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市長から職員の皆さんへ(令和7年 年頭あいさつ)

 市民の皆様、職員の皆さん、明けましておめでとうございます。

 令和7年がスタートいたしました。
 この年末年始は天候にも恵まれ、皆様におかれましては、穏やかに新年を迎えられた方も多かったのではないかと思います。
 職員の皆さんの中には、消防署所やごみ収集、また年末年始に関係なく営業される施設やイベントのため、業務に従事した職員もおられたことと思います。
 年末年始に業務に従事された職員の皆さんは本当にご苦労様でした。
 さて、令和5年11月に市政のリーダーとして市民の皆様の命と財産を守る立場となり、皆様の暮らしの間近でその声を受け止めながら、皆様に寄り添う行政でありたいとの強い思いで、この間、市政運営に全力でまい進してまいりました。
 あっという間に駆け抜けた一年でしたが、日を追うごとに職責の重さを実感するとともに、市長として迎える2度目の新年に、改めて気を引き締めているところでございます。
 職員の皆さんにも、年始にあたり、今一度自分たちの組織の在り方や自分自身の仕事への向き合い方を見つめ直し、新たな気持ちで業務に臨んでいただきたいと思います。

職員に向けて

 はじめに、市役所の組織・職場づくりについて申し上げます。
 市民の皆様に市政をより身近に感じていただき、住民サービスの満足度を一層高めていくため、また、急激な社会情勢の変化や複雑多様化する行政ニーズへ的確に対応していくためには、職員一人ひとりに働き甲斐を感じてもらい、その能力を更に引き出し、組織として何事にも主体的に取り組む必要があります。
 こうした組織を築くためには、市役所がワンチームで同じ目標に向かって進んでいく必要があり、私の市政運営に対する考え方や目指すべき成果を職員の皆さんと共有することが何よりも重要であると考えております。
 昨年に引き続き、あらゆる機会を通じ、皆さんに対して、生き生きとした風通しの良い職場づくりや、若者に憧れられるような市役所づくりについて、私自身の言葉で積極的に思いを伝えたいと思っています。
 職員一人ひとりには、担当する業務に対して自信と誇りを持ち、より効率的な行政運営や市民サービスの向上を目指して業務にあたっていただき、その中で生まれる新しいアイデアや業務改善に関する意見などを率直に出し合ってもらいたいです。
 そして、役職や立場に関わらずそれを吸い上げ、実現に向けた検討のできる、お互いを尊重し合うボトムアップ型の職場づくりを進めることで、若い方から高知市役所へ就職することに夢や憧れを抱いてもらえるような組織にしていきたいと強く思っています。
 市長としてしっかりと責任を持ちますので、職員の皆さんは失敗を恐れず、新しいことにもどんどんチャレンジし、やりがいや充実感をもって働いていただき、市民の皆様のために、一丸となって、より良い市民サービスの提供に力を尽くしてもらいたいと思います。
 続いて、管理職の皆さんに留意してもらいたい点についてお話しします。
 私は、職員の幸せなくして市民の皆様の幸せは成り立たないと常々思っております。
 管理職の皆さんには、所属の職員の体や心の健康管理に気を配るとともに、各種休暇の取得がしやすい職場風土が醸成されるよう、日頃から職員同士で活発にコミュニケーションをとるなど、業務をすぐに補完し合える環境の整備をお願いします。
 特に男性職員の育児休暇については、昨年、県とともに「共働き・共育て」の共同宣言を実施し、県民運動がスタートしたところであり、市役所が率先して、取得が進むような職場環境を積極的に築くようお願いします。
 次に、綱紀の粛正と服務規律の確保についてお伝えします。
 昨年の年末年始の交通安全運動の初日に、本市職員が自転車の酒気帯び運転により警察に検挙されるという大変残念な事案が発生しました。
 「飲酒運転をしない」といった交通法規の遵守は当然のことであり、法令遵守を徹底し、職員一人一人が確固たる倫理観と責任感のもと職務を遂行し、市民の皆様の信頼・信用を裏切ることがないよう、公私両面において規律ある行動をとってください。
 また、管理職の皆さんは、自ら姿勢を正し、日頃から危機管理意識を保ちながら職場の秩序の維持に努めるようお願いします。

