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市長から職員の皆さんへ 新年度のスタートに当たって

 市民の皆さま、職員の皆さんおはようございます。

 職員の皆さんには、日々、それぞれの職務に真摯に取り組んでいただいて おりますことに、感謝を申し上げます。

 本日から新しい体制で平成30年度の業務がスタートいたします。 新年度の業務開始にあたりまして、各部局で取り組むべき重点施策等につい て申し上げます。

れんけいこうち広域都市圏

 まず、最初に、れんけいこうち広域都市圏の取組について申し上げます。

 れんけいこうち広域都市圏につきましては、本年4月から、全国でも初め てとなる県内全市町村と県が参画した、「高知モデル」としての圏域を形成し、取組を進めることとな りました。

 この圏域の羅針盤とも言える「れんけいこうち広域都市圏ビジョン」については、有識者の皆様の ご審議を経て、本ビジョンを総務省に提出するとともに、先月28日には、高知県知事及び県内市町村長、 市町村議会議長会にもご臨席を賜り、連携協約の締結式を行ったところです。

 本ビジョンに登載している連携事業では、本市の全県的なマーケット機能を活用した「日曜市出店 事業」や、都市圏から地方への移住の不安を解消し、本市を経て県内の市町村へ二段階移住していく「二 段階移住推進事業」などの20事業を盛り込み、新年度予算の中で重点施策に位置付けています。 連携事業の推進に当たりましては、高知県からの手厚い支援をいただくとともに、ビジョン懇談会や、 新設する県内全市町村長を構成員とします協議会からもご意見をいただきながら、着実な推進を図っ てまいります。

南海トラフ地震対策

 次に、南海トラフ地震対策について申し上げます。

 長期浸水などで、孤立する避難者の情報収集システム「スマホでリレー」の開発につきましては、 本年1月に下知地区を中心としたエリアにおいて、住民の皆様や高知中央高校の学生さんにも参加をいただき、通信訓練を実施しました。

 この訓練では、参加者が所有するスマートフォンにインストールしたデモ版のアプリケーションを 実際に使っていただきながら、操作性や表示機能等の改善点等のご指摘もいただきましたので、平成 30年度末の完成に向けてさらなる改良を進めてまいります。

 さらに、熊本地震で課題となりました災害発生後の避難所への物資配送につきましては、高知県物 資配送計画の基本方針に基づき、平成29年度に高知県が県内4か所の広域拠点ごとの具体的な物資配 送マニュアルを策定したことを受けまして、平成30年度中に、高知市の物資集積拠点から各地域の指 定避難所までの物資配送を円滑に行うための高知市物資配送計画を策定してまいります。

消防所署再編

 次に、消防署所再編について申し上げます。

 昨年10月の北消防署の開署に引き続き、本年1月から(仮称)中央消防署の建設工事に着手しており、 来年10月の中央消防署の開署を目指して、現在、工事が進捗しております。

 (仮称)中央消防署では、中高層建物災害に対応できる四国最大の高さ30メートル級の訓練塔の建 設を予定しており、階層ごとに間取りを変えて、一戸建てやホテル、店舗などの部屋をそれぞれ再現 するとともに、4階から6階までの各階層では、それぞれ形状が異なるマンションの各種ベランダを 再現するなど、中高層建物での災害対応に即した実践的な訓練塔を整備することとしています。

旭駅周辺整備

 次に、旭駅周辺整備について申し上げます。

 災害に強い安全なまちづくりを目指して、旭駅周辺の再整備に積極的に取り組んでおり、下島土地 区画整理事業については、昨年11月から本格的な土木工事に着手して、平成31年度の工事概成を目指 します。

 引き続き、移転補償契約に基づく建物の解体を進めた後、区画道路や宅地造成工事等を実施し、本年8月頃から順次、仮換地の引渡しに向けて取り組みます。

 中須賀土地区画整理事業については、平成30年度末の仮換地の指定を目指し、仮換地計画案の策定 や、事業進捗に伴い補償費の算定に必要となる建物調査を積極的に進めてまいります。

高知駅秦南町街路整備

 次に、高知駅秦南町線の街路整備について申し上げます。

 高知駅秦南町線は、昨年10月に開署した北消防署や、移転建設が進んでおります高知赤十字病院の 整備計画に合わせて、周辺の慢性的な交通混雑の緩和を図るものです。

 本路線は、南海トラフ地震など緊急時の活動に欠かせない第3次緊急輸送道路となりますので、本 市において積極的に用地交渉を進め、県市連携の下で、来年4月の暫定2車線の供用開始を目指して おり、工事を担う高知県では、暫定2車線の供用開始に向けて、平成30年度に、久万川橋北岸から県 道北環状線までの区間の街路築造工事に着手する予定です。

