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本文

平成30年2月9日 市長定例記者会見

会見項目

  1. 都市計画道路「旭町福井線」の開通式開催について
  2. オホーツク北見フェアの開催について
  3. 西敷地利活用事業基本協定締結に係る妥当性検討委員会の設置について

 配布資料

  1. 都市計画道路「旭町福井線」の開通式開催について [PDFファイル/396KB]
  2. オホーツク北見フェアの開催について [PDFファイル/470KB]   添付 第11回オホーツク北見フェアチラシ [PDFファイル/2.34MB]
  3. 新図書館西敷地利活用事業のスケジュール [PDFファイル/181KB]
  4. 新図書館西敷地利活用事業基本協定締結に係る妥当性検討委員会設置要綱 [PDFファイル/134KB]

会見内容

1. 都市計画道路「旭町福井線」の開通式開催について

 お忙しいところ,お集まりいただきありがとうございます。本日は,私から3点ご説明します。

 先ず1点目,2月20日火曜日に旭地区町内会連合会の主催により,都市計画道路「旭町福井線」の開通式が開催されます。午後3時に開会,車両を通すようになる供用開始は午後5時を予定しています。開通式では,旭東小学校児童の皆さん,三世代のご夫婦など,地元の皆さん方と一緒にパレードを行うことなどが予定されています。

 前回の記者会見でもご説明しましたが,この路線は平成5年度から約25年かけて完成しました。区間のうち南側は街路事業等,北側は道路事業と事業を組み合わせており,全長が約1.6キロメートルです。お手元の資料に写真が載っていますが,町田病院から北に入った所に踏切があり,列車の通る時間には交通が遮断されていました。工事に非常に長い時間がかかりましたが,高架になって踏切で止められることがなくなり,交通がスムーズに流れるようになりましたので,西部における南北の幹線道路になる予定です。 

2. オホーツク北見フェアの開催について

 2点目はオホーツク北見フェアの開催についてです。北海道北見市とは,坂本龍馬の甥,坂本直寛が開拓に関係していた縁から,昭和61年に姉妹都市提携を結んでいます。毎年,北見市の物産展を「オホーツク北見フェア」として高知市で開催しており,今回で11回目になります。

 2月10日土曜日の10時にオープニングセレモニーを行い,13日火曜日の16時まで開催します。資料としてチラシをお配りしていますが,高知では食べられないようなオホーツクの名産特産の品々がたくさん来ますので,ぜひお越しいただきたいと思います。

 また,北見市は菊まつりが有名で,今年度の第65回きたみ菊まつりの「菊の女王」,安永亜花里さんも来高される予定です。各メディアの皆さん方の所へも,北見市の観光宣伝に伺うと思いますので,よろしくお願いします。

3. 西敷地利活用事業基本協定締結に係る妥当性検討委員会の設置について

 3点目は新図書館西敷地利活用事業についてですが,資料・3としてスケジュールをお配りしています。これまで議会にもお示ししてきたとおり,このスケジュールに沿って動いており,1月26日にホームページ上で選定結果を公表しました。また,優先交渉権者との協議につきましても,2月からという予定どおり,これから具体的な協議に入ります。そのため,この協議にあたる委員会を設置しました。「新図書館西敷地利活用事業基本協定締結に係る妥当性検討委員会」という名称です。資料・4の設置要綱第2条の(1)にあるように,優先交渉権者の提案事業に係る事業計画及び事業運営等の妥当性に関する事項について,別表にある関係部課のメンバーによるチームで検討していきます。相手方に疑問点があれば文書で質問を行い,回答をいただいて内容を確認しながら,協議を詰めていく,こういう作業を行う委員会を立ち上げましたので,ご報告します。

私からは以上です。

質疑応答

(記者)

 とさでん交通が運転手不足の深刻化により,高知市内を走る路線バスのうち19系統で,土日祝日ダイヤの計49便について4月から減便することを決めました。住民の生活に影響があると考えられますが,市長の受け止めをお聞かせください。

(市長)

