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本文

平成29年11月14日 市長定例記者会見

会見項目

  1. ミサイル対応訓練について
  2. ペギー葉山さんを偲ぶ会について
  3. 「市長と語ろう会」の開催について

 配布資料

  1. ミサイル対応訓練について [PDFファイル/89KB]
  2. ペギー葉山さんを偲ぶ会 [PDFファイル/593KB]
  3. 平成29年度「市長と語ろう会」の開催について [PDFファイル/156KB]

会見内容

1. ミサイル対応訓練について

 おはようございます。本日は,私から3点ご報告をします。

 先ほどもJアラートの情報伝達訓練の放送が流れたところですが,11月28日火曜日に,弾道ミサイル発射を想定した住民避難訓練・情報伝達訓練を,布師田地域の住民の皆さんと協力して開催します。

 北朝鮮による弾道ミサイルの発射につきましては,ここしばらく沈黙している状況ですが,グアム方向に発射するということを明言しています。今回の訓練は特定の国を想定したものではありませんが,北朝鮮がそういう発表をしているということが背景にありますので,住民の皆さんにも意識を持っていただきたいと考え,訓練を実施します。

2. ペギー葉山さんを偲ぶ会について

 2点目は,ペギー葉山さんを偲ぶ会についてですが,昨日から高知大丸のご協力を得て,県市共催による「ペギー葉山さんの映像&パネル展」を開催しています。

 本当に残念なことですが,高知を第二の故郷として,広くPRしていただいたペギー葉山さんが,本年4月12日に83歳で亡くなられました。亡くなられる2週間ほど前までリサイタルを開いておられたと聞いていますので,まさに突然の訃報でした。

 11月20日月曜日に文化プラザかるぽーとで,これも県市共催により「ペギー葉山さんを偲ぶ会」を開催します。事前のお申し込みをすでに締め切っていますが,大ホールの座席数約1,000席に対して,1,621人の方から申し込みをいただきました。抽選により入場者を決定させていただきましたが,約600人もの方が入場できないことになりましたので,かるぽーととも協議をした結果,追加で200人の方に小ホールでのモニター視聴をしていただくことにしました。

 偲ぶ会の内容としましては,「奇跡の歌」を執筆された門田隆将さんの講演。そして,ペギーさんと親交の深かった,シンガーソングライターの小椋佳さんによるミニライブを予定しています。また,ペギーさんには,よさこい全国大会の特別審査員長を長く務めていただきましたので,過去に「ペギー葉山賞」等を受賞した県内チームから,4チームほど踊っていただく予定です。

 皆さんもそうだと思いますが,今でもまだ,また会えるのではないかという思いがあり,本当に残念です。11月20日,ペギー葉山さんを偲ぶ会を行います。

3. 「市長と語ろう会」の開催について

 3点目は「市長と語ろう会」についてです。今回は,テーマを「南海トラフ地震長期浸水エリアにおける避難対策について」としました。南海トラフ地震関連は,非常に関心が高く,大人の方だけではなく,小学生から中・高校生まで,関心が高まってきています。市の沿岸部では,住民の皆さんからご意見をお聞きした上で,津波避難センターや避難タワー11か所の整備を行いました。今回は,地震による地盤沈下に伴い長期浸水が想定されるエリアで,住民の皆さんと意見交換を行います。

 昭和21年12月の昭和南海地震では,1.2mほど地盤が沈下して,約1か月浸水した経験があります。現在,東日本大震災級のレベル2の地震が起こった場合には,1.8m以上の沈下が予想されており,10数万人が影響を受けることになります。昭和21年と現在では,市の中心部の人口が全く違いますので,長期浸水が想定されるエリアの住民の皆さんと意見交換を行い,ご要望等をお聞きした上で,避難・救助等の重点的な対策に織り込んでいきたいと考えています。

 最初の11月29日下知地域から,最後の2月22日高須地域まで,4地域で6回開催します。どこに避難すれば良いのか,マンションで孤立したらどうすれば良いのか,どういう体制で救助に来てくれるのか,いろいろな不安があると思います。さまざまなご意見やご質問があると思いますので,関係部局と一緒に入っていきます。よろしくお願いします。

 私からは以上です。

質疑応答

(記者)

