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平成28年2月29日 市長定例記者会見
会見内容
おはようございます。3月議会定例会の予算が本日発送になりますので、平成28年度の重点施策を中心に説明させていただきます。
※配布資料を基に、議案概要を説明(説明については省略)。
質疑応答
(記者)予算関係で2点質問させていただきます。1点目ですが、平成27年度の補正予算の「地方創生加速化交付金」について、金額や充当率を含め、市長はどのように評価されていますか。
(市長)やはり規模がまだまだ不十分だという認識を持っています。特に新型交付金(地方創生推進交付金)については、国費が2分の1まで落とされていますので、かなり脆弱だという印象を持っています。新型交付金については、新たに法律ができることで暫定ではなく法律に位置づけられた交付金になりますので、正式なポジジョンにはついたということで一定評価される部分はあると思います。しかし、まだまだ額が少なく、これで全国に交付決定されるとかなり薄まりますので、我々も心配しているところです。その点については、全国市長会からも強く求めていきたいと思っています。
(記者)2点目ですが、法人税の伸びが弱いという話がありましたが、高知市においてはアベノミクスの影響についてどのように感じていますか?
(市長)個別の税額については企業別には申し上げられませんが、伸びている業界としては銀行を中心とする金融系や保険会社等の収益は一定戻ってきているという印象を持っています。個人市民税の所得税についても、一定伸びはあります。ただ、大きく落ちているのは、長期浸水エリアの関係があると思いますが、特に沿岸部の地価下落が相当厳しいのと、高須・大津などの土地の下落も厳しいため、全体として固定資産税が落ちていることが我々も気になっている点です。津波の浸水被害を市内のエリアに及ぼさないという目標を国・県・市ともに持っていますので、それがどのような形で国の予算に入っているかということを注目していかなければならないと思っています。それが、地価の下落を止めることにも、間接的につながっていくのではないかと感じています。
アベノミクスの効果は、地方ではまだまだ弱いと思っています。ただ、雇用については、有効求人倍率は高知県全体でも1.0を超えていますし、高知市でも過去最高の所まで上がってきていますので、高知でも人手不足感というのは出始めました。例えば、スーパーの裏方やコンビニの深夜勤務など、人手が足りないというのが出始めています。ただし、税収や給料の伸びにつながっているかという点については、まだ弱いと思います。
(記者)概括的に当初予算編成のポイントを教えてください。
(市長)4期目の初めての当初予算になります。4期目の公約を織り込んでいかなければならないということで、「にぎわいと暮らし安心のまちづくり」が私の公約の大きな柱でした。「暮らし」「安心」には2つの大きな意味がありまして、1つは南海地震対策、もう1つは少子高齢化の対策がこれから非常に重要になりますので、その点について重点的に予算化をしました。特に、お子さんの支援については、かなり色濃く予算化しています。高齢者の部分については、介護保険から生活支援の総合支援事業に移っていきますので、その部分も予算化しています。
(記者)財源の規模自体は増大していますが、その点はどのように組んだのでしょうか?
(市長)地方創生については、できるだけ国の100%の地方創生加速化交付金で前倒ししています。今回過疎計画の見直しもしておりますけれども、起債でいうと中山間については過疎債等の活用、それから平成17年に土佐山・鏡と合併していますので、合併特例債が使えます。また、平成20年に春野町と合併していますので、合併推進債が使えます。それぞれ交付税が相当入っていますので、特に大型の施設で起債が使えるものについては、工夫をしながらそこに入れ込んでいます。
(記者)大型の事業が続く局面に入っていると思いますが、過去の財政が厳しかった頃に戻らないようにするために、どのような市政運営に望もうと考えていますか?
