ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 組織一覧 > 広聴広報課 > 平成27年6月11日 市長定例記者会見

本文

平成27年6月11日 市長定例記者会見

会見内容

 6月議会の議案を本日発送いたしました。開会日が6月18日木曜日という予定になっております。

 議案件数は、6月はそんなに多くはないですけれど、予算関係が6月議会でないと間に合わないというものを絞り込みまして、一般会計で5,800万の補正予算を組んでおります。

 条例関係は個人番号制マイナンバーに関する個人情報保護条例関連等で12件、その他議案につきましては契約議案等で6件。全体で19件となっております。最終日に人事案件が1件ございまして、人権擁護委員の推薦諮問議案がございます。

 ※配布資料を基に、第450回高知市議会定例会の議案概要を説明(説明については省略)

質疑応答

(記者)マイナンバー制に関して、条例によっては自治体独自の利用も可能になるが、どのように検討されているのか。

 (市長)マイナンバーの自治体の独自利用については、例えば図書館の利用者カードに使うなど、いろいろなことが言われています。コストの関係があり、どうするかは決めかねています。コンビニでの住民票の交付ということも可能だと言われていますが、さまざまなコストとシステムの問題がありますので、それぞれの部局で検討中という状況です。コストに見合うものでいけそうなものがあれば、それにのせていくということで検討しています。国の方は厚生労働省の所管になりますが、保険証を個人カードにのせる方向で厚生労働省が検討中です。高知市は検討中ですが、市独自で個別でのせる場合は条例でのせていくという予定になっています。

(記者)今回の定例会で提案されている個人情報の関係のものは、マイナンバー制が始まることに伴う対応ということか。

 (市長)そうです。国会で先週議決される予定だったんですが、各金融機関で皆さま方の口座に個人番号を連動させるという法律改正が、年金の情報流出問題で止まっています。それ以外のものは法律ができていますので、その関連のものを個人保護条例の中で挙げていくものです。

(記者)9月議会は個人情報関連の対応は違う条例が出てくるということか。

(市長)個別のものをのせる場合はあります。今検討中です。個別のものを独自でのせる場合は条例を決めてのせることになります。

(記者)独自の取組に関してはコストに見合うものがあればということだが、積極的に考えているのか。

(市長)運転免許証は別ですが、できるだけいくつもカードを持たない方がいいと思います。保険証などは私は常に持っていますけど、常に持っている方は少ないので、できれば個人情報に一本化されていた方がいいと考えています。

(記者)地震のときにも使えるということを詳しくお聞きしたい。

(市長)例えば南海トラフ地震があると、L1かL2によって相当違いますけれど、数万人規模の避難者が出ます。ということは、一つの学校施設に3,000人近くが避難されてくることが想定されます。1箇所に1万人が来たら入りきれない。学校のキャパから言うと、体育館と校舎全部使っても3,000人とか数千人規模しか受け入れられないことが想定されます。通常の台風災害のときは、住所と名前を記帳していただいていますけれど、例えば1,000人を超すと記帳していただくのも無理ですし、スタッフもいませんので、番号だけ書いていただけたら本人確認ができます。ただし、番号も間違えて教えてもらったら困りますので、携帯等へ登録していただいた方がいいのですが。われわれはシステム関係ができるだけ止まらないようにしようと考えていますので、番号だけを正確に書いていただければ、本人確認も追跡もできます。

(記者)改正法案が国会で止まっており、情報の管理や年金情報の漏洩問題が問われている。この制度そのものについて、懸念や課題はどういうものがあると考えるか。

 (市長)マイナンバー自体は、必要だと基本的には考えています。日本の中でも消えた年金が過去に問題になって、いまだ処理がついてないはずです。

 今の勤務形態からいうと、例えば一つの会社に入り、同じ会社で60歳の定年退職を迎える方は少なくなっています。会社をいくつか変えていくことと、最近海外勤務が非常に増えています。海外勤務も同じ会社の支店に行くという方もたくさんおられますけど、海外に行って別の会社で勤め、また日本へ帰ってきて別の会社へ勤めるという方も非常に増えていて、そういった場合、年金の通算ができないということが考えられます。これは国と国との協定で、例えばアメリカと日本の場合は年金の通算ができるように協定を結んでいると聞いています。日本で10年、アメリカで10年勤めた方は、両方とも社会保障番号(日本の場合はマイナンバー)で年金の通算ができるということがあります。こういう勤務形態がもっと増えていくと考えられますので、そういうことに非常に有効だと考えてます。そして、災害のときも有効だと考えています。