 前回の市長選から約2年経過し,4期目も半ばを迎えようとしていますが,今期のこれまでの施策について,どう評価されていますか。併せて,次期市長選にどう臨まれるのか,今の時点で結構ですので,お考えを聞かせてください。

(市長)

 現在の4期目が,この11月で折り返しということになります。過去4期を振り返りますと,1期目は平成15年11月に非常に財政状況が厳しい中で就任し,直後に平成15年度の予算執行を凍結したことが記憶に残っています。最初の2期8年は,職員や議会,そして住民の方々のご理解をいただきながら,財政再建に全力を挙げてきました。3期目に入り,少し財政再建の兆しが出てきましたので,3期目から4期目は,特に南海トラフ地震対策や子育て支援を中心に,いくつかの政策を執り行うことができました。

 6年前に東日本大震災が発生し,南海トラフ地震に対する,はっきりとした想定ができましたので,現在は南海トラフ地震対策,そして,社会福祉の充実に重点的に取り組んでいます。先ほども申し上げましたように,浸水を防ぐということは,本市の戦後一貫した命題ですので,国に三重防護を決定していただいたことは,非常に心強いと考えています。

 また,昨年10月から,小学校6年生までの医療費の無料化を実施しています。財政負担はかなり大きいのですが,第2子の保育料の無料化と,小学校6年生までの医療費の無料化は,子育て支援につながりますので,これが実現できたことは良かったと思っています。

 さらに,積年の課題だった中学校給食につきまして,来年度の2学期中に開始する予定で,現在,針木と長浜に給食センターを建設中です。これも,着実に実施をしたいと思っています。高知県内一連で取り組む連携中枢都市圏の課題等はありますが,二段階移住等,高知らしいものをどんどん進めていきたいと思っています。

 公約に掲げたものは,一部を残してほぼ実施,もしくは着手できていると認識しています。4期目の折り返しになりましたが,次のことはまだ,後援会と話をして,どうするか決めていかなければいけませんので,今の段階では全く決めていません。残る2年間,重要課題の前進に全力を挙げていきたいと思っています。

(記者)

 国土交通省が,所有者不明の土地について利用権を設定し,公益性のある事業に活用できる制度を創設する方針を示していることに関連して質問します。高知市ではこの制度が創設された場合,どのような活用を検討していますか。また,現時点での所有者不明の土地の状況,活用策等合わせて教えていただきたいです。

(市長)

 後段からお答えします。所有者不明の土地がどのくらいあるか,確定はできていませんが,市の都市計画の中で,空き地やコインパーキング,資材置き場,荒地等について,平成23年から24年にかけて調査をしています。これらの,いわゆる空き地と言われるような土地の概ねの面積ですが,市街化区域でおよそ400ha,調整区域でおよそ470haあります。空き地等という言い方が正しいかと思いますが,市街化区域全体の中で約8%が空き地,もしくは駐車場になっています。また,調整区域の中では,約4%が耕作放棄地等になっています。耕作放棄地につきましては,できるだけ再生したいということで,新しい作物も含めて取り組んでいるところです。

 市街化区域,特に中心部でも随分空き地等が目立ってきました。その内,所有者不明の土地がどの程度なのか,確定はできていませんが,国も所有者不明の土地,または相続されていない土地が増えていることを懸念していますので,ある一定のイメージでそれを再生していこうということが言われています。

 国のイメージとしては,例えば,所有者不明の土地を市が借り上げて,地代相当分を法務局に供託しておき,ポケットパーク的に整備して活用し,所有者が出てくればお返しする,そういった制度を想定していると聞いています。しかし,本市でそのような事業が可能かどうかということもありますし,国の制度についても,まだ十分煮詰まっていないと思います。今後,詳細な情報が下りてくると思いますので,その中身を見ながら考えていかなければならないと思っています。国の動向を見ていきます。

(記者)

 診療報酬の改定についてですが,政府が医師や薬剤師の技術料は微増とする一方,薬価を大幅に引き下げて,診療報酬の改定については全体の改定率をマイナスにする方針ですが,この方針についての受け止めをお願いします。

(市長)