市政運営について

 次に、今年の市政運営に関して申し上げます。
 市民サービスの質を高め、これまで以上に成果を上げていくためには、戦略的な組織づくりに力を注いでいかなければなりません。
 本市の予算や人員といった資源は限られており、庁内の連携強化を図りながら、その資源を有効かつ効率的に活用していく必要があります。
 そのため、令和7年度に大幅な機構改革を行うこととしました。
 まず、時代の変化に即して利便性や効率性を高めた行政運営の実現を目指し、企画立案や総合調整機能を強化するため、「政策企画部」を設置し、自治体DXの推進や市民生活に影響の大きい公共交通の再構築など、市政全般に関する政策のより機動的な推進を図ってまいります。
 次に、文化やスポーツ施策につきまして、生涯学習や健康増進に引き続き取り組んでいくことに加えて、国民文化祭「よさこい高知文化祭」の開催や高知ユナイテッドSCの躍進等を契機として、文化やスポーツが持つ観光資源という側面にもスポットを当てた観光誘客に取り組むため、文化・観光・スポーツの各部署を統合した「文化観光スポーツ部」を設置します。
 また、商工振興部に新たに設置する外商支援課を中心に、さらなる産業の活性化を目指し、農商工連携による販路拡大の推進や官民の連携を強化してまいります。
 こうした抜本的な機構改革により、組織に新しい風を吹き込むことで、ルーティーン化された業務の中で無意識に事業が硬直化することを防ぎ、職員の柔軟な発想が導き出されることを期待しており、この組織をもって皆さんとともに市政の運営に臨んでまいります。
 現在、市政には様々な課題が山積しています。
 中でも、本市では、昨年、人口が32万人を割り込み、最近では年間4千人近くが減少するなど、依然として人口の減少に歯止めがかからない厳しい現状が続いています。
 この現状を乗り越え、市政をさらに発展させていくためには、誰もが住み続けたい、一度高知市を出てもまた帰ってきたい、さらには、是非ここに移り住みたいと思ってもらえる魅力のあふれる街を全庁を挙げて作っていかなければなりません。
 また、昨年は、新年早々に発生した能登半島地震や、初めて発表された南海トラフ地震臨時情報を受け、市民の皆様の命を預かる身として、地震対策の加速化の必要性を改めて痛感いたしました。
 こうした状況も踏まえ、地震をはじめとする自然災害への備えなどを一層強化し、誰もが安心して暮らせるまちづくりをさらに進めてまいりたいと考えております。
 このように本市が抱える構造的な課題への対応に加えて、収まる気配のない物価高といった、今、市民が直面している事態にもしっかり対処しなければなりません。このため、先の市議会では、継続する物価高により厳しい経済状況にある住民税非課税世帯や子育て世帯へ速やかに支援が届けられるよう、給付金について補正予算の追加提案を行い、議決を賜りました。この予算の趣旨を踏まえ、迅速な予算執行に努めていただきますようお願いします。
 このように、市長就任時からの私の想いを形に変えるべく取組を進めていく一方で、本市の財政運営は今後も厳しい状況が見込まれています。
必要な施策を進めるための財源確保策として、昨年新たにネーミングライツを導入したほか、外部有識者で構成する財政問題懇話会を開催し、貴重なご意見をいただきながら財源確保策や経費削減の取組を進めているところです。
 今後も持続可能な市政運営を図るため、財政の健全化を一層進めてまいります。

県都の役割と責任

 次に、国や県、県内市町村との連携について申し上げます。
 本市は、県内の人口や総生産額の約半分を占めており、さらにその人口割合は年々増加傾向にあります。
 県内のあらゆる都市機能が集中している街ですが、高知市だけが発展すれば良いといった考えを私は持っておりません。
 県内33市町村の発展をけん引すると同時に、各市町村の取組を後押ししながら、県都として責任を持って県勢浮揚をリードしていかなければならないと考えています。
 また、人口減少への対応や南海トラフ地震対策など、多様化・複雑化する行政課題に立ち向かっていくためには、市町村同士はもとより、県や国との強固な協力関係も欠かせません。
 県とは、私と浜田知事が直接意見交換を行う「県市連携会議」だけでなく、実務レベルでの日常的な情報共有をより活発に行いながら、これまで以上に連携を深めていくとともに、国との関係も密にしてまいりたいと考えております。
 また、国や県の政策決定において、地域の実情を適切に踏まえていただくことが大変重要ですので、日々地域住民の皆様の声を直接お伺いしている基礎自治体として言うべきことをしっかりと国や県に届けてまいります。

おわりに

 今年はNHK連続テレビ小説「あんぱん」の放送が始まりますし、2025大阪・関西万博も開催されます。
 こうした国内外に高知の魅力を発信する絶好の機会を活かしながら、より多くの方に高知市を好きになってもらい、たくさんの「高知市ファン」にこの先もずっと応援していただけるよう、そして何より、本市で暮らす市民の皆様に、高知市が「これまでと違うな」「何か変わってきたな」と実感してもらえるよう、「オール高知市」体制で市政発展のためにフル回転で臨みます。
 職員の皆さんには、引き続き心を一つにして、市民の皆様の思いに寄り添いながら、市政を進めていただきますようお願いします。
 今年一年が市民の皆様、職員の皆さんにとって、さらなる飛躍の年となりますことを心からご祈念申し上げ、年頭にあたってのご挨拶といたします。
 今年もどうかよろしくお願いいたします。

令和7年1月6

高知市長 桑名 龍吾