(市長)高知国体の前に事業が集中して、清掃工場の建て替えやかるぽーと建築、国体の施設整備などで相当起債が積み上がりました。それが高知市の財政の危機を招きましたので、そういう風にならないように、起債を抑制して削減しました。起債の残高は減ってきましたが、平成28年度から新庁舎や南海地震対策がさらに加速化しますので、これから少しずつ積み上がるという推計になります。起債の償還額は減ってきていますので、今後とも起債の発行額のコントロールと繰上償還を工夫しながら、財政の健全化を進めていきたいと考えています。
(記者)官民連携基盤整備調査事業のアンケート調査について、国交省の官民連携調査が進行中だと思いますが、それとの関係性がよく分かりません。また、新図書館西敷地ですが、従前の計画では広場ということで結論が出ていて、それを今回高度利用という前提で検討されていますが、その理由について教えてください。
(市長)まず、長浜の官民連携調査ですが、現在国交省の補助金を活用して調査していただいているのは、「立地可能性調査」です。3月末で全体の調査ができ上がってきますので、それを十分に分析して、「アンケート調査」に入りたいと思っています。長浜の南部と御畳瀬、浦戸の住民の方々に直接アンケート調査を行い、地域に住んでいる皆さんがどういうニーズがあるかということを調査し、今後の事業の方向性を絞り込んでいきたいと思っています。事業規模等は現在決まっているわけではなく、立地可能性調査とアンケート調査の結果を踏まえて、考えていきたいという段階です。
西敷地については、前回の議論の中で広場という意見もありましたが、広場だけにするわけではなく、複合的な可能性を探っていこうというのが前回の結論になっています。追手前小学校の統合についてさまざまな意見があったところですが、追手前小学校をさらに利活用していこうという背景には、あれだけの中心部に残された貴重な市民全体の財産ですので、高度利用したいというのが我々の大きな目的でした。中心市街地活性化の認定も受けましたので、そのための用地として活用していこうということが前提でしたので、西敷地も中心市街地の活性化に寄与するものという観点で、提案・プロポーザルをとっていきたいと思っています。完全に広場にしてしまうということではなく、一定高機能・高度化というものをめざしながら、プロポーザルでの提案をみて、最終的に絞り込んでいきたいと思っています。
(記者)立地可能性調査で仮に立地の可能性が低いという結論が出た場合はどうするのですか。また、西敷地について、通常の高度利用という言葉は敷地の容積率や扁平率を目一杯に使ってなるべく高くするという意味ですが、そういうイメージなのでしょうか。
(市長)立地可能性調査ですので、「駄目だ」という結果があがってくることは想定しておらず、いくつかの考え方が提案されてくると思っています。それをよく分析しながら、今後の方向性を決めていきたいと思っています。
高度利用については、提案の中身によりますので、どういう提案が民間の方からあるのかを見ていかなければなりません。広場を残すという提案や西敷地を全て使うという提案もあると思いますが、民間の提案になりますので、今の段階で我々が絞り込むつもりはありません。広く提案を受けて、最後に委員会等で意見を聞きながら絞り込んでいきたいと思っています。
(記者)公約をかなり意識して予算を編成されていると思いますが、選挙で訴えて予算に盛り込まなかった施策の理由について教えて下さい。
(市長)公約は4年間のものになりますが、その中で一番重要なものでいうと、社会福祉会館の建設は平成28年度予算には盛り込んでいません。ただ、構想の検討には取り掛かりたいと思っており、まず庁内で取り掛かるため予算は必要ありません。スケジュール的に言うと、新庁舎の完成が平成31年2月の予定ですので、新庁舎が完成すると南別館から移転してくるため、平成30年度までに一定の構想、できれば設計までいっておきたいと考えています。選挙中の公約の中で申し上げたのは、中心部に子育ての拠点がないためそれを整備したいということと、生活支援相談センターが民間のビルにいるため家賃が年間1,000万円ほど掛かっていますので、それを公共施設の中に取り込みたいというのもあります。まず、庁内の検討から入りますが、そういうものが後年度に残っています。
(記者)公共交通の件で、中心部へのバスターミナルの整備について昨年の段階では難しいという見解が示されていましたが、年度末を迎えるに当たり結論は出たのでしょうか。
(市長)3月末に都市再生の特別委員会に報告する予定にしておりますが、民間が全て用地を押さえているため、現状では我々が中心部で大きなバスターミナルを整備する構想は厳しいという状況になっています。当面は暫定として、県庁前からかるぽーと周辺までの分散型で、意見交換をしながら最終的な方向性を決めていきたいと思っています。
(記者)中心部での整備は断念したということでしょうか。
(市長)中心部の整備は、当面はできないということです。3~4年は土地がないと思いますが、都市交通の体系自体も変わってきますので、それも睨みながら検討していきたいと思っています。
(記者)子どもへの医療費助成について、小学生の医療費無償化というのは全国的に珍しいものになるのでしょうか。
(市長)段階的にいうと、「高校3年生まで」「中学3年生まで」「小学6年生まで」の3区分に分けられます。高知市は中核市で比較すると少し遅れているため、まず小学6年生までやるということにしております。4カ月で1億6,800万円ほどかかりますので、平年ベースでいうと5億円以上かかることになります。選挙の争点となっていた「中学3年生まで」にすると、プラス2億円ほどかかるため、7億円を超えます。予算の調整もありますので、平成28年度では10月から小学6年生までやるということで進めており、中学3年生までをどうするかということについては、今後の課題として残っているという状況です。イメージとしては、これで中核市に追いつくという形になります。
(記者)固定資産税の減収については、どれくらいの影響になっているのでしょうか。
(財務部副部長)毎年数億円単位で土地の下落による影響がありますが、平成27年度と平成28年度の当初予算で比較すると、固定資産税の影響は3,000万円の減収となっています。