 診療報酬の改定については,最終的に社会保障審議会の医療保険部会に報告をされ,私も国民健康保険の保険者としての立場から意見を述べることになります。診療報酬の改定には医師会も関わりますし,国全体の予算に大きな影響を与えますので,いつも12月頃まで決着がつきません。現在の見通しとして,高額な薬を引き下げていく動きがありますので,薬価はかなり下がると思います。

 医師等の技術料については,ここを引き下げると,病院,診療所の経営に直接大きな影響を与えますので,医師会は絶対にプラス改定ということを強く要請しています。財務省はマイナス改定をしたいと考えているように聞いており,ここがせめぎ合いになっていますが,最終的に技術料は少しプラスになるのではないかと考えています。出口を見ながら,最終的に医療保険部会で保険者の立場から意見を述べていくということを考えています。

 技術料をあまり下げると,医療センターの経営等に影響しますので,やはりバランスが大事だと考えています。技術料のマイナス改定というのは,あまり良くないのではないかと考えていますが,もう少し出口を見る必要があります。

(記者)

 今の方向性として,技術料はマイナスとしない,その代わり薬価を引き下げるということですが,その方向性に対する現時点での評価はいかがですか。

(市長)

 1錠で数万円,1か月で1,000万円を超えるといったような非常に高額の薬がありますので,やはり薬価は一定引き下げた方が良いと考えています。

(記者)

 地方消費税の配分に関してですが,財務省が地方消費税の配分基準を,人口に重点を置くように見直すべきだと提案しました。総務省の有識者検討会も,昨日,人口の配分比率を高める方向の最終報告案を大筋でまとめました。この方向性の受け止めはいかがでしょうか。

(市長)

 消費税1%で,概ね2兆5,000億円と言われています。地方消費税の取り扱いについては,現状の8%のうち,1.7%が取り分になっており,県市に配分されています。

 この地方消費税の大きな問題点は,地方消費税の算定のうち,75%を消費額見合いで計算することです。当然,デパートなどの商業施設が多い大都市に,非常に有利に働いていますので,この75%という消費割合分をやめて,全て人口割にしてしまおう,東京などの大都市部の取り分を減らして地方に配分しようという,その方向性としては,良い方向ではないかと思っています。

 仮に,地方における地方消費税の取り分が増えると,交付税が減らされる仕組みになりますので,もう少し,いろいろな試算が必要だとは思っていますが,いずれにしても,大都市部から地方へお金が動くことを想定していますので,基本的に,その方向はこれまでより良いのではないかと思っています。

(記者)

 東京都や横浜市といった都市部の首長には,税収減が見込まれるということで,この方針に疑問を呈されている方が多いですが,そのあたりについて,どのようにお考えですか。

(市長)

 大都市圏には潤沢に税源がありますが,地方都市はそういう訳にいきませんので,税源の偏りは一定改善をしていくべきだと考えています。

(記者)

 「市長と語ろう会」に関連して,広聴広報機能の強化について伺います。2016年度から,広聴広報機能の強化の取り組みとして,戦略プランを実施されていますが,計画期間は2019年度までですので,丁度半分くらい経過したと思います。これまでの取り組みを振り返って,成果と評価をお伺いします。

(市長)

 農林水産部を独立して立ち上げたり,総務部の中に全体の戦略を立てる課を設けたり,いろいろな機構改革を意識的に行ってきました。私は40年近く市役所にいますので,機構改革がどういう変遷をたどってきたか概ね把握していますが,これまで手付かずだったのが広聴広報部門だという認識があります。

 少し古い話ですが,坂本市長が就任した際に,住民の方々の意見を積極的に聞き,一緒に地域をつくっていこうということで,自治活動課が作られました。そこから,広聴のセクションと広報のセクションは別々で動いてきましたが,やはり,いろいろな意見を直接お聞きして,それをフィードバックしていくのが理想の形ですので,今年度,広聴広報課を立ち上げました。

 広聴広報機能の強化の取り組みについては,「市長と語ろう会」も含めて,キャッチボール型の広報広聴ということをイメージしています。「市長と語ろう会」のような懇談会は,市長それぞれに考えがあるので,全国的にはさまざまな手法があり,テーマは設けずに順番に地域を回っているところもあります。しかし,私としては,単なる御用聞きになってしまうのはどうかという思いがあり,せっかくならテーマを設けた上でディスカッションして,議論を深めていった方が良いと考えました。1回で十分お聞きすることができなければ,その1回で終わりにはせず,複数回入っていきます。今回も,一通り各地域で開催しますが,ここには個別の課題が多くあると思った所には,再度入る可能性もあります。

