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平成28年12月1日 市長定例記者会見

会見項目

第458回高知市議会定例会提出予定議案の説明

 配布資料

  1. 第458回高知市議会定例会提出予定議案の概要[PDFファイル/112KB] 
  2. 臨時福祉給付金等の給付金給付事業の年度別動向一覧[PDFファイル/80KB]
  3. 農業委員会における農地利用最適化に向けた新体制への移行[PDFファイル/112KB] 

会見内容

 おはようございます。本日12月定例議会の議案発送を行いました。案件は,予算議案が7件,条例議案が15件,その他の議案が17件で,合計39件となっております。また,人事議案が3件あり,監査委員および固定資産評価審査委員会委員の選任議案と,人権擁護委員推薦についての諮問議案を議会最終日に提出する予定です。

配布資料を基に,第458回高知市議会定例会提出予定議案の概要を説明。-説明については省略-

質疑応答

(記者)

 防災関係についてお尋ねします。まず,消防の高所監視カメラについて教えてください。現在設置している3台が老朽化ということですが,これは現在の場所で更新するということでしょうか。また,南海トラフ地震に備えてというお話がありましたが,新設の4台は震度7にも耐え得る建築物に設置されるのでしょうか。

(市長)

 現在設置しているのはトップワン四国に2台,桂浜荘に1台で,この3台は老朽化に伴う入れ替えです。新設の4台は烏帽子山に2台,東消防署と鴨部の市営住宅に1台ずつですが,当然次期南海トラフ地震を想定して落下しない形で取り付けます。東消防署は平成13年度に新築していますし,鴨部の市営住宅も建築基準法の新耐震基準に適合している建物です。烏帽子山は鉄塔に取り付ける予定です。場所は現地調査の結果によって変更になる可能性もありますが,今のところ,この予定で既設3台,新設4台,合計7台を整備します。

(記者)

 7台のカメラからの映像を災害対策本部でもリアルタイムで見られるようになるのでしょうか。それとも消防局のみですか。

(市長)

 災害対策本部でも見られるようになりますが,通常の火災発生時にも現場方向へカメラを向けてその映像を撮ることができますので,日常的に使用していきます。

(記者)

 続いて,学校の防災機能強化についてお聞きしたいのですが,高知市内の市立小・中学校は全て強化ガラスではなかったものを,これから順次強化ガラスにしていくということでしょうか。また,今回の補正予算は何校中何校の分ということになりますか。

(市長)

 今回の補正予算では,小学校3校,中学校10校分ということになります。

(記者)

 小・中学校は全体で何校ですか。

(財政課長)

 全体で58校です。これまでに32校が改修工事を行っており,未実施26校のうち今回13校で実施しますので,13校残ることになります。

(市長)

 今回の補正予算で予定の13校を全て実施できれば残りは13校になります。窓ガラスというのは少し気付きにくいところなのですが,震度7の揺れでは窓枠が外れたり,ガラスが割れたりします。学校が避難場所として使えなくなると困りますので,強化ガラスに入れ替えておきたいということです。

(記者)

 全58校のうち指定避難所になっている校数はわかりませんか。

(財務部長)

 基本的に全校です。

(記者)

 木造住宅の耐震改修等に対する助成について,市長から耐震診断315件,改修工事50件分を補正するものというお話がありました。当初の見込みに対して現時点での件数がどのくらい,また,熊本地震後,どの程度件数が伸びているのかといった具体的なことを教えてください。

(財務部長)

 平成27年度の実績では耐震診断が455件,改修補助が242件でしたが,平成28年度は9月末時点で耐震診断が受付ベースで508件,改修補助が181件となっています。耐震診断については,4月に56件であったものが,熊本地震発生後の5月には164件と約3倍になっていますので,そうした伸びを勘案して下半期の見込みを推計した結果,年度のトータルとして860件程度が見込まれることから,今回追加補正することになったものです。

(記者)

 今年度中に想定される件数が耐震診断は860件ということですが,改修補助は何件ですか。

(財務部長)

 360件程度です。

(記者)

 これだけ助成件数が増えているということは,市民の意識も変化してきていると思うのですが,市長はどうお感じになりますか。

(市長)

