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市長から職員の皆さんへ(平成28年 年末あいさつ)

 市民の皆さま、職員の皆さんおはようございます。

 職員の皆さんには、日々、それぞれの職務に真摯に取り組んでいただいていますことに、感謝申し上げます。

 市民の皆さまや議会の皆さまに多くのご支援・ご協力をいただきながら、職員の皆さんとともに、南海トラフ地震対策や新庁舎建設など「にぎわいと暮らし安心のまちづくり」に取り組んだ一年でありました。

南海トラフ地震対策

 まず、本市の最重要課題であります南海トラフ地震対策について申し上げます。

 今年は、4月に熊本地震、10月には鳥取県中部地震などの内陸型地震が発生するとともに、11月22日には福島県沖の地震により津波が発生するなど、多くの地震が国内で発生しました。

 改めまして、被害を受けられました方々や、未だに避難生活を余儀なくされておられます皆さまに、心からお見舞いを申し上げます。

 南海地震の発生に備えて、私どもがかねてより浦戸湾の津波対策として、尾崎高知県知事や市議会の皆さま方とともに陳情を重ねてまいりました高知港直轄海岸整備事業、いわゆる浦戸湾の三重防護につきましては、平成28年度から総事業費 600億円で新規事業として採択され、工事に着手することとなりました。

 既に施工中であります「高知新港沖の防波堤の延伸、いわゆる第1ライン」に加えて、「浦戸湾湾口部における津波防波堤の整備や防潮堤の耐震対策等を行う第2ライン」、「浦戸湾内部の防潮堤等の液状化対策等を行う第3ライン」の海岸保全施設等の整備については、国および県の事業として着手されることとなり、昭和南海地震のようなL1レベルの地震では高知市内を浸水させないことが大きな目標であり、高知市の悲願とも言える一大事業の実現に向けて、大きな一歩を踏み出すことができました。

 また、東日本大震災を受けて見直された南海トラフ地震の新想定(レベル2)公表後から積極的に取り組んできました津波避難困難地域における津波避難施設(津波避難タワー9基、津波避難センター3棟)や、津波避難路(240カ所)の整備につきましては、本年3月末で整備を完了することができています。

 現在は、完成しました津波避難施設および津波避難路を使った実践的な避難訓練を、地元の自主防災組織を中心に実施いただいており、参加者一人一人の防災意識が高まってきていることを実感しています。

 今後も地域の皆さまと協働で、実践的な訓練を継続していくことにより、多くの方々が津波から安全に避難できるよう地域と共に取り組んでまいります。

江ノ口雨水貯留管整備事業

 次に、雨水対策としての江ノ口雨水貯留管整備事業について申し上げます。

 本市の浸水対策については、1時間あたり降雨強度77mm対応と、全国的にも高い水準を目標に掲げて整備を進めてまいりましたが、早い時期に整備した中心市街地の下水道施設については、目標としている77mmの水準を満たしていないことなどから、その能力不足を補うために、北江ノ口地区に「江ノ口雨水貯留管」を整備してまいりました。

 この貯留管は、口径が3.5m、総延長2,661mと巨大な管路であり、降雨のピーク時には、既存の下水道から貯留管に雨水を取り込んで貯留し、降雨が止んだときに、河川に雨水を順次排出する方式を採っており、近年では、大都市でも多く採用されています。

 27年度には、産業道路地下への雨水貯留管の本管整備が完了し、現在は、高知駅北側において、雨水貯留管や既存の下水道管から、この貯留管に雨水を取り込むための分水施設を整備しており、併せて、弥右衛門公園内に久万川に放流するための排水施設を整備中であります。

 来年の梅雨時までには、この施設を暫定的に供用開始する予定でありますので、新本町、栄田町などの排水能力向上に大きな効果を発揮できる見込みです。

新庁舎建設

 次に、新庁舎整備につきましては、本年7月29日に起工式が執り行われ、平成31年6月末の完成をめざし、建設工事が進み始めました。

 新庁舎は、市民サービスの向上を図ることはもとより、本市における重要な防災拠点として、南海トラフ地震発生時には、直ちに活動拠点として機能させる必要があるため、強い揺れによる施設の損壊を防ぐことができるように最新の免震工法を採用しています。

 新庁舎用地の地盤を締め固めるために、約16,000本の県内産の間伐材の木杭を地中に打ち込む工法を採用しており、これだけの本数を打設するのは、全国でも最大かつ初の取り組みであり、中央の業界紙『林政ニュース』でも今月7日号でこのことが取り上げられています。

 また、本年5月から建設工事を進めてまいりました木造の春野庁舎につきましては、間もなく工事が完了し、来年1月30日には開庁式を行い、新しい庁舎で業務を開始することとしています。

 同じく本年5月から建設工事を進めてまいりました一部木造の鏡庁舎につきましても、来年1月中の完成を予定しており、2月下旬に開庁式を行う予定となっています。

インバウンド観光

 次に、インバウンド観光について申し上げます。

 近年、本市においても外国からの観光客が増えてきていることを実感しています。

 特に、今年度のクルーズ客船の寄港につきましては、4月1日のフランス客船「ル・ソレアル」の初寄港を皮切りに、11月末までに23隻の客船が寄港しており、残る1月から3月までにおいても7隻の寄港が予定されていますので、本年度は過去最高となる30隻の客船が高知新港に寄港することとなり、約76,000人という大変多くの方々が来高する見込みです。

 来年度につきましても、先月末時点で、予約・仮予約も含めまして今年度を大きく上回る65隻の寄港予約をいただいているほか、複数のクルーズ会社から、今後も中国発着を中心にした大型客船の新規就航の予定があると伺っており、Wi-Fiスポット等のエリアを拡充しながら、さらに多くの外国人観光客をお迎えする予定となっています。