 限られた時間の中ですので,どこまで突っ込んだ議論ができるか分かりませんが,テーマを持って議論し,こういう課題がお互いにあるよねと認識した上で,行政はここまではできるけれども,ここからはできない,という話をします。そして,住民の方々にそれをまた考えていただく。そういった場にしたいと思っています。こういうキャッチボールの場は,今後とも設けていきたいと考えています。

(記者)

 もっと議論した方が良いと思ったら,もう一度入ると言われましたが,今回入っていない地域にも,来年度以降,入っていく可能性はありますか。

(市長)

 東日本大震災の惨状は私たちの目に焼きつきました。沿岸部に避難する場所がないのは大変なことだと思い,すぐに沿岸部の地域に入って意見をお聞きし,とりあえず避難する場所は確保できました。今回の場合は,長期浸水が想定される地域で意見を聞いてほしいという要望が,何か所かから上がっていましたので,それを踏まえてのことになります。

 防災対策の個別の課題としては,中山間地域や津波以外の課題もあります。現在,防災対策部が地元に入り,中山間地域の防災計画を作っていますが,例えば,そこから,こういう話を聞いてほしいということなどが上がってくれば,テーマを絞りながら入っていきたいと思っています。

(記者)

 テーマを決めて入られるということですが,以前の定例会見で,住民側が要望したテーマにも応えていかれる姿勢を示されました。住民側からのテーマ設定ということも,今後,可能性としてはあるのでしょうか。

(市長)

 あります。そういうことを含めてキャッチボールという考え方を持っています。

(記者)

 ミサイル対応訓練についてお伺いします。開会式をやって参加者が移動とありますが,具体的にどんな訓練になるのでしょうか。

(防災対策部長)

 11月28日に行うミサイル対応訓練ですが,開会式と言いましても,地域の保育園の園児や,布師田小学校の児童の皆さんが参加しますので,ごく簡単なものになります。その後,周辺に全部で9局ある防災行政無線のうち,5局からミサイル発射時のJアラートの放送内容を吹鳴させて,児童・園児の建物への避難や,住民への伝達,そういった訓練を行う予定になっています。30分程度で終了する予定です。

(記者)

 地域の住民はふれあいセンターに,小学校,保育園はそれぞれの建物に入るという理解でよろしいですか。

(防災対策部長)

 はい。そうです。

(記者)

 布師田地区の,ほぼ全域を対象にしているのか,それとも,一部に区切った形でしょうか。

(防災対策部長)

 全域ですが,平日ですので,小学校,保育園の児童や園児,教員の方などを中心に250人ということで,住民の方もできるだけご参加いただけるよう,協力をお願いしています。

(記者)

 布師田を選んだ理由はありますか。

(防災対策部長)

 さまざまなところにお声掛けした中で,これまでの訓練の経過等を含めて調整が取れたのが布師田地域ということです。

(記者)

 小学校の児童,また保育園の園児といった小さな子どもたちも参加しますが,どのような位置付けでこの訓練を実施するお考えでしょうか。

(市長)

 本来的には,高知県市長会,四国市長会が決議したように,領空上をミサイルが通過するということは異常な事態ですので,そういうこと自体があってはならないと考えています。

 ミサイルが通過するだけではなく,部品等,何かが落ちてくることも想定した訓練になっていますので,出来るだけ建物の中の安全な場所へ入るという認識を持っていただきたいと思っています。

(記者)

 具体的には,防災行政無線で「建物に避難してください」というところまで呼びかけるのでしょうか。

(防災対策部長)

 先ず,今回,高知市で最初に行いますが,高知県と市町村との共同訓練ですので,県内の市町村との情報伝達ということも訓練の一つです。それから,今回の訓練では,ミサイルはあくまで上空通過ということで,着弾するといったところまで想定していませんが,実際には,万が一の場合,破片の落下,あるいは着弾ということも想定されますので,児童や園児の皆さんには,内閣府が示している身を守る行動を取ることを基本にして,速やかに建物に避難していただくということを想定しています。建物がなければその場に伏せて頭を防護するか退避行動をとる。それを速やかにしていただくことが今回の訓練の一つになると思います。

