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市長から職員の皆さんへ(令和4年 年度当初あいさつ要旨)

 市民の皆様、職員の皆さんおはようございます。

 職員の皆さんには、喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症対策をはじめ、日々、それぞれの職務に真摯に取り組んでいただいておりますことに、感謝申し上げます。

 本日から、新しい体制で、令和4年度の新たな業務がスタートいたします。

 現在、最優先で取り組んでおります「新型コロナウイルス感染症対策」の業務は、全庁的に総力を挙げて一貫して取り組む必要があり、各所属の枠組みを越えた兼務体制が長期化しており、業務に携わっている職員の皆さんはもとより、従事する職員を送り出してくれている各職場の負担も増大し、ご苦労をかけていますことに、重ねて感謝を申し上げます。

 コロナ禍3年目となる令和4年度の業務開始に当たり、重要施策について、順次申し上げます。

新型コロナウイルス感染症対策

 まず、新型コロナウイルス感染症対策について申し上げます。

 第6波の感染拡大では、本市でも多くの新規感染者の発生が続いており、入院が必要な方々の増加に伴い、本市での自宅療養者数も常時数百人規模になっていますので、全庁的な支援体制を敷きながら、食料品等の物資やパルスオキシメーター等の搬送、療養者の方の健康観察などに精力的に取り組んでいます。

 感染予防の対策としてワクチン接種が有効であり、昨年12月から開始している3回目の接種では、接種の加速化を図るため、先月中旬以降から、接種間隔を順次「6か月」に短縮してきています。

 高知県全体で、65歳以上の高齢者の方々の3回目の接種率は約75パーセント程度まで進み、高齢者の感染者数が減少しましたので、18歳から64歳までの方々についてもワクチン供給量や接種体制等を見極めながら、可能な限り前倒しの接種を図ります。

 今後のワクチン接種の加速化では、ファイザーとモデルナの異なるワクチンを接種する「交互接種」について、接種をためらう傾向があることが指摘されていますので、安心してワクチンを接種していただけるように、その安全性や接種効果の周知を重ねて図ってまいります。

 また、5歳から11歳までの子どもさんへの専用ワクチンの接種については、2回の接種を実施する方針が国から示されていますので、接種の際には、保護者の皆様に、その有効性や安全性等に関する丁寧な説明はもとより、副反応が生じた場合に適切な初期対応を講じることなどの要件を満たしておく必要があります。

 今後ともワクチン接種を希望されるすべての方々が、可能な限り早期に接種できるように、ワクチン供給量をしっかりと確保しながら、医師会等の関係機関や医療機関のご協力の下、接種体制のさらなる強化に向けて精力的に取り組んでまいります。

地域共生社会の推進

 次に、地域共生社会の推進に向けた取組について申し上げます。

 地域共生社会を実現していくためには、「助け合い・支え合いのある地域づくり」をさらに丁寧に進めていく必要性があり、基盤となる町内会や自治会をはじめ様々な地域団体や、地域内連携協議会等の活性化や相互連携が重要となります。

 このため、市税1パーセントを活用した市民活動支援として順次予算を拡充することとしており、令和4年度当初予算では、町内会連合会や地域内連携協議会に対する財政支援を拡充するほか、「福祉でまちづくり」を進める上で、中心的な役割を担う民生委員さん及び協力員さんの報償費を引き上げるなど、令和3年度当初予算との比較で約2千8百万円の増額を図っています。

 地域の皆様が主体的に行う「担い手の確保」や「若い世代や女性の方々の地域活動への参画」など、地域の課題解決に資する取組の充実強化に向けて、支援メニューの活用状況等を踏まえ、施策のブラッシュアップと予算の拡充を図ってまいります。

公共交通政策

 次に、公共交通政策について申し上げます。

 高齢化が進みますと、医療機関等に通う頻度も高まってきますので、現状の路面電車や路線バス等の公共交通をいかに残していくかが、地域共生社会を実現する過程でも、重要なテーマとなります。

 先月末には、交通全般の今後20年間の後期10年間の在り方を示すマスタープランである「高知市交通基本計画」を策定するとともに、路面電車や路線バス等の本市の公共交通の今後5年間の実施事業を登載したアクションプランである「高知市地域公共交通計画」も併せて策定いたしました。

 市民の皆様の大切な移動手段として、必要不可欠な公共交通は、利用者の減少や運転手不足への対応、費用負担の在り方など、多くの課題を抱えていますので、専任の組織機構として「交通戦略課」を新たに設け、課題整理や、今後の本市の新しい公共交通の在り方を示すとともに、コロナ禍の中で、大変苦労されている交通事業者への更なる支援を検討してまいります。

南海トラフ地震対策

 次に、南海トラフ地震対策について申し上げます。

 災害時の「受援計画」策定事業に関しては、南海トラフ地震等の大規模災害発生時には、限られた人員や資機材等をもって災害対応を行うこととなり、全国からの受援が不可欠となるため、国の関係機関や各自治体職員、ボランティア等の外部からの支援の円滑な受け入れに備えて、庁内関係部局の若手職員によるプロジェクトチームを設置し、「高知市受援計画」の策定に取り組みます。

 具体的には、令和2年度から3年度にかけて改訂作業を行ってきた「高知市南海トラフ地震対策業務継続計画(BCP)」の中で、発災後に、まず優先的に実施すべき業務を特定し、各部局における受援が必要な業務の洗い出しを行いましたので、当該BCPに基づく受援の全体像を明確にしてまいります。

 併せて、南海トラフ地震が、東海から南海に及ぶ広域災害になることを踏まえ、発災直後に十分な支援が受けられない事態も想定し、各業務への受援配分の優先順位付けなど、受援に係る本市の方針を事前に決定してまいります。

デジタル化の推進

 次に、デジタル化の推進について申し上げます。

 令和4年度では、子育て・介護関係の手続関係や、転出届・転入予約、罹災証明書の発行申請等について、マイナポータルからマイナンバーカードを利用した手続が可能となる対応を進めます。

 また、今年3月17日からは、住民票等のコンビニ交付サービスを開始いたしました。

 このサービスは、マイナンバーカードにより住民票の写しや印鑑登録証明書の交付を行うもので、マイナンバーカードをお持ちの方は、お近くのコンビニエンスストアなどにあるマルチコピー機で、申請書に記載することなく、休日を含め夜間でも、ご自身の住民票の写しと印鑑登録証明書が取得できるようになりましたので、この取組の実施により、市民の皆様の利便性向上を図るとともに、コロナ禍における窓口での非接触型対応を進めます。

 また、本市の市立保育所・幼稚園には、約2千2百人の子どもさんが通園されており、各保育士や教員が作成する保育指導計画や保育記録、保護者との連絡帳等については、すべて手書きで行われている状況を改善し、デジタル化により、職員の方々の業務の負担を軽減し、働きやすい職場環境を整備します。

新年度に向けて

 最後になりますが、引き続き、新型コロナウイルス感染症の拡大防止と経済再生の両立を図りながら、市民の皆様の生活を支えていく必要があります。

 職員の皆さんには、ご自身の体調管理にもご留意をいただきながら、全庁一丸となって、チームで協力しながら、現在のコロナ禍を乗り越えていくことをお願いいたします。

 人事異動後の引き継ぎを確実に行っていただき、職場内でしっかりとコミュニケーションをとりながら、円滑な業務遂行を徹底していただくことをお願い申し上げ、新年度のスタートに当たってのあいさつといたします。

 本年度もよろしくお願いいたします。

 

市長サイン