各種防災会議や講演会等に参加して意見交換や講演を行うなど,引き続き本市防災対策の一翼を担っていただくことを期待しております。
3 新図書館等複合施設整備
次に,新図書館等複合施設整備事業について申し上げます。
本事業につきましては,県に事業委託して進めておりますが,昨年11月の建築主体工事の入札不落に伴い,再度積算見直しを行い,改めて入札手続を進めた結果,先月の開札で落札となりました。
今議会におきましては,建築主体工事の落札額の決定に伴いまして,県市間の新図書館等複合施設整備業務委託契約の契約額を変更する一部変更議案をお諮りしておりますので,よろしくお願いいたします。
また,電気・空調などの設備工事につきましては,今後,高知県におきまして,順次入札手続を進めていく予定となっております。
建築工事につきましては,本年7月から工事に着工し,平成28年8月頃の竣工を見込んでおり,その後,備品搬入や図書館等の引越しを行い,平成28年度中の開館を目指しております。
本事業は,県立図書館と市民図書館本館を一体的に整備する国内初の取組に加えて,点字図書館及びこども科学館(仮称)を併設することにより,全国有数の施設規模と総合的なサービスの展開を図っていくこととしており,全国からも注目され,期待もされています。
今後とも,議会をはじめ関係者の皆様方のご支援を賜りながら,県民市民のご期待に応えていけるように着実に事業を進めてまいります。
4 観光振興
次に,観光振興の取組について申し上げます。
平成25年の県外観光客の入込数は,本県全体で昨年比106パーセントの407万人と発表され,龍馬伝の放送があった平成22年以来,3年ぶりに400万人の大台に乗ることとなりました。
昨年は,よさこい祭り60回記念大会やねんりんピックの開催,また,映画「県庁おもてなし課」の放映などを追い風に,県や市町村が一体となって「リョーマの休日」観光キャンペーンを盛り上げた成果であると関係者の皆様に感謝しております。
今年のゴールデンウィークは,前半の休みが飛び石型であったことや雨天の影響などもあり,県内の主な観光施設の観光客入込数は,昨年との単純比較で14パーセント減となっております。
一方,50年に一度の秘仏本尊文殊大菩薩のご開帳が行われました竹林寺では,参拝者や観光客の方々など多くの人々で賑わいました。
また,先月18日には長浜若宮八幡宮におきまして,実行委員会の方々や地元の関係者の皆様のご尽力により,「第3回長宗我部まつり」が盛大に開催され,公募で選ばれました長宗我部元親公を先頭に地元の小学生達も参加した武者行列やよさこい演舞,うまいもの市などが催され,約8千人のお客様で賑わいました。
中でも,長宗我部元親公の嫡男である信親公が豊後(ぶんご)大友家の援軍として出陣し,戸次川(へつぎがわ)の激戦で戦死したゆかりの地,大分市からは豊後大友宗麟鉄砲隊や大分市職員など総勢約30人もの皆様が来高され,鉄砲隊の方々には戦国時代さながらの迫力ある火縄銃の演舞をご披露していただき,祭りを大いに盛り上げていただきましたことを感謝申し上げます。
さらに,今月15日には,2014FIFAワールドカップブラジル大会における日本代表チームの初戦となるコートジボワール戦のパブリックビューイングが,アディダスジャパンの主催により桂浜で開催されます。
前日には高知市内において,元日本代表選手などによるサッカー教室も予定されており,これらのパブリックビューイングイベントの話題性も活かしながら,桂浜をはじめとする本市の魅力をアピールし,さらなる観光客誘致につなげてまいります。
5 臨時福祉給付金・子育て世帯臨時特例給付金
次に,臨時福祉給付金及び子育て世帯臨時特例給付金の給付事業について申し上げます。
本年4月から消費税率が8パーセントに引き上げられたことに伴い,低所得者層の方々への影響緩和を目的に,「臨時福祉給付金」として市民税均等割非課税の方々を対象に1人当たり1万円が支給されますとともに,老齢基礎年金などの各種年金や児童扶養手当等を受給されている方々には,さらに5千円を加算して支給することとなっています。
給付金支給スケジュールとしては,今月10日に行いました市民税の課税決定に伴いまして,給付金の支給対象となる市民税均等割が非課税となる方々に,市民税が非課税となっている旨のお知らせと併せて,給付金申請手続のご案内通知を今月末から発送し,来月1日から12月26日までの間,支給対象となる方々の申請を受け付けまして,順次ご指定の口座へ給付金を振り込む予定となっています。
また,同様に子育て世帯への影響緩和と消費の下支えを目的に,「子育て世帯臨時特例給付金」として,児童手当受給者の方々に,対象児童1人当たり1万円を支給することとなっています。
