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白煙防止装置を停止して焼却炉を運転します。
白煙防止装置とは景観対策として,蒸気を使って熱くした空気を排ガス中に吹き込み白煙を出にくくする装置です。
白煙とは排ガスに含まれる水分が煙突出口部分で冷やされ,細かな水滴となり白く見えるもので,見た目の印象以外に環境への影響はありません。
清掃工場では,今年1月4日から1月31日にかけて,試験的に白煙防止装置を停止して焼却炉を運転しました。
排ガス測定などを行い,住民の皆様からご意見をお聞きした結果,今年の冬季から白煙防止装置を停止することとしました。
より一層の熱エネルギーの有効活用と二酸化炭素排出量の削減を図っていきますので,市民の皆様のご理解とご協力をよろしくお願いします。
1 白煙が見られた状況について
白煙はおもに夜間や早朝に見られ,午前10時ごろから午後6時ごろにかけては,ほとんど確認されませんでした。
また,長時間続けて出ることはあまりなく,数分間出ては消えるという状況でした。
(白煙が出ている状況 平成25年1月11日撮影)
2 白煙防止装置を停止した時と過去5年間の排ガス測定結果の比較
(1) 測定機関 : 株式会社 東洋技研
(2) 測定日時 : 平成25年1月15日22時00分から平成25年1月16日2時00分
排ガス中の大気汚染物質濃度の測定結果は,全ての項目で平成19年から平成23年度の通常稼動時とほぼ同程度であり,自主管理基準値以下で法的排出基準値を大きく下回りました。
※硫黄酸化物の法的排出基準値は,K値(17.5)による計算値です。
3 白煙防止装置停止による売却電力量び温室効果ガス(二酸化炭素)排出削減量
約1ヶ月間停止した結果をもとに,今後白煙防止装置を停止して焼却炉を運転すると,以下のような効果を見込むことができます。
(※1)白煙防止装置に使っていた蒸気を発電にまわし,発生した電力を売却することができます。
(※2)白煙防止装置を運用するために使っていた電力をそのまま売却することができます。
白煙防止装置を停止することにより,年間1,000万円以上の売電金額が増収となります。
また,年間370tの温室効果ガス(二酸化炭素)排出の削減につながります。これは一般家庭で考えると約180世帯分の年間電力量に相当します。