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市長から職員の皆さんへ(年頭あいさつ)
市民の皆さま、職員の皆さん、明けましておめでとうございます。
本日が平成29年の仕事始めとなります。
新年度の予算編成作業もこれから本格化してまいりますので、「災害に強いまちづくり」「安全で機能的なまちづくり」「活力溢れる、にぎわいのまちづくり」「暮らしをサポートするまちづくり」「新たな協働と連携によるまちづくり」を核とした「にぎわいと暮らし安心のまちづくり」をめざし、職員の皆さんと議論を深めながら、重要施策に積極的に取り組んでまいりますので、本年もよろしくお願いします。
災害に強いまちづくり
平成29年に取り組みます重要施策について順次申し上げます。
まず、 最初に「災害に強いまちづくり」です。
南海トラフ地震対策については、市民の皆さまの「命と暮らしを守る」ことを第一に、県と連携を密にしながら、積極的に取り組みを推進します。
特に、昨年4月に発生した熊本地震において、住宅の耐震化とともに、避難所の運営体制や救援物資の円滑な配送等が大きな課題となりましたので、住宅耐震化の促進、避難所の確保や運営体制の整備、避難所への物資の搬送など受援体制等について、重点的に県と協議を行っていくこととしています。
さらに、救援物資等の配送体制を確立するため、県が「高知県物資配送計画検討協議会」を立ち上げ、「物資配送に係る基本計画」を作成し、今後、県の総合防災拠点ごとに具体的な運営マニュアルを作成していくこととなりましたので、本市もこの協議会に参画し、県や民間事業者との役割分担などについて具体的に協議・検討してまいります。
また本市では、昨年から主な避難所ごとに地域の皆さまが主体となって避難所開設・運営マニュアルを作成するとともに、資機材整備も進めていますので、平成31年度までに約100施設について、地域における具体的なマニュアルの作成をめざします。
安全で機能的なまちづくり
次に、「安全で機能的なまちづくり」について申し上げます。
災害に強い安全なまちづくりをめざして、旭地区の土地区画整理事業を進めており、平成29年度には、下島地区において工事着工の予定となっており、中須賀地区におきましても、引き続き事業に必要な用地取得を進めてまいります。
また、消防署所再編計画の第2期として、整備を進めています(仮称)北消防署は、昨年3月から着工し、本年10月の開署に向けて順調に工事が進んでいます。
(仮称)北消防署は、高度救助隊や国際消防救助隊員用の特殊訓練を実施できる施設を備えるとともに、住民の方々が消火訓練などの体験ができる施設を整備することとしており、地域防災力の向上にも貢献できることを期待しています。
さらに、消防署所再編計画の第3期として、本年から(仮称)中央消防署の建設事業に着手します。
この(仮称)中央消防署は、現在の南消防署を筆山町市営住宅の跡地に移転改築するものであり、平成29年度中に本体工事に着手し、平成31年4月の開署をめざします。
活力溢れる、にぎわいのまちづくり
次に、「活力溢れる、にぎわいのまちづくり」について申し上げます。
本年は、坂本龍馬が関わった大政奉還から150年を迎え、平成30年には明治維新150年という歴史的な節目の年を迎えます。
県内では、歴史にスポットを当てた「志国高知 幕末維新博」を本年3月4日から約2カ年にわたり、県内各地で展開していくこととなっており、龍馬をはじめとする、激動の幕末を奔走した偉人を数多く輩出した高知の魅力を全国にアピールしてまいります。
本市では「龍馬の生まれたまち記念館」と「自由民権記念館」が「志国高知 幕末維新博」の地域会場になりますので、「龍馬の生まれたまち記念館」では、龍馬の生まれ育ったまちの歴史や、風土を分かりやすく伝えるバーチャルリアリティなどの技術を用いた体験映像システムの導入を進めます。
「自由民権記念館」では、展示施設の改修や館内のWi-Fi導入、周辺史跡案内の充実を図り、両施設において県内外からのお客さまをお迎えする準備を進めてまいります。
また、本年4月から7月までの3カ月間、全国JRグループ等と連携した観光キャンペーン「四国デスティネーション・キャンペーン」が実施されます。
このキャンペーンは、全国6社のJRが、全国の駅や列車等で集中的に宣伝を行うものであり、この期間中は、幕末維新博も開催されますことから、これらのキャンペーンと連携し、まち歩きの特別コースに、開成館跡等を巡る大政奉還コースを設けるほか、桂浜龍馬像の「龍馬に大接近」の期間を拡充するなどの準備を進めています。
四国内には、四国ならではの特色ある食や自然、お遍路など国内外に注目される観光資源がありますので、四国一体となって県外からの誘客につなげていきたいと思います。
桂浜の再整備等の各種施策と併せて、南部地域の振興策については、改めまして、地域からのご意見を幅広くお聞きしながら、総合的に検討を行い、沿岸部の活性化モデルを構築してまいりたいと考えます。