(記者)

 それを防災行政無線でも呼びかけるのでしょうか。

(防災対策部長)

 防災行政無線では,Jアラートの,弾道ミサイルが発射されて通過していますという訓練放送のみになります。

(記者)

 通過していることのみ知らせて,各自の判断で身を守る行動をとるということですね。

(防災対策部長)

 Jアラートに合わせて避難行動をとるというのが今回の訓練ですので,無線での呼びかけはしません。

(記者)

 カラーユニバーサルデザインについて,市の洪水マップや窓口の申請用紙,新庁舎のサインなどもそうなると思いますが,多様な色覚に対応した取組をされています。改めて市長のお考えや思いを一言,お願いします。

(市長)

 カラーユニバーサルデザインについては,いろいろな行政資料を含めて,全ての分野で意識を持って考えていかなければならないと思います。特にその中でも,防災関連の資料,住民の避難に直接関わる資料については,専門家のご意見をお聞きして,どなたが見ても分かるものを作っていくという意識が大事だと思います。

(記者)

 仁井田産業団地の件ですが,用地買収が上手くまとまらなかったということで,計画自体が中止になったと思います。市長が公約に入れておられたかも含めて,市政におけるインパクトは大きいと思いますが,今回,この計画を中止したことについての受け止めと,調査費に3,500万円執行されていることについての2点お伺いします。

(市長)

 仁井田の産業団地ですが,もうすぐ開通する高知南インターからも近くてアクセスが良く,浸水をしない。さらに,すぐ前を二車線の道路が走っているということで,非常に有効な土地でしたので,大変残念に思っています。

 現在,一宮の産業団地が整備完了に向かっています。来年度中に分譲ができると思いますが,おそらく,早めに売り切れると想定しています。平行して,仁井田でもぜひやりたいと思っていましたが,今回,最終的に地権者との交渉がまとまりませんでしたので,断念という方向で決定しました。

 団地を造成する場合には,測量調査に一定の経費がかかります。それは,一定の計画を持った上で地権者と交渉を行わなければなりませんので,必要経費だという認識を持っています。一定の公費も使いながら,最終的に産業団地として仕上げていきたい思いが強かったので,非常に残念に思っています。

 部長時代から関わっていますので,中澤副市長からもコメントします。

(中澤副市長)

 市長がお話しましたので,あまり付け加えることはありませんが,民間の土地を買収しようというものですので,先ず,どの範囲の土地を必要とするかということで測量が必要になります。そして,それを譲っていただくときには,単価いくらで買いますという交渉が必要です。行政としては,透明な形で,誰から見ても不公平のないような形で土地代の算定をする必要がありますので,やはり,調査費用の部分は,今回残念な結果にはなりましたが,どうしても必要な経費であったと判断しています。

(記者)

 市長の公約には入れておられたでしょうか。

(市長)

 公約に産業団地の整備は入っていますが,個別の名称を入れていたかどうかは,確認しないと分かりません。

(記者)

 今回は,交渉の経過で,売買完了の期限で折り合わなかったということになっていると思いますが,土地の単価,売買の金額について,相手方とのやり取りはあったのでしょうか。

(中澤副市長)

 単価のやり取りで折り合わなかったとか,そういった混乱があったということは聞いていません。相手方の,これくらいでは売れるという思いと,こちらが鑑定評価を見て出した金額がかけ離れていて,買おうとしても買えなかったという状況はあります。言い合いになったとか,そういうことではなく,相手方の思惑が違っていたということだと思います。

(記者)

 金額が折り合わなかったということでは格好が悪いので,期限にしようということではないですね。

(中澤副市長)

 そうではありません。

(記者)

 純粋に期限,いつまでに買ってほしい,それはできません,ということですね。

(中澤副市長)

 そうです。単価がいくらという話になったというような報告は受けていません。年度内に全部終わらせたいというお話でしたが,契約するにしても議会の議決が必要になるため,スケジュールを組んでいくと,どうしても来年の夏頃までかかります。スケジュール的に合わなかったということで,今回は諦めたという経過です。