「子育て世帯臨時特例給付金」の申請のご案内につきましても,「臨時福祉給付金」と同様,今月末に対象児童の保護者の方々に申請書等を送付し,来月1日から12月26日までの間,支給対象となる方々からの申請を受け付けまして,順次ご指定の口座へ振り込む予定となっています。
なお,両給付金の広報PRとして,「あかるいまち」6月号へ詳細な申請手続の掲載や,申請受付が始まります来月1日からは,テレビ,ラジオ及び新聞の各メディアを利用して広く周知を徹底するとともに,南別館7階に臨時受付窓口を開設するほか,保健福祉センターなど市内9か所の公共施設にも出張受付窓口を開設し,支給対象者の利便性の向上を図ることとしております。
さらに,両給付金の支給対象となっているにもかかわらず,申請をされていない市民の皆様に対しましては,9月中旬を目途に,申請手続の再勧奨通知を行い,申請漏れがないように対応するなど,給付事業の円滑な実施に向けて準備を進めてまいります。
6 中央地域の公共交通再構築
次に,中央地域の公共交通再構築の取組について申し上げます。
去る4月28日に開催されました第6回中央地域公共交通再構築検討会において,土佐電気鉄道株式会社及び高知県交通株式会社両社の厳しい財務状況が明らかになりましたので,路線バス事業を取り巻く環境を勘案し,中央地域において将来にわたり持続可能な公共交通を構築するため,私的整理による既存会社の特別清算を行い,会社分割により新会社の設立を目指す「公共交通再構築スキーム案」が示されました。
この再構築スキーム案では,事業者に対する経営責任と株主責任の明確化,取引金融機関に対しては約26億円から28億円の債権放棄を求めること,また,各自治体に対しては新会社設立に向けた総額10億円の出資割当を求めるものとなっています。
本市としましても,県民市民のための公共交通の重要性を考慮して,新会社に対する出資金支出による再構築スキーム案への参画が必要と判断するとともに,5月27日に開催された関係市町村への説明会におきまして,路面電車,路線バスを運行する関係12市町村のすべてから出資の意思決定が示されたところです。
スキーム案では,本市は利用状況に応じた人口割及び公共交通運行割に基づき,約3億5千万円という出資割当となっていますが,多くの県民市民の方々が利用する中央地域の公共交通を守るためには,本市としても出資する必要があるものと考えます。
今後のスケジュールにつきましては,7月中旬までに市議会における予算審議と議決をお願いする必要があり,6月27日における現2法人の株主総会の結果を見極めた上で,7月上旬に市議会臨時会の開催をお願いし,関連議案をお諮りしたいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。
取引金融機関におきましては,先月末に債権放棄に同意するとの報道がなされ,現事業者では株主総会に向けた準備が進められており,公共交通再構築スキームを実現するためには,事業主,取引金融機関,自治体それぞれが担うべき役割を確実に果たしていくことが重要です。
中央地域においては路線バス,路面電車合わせて年間約1千万人の皆様が利用している現状があり,将来にわたって持続可能な公共交通の仕組みづくりに向けて,本市もその役割を着実に果たしてまいりたいと考えます。
7 田辺島丸排水機場管理委託業務にかかる住民訴訟
次に,平成26年3月18日に住民監査請求が出されました「田辺島丸排水機場管理委託業務」について申し上げます。
去る5月9日に監査委員から,受託者が事業週報を作成していないにもかかわらず適正な検査を行うことなく,週報の作成に要する部分を含めて委託料を支払っていることが高知市に損害を与えていると判断し,損害の補填等について7月31日までに適切な措置を講じることを求める勧告が市長に対してなされております。
本市としましては,この勧告を重く受け止め,総務部が中心となり,具体的な請求内容を検討しておりますが,去る5月30日にオンブズマンから本件に関する住民訴訟が提起されました。
現時点で訴状がまだ届いておりませんので,訴状が届き次第,顧問弁護士等と協議しながら対応してまいります。
併せて,週報を職員が作成した行為が,刑法第156条に規定されている「虚偽公文書作成」に当たるとして,作成に関与した職員を刑事告発したとの報道もされています。
今後,監査委員の勧告等について適切な対応を行うとともに,二度とこういう事例が生じないように委託業務の一層の適正化を図ってまいります。
8 平成25年度決算見込み
次に,平成25年度の決算見込みについてご報告申し上げます。
