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市長から職員の皆さんへ(年頭あいさつ)

 市民の皆さま、職員の皆さん、明けましておめでとうございます。

 本日が平成28年の仕事始めとなります。本年もよろしくお願いいたします。

 予算編成もこれから本格化してまいりますが、新年度の予算編成に向けまして、「にぎわいと暮らし安心のまちづくり」をめざして、5つの基本政策などについて議論を深め、重要施策に積極的に取り組んでまいります。

 本年も市議会のご理解を得ながら、職員の皆さんとともに、公約に掲げた事業を着実に推進したいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

災害に強いまちづくり

 まず、基本政策の1点目の「災害に強いまちづくり」です。

 南海トラフ地震対策では、これまで市政の最重要課題と位置付けて取り組んでまいりました。

 本年も市民の皆さまの「命と暮らしを守る」ことを第一に、(1)揺れから生命を守る (2)津波から生命を守る(3)地域の防災力を高める(4)守った生命をつなぐ―の4つを重点の柱として、県と連携を密にしながら、取り組みを推進します。

 整備を進めております津波避難センターおよび津波避難タワー11カ所につきましては、残っております4カ所の施設整備を着実に進め、本年3月末までに、すべての避難施設の工事を完了させるとともに、民間住宅の耐震化等をさらに促進してまいります。

 今後は、完成した避難施設等を使った避難訓練などの実施に向けて、自主防災組織を中心とした活動の活性化を支援してまいります。

 さらに、津波避難ビルの指定拡大を図りながら、今年度から5カ年計画で、津波避難ビルへの飲料水や指定避難所への食料、生活必需品などの備蓄に取り組むとともに、同じく今年度から進めております主要な避難場所である小学校・中学校の屋上へのヘリサインの整備については、平成29年度末の完成をめざします。

 長期浸水エリアにおいては、住民の皆さまの避難に関するアンケート調査を平成28年度中に行い、住民の皆さまの避難行動や一時避難施設の立地等についての検証も行い、今後の施策に反映してまいります。

 また、浦戸湾の地震・津波対策として重要な三重防護については、国交省の直轄事業の採択実現に向けて、継続的に強く国に要望してまいります。

 併せて、崖くずれ対策や拠点集落へのヘリポート整備など、中山間地域の防災対策も着実に進めてまいります。

安全で機能的なまちづくり

 次に、2点目は「安全で安心して暮らせる機能的なまちづくり」です。

 安全で良好な住環境の整備をめざす、下島町・中須賀町などの旭地区の土地区画整理事業につきましては、引き続き事業に必要な用地取得を進めるなど、事業の推進を図ります。

 また、消防署所再編計画の第2期として、(仮称)北消防署の建設に着手し、平成29年10月の開署をめざすとともに、筆山町市営住宅敷地に建設予定の(仮称)中央消防署につきましては、昨年末から基本構想の策定作業に入っており、来年度からは基本・実施設計を行う予定です。

 路線バスの運行が困難となっている春野地域でのデマンド型乗り合いタクシーの導入に関しては、今後、各町内会等を通じて地元のご意見等をお聞きしながら、地域の皆さまが利用しやすい公共交通の導入に取り組みます。

活力溢れるにぎわいのまちづくり

 次に、3点目は「活力溢れる、にぎわいのまちづくり」です。

 平成25年度から県と共同で整備を進めている製造業を対象とする(仮称)高知一宮団地につきましては、関係者のご理解をいただき、年度内に洪水調整池などの整備に着手し、平成28年度には残る用地取得とともに、団地造成工事に着手し、上下水道施設などの整備を順次進め、平成30年度の分譲開始をめざします。

 次に、観光振興では大型外国客船の寄港について、仮予約を含め、平成28年度は25回の寄港が予定されていますので、今後、外国人の観光客の方々が高知を訪れる機会が大幅に増えることとなり、観光施設へのWi-Fi環境の整備や観光ガイドブックの多言語化、翻訳アプリを使ったタブレットの活用など、外国人観光客に対するおもてなし力を向上させてまいります。