 とさでん交通という新会社に移行していますが,住民の皆さんの移動手段を守るということと,可能なかたちで経営を継続させていくということが大事な目的になっています。先日の高知市地域公共交通会議で平成30年4月からの土日祝日ダイヤ減便について提案があり,ご説明をいただいた上でそれぞれ意見を出しました。背景には深刻な運転手不足があり,最近は自動車学校でも,大型二種免許を取りにくる若い方がほとんどいないそうですので,運転手の補充が進んでいないということがあるかと思います。それぞれ利用者がおられますので,減便は残念に思うところですが,一定やむを得ない選択であったと考えています。今回の会議の中でもさまざまなご意見が出ていますので,減便についての市民の皆さんへの早期の周知徹底,また,自治体との綿密な協議について,事業者に申し入れをしているところです。

 運転手不足は,おそらく今後も続いていくものと考えています。現在,とさでん交通の運転手の平均年齢は50歳,60歳以上の方の割合が約13パーセントという状況です。大型二種免許の取得が激減していることは,全国的にも大きな課題になっていますので,市町村もできることをやっていかなければならないと考えています。本市では,デマンド型乗合タクシーを周辺部から順次導入しており,一定の効果を得ています。導入直後は周知が行き届いていない部分もあって利用率が低かったのですが,現在は当初の約2倍に伸びてきており,非常に有効に活用されています。今後も,周知が広がっていくとともに,便数も増えていくものと考えています。地元の皆さんと協議しながら,必要な場所については段階的にデマンド型乗合タクシーに切り替えていくことで,少しでも運転手不足をカバーしていきたいと思っています。

(記者)

 スポーツ関連で伺います。再来年の東京オリンピック・パラリンピックや,来年のラグビーワールドカップに向けて,各地で事前合宿の誘致が進んでいると思います。高知市にも先日,ホストタウンに登録されているトンガのラグビー関係者が視察に訪れたかと思います。さまざまな効果が期待できると思いますが,事前合宿誘致に向けた市長のお考えをお聞かせください。

(市長)

 事前合宿の誘致につきましては,県市で連携しながらアプローチをしていますが,一つは2019年のラグビーワールドカップ,もう一つは2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた活動になります。先ず,ラグビーワールドカップにつきましては,県と県ラグビー協会と一緒に動いていますが,トンガ代表チームのケフ監督とトレーナーが今年1月に来高され,春野総合運動場やホテル等の視察を行いました。まだ正式発表はありませんが,感触は非常に良いと感じています。

 トンガでは,ごみ収集をはじめ環境問題にご苦労されているとお聞きしましたので,外務省のメニューを活用して本市のパッカー車を寄贈したところ,現地で非常に喜ばれています。今後も支援できることがあれば考えていきたいと思っています。

 東京オリンピック・パラリンピックにつきましては,県はさまざまな種目に対してアプローチをしていますが,事前合宿を行う競技施設には一定の基準があります。高知市でその基準に合致する施設は,春野総合運動場と県民体育館,市の施設ではりょうまスタジアムと聞いていますが,やはりメインは春野総合運動場ということになるだろうと思っています。今後,県と共にさまざまな部分で積極的にアプローチを行い,事前合宿の獲得を展開していきたいと思っています。

(記者)

 どういう効果を期待されますか。

(市長)

 現在も,J1のサッカーチームやプロ野球チームが合宿に来ていますが,大変ありがたいことに,選手が休日を利用して,子ども達にサッカー教室や野球教室を開いてくれています。こういう体験を子ども達は一生忘れません。実際に,自分の方向性を定めるきっかけになる子どももいますので,交流を深めていただくのは非常に良いことだと思っています。

 また,世界各国から多くの方に高知へ来ていただき,リピーターになっていただくことの期待もしているところです。大阪で世界陸上が開催された際は,比較的近かったため,ヨーロッパ勢がりょうまスタジアムを使用しましたが,大変好評で選手は好成績を修めて帰国しました。事前合宿はいろいろな交流が深まる良いきっかけになると思っています。

(記者)

 先月18日に,南国市が発注する工事の随意契約で,価格の異なる3通の見積書を業者に渡すなどして,金額を漏らしたとして南国市の前副市長が逮捕される事件がありました。南国市では,長年不適切な手続きが横行していたことも発覚して,県内の市町村に驚きが広がりました。その事件について,どのように感じられたか,また,高知市が発注する工事の随意契約について,事件発覚後,適正に行われているか点検の指示をされたか,何か対策を取られたかどうか,お伺いします。

(市長)

 130万円以下の小規模工事につきましては,施設等の修繕が多いので,比較的簡易に発注できる仕組みにはなっています。ただし,本市におきましても過去に不適切な発注があり,その時に手続きを厳しく見直ししていますので,適正に発注されているという認識を持っています。