一般会計では,地価の下落や設備投資の減少に伴い,固定資産税収入が落ち込むなど厳しい財政運営となりましたが,普通交付税等が一定確保されたことなどにより,収支の均衡を保つことができる見込みとなっています。
特別会計では,国民健康保険事業において,本年3月時点では基金や一般会計からの繰入を行ったとしても形式収支で赤字を見込んでおりましたが,それ以降,療養給付費負担金や国・県の調整交付金などが増額されたことに伴い,形式収支で黒字になる見込みとなっています。
また,収益事業においては記念競輪初日第11レースでの追走義務違反によって有力選手が失格となり,当該レースの発売金の全額返還が発生したことや,当該有力選手が出場停止になったことに伴い,売上金が予定を大きく下回り単年度収支の赤字を懸念しておりましたが,その後の車券発売金が増えたことなどにより,昨年度に引き続き収支の均衡を保つことができる見通しとなっています。
本年度においては,ミッドナイト競輪を新たに開催するなど魅力あるレース編成に取り組むとともに,さらなる収支改善に努めてまいります。
そのほか,国民宿舎運営事業においては,平成24年度からの利用料金制の導入や一般会計からの定額繰入により,単年度収支・運営収支ともに黒字となる見込みです。
企業会計では,水道事業で収益的収入が前年度より1.4パーセント,収益的支出が0.5パーセントの増加となり,純利益は前年度より6.2パーセント増の10億9千4百万円余りとなっております。
9 補正予算・予算外議案
以下,議案についてご説明を申し上げます。
今回提出いたしました議案は,予算議案2件,条例議案7件,その他議案7件です。
まず,今回の補正予算は,一般会計において土佐山小中一貫教育校への入学を検討している親子を対象とした地域体験ツアー等に要する経費,介護関連施設の整備や備品等の整備助成,子育て関連では,民間保育所や私立幼稚園における保護者の一日保育者体験や園内研修等の実施に対する助成,農業関連では人・農地プランに位置付けられた中心経営体が行うハウスの増設等に対する助成,森林資源を活かした循環型社会の形成に向け,農業事業者が行う木質資源利用ボイラーの整備に要する経費を助成することとしております。
特別会計では,母子及び寡婦福祉法の一部改正により新たに父子家庭が加わることに伴い,貸付資金管理システムの改修経費や新たに父子世帯への貸付金を増額補正するものです。
以上,申し上げました内容によりまして,提案しております今回の補正規模は,
一般会計 2億5,700万円
特別会計 2,556万6千円
のそれぞれ増額であり,補正後の予算規模は全会計の純計で2,617億5,435万1千円となり,この補正予算財源としては,主に国・県支出金等の特定財源を充当いたしました。
次に,予算外議案について申し上げます。
条例議案は,法令の改正に伴うものなど7件です。
このうち,市第86号議案は,平成26年度税制改正に伴い地方税法等の一部改正が行われたことにより,市税条例について所要の改正を行うものです。
主な改正内容は,昭和59年以来30年ぶりとなる軽自動車税の税率引き上げと経年重課税の新設を行うものです。
現在,本市のバイクについては,標準税率の1.2倍の超過税率をいただいておりますが,平成27年4月1日以降は,原動機付自転車を含む二輪車については,新たな標準税率に基づいて課税をお願いするものです。
また,三輪以上の軽自動車税については,平成27年4月1日以降に初めて車両番号の指定を受けるものから,改正後の新税率を適用することとしています。
併せて,車両番号の指定を受けた月から13年経過した翌年度からは,改正後の標準税率の約1.2倍の重課税が,平成28年4月1日以降から適用されることとなっております。
次に,市第87号議案から90号議案の4議案については,平成27年4月1日からの「子ども・子育て支援新制度」の運営に向けて,本年10月から認定こども園・幼稚園・保育所・小規模保育等の認可・確認事務などが開始されますので,今議会において条例の制定及び改正を行うものです。
その他の議案は旭保育園改築工事請負契約締結議案など7件です。
このうち,市第92号議案の旭保育園改築工事請負契約締結議案は,旭駅周辺の土地区画整理事業に併せ,老朽化した市立旭保育園園舎の改築工事について,2億2,829万4百円で契約を締結しようとするものです。
報告20件につきましては,繰越計算書など,いずれも法令所定の手続によりご報告するものです。
以上,提出をいたしました議案について,概要の説明を申し上げましたが,よろしくご審議の上,適切なご決定をお願いいたします。