新図書等複合施設オーテピア

 次に、新図書館等複合施設オーテピアについて申し上げます。

 新図書館等複合施設オーテピアは、図書館や科学館の事務所の移転が完了し、本年7月24日の開館 に向けて、科学館の展示物の設置や、図書館の蔵書移転作業などを進めており、今月からは、旧追手 前小学校メモリアル・スペースの整備のほか、オープニ ング事業としての内覧会や開館記念式典、開館記念講演 等の準備を進めているところです。

 「オーテピア高知図書館」は、県立図書館と市民図書館 本館を一体的に整備する国内初の取組となり、全国有数 の施設規模と総合的なサービスを展開するものであり、全国的にも注目され、期待されています。

 各地域を支える情報拠点機能を充実させ、県民・市民の暮らしや、仕事の中で起こる様々な課題の 解決を支援する社会教育施設として、「健康・安心・防災情報サービス」、「ビジネス・農業・産業支援サー ビス」など、様々な図書館サービスを提供してまいります。

 併設する「高知みらい科学館」は、県内唯一となるプラネタリウムをはじめ、参加体験型の展示施設や小中学生の理科学習、サイエンスショーなどの事業を実施することとしており、さらに、「オーテ ピア高知声と点字の図書館」では、文字情報の利用が困難な方々の読書や、情報環境の充実などを目指しているところであります。

中心市街地活性化

 次に、中心市街地活性化基本計画について申し上げます。

 中心市街地活性化の取組につきましては、平成24年度に認定を受けた第一期中心市街地活性化基本計画の主要事業である帯屋町チェントロや、高知城歴史博物館などが相次いで完成し、街の賑わいが回復してきており、さらに本年7月に開館を迎える複合施設オーテピアとの相乗効果により、中心市街地の一層の活性化が期待されます。

 一方で、中心商店街における東西の賑わいに偏りがみられることや、増加する外国人観光客の受け入れなど、中心市街地の新たな課題や変化に対応していくため、平成30年度から5年間の第二期中心市街地活性化基本計画を策定し、先月23日に内閣総理大臣から認定をいただくことができました。

 本計画では、中心市街地の丸ノ内緑地や藤並公園、横堀公園などの公園リニューアル事業や、外国 人観光客への対応のための観光案内所の設置などの事業に加えて、(仮称)帯屋町一丁目地区複合施設 整備事業などの民間事業等を計画に登載しており、ハード・ソフト合わせて59事業に取り組み、賑わい溢れる中心市街地のまちづくりをさらに推進してまいります。

観光振興

 次に、観光振興の取組について申し上げます。

 平成29年に高知県を訪れた県外観光客は、昨年3月に開幕した「志国高知 幕末維新博」を中心に 官民連携で取り組んだ結果、県内への観光客の入込数は440万人に達し、平成22年の龍馬伝の年の 435万人を上回る過去最高の入り込み数となりました。

 また、観光庁の調査による本県の外国人旅行者の延べ宿泊者数は、平成28年の73,240人泊に対して、 平成29年は速報値(※)で、79,630人泊となっており、インバウンド観光も好調に推移しています。

 今月21日、リニューアルオープンする坂本龍馬記念 館をメイン会場とする「志国高知 幕末維新博」の第 二幕が開幕しますので、このオープニングに合わせて、 船上から桂浜や坂本龍馬記念館、龍馬像を望む「咸臨 丸でゆく、龍馬クルーズ」が予定されており、既に前 売券も全国発売され、好評ですので、第二幕にも多く の観光客の皆様に来ていただけるよう、県市連携して 誘客に取り組んでまいります。

第38回全国豊かな海づくり大会

 次に、「第38回全国豊かな海づくり大会~高知家大会~」について申し上げます。

  高知家大会は、本県の特色ある水産業の魅力と豊かな海づくりにつながる水産資源や、自然環境を 守り育てることの大切さを全国に発信するもので、本年10月28日に高知市及び土佐市において開催さ れます。