 問題は、年金の流出のように個人情報が流出すると大変なことになりますので、基本的に情報管理は国が一箇所で集中的に行うということになっています。一箇所に1億3千万のデータが入ることになりますので、万全のセキュリティを確保し、ファイヤーウォールを組んで対応するということになっています。そこを厳格に整備していかなければならない。それは国も重々承知しています。

(記者)不安はないのでしょうか?

(市長)ハッカーの技術も年々進んでいますし、それを防御する機関も進んでいます。どちらが上回るかという問題はありますが、そこは万全の体制で組んでいかなければならないと思います。

(記者)民間の業者がナンバーを預かるようになる。源泉徴収のときに番号を書かなければいけないから番号を集める作業を大小の企業がやらなければならないが、そうなるとセキュリティの問題に課題があると思うが、どう考えるか。

(市長)セキュリティの啓発は、特に年金の場合は厚労省の外郭団体(昔の社会保険庁)が今、年金機構という形で運営しています。行政の場合は一般のインターネット回線とは繋がらないようになっていますので、外からアクセスされるということは、基本的にはないと考えています。ただ民間の場合は、通常インターネットを使っていますので、外部からインターネットを通じて端末・サーバーに入られやすいこともあると思います。そこは十分に、今回の問題を踏まえてきちっとガードしていただかなければならないということは政府も広報しています。我々も広報していかなければならないと思います。

(記者)日本創成会議が公表した首都圏での高齢化問題についての提言の中で、移住先に高知市が含まれていたことについてどう考えるか。またその根拠として、介護・医療面で余力があると分析されていたということだが、それについて考えを聞きたい。それから、この提言が今後、国策とどういうふうに結びついていくとみているのか。

(市長)賛否両論あります。昨日まで全国市長会等があり、自分自身も介護保険と国保の特別委員会、社会保障の委員会もありましたので、そこでもいろんな意見が市長さん方から出ていました。

 東京都は関東3県で人口約3,000万人近くおります。例えば高齢化率が1%あがるだけで全然ボリュームが違うわけです。高知市の34万の人口に対して高齢化率1%アップするのと、関東全体の3,000万人の1%アップするのとでは全くボリュームが違うので、大きな課題であると思います。

 高知の場合は高齢者の人口も日本より先にピークアウトして減り始めますので、介護関係や医療に余力はあると思います。もうすぐしますと高齢者の方々の人口は減りますので、そこで示されている通り余力はあると思います。受け入れないということはないんですけれど、もの凄いボリュームがありますし、受け入れたときに費用負担はどちらが持つかという問題もあります。例えば、特別養護老人ホームなどの場合は、住所地特例というのがあって、住民基本台帳があるところの市町村が負担するというものがある。今回の場合は、その住所地特例をやるのかやらないのかも分からない。例えば、東京都世田谷区の人が高知へ来てある施設へ入った場合、これまで住所地特例がある施設については東京の負担になりますけど、今回の場合はそういう境を詳しくつくっていませんので、それが課題になります。

 それから、最近地方創生の中でCCRCという言葉が使われるようになりました。石破大臣もCCRCを言い始めています。CCRCは、高齢者の方々を受け入れる、少し前の言葉で言うと「シルバータウン」のような構想がベースになっています。高齢者が、気候が温暖で食べ物が美味しく、医療機関が多い、例えばこの高知県のようなところに移住をしたらどうかという構想は地方創生の方でもありますし、内閣府でももうすぐ計画を出すように聞いています。今年の夏までにそういう計画が内閣府の中央創生本部から出てくるように聞いていますので、それをみていかなければなりません。

 いろいろ課題があると思います。一つの方策としてそういうこともあると思いますし、CCRCもわれわれ否定はしませんけれど、費用負担の問題含めていろいろ課題はあると考えています。