 熊本地震は,いわゆる断層型の地殻変動でしたので,本震と思われたものが前震で,その後本震が来たという特異な地震であったと思います。しかし,4月14日の地震の後,避難所から自宅へ帰った方が4月16日の地震で犠牲になられたというケースが多くありましたので,市民の皆さんも耐震補強工事をしていないと命に危険が及ぶということを強く実感されたのではないかと思います。耐震化に対する関心はもともと高いのですが,一定の費用が必要になることもあって迷っておられた方が,熊本や倉吉等での地震を受けて,先ず耐震診断を希望されたのではないかと考えています。

 熊本地震の一つの教訓として,避難所へ避難された方々を自宅へ帰すタイミングが難しくなったということを強く感じています。地震の後,建物の危険性を調査・診断する専門の調査員を送り込む必要がありますが,最近の地震でも被災地で苦労されているのは,その調査員の数が足らないことです。一度「危険」の赤い紙を貼られると個人が自分の判断で自宅に入れなくなりますので,避難の指示をいつ解除するのかということが非常に難しくなったと感じています。

(記者)

 そうしますと,建物被害の診断ができる調査員の数や応援を呼ぶ体制というものを今後強化していきたいというお考えでしょうか。

(市長)

 そうです。高知県全体でも足らなくなりますので,他県からの応援体制について,県・市で行っている南海トラフ地震対策についての協議の場でも課題として上がっています。

(記者)

 耐震診断や改修に対する助成制度について,市民にもっと知ってもらいたいというようなことなど,市長の思いをお聞かせください。

(市長)

 制度そのものについては,おそらくかなりの皆さんに知っていただいていると思っています。問題は金額だと思うのですが,現在,国・県・市による助成の上限が92.5万円です。一般的に耐震補強工事に必要な費用が150万円前後と言われていますので,特に高齢者の場合,その差額をどうするかというところで制度の利用を躊躇されているのではないかと思います。現在,県の方でもっと簡易に安くできる工法がないか研究しているところですが,例えば120万円程度で改修工事ができれば負担が30万円程度で済みます。92.5万円の範囲内で寝室など部分的に改修するということも一つの想定として考えていますが,やはり工法によってコストダウンできれば良いと思います。

(記者)

 国民健康保険について,消費税率引き上げ延期などの影響で,平成29年度以降に予定されている国の財政支援が減額されるという見方が浮上していますが,この点に関するご意見をお願いします。

(市長)

 私は,国民健康保険中央会の会長という立場でもありますが,先日,国民健康保険制度改善強化全国大会が開催され,国に対し,3,400億円の公費投入を確実に実施するよう求める決議を行いました。また,この3,400億円が一部カットされるという新聞等での報道を受けて,11月下旬,全国知事会・市長会・町村会の3団体連名で,確実な財政支援等について緊急要請を行っています。

 私は自民党の党本部を訪問し二階幹事長に直接要請をしましたが,幹事長が世界津波サミットで高知に来られた際にも重ねて確実な実施を要請しています。

 現在,財務・総務・厚生労働の各省で協議をしていますが,社会保障に関係する財源の不足は約560億円と言われています。先日,受給資格期間をこれまでの25年から10年に短縮する法案が衆議院を通過した年金改革,子ども・子育ての新制度,福祉現場で働いている方々の処遇改善,安倍首相は平成29年度予算編成に当たり,これらの3点について直接指示をしているとお聞きしていますが,それぞれ織り込むと約560億円不足するという状況です。

 国民健康保険への財政支援は,国と地方の協議の場で正式に決まっている約束事項です。それをほごにされると平成30年度の都道府県単位化にさまざまな問題が生じてきますので,全国知事会・市長会・町村会ともに財政支援の減額は絶対に認められないという方針で臨んでいます。最終的には閣僚会議に持ち込まれ,地方財政対策なども絡んでくるかと思いますが,予断を許さない状況です。

(記者)

 昨日,厚生労働省が子どもの医療費を独自に助成する市町村に対して,助成対象が未就学児までの場合に限り国民健康保険の国庫負担金の減額措置を廃止する案をまとめましたが,その点に対する受け止めをお願いします。

(市長)

 乳児医療から始まる子どもの医療費に対する助成というのはほとんどの市町村で実施していますので,地方6団体はそれに対するペナルティは間違っているという主張をしてきました。しばらく手付かずのままでしたが,今回,平成29年度に向けて見直し案が出てきました。昨日の社会保障審議会には健康福祉部長が代理出席をいたしましたが,厚生労働省からいくつかのパターンが示されました。小学校に入るまでの未就学児を対象とする医療費助成というのはほとんどの市町村で実施していますので,これに対するペナルティを除くという案が有力だと思います。この場合,現在ペナルティとして減額されている75億円が国民健康保険に入ってくることになります。