今後、地域と行政による南部振興のための協議会組織を立ち上げ、幅広く協議を行ってまいります。
また、現在、東部総合運動場内に整備を行っている多目的ドームについては、本年5月末には工事が完成し、秋には供用開始される予定です。
プロ野球のキャンプ誘致や四国大会等のスポーツツーリズムの推進、市民の生涯スポーツの普及促進のほか、災害時における緊急物資等の集積・荷さばき場としても大きな効果を期待しています。
暮らしをサポートするまちづくり
次に、「暮らしをサポートするまちづくり」について申し上げます。
生活保護受給に至る前の段階で早期に幅広く支援を行うことで、困窮状態から早期に脱却することをめざして、生活困窮者自立支援法が施行されて1年9カ月になります。
本制度のスタートに伴い、全国各地の情報交換を行う場として、毎年「生活困窮者自立支援全国研究交流大会」が開催されています。
本大会の主催は、一般社団法人生活困窮者自立支援全国ネットワークで、中央大学の宮本太郎教授、北九州でさまざまな支援事業に取り組んでいるNPO法人抱撲(ほうぼく)の奥田知志(ともし)(代表、そして私の3人が、この会の代表理事を務めており、昨年の11月、第3回全国交流大会が川崎市などで開催され、約1,200人の方々に参加いただき、活気に満ちた大会となりました。
第4回大会は、本年11月11日・12日に高知市で開催されることが決定され、就労支援や子どもたちの貧困対策、生きづらさを抱える若者の支援など、生活困窮に関わるさまざまなテーマについて活発に議論がなされる予定です。
全国の支援団体や関係機関の皆さまに高知に集まっていただき、生活困窮者の自立支援に向けて、更なる「支援のネットワークを広げる場」として実りある大会にしたいと考えています。
また、救急医療体制を支え、「安全・安心のまちづくり」に寄与しています「休日夜間急患センター」では、本年4月から、新たに眼科を開設し、日曜日の午前中、眼科の急患に対応することとしています。
そのほかにも、中学校給食の完全実施に向けて、針木および長浜の2カ所に、それぞれ3,000食規模の給食センターを整備する計画であり、それぞれ造成工事を経まして、年内にはセンターの建設工事に着手する予定となっており、平成30年度中の中学校給食完全実施をめざします。
新たな協働と連携によるまちづくり
次に、「新たな協働と連携によるまちづくり」について申し上げます。
県との連携の下、各市町村との共存共栄の関係を保ちながら、本市が県全体のけん引役としての役割を果たす連携中枢都市圏構想につきましては、具体的な「連携中枢都市圏ビジョン」の策定に向けて、事業部門同士のより具体的な協議を求めるご意見を各市町村から多数いただいています。
全県域で取り組む本市の取り組みは、全国初の取り組みとなることから、全国のモデルとなり得る事業の構築に向けて、連携事業内容のレベルを上げていく必要がありますので、「連携中枢都市圏」の形成時期については、今年度末までに形成することとしていたスケジュールを、本年12月まで延長することといたしました。
昨年12月に庁内横断的なプロジェクトチームを立ち上げたところであり、関係する職員の皆さんには、各市町村と丁寧な事務協議を行いながら、連携事業の創出や磨き上げ等に取り組んでいただくようにお願いします。
新たな年を迎えて
さて、2011高知市総合計画については、昨年12月議会において、基本構想の一部変更の議決をいただきました。
今回の見直しでは、現行計画の策定以降に生じた東日本大震災等を踏まえた南海トラフ地震対策の加速化や、人口減少問題の克服に向けた地方創生の取り組みについて、施策を横断的に推進する8つの項目を定めた「8大エンジン」に反映させながら、各施策の充実を図っています。
また、本計画の実効性を高めるため、今回、初めての試みとして、全54施策に成果指標を設定するとともに、それぞれの成果指標に数値目標を設定しました。
この成果指標の達成に向けて、現在、策定作業を行っています平成29年度から4カ年を計画期間とする「第3次実施計画」において、成果目標を共有し、着実にPDCAサイクルを運用してまいります。
平成29年度当初予算編成につきましては、こうしたことを念頭に、これから本格的な論議を行ってまいりますが、国の情報を的確に把握しながら、引き続き財政健全化を維持しつつ、南海トラフ地震対策の推進並びに人口減少対策をはじめ、地域創生に向けた具体的な取り組みや、子育て支援、地域福祉の拡充など、多くの事業に取り組んでいかなければなりません。
職員の皆さんには、市民の皆さまの幸せのために、「にぎわいと暮らし安心のまちづくり」に向けて、職場でチームワークをしっかりと組んでいただき、連携して取り組んでいただきますようにお願い申し上げ、年頭のあいさつといたします。
今年もよろしくお願いします。