(市長)

 場所が分からない方もおられると思いますが,もうすぐ高知インターと高知南インターがつながります。その高知南インターから近く,既存の南流通団地という団地がありますが,その少し北で武市半平太の墓の南側。海抜も19mくらいある一等地で,非常に有望な土地でしたので,この交渉がまとまらなかったということは,本当に残念です。

(記者)

 道の駅と同じ地権者になるかと思いますが,そのあたり,関係はあるのでしょうか。

(市長)

 道の駅とこの件は関係ありません。

(記者)

 平成26年3月議会の委員会で,仁井田の名前は出ていたと思います。平成25年の12月議会だったと思いますが,そこで市長が答弁してから数か月で,もう仁井田の名前が出てきて,その調査費がポンと付くという形で,すごく早いなという印象があります。

 道の駅と同じ地権者で,両方とも相手方から上手くいかなくなって,結果的に市費の損失になったというのは,経過として非常に慌ただしいというか,拙速という感じがしますが,仁井田でいけるという担保が,何かあったのでしょうか。

(市長)

 この用地は,資材置き場のようになっていて,もともと更地ですので山を削る必要がありません。前に二車線の県道が走っていて,海抜が19mあり浸水しない,既存の流通団地も近いという,非常にポテンシャルが高い土地で,一等地だということは,誰からもすぐに分かりましたので,交渉に入ったという経過があります。

 一宮の産業団地は県と合同でやっていますので,仁井田についても県に持ちかけましたが,県の場合は基本的に工業団地を整備するスタンスです。私どもは,流通を含めた産業団地を想定していますので,県との合同は無くなりました。

 交渉に入るまでの過程が早かったということについては,それだけ有望な土地でしたので,できるだけ早く話をまとめたかったというところはあります。

(中澤副市長)

 少し補足をします。私が商工観光部長に就いたのは平成25年4月ですが,それ以前から,産業団地を確保するための適地調査を行っていました。候補地を上げて絞り込み,最終的に残った4か所の中に,確か仁井田が残っていたと思います。

 その4か所の中では一宮が一番有望だということで,最初の候補地にしましたが,第2段階の候補地として,残る3か所の中に,ここが残っていたと思います。

 そういうことも含めて,これからの皆さんの需要を考えたときに,一宮団地だけでは足りませんので,ではどこでやるか,という判断の中で,3か所のうち1番可能性があるということで選んだ経過があると思います。それは,部局の方に資料がありますので,よろしければ確認していただきたいと思います。そういった経過があって,取り掛かりは割と早かったと思います。

(記者)

 先行して大金を投入するのですから,その地権者の方から売ってもらえる確証のようなものが大事だと思います。通常は,地元からの要望などがあって進めていくものだと思うのですが,地権者と1対1での合意だけですか。どのような担保があるのですか。

(中澤副市長)

 団地を造成するときは,土地の所有者の方に,交渉に応じても良いと言ってもらうところから始まり,一定の可能性が見えた段階で周辺の方々に説明していく形になります。周辺の方々から,ここでやってほしいというような話は,まず無いと思います。

 一宮につきましても,その場所に決まった段階で,周辺の町内会等に説明に回りながら,ご意見をお伺いして進めてきています。仁井田は,南国市側には団地がありますが,高知市側には民家が少ないということはあるものの,当然,話が進んでいく中で,周辺の方々にもお話をしてきた経過はあります。その中では,反対のご意見はいただいていません。

(市長)

 もう一つ,工業団地や産業団地を造る場合,赤字を出すことはできませんので,土地の買収,造成,売り出し価格,それらのバランスを見る必要があります。そのため,いろいろな可能性調査を行いますが,調査の一つとして測量を行いますが,測量調査というのは,通常,民有地に入って測量しますので,地権者の了解が必要です。その了解と,売る,売らないという話の了解とは,また別の話です。

 仁井田についても,測量調査に入る際に,調査をしても構わないという了解をいただいて,現地に入って調査をしています。あの土地を産業団地にしたいという思いが強くありましたので,最終的に買収までこぎ着けたかったのですが,上手くまとまらず,非常に残念です。

(記者)

