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市長から職員の皆さんへ(就任にあたっての市長訓示)

 市民の皆様、職員の皆さんおはようございます。

 去る11月26日の市長選挙におきまして、多くの市民の皆様方のご信任を賜り、初めて市政を担当させていただくことになりました。

 約32万人の市民の命、財産、暮らしを守り、未来に向かって重責を担う覚悟を持つとともに、その責任の重さを痛感し、身が引き締まる思いを強くしています。

 また、本日から任期がスタートし、皆さんとともに、まちづくりを進めることができることをうれしく思います。

 一方で、投票率は40.34パーセントであり、市民にとって一番身近な市政の選挙に約6割の人が行っていないという結果に、市民と市政の距離を感じており危惧しています。

 高知市政をもっと身近に感じていただくためにも、県議会議員としての4期16年の経験も活かしながら、市民の皆様の「声」をお聞きし、その「声」をしっかりと「心」に受け止めて、高知市政に期待する多くの思いを「形」にできるようなリーダーを目指してまいります。

 訓示に先立ちまして、平成15年から5期20年にわたり、高知市政を発展させてこられた岡崎誠也さんに感謝と敬意を申し上げます。しっかりとバトンを受け取りましたので、現在の市政の良いものはさらに良くし、足らざるものは足して、変えるものはしっかりと変えていきたいと考えています。岡崎さんにおかれましては、ご健康に十分留意されまして、ますますご活躍されますことをご祈念申し上げます。

市長

 それでは、市長という重責に対し、どのように向き合い、これから成すべきことは何かという私の考えから申し上げます。

 少子高齢化の進展により空き家・空き店舗等が急増し、地域のコミュニティも崩壊の危機に瀕するとともに、長引くコロナの影響や物価高騰が市民生活を直撃し閉塞感が広がっています。

 高知市に暮らす市民の皆様はもとより、将来を担う世代のためにも、活力ある高知市を残し発展のけん引力を発揮するには、従来の手法による「このまま」の市政を踏襲するのではなく、時代の変化に着実に対応し、新たな発想を積極的に取り入れた「これから」の市政が必要です。

 県人口の約半数が暮らす県都・高知市には、県全体の発展をけん引する潜在的な力がありますので、市議会の皆様と市職員が、そして市民の皆様が同じ方向を見つめながら、あらゆる英知を結集して「オール高知市」体制を築いていく必要があります。

 こうした認識の下、子どもたちの笑顔が弾け、高齢者を含め全世代の方がお互いに支え合う、高知市型の共生社会を、市民の皆様とともにつくってまいります。

 さて、今般の市長選では、「『県都改革!』喜びと誇りの持てる高知市へ〜新しい風を、高知市に〜」とテーマを掲げ、5つのまちづくりビジョンの下に、10の基本政策、150の施策を訴えさせていただきました。

 本日は、5つのビジョンを中心に、順次、お話をさせていただきます。

夢がかなえられる街、高知市​

 1つ目のビジョン、「夢がかなえられる街、高知市」について申し上げます。

 市民の誰もが、学び、遊び、働ける魅力ある街をつくり、結婚・出産・子育ての環境を整え、一人ひとりの希望がかなえられる社会を実現してまいります。

 実現に向け、「安心できる子育て環境をつくる」、「生きがいにあふれる高知市型の共生社会をつくる」の基本政策を掲げ、子ども医療費無償化の中学生までの拡充、市独自の(仮称)中学進学時支援手当の創設、結婚して新生活を営む新婚世帯への経済的支援などを進めてまいります。

県都にふさわしい教育都市、高知市​

 2つ目のビジョン、「県都にふさわしい教育都市、高知市」について申し上げます。

 一人ひとりが能力や個性を伸ばし、豊かに生き抜いていく力を身につけるための、活力あふれる学習の場の確保に努め、魅力ある教育環境づくりを目指してまいります。

 実現に向け、「次世代を担う『たくましい土佐っ子』をつくる」の基本政策を掲げ、県市が連携した中学生の学力向上、行政と学校、関係機関が一体となって取り組む不登校対策、小・中学校給食費の負担軽減などを進めてまいります。

県都の使命を果たす、高知市​

 3つ目のビジョン、「県都の使命を果たす、高知市」について申し上げます。

 県人口の約半数が暮らす県都・高知市は、県内最大の消費地であり、産業の集積地でもありますので、県下の市町村と連携しながら、県経済に対するけん引力を発揮してまいります。

 実現に向け、「県都としての力強い産業振興と新たな雇用をつくる」、「世界中から観光客を集める国際観光都市をつくる」の基本政策を掲げ、2025大阪・関西万博や再来年のNHK連続テレビ小説『あんぱん』の放送に合わせた高知市PR、中心商店街のWi-Fi整備、海を活かした観光としての水上交通整備などを進めてまいります。

安心して暮らせる、高知市​

 4つ目のビジョン、「安心して暮らせる、高知市」について申し上げます。

 三重防護による浦戸湾の地震津波対策の早期完成を目指すなど、大規模災害への対応力を強化し、市民の皆様の命や財産を守るとともに、日々の暮らしを支えながら快適に暮らせる持続可能なまちづくりを進めてまいります。

 実現に向け、「大規模災害に対応する、防災・減災に強い高知市をつくる」、「持続可能なまちづくりを目指し、持続可能な仕組みをつくる」、「市民生活の潤いとなる、快適な都市空間をつくる」の基本政策を掲げ、南海トラフ地震に備えた事前復興まちづくり計画の策定、災害時の避難行動要支援者への対応力の強化、避難所における生活環境の向上などを進めてまいります。

チャレンジできる街、高知市​

5つ目のビジョン、「チャレンジできる街、高知市」について申し上げます。

 何かできるかもしれないという潜在力を大切に、誰もが自分の可能性を発揮できる機会をつくり、DX、デジタル化で利便性・効率性を高めるとともに、市政の意思決定の過程の透明化を進め、住民参加によるまちづくりを進めてまいります。

 実現に向け、「DXを最大限に活用し、効率的で住みよい高知市をつくる」、「市政改革を強力に進め、これからの高知市をつくる」の基本政策を掲げ、官民連携によるDX関連の産業振興、構造改革による事務事業の刷新などを進めてまいります。

 以上、5つのビジョンを中心に申し上げましたが、今後4年間、10の基本施策・150の施策を中心とした、高知市の新しいまちづくりを皆様とともに進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

任期スタートにあたって

 今般、選挙期間中に、市内各地をくまなく回り、市民の皆様からは、人口減少等により衰退する地域の厳しい実情など切迫した数多くのご要望やご意見等をお伺いしておりますので、これらの貴重なご意見を大切な財産として受け止めながら、今後の市政運営に活かしてまいります。

 間もなく、市議会12月定例会が始まりますが、職員の皆さんはしっかりと準備をしてくれていると思いますので、身を引き締めなおして、市民の皆様の幸せを強く願い、市議会や職員の皆様とともに精力的に政策に取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。

 以上で、市長の任期スタートにあたりましてのご挨拶とさせていただきます。

 

令和5年1130

高知市長 桑名 龍吾