 国策としては、増田教授と政府とは連動しているわけではなく、たまたま同じような考え方を持っているといった方が近いと思いますけれど、内閣府の方で具体策を検討している段階です。出てきたものを我々も確認しながら、高知市が今つくり込んでいる地方創生の総合計画と人口ビジョンにどういうふうに影響していくかということと、それを利用するかどうかということを検討していく。

(記者)ピークになるであろうといわれている2025年の段階では、高知市には医療・介護面で余力があるだろうと市長として考えられている。市策として高齢者の移住が示された場合は、医療や介護を必要とする世代の方々を高知市で受け入れていくということも一つの将来像としてあるだろうということか。

(市長)そうです。可能性としてあるだろうということです。

(記者)高齢者移住の費用負担の問題について、地方の財政負担という面で各自治体や受け入れ先自治体から懸念の声もありますけど、高知市として国への要望はあるのか。

(市長)CCRCの構想自体は国が積極的に打ち出してくると思う。私がいろいろ聞いている話の中でアメリカでシルバータウン構想とかCCRCはかなりいろんな州で実践したんですけれど、高齢者に快適な街をつくると、逆にストレスがないので痴呆が進んだというデータがあるんです。それでうまくいかなかったという都市もいくつかあって、その都市は何をやったかというと、高齢者だけのシルバータウンに大学を誘致し、高齢者と大学生がシェアハウスのような所に住んでいただくと非常にうまくいった。大学生も高齢者に対して関心を持ち、高齢者は若返って刺激を頂ける。例えば大学生は何をするかというと、シェアハウスにおりますのでスマートフォンの使い方を高齢者に教えるなど非常にうまくいったという例もあります。我々がこれからいろいろなことを計画していくとしたら、大学との連携というのは大きな柱として持ってますので、そういうような形で組み込めれば、何かの可能性はあるというように考えています。シルバータウンだけでの構想は、いろいろ課題がありますので新しい組み合わせじゃないと無理かと思っています。

(記者)高齢者の社会保障面での問題もあると思うが、働いて税金は都会で納めて社会保障は高知となることについて、どのように考えるのか。

(市長)高齢者の定義自体も考えなければいけないと思っていますけど、高齢者というのはかつて法律では55歳だったんです。平均寿命の関係で55歳以上が高齢者。今は60歳以上の場合と65歳以上の場合とあります。今、団塊の世代が65歳から69歳までいますけど、ものすごく元気なので、高齢者の定義自体を改めて見直した方がいいと思ってます。何が言いたいのかと言うと、例えば65歳になったので引退するということではなく、定年制の延長を含めて、働ける方はどんどん働いていただいて、社会保険とかの保険料を納めていただいた方がいいのではないかという考え方をベースとしては持っています。そういうのも含めていろいろ枠組みを考え直した方がいいというふうに思っています。

(記者)安保法制について、違憲論が国会で議論されているが、昨年高知市長が憲法から逸脱じゃないかと厳しいお話をされていた記憶がある。今の時点でどう考えるか。

(市長)6月議会で論戦になると思いますけれど、これまでもご質問に対しては、集団的自衛権自体は否定はしません。東シナ海等が非常に緊迫してきてますので、集団的自衛権自体は否定しませんけれど、憲法が個別的自衛権しか認められてないというのがこれまでの政府の見解でしたので、集団的自衛権を行使するなら憲法を改正するのが筋だというふうに、これまでも議会で答弁していますので、そのことは同じ考えを今でも持っています。そうしないと、今、国会で議論になっているように、いろんな意味で理論的に無理も出てきているので、集団的自衛権を正式に行使するなら憲法を改正するのが筋じゃないかなということは、これまでの答弁と変わっていないということです。

(記者)井上副市長に質問です。産業振興を主に担当されると思うが、どのように高知市をご覧になっているか。また、課題として何か見えてきたものはあるか。

(副市長)約2ヶ月間、市内各所を回らせていただきました。産業振興の面から言うと、製造業については地理的要因等を含めて、なかなか大変だなという印象は持っております。そういう意味では、非常に言われていることかもしれませんけれども、高知の特色をどう生かしていくかという観点においては、サービス産業あるいは農業を誘起的にリンクさせていくことが非常に大事なのかなという印象が、今のところあります。

配布資料

資料1 第450回高知市議会定例会提出予定議案の概要 [PDFファイル/77KB]

Adobe Reader

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)