 更地といっても,途中で地権者がどんどん広げていったために南国市でもトラブルが起きて,結局時間切れになった訳ですが,最初の段階ではそういう話だったということですね。

(記者)

 大筋として,相手方には売る意向があったのですよね。書面は交わしていないとしても,測量だけ了解して,売る,売らないは全く別という話ではなかったのではありませんか。

(中澤副市長)

 書面は交わしていません。あの土地にはもともと,建物や資材などがありました。その移転補償がどうなるかといったご質問があったということは,一定,売っても構わないというお気持ちがあったと思います。そういう中で私どもも動いて,補償の算定等を行っています。

 最終的には,相手の方が想定していた金額と,市が算定した金額が違っていたのかもしれませんが,一応,市に算定させて,自分の思いと合えば売ろうというお気持ちはあったと思います。

(記者)

 今後,すでに支出した公費の部分が何らかの焦点になった場合,売るか売らないかわからない状況で測量だけ了解をもらい調査したということと,売買の書面は交わしていないにしても,大筋,その方向で話を進めていたというのでは,意味合いが違ってくると思いますが。

(中澤副市長)

 一定の期間までは,その方向で話が進んでいたと認識しています。

(記者)

 本格的な交渉に入り,話を詰めていった結果,まとまらなかったということですね。

(中澤副市長)

 はい。

(記者)

 市長は地権者の方と直接交渉されたことがありますか。

(市長)

 ありません。

(記者)

 売ってくれませんか,というお話は一度もしたことがないのですか。

(市長)

 相手がどなたであっても,そういった売り買いの話はしません。

(記者)

 市長は買収の交渉を全くされないのですか。

(市長)

 今回の件に限らず,直接交渉することはありません。

(記者)

 一度も会われていないのですね。

(市長)

 宴席などでお会いする機会はありますが,公的な話はしません。地権者がどなたかに限らず,用地交渉などで地権者と会ってお話したことは一度もありません。

(記者)

 ミサイルの話に戻りますが,参加される方々に,この訓練を通して,どのようなことを身につけてほしいと思われますか。また,今回はモデルになっているということで,県民の皆さんに,今回の訓練をどのようなことにつなげていってほしいと思われますか。

(市長)

 今回の訓練は特定の国を想定していませんが,いつミサイルが発射されるか分からない状況にあります。発射された場合は,影響がありそうな地域にJアラートが鳴るのですが,ミサイルが北海道を通過した際,住民の方々は「あれ,鳴ったけどどうすればいいの」と戸惑っておられました。ですから,子どもさんも含めて,一定の意識を持っていただくことが大事だと思います。できれば建物の中へ避難していただくのが良いのですが,そういう意識を持っていただくことが,一つのポイントだと思います。今回のような訓練を,布師田だけではなく,ほかの地域でも行う必要があるということになっていくと思います。

(記者)

 市町村と県が一緒に訓練を実施するのは,今回が初めてですか。

(防災対策部長)

 初めてです。

(記者)

 一例目になるということで,期待することはありますか。

(市長)

 ミサイルが北海道を通過した際に,各メディアが住民にインタビューをして放送していましたが,多くの方々が,どうすれば良いか分からないと言われていたのが印象に残っています。高知の県民,市民の皆さんも,おそらく潜在的に同じように思われていると思いますので,これだけでは十分ではないかもしれませんが,国が示している身を守る行動について意識を持っていただき,広げていくための,先ず,第1回目という認識を持っています。

(記者)

 ミサイルが通過したという想定で情報を流し,皆さんがそれぞれ,それに対して取るべき行動を取る,それ以外に何かこの訓練で具体的に行うことはありますか。

(防災対策部長)

 Jアラートは,日頃,日常生活では聞いたことがないような独自の音が流れますので,本来,あってはならないことですが,先ず,この音に慣れていただいて,すぐに退避行動に移っていただく。それが訓練の基本になると思います。

 先ほど,記者からのご質問に,防災行政無線から発射情報のみが流れるとお答えしましたが,発射情報とともに,建物等に避難してくださいという,避難の呼びかけも放送しますので,訂正させていただきます。

(記者)

 県と市町村との情報連携の訓練にもなるというお話がありましたが,具体的には何をされるのですか。

(防災対策部長)