 高知会場の文化プラザかるぽーとでは、式典行事が開催され、功績団体等の表彰や稚魚等のお手渡 し等が行われる予定です。

 また、関連行事については、大会前日の10月27日及び28日の2日間、中央公園で開催され、企画 展示やステージイベント等により高知県の魅力を全国に発信するとともに、大型スクリーンを使って 式典行事等の生中継を行う予定となっています。

 「全国豊かな海づくり大会」は、例年、天皇皇后両陛下のご臨席の下で開催されている全国大会でも ありますので、関係機関と連携しながら、万全の準備を進めてまいります。

地域福祉計画の策定

 次に、「地域福祉活動推進計画」について申し上げます。

 本市では、平成25年3月に「第1期地域福祉活動推進計画」を策定し、子どもから高齢者の方々まで、 全ての人々が安心して暮らせる地域社会づくりに取り組んでまいりました。

 平成31年度から始まる第2期計画につきましては、現在、国が取組を進めている「我が事・丸ごと  地域共生社会」の動きを踏まえ、その基本的な方向性等について、現在、庁内関係各課や高知市社 会福祉協議会と論議を重ねています。

 今後、地域福祉に関するアンケートの調査結果や、民生委員・児童委員をはじめとする関係者の方々 からのご意見を計画に反映させるとともに、地域福祉計画推進協議会においてご審議をいただきなが ら、第2期計画の策定を進めます。

子ども・子育て支援

 次に、子ども・子育て支援の取組について申し上げ ます。

 民間法人において今月から、帯屋町チェントロ2階 において、地域子育て支援センター「チェントロさく らんぼの森」が開設され、月曜日を除く週6日間の運 営が予定されておりますので、土曜日や日曜日に親子 の方々が集える場が広がるとともに、中心市街地の賑わいにつながることにも期待しています。

 また、産後の母子への産後ケア事業につきましては、従来の訪問型の産後ケアに加えて、平成30年 度から新たに助産所による宿泊型の産後ケアを実施いたします。ご出産され、退院した直後の母子の 方々に対して、助産師等の専門職が心身のケアや育児のサポート等を行うことにより、母親の身体的 回復や心理的な安定を促進するとともに、母親自身がセルフケア能力を育み、母子及びその家族が健 やかな育児ができるように支援してまいります。

中学校給食

 次に、中学校給食について申し上げます。

 中学校給食の完全実施に向けて整備中の給食センターは、本体建設工事の本年6月竣工を目指して、 順調に工事が進捗しています。

 今後は、本体工事の進捗状況に合わせて、給食センター内に設置する厨房機器等の搬入・据付及び 動作確認等を行う予定です。

 運営面では、昨年12月に、調理及び配送業務を委託する事業者を選定し、今後は、委託事業者とともに、 調理作業工程や配送時間帯の確認などの具体的な準備を進めてまいります。

 また、給食実施に関する学校と給食センターが連携しなければならない項目については、給食実施 回数や食数の管理、食物アレルギー対応、食に関する指導など非常に多岐にわたりますので、学校と 給食センターが密に連携できるよう連絡体制を整備してまいります。

上下水道事業

 次に、上下水道事業について申し上げます。

 まず、水道事業につきましては、「水道ビジョン2017」に基づき、安心と信頼を未来につなぐ高知 の水道を目指して、水質管理センターの増築や改修など水質監視体制の充実に取り組むほか、「災害に 強く頼りになる水道」に向けて送水幹線二重化事業や、大津配水池更新事業などの基盤強化を図ります。次に、公共下水道事業では、昨年12月議会で下水道使用料の改定のご承認をいただきましたので、住 民の皆様のご理解を賜りながら、累積赤字の早期解消に努めてまいります。

 この間、多くのご意見を賜りました水洗化率の向上につきましては、下水道グループ接続助成金制 度に関する利用者のアンケート調査結果を踏まえ、申請手続の簡素化や助成額の見直しを行います。

新年度に向けて

 さて、職員の皆さんには、本日から新たな体制のもとで、それぞれの重要課題に取り組んでいただ くこととなります。

 昨年度に再開しました職員提案制度では、職員の皆さんから29件の多くのご提案をいただき、それ ぞれの内容が、大変興味深く、今後の市政運営に役立つ提案が多くありました。

 各職場におきましては、職員間の意思疎通を十分に図り、積極的に現場における知恵を出し合って いただきながら、各事業に精力的に取り組んでいただきますようお願い申し上げ、新年度のスタート にあたってのご挨拶といたします。

 本年度もよろしくお願いいたします。