 また、平成29年は「大政奉還150年と龍馬没後150年」、平成30年は「明治維新150年」という節目の年となることから、こうした歴史に着目したキャンペーンやプロジェクト事業の実施について、県や関係都市とも連携し、準備を進めてまいります。

 次に、昭和42年の開館以来、多くの市民の皆さま方に親しまれてまいりました、現在の市民図書館本館は、新図書館等複合施設と市役所新庁舎の建設に伴い、昨年12月27日で閉館し、今月から3月までの3カ月間、また、点字図書館は3月の1カ月間、移転作業のため臨時休館となります。

 今年4月には、新図書館等複合施設建設敷地の西側の土地に、仮設図書館および仮設点字図書館を開館する予定であり、新図書館等複合施設の完成までの間、市民の皆さまにはご不便をおかけしますが、ご理解をいただき、活用していただきますようお願いいたします。

 また、プロ野球や大学・社会人チームのキャンプ誘致等のスポーツツーリズムの推進や、市民の生涯スポーツの普及促進をめざし、併せて災害時には緊急物資等の集積・荷捌き場としても機能する東部運動場多目的ドームについては、昨年12月までに、基本・実施設計を終え、今年4月からは建設工事に着手し、平成29年6月の完成をめざします。

暮らしをサポートするまちづくり

 次に、4点目は「すべての世代の暮らしをサポートするまちづくり」です。

 安心して子育てができる環境整備を進めるために、今年10月から、小学6年生までの全ての子どもさんの医療費を、所得制限なしで無償化する予定となっております。

 また、それぞれの世帯のライフサイクルに応じた切れ目のない子育て支援を進めるため、中心部における地域子育て支援センターの拠点施設を検討するとともに、保育所併設型の地域子育て支援センターの拡充や、多世代が集える場として、各小学校区ごとに1カ所以上の「集いの場」の設置をめざします。

 中学校給食については、針木および長浜の2カ所に、それぞれ3,000食規模の給食センターを整備する予定であり、今年10月までに基本・実施設計を完了させ、造成工事に着手し、平成30年度中の中学校給食完全実施をめざします。

 また、高齢者の皆さま方の健康づくりに向けて、昨年には、認知機能の維持・改善に向けた第3の体操「しゃきしゃき百歳体操」を開発し、これらの体操の普及・啓発を進めるとともに、認知症の方々への支援に取り組んでいきます。

 障がい福祉の支援については、四国で初めてとなります「手話言語条例」を、今年3月議会での制定に向けて準備を進めます。

 さらに、聴覚に障がいのある新生児のお子さんの早期発見と成長発達の支援に向けて、すべての新生児の聴覚機能検査を無料で実施してまいります。

新たな協働と連携のまちづくり

 次に、基本政策の5点目は「新たな協働と連携によるまちづくり」です。

 地方創生に向けて、昨年10月に高知市版の人口ビジョン並びに総合戦略を策定し、産業振興や子育て支援、移住・定住の促進など、人口減少に歯止めをかけるための施策に取り組んでいます。

 本年3月には、総合戦略に掲げたKPI(重要成果指標)の状況を確認するとともに、事業の追加や変更など、総合戦略の見直しを行い、平成28年度以降の事業に確実につなげてまいります。

 これらの基本政策の推進にあたっては、県域全体の発展をめざし、県および周辺市町村との連携のもと、県全体の牽引役としての役割を果たし、連携中枢都市圏などの新たな広域連携に向けて、取り組んでまいります。

新たな年を迎えて

 さて、平成28年度当初予算編成につきましては、これから本格的な論議を行ってまいりますが、国の情報を的確に得ながら、引き続き財政健全化を維持しつつ、南海トラフ地震対策の推進並びに人口減少対策をはじめ、地方創生に向けた具体的な取り組みや、子育て支援、地域福祉の拡充など、多くの事業に取り組んでいかなければなりません。

 職員の皆さんには、市民の皆さまの幸せのために、「にぎわいと暮らし安心のまちづくり」に向けて、健康に留意されまして、職場でチームワークをしっかりと組んでいただき、連携して取り組んでいただきますようにお願い申し上げ、年頭の挨拶といたします。

 今年もよろしくお願いします。