 ミサイルの発射情報が県から県下の市町村全体に伝わるように,県がFAXで情報提供を行うという訓練を,今回加えています。

(記者)

 県から一方的に情報提供するということですか。

(防災対策部長)

 基本的に,そうです。

(記者)

 地震の関係ですが,11月1日から南海トラフ地震に関する情報が出るようになり,地震の前に一定の情報が出るようなことになりました。このことについて,市長の受け止めをお願いします。

(市長)

 分かりやすく言うと,予知はあきらめたということなのですが,国土地理院などがGPSを使用して,宇宙衛星からかなり正確に土地の動きを測定しています。例えば,東日本大震災では東側に2mほどずれたと思いますが,そういうことがGPSの測定で詳細に分かります。GPS計測でもう一つ大切なのはひずみですが,土佐沖の高知側の海底で,滑り込みが結構進んでいます。そういったことが,国土地理院で詳細に分かりますので,11月1日以降は,それが一定大きくなった場合,国が報告を出すということです。

 それをもとに市ではどうするか,考えて動くことにしています。歴史的には,南海トラフ地震の前に必ず東南海地震が起きており,昭和南海地震の場合も,2年前の昭和19年に東南海地震が起きています。早い場合には2時間後というケースもありますので,市の職員には,そういったことを伝えて,東南海で地震があれば,その瞬間から厳戒態勢に入ると,常々言っています。それに合わせて,11月1日以降は国からアナウンスが出るということになりましたので,アナウンスが出れば,私どもは厳重な警戒態勢に入ります。

(記者)

 一方,国から情報は出ますが,現状では国がどのようにしろということまでは言わず,市長が判断することになると思います。他の首長からは任せすぎだという声も出ていますが,そのことについてどのように思われますか。

(市長)

 私どもは,子どもさんから高齢者まで,皆さんの命を預かっていますので,指示を待っていてはいけないという認識を持っています。国から指示が無ければ,自分たちで判断して動きます。東日本大震災でも,ほとんどの首長がそうしています。そうでなければ間に合いません。例えば,自衛隊の要請は知事から行うということになっていますが,もし,知事からの要請が遅れれば,直接市から要請したいと思っています。待っていてはいけないという認識です。

(記者)

 市長としては,現状において,課題と,命を守ることにつながるという期待感と,どちらが大きいですか。

(市長)

 予知は断念しましたが,ひずみが非常に大きくなっているといった一定のアナウンスを出すということですので,現実的な対応に戻ったという認識です。

 従前と比べると,科学的に判断できることが随分変わってきました。和歌山沖から,室戸岬沖,足摺沖にかけて,海底に地震計が設置されています。そのデータがリアルタイムで送られていますので,クリーピングと言われていますが,大地震が発生する前に少しずつ地盤が滑り始める前兆が分かるのではないかと思います。そういったものをアナウンスするという意味だと思っていますので,アナウンスがあれば,基本的にただちに厳戒態勢に入るというイメージを持っています。

(記者)

 仁井田産業団地について,今回の経過に対する受け止めをお願いします。また,調査費用はやむを得ない支出というお話がありましたが,大きい問題だと思います。市民へのお詫びなどはありませんか。

(市長)

 この件は,今月22日に議会に報告する予定になっていますので,そこで議会の方々のご意見をお聞きしたいと思いますが,あくまで測量調査と,団地を造るとすれば,という基本計画の段階で留めていましたので,そこまでは交渉にあたる前段での必要経費だという認識を持っています。

 産業団地に対するニーズがあることは間違いなく,仁井田についても,問い合わせが16件ほど来ていましたので,非常に期待は高かったと思っています。一宮の産業団地は来年度中に分譲できますが,おそらくすぐに売り切れると思いますので,その東側での第2期に,速やかに入りたいと思っています。

 責任問題ということにつきましては,次の産業団地をしっかり整備することが私どもの責任だと考えています。

(記者)

 手順的には反省点はありませんか。

(市長)

 仁井田は本当に一等地で,産業団地にふさわしい土地でしたので,非常に残念に思っていますが,判断自体は間違っていなかったと思います。しかし,最終的に用地交渉が上手くまとまらなかったということですので,非常に残念に思っています。

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