南部地域の振興 

 次に、南部地域の振興について申し上げます。

 南海トラフ地震で津波被害が想定されている御畳瀬・浦戸地区における昭和60年から平成28年までの大街別の人口減少率をみますと、御畳瀬地区がマイナス63.7パーセント、浦戸地区がマイナス48.0パーセントと、市内で最大の人口減少率となっており、人口減少による地域の衰退が顕著になっています。

 また、将来の人口推移をみますと、昨年度策定しました『高知市まち・ひと・しごと創生人口ビジョン』の人口推計では、平成22年と平成72年の比較では、御畳瀬地区がマイナス81.5パーセント、浦戸地区がマイナス61.7パーセントと、最大の減少率が予測されており、地域の衰退に歯止めがかからなくなることを強く懸念しています。

 一方、鏡地区・土佐山地区では、平成17年の合併時において、市民の命を守る水の源流地域である中山間地域の人口減少が危惧されましたことから、地域の暮らしを守り、地域コミュニティ活動を活性化させるため、土佐山学舎の開校や移住体験滞在施設の整備など、さまざまな地域振興策を実施してきたことにより、地域の衰退に一定の歯止めがかかってきています。

 長浜南部地域は、坂本龍馬や長宗我部元親公といった郷土が誇る歴史的人物に関係が深い地域であり、桂浜は高知城や五台山と並び、西日本でも有数の観光名所でもあることから、本市における重要なエリアとして、総合的な振興策を構築していく必要があります。

 道の駅構想に関しましては、地域に混乱を招いてしまったことは、私どもの本意ではなく、桂浜の再整備等の各種施策と併せまして、改めて総合的な南部振興策を検討し、沿岸部の活性化モデルを構築してまいりたいと考えています。

 今後、地元との調整を行った上で、地域と行政による協議会組織を立ち上げまして、南部振興策について幅広く協議を行ってまいります。

中山間地域の振興

 次に、中山間地域の振興について申し上げます。

 中山間地域で生産された特産のユズやショウガなどの有機農産物等を活用し、地域色豊かなスイーツ等を製造・販売する取り組みを進めています。

 今月17日には、「ひろめ市場」内に、土佐山のジャガイモをメインとした店舗「イモバル TOSAYAMA男爵」がオープンし、また、来年2月には、オーベルジュ土佐山や土佐山夢産地パークにもスイーツ等を販売する店舗が相次いでオープンする予定となっています。

 これらの6次産業化への取り組みを通じて、地域を支える農業者の方々の生産意欲の向上や耕作放棄地の防止など、地域全体の活性化にもつなげていきたいと考えています。

 また、中山間地域の特産品であるユズは、その大部分が搾汁施設においてユズ酢に加工されますが、これまで廃棄処分されていた搾汁後のユズ皮の有効活用が課題となっていました。

 今回、県内企業が開発したバイオマス再資源化装置により、搾汁後ユズの皮からユズ本来の香りを活かした精油等を抽出することが可能となり、香料など幅広い用途に活用されることが期待されますので、これらの取り組みを通じて、残渣の処理費削減による農家所得の向上や、ユズの販路拡大につなげてまいります。

子ども子育て支援

 次に、子ども子育て支援について申し上げます。

 子ども子育ての支援策拡充のために、相次いで新たな施策を開始しています。

 まず、子どもさんの医療費助成については、本年10月から、小学6年生までの全てのお子さんを対象に助成拡充を行い、所得制限なくすべての子どもさんが、医科・歯科にかかる医療費を無料としています。

 また、本年5月からは、子どもさんの聴覚障害の早期発見と成長発達への支援に向けて、新生児の聴覚検査を無料で実施するとともに、10月からは、出産後のご家庭を助産師が訪問してケアを行う訪問型の産後ケア事業を開始しています。

手話言語条例

 次に、手話言語条例について申し上げます。

 手話言語条例は、鳥取県を皮切りに、全国の自治体で制定の動きが広がってきており、本市では本年4月に、四国内では徳島県三好市に続き2番目となる条例を制定いたしました。

 高知市手話言語条例では、「手話が言語である」との認識に基づいて、手話の理解・普及に関する基本理念を定め、市の責務や市民および事業者の方々の役割、市の施策等について規定しています。

 今後は、手話に対する理解を広め、聴覚に障害のある方々が手話を使用しやすい環境づくりに向けて、着実に施策を推進し、お互いを尊重し合い、災害時においても共生できる地域社会を築いていきたいと考えています。

新たな年に向けて

 さて、来年は建設中の(仮称)北消防署や東部総合運動場内の多目的ドームが完成するとともに、新庁舎や新図書館等複合施設の建設も目に見えて進捗する年となります。

 また、高知県や県下の市町村と連携して「連携中枢都市圏」形成の取り組みを進めるために、本年12月に、横断的なプロジェクトチームを立ち上げましたので、関係する職員の皆さんには、連携事業の創出や磨き上げ等に取り組んでいただくようにお願いいたします。

 「にぎわいと暮らし安心のまちづくり」の実現に向けて、これから本格化する平成29年度当初予算編成の中で議論を深め、積極的に取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。

 新しく迎えます平成29年が、市民の皆さまや職員の皆さんにとりまして、希望の持てる明るい年となりますよう、心からお祈りを申し上げ、新たな気持ちで仕事始めを迎えていただけることを期待申し上げまして、年末のあいさつとさせていただきます。

 一年間ありがとうございました。