 ただし,もともとペナルティをかけられること自体がおかしいので,減額措置の完全撤廃を全国市長会・町村会ともに強く要請しているところです。また,国民健康保険の財政運営は平成30年度に都道府県へ移管されますので,全国知事会も同じ方向で完全撤廃をめざしています。

(記者)

 将来は完全撤廃を求めるということですが,今回の有力案では未就学児までは対象として認められることになります。その点では評価をされますか。

(市長)

 見直されないままよりは一定の前進と評価しますが,もともとペナルティ自体が間違っていると思いますので,減額措置の完全撤廃を求めるという主張は変えません。

(記者)

 先月29日に賃金の下落に合せて年金支給額を引き下げる年金制度改革法案が衆議院を通過しましたが,このことに対する受け止めをお願いします。

(市長)

 これについては制度に詳しくないで,詳細なコメントはできませんが,与野党が国会の中で激しく衝突しています。将来の年金を確保していく意味での年金改革法案だと認識していますが,野党は年金切り下げ法案であり絶対反対だと言っていますので,もう少しその動向を見ていきたいと思います。

(記者)

 道の駅について4点,一括してお伺いします。道の駅については事実上棚上げを表明されていると思いますが,先日,市長の与党会派である新こうち未来から,棚上げではなく白紙撤回をしてほしいという要望があったと思います。1点目は,それをどう受け止められるのかということ。2点目は,その中で南部地域の振興ということであれば春野でもやってほしいという話があったと思いますが,来年から地元に入って協議していく中に春野を含める考えがあるかどうか。3点目は,先日,浦戸地区に住民組織が立ち上がり,白紙撤回を求めて署名活動を行っていくということですが,その住民の動きをどう受け止められるか。4点目は住民の動き,市議会の動きを踏まえて,あらためて棚上げではなく白紙撤回をする考えはないのか,以上4点についてお願いします。

(市長)

 先ず1点目ですが,新こうち未来から予算要望の中で道の駅の話が出てきました。要望書に撤回を求めると書かれているのではなく,代表から,大変混乱しているので一旦白紙撤回したらどうか,と口頭で話がありました。しかし,例えば浦戸地区では保育園や小学校に通う子どもの数が減ってきているといった現状がありますので,南部振興は必ず必要だという観点は変わっていません。

 2点目について,合併前の旧春野町で,どちらかというと海の駅に近いような形ですが道の駅構想がありましたので,そのようなことも考えたらどうかという話が出ました。今のところ,南部地域としては長浜・御畳瀬・浦戸を考えており春野は想定していませんが,関連はありますので市議会の意見は伺っていきます。

 3・4点目について,反対署名の動きについては新聞報道でも拝見しましたが,南部の方全てが反対をされているわけではなく,賛否両論あるという認識ですので,これから幅広く意見を聞いていきます。道の駅構想を,今の段階で白紙撤回ということは考えていません。南部地域全体を振興していくための一つの案として,他にはどういうものが考えられるかということを整理し,年明けから地域に入って意見を聞き,最終的には議会で意見を聞いて方向を決めていきたいと考えています。

(記者)

 年明けからというと1月からですか。

(市長)

 庁内での調整が必要ですので,1月中に入れるかどうかまだ確定していません。議会や地元とも調整して時期を決めていくようになりますので,まだもう少し時間をいただくようになります。

(記者)

 春野はその中に入ってないということですね。

(市長)

 今のところ入っていません。

(記者)

 道の駅構想はたたき台なのでしょうか。それとも,振り出しに戻ってたたき台にはしないということでしょうか。

(市長)

 たたき台という言い方はしていますが,道の駅以外の構想も含めて総合的に南部地域の振興策を考えていく必要があります。子育て世帯を中心に市の北部地域への転居が増えつつあり,今後,南部地域の人口はさらに減る可能性がありますので,南部振興の全体像を総合的に考えていくということです。

(記者)

 次の議論の場へも道の駅構想を持っていくということですね。

(市長)

 そうです。

(記者)

 振り出しに戻るとはそういう意味ですか。

(市長)

 道の駅構想を撤回するかどうかということを聞かれていると思いますが,今の段階で撤回はしません。

(記者)

 道の駅構想がベースではないけれど,振興策の一つとして残っているということですね。

(市長)

 そうです。

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