 合い見積もりなど,業者からそれぞれ見積書を取るのが一般的ですが,南国市の場合,職員がその合い見積もりを作っていたような感じですので,それは非常に大きく驚きを持って捉えられたと思っています。南国市の件を受けて指示も出しましたが,本市では適正に運営されていると認識しています。

(都市建設部長)

 現在,小規模工事は全て入札を行っています。

(市長)

 少し分かりにくいと思いますが,修繕,工事など取り扱いが分かれています。130万円以下の工事は,全て入札になっているそうです。

(吉岡副市長)

 15~16年前だと思いますが,随意契約の事務取扱マニュアルを作って全庁的に指示をしました。そのマニュアルに沿って手続きを行ってきた経過がありますので,なお確認はさせていますが,まず間違いはありません。

(記者)

 南国市の事件発覚後,再度確認を取られたということですか。

(市長)

 本市でも過去に不適切な発注があり,その時に取り扱いを厳格にしていますので,取り扱いは変えていませんが,念のために指示は出しました。

(吉岡副市長)

 再度,徹底するようにという指示はしました。

(記者)

 それは,全ての課に対してでしょうか。

(吉岡副市長)

 庁議で指示をしましたので,各部局長から部局の課長会に下ろしています。

(記者)

 10年以上前の不適切な発注というのは,一括で入札するところを分割して随意契約を結んだというものですか。

(市長)

 いくつかあったと思いますが,故意に分割したというケースもありました。本来は1件として入札に付すべきところを,小規模工事になるように意図的に分割していた不適切なケースがあったと記憶しています。

(記者)

 現在は, 130万円以下の小規模工事の場合は常に入札にされているということですね。

(道路整備課長)

 緊急の場合は違います。

(市長)

 緊急というのは,災害対応等で直ちに発注する必要がある場合という意味で,そういう例外があります。

(記者)

 それでは,現在は随意契約での工事はないのですか。

(道路整備課長)

 制度上は随意契約もできます。

(市長)

 随意契約は地方自治法の政令で認められている部分で,災害等を想定していますが,緊急で発注しなければならない場合,例えば,昨年の台風でもがけ崩れが相当ありました。そのような場合と,もう一つは特殊な工法で,その工法を使えるのが1者しかないといった特別な場合。これらについては,制度上随意契約ができるようになっています。

(記者)

 それでは,随意契約で小規模工事はできるけれど,不正を防止するために一般競争入札をしているということですか。

(市長)

 そうです。ハードルを上げているということです。

(記者)

 地方創生に関してお聞きしたいのですが,総務省が先日公表した,2017年の人口移動報告で,東京圏は転出者よりも転入者が約12万人多く,22年連続で東京圏に転入超過となっていました。このことについての受け止めをお願いします。

(市長)

 人口移動については,過去のデータを含めて政策企画課でかなり綿密に人口統計を整理しています。例えば,高知県から転出する場合,どこへ転出しているかということも国勢調査の動向等の中で詳しく調べました。20年前と比較してみると,20年前は関西圏も多かったのですが,現在はやはり関東が多いです。先ほどの総務省の報告からみて,全国的にも関東が非常に多いものと思います。

 理由の一つに大学進学があります。高知からは関西,岡山への進学ももちろん多いのですが,関東圏の大学へ進学する方が非常に多いので,東京23区内にある大学の入学定員をこれ以上増やさないという規制が入ることになりました。こういう転入の抑制が図られるようになっています。

 理由のもう一つは,就職です。人口を高知県全体で見ると,毎年7,500人も減少しています。お亡くなりになる方と出生数との差による自然減を食い止めるのはなかなか難しいのですが,社会減は政策的に手を打てば,圧縮することができると考えています。そのためには,県内,市内に就職できる場をどんどん増やしていくということと,所得や賃金を一定引き上げていく企業努力をしてもらうということもあるかと思います。また,例えば,関東の大学に行くとなかなか帰って来られませんので,そこはもう少しアプローチしたいと思います。例えば,関東の大学へ行って高知に戻ってくる場合に奨学金で誘導するなど,いろいろな手法があると思うのですが,まだ予算上は組み上がっていません。そういうことも,もう考えていくべきではないかと思います。香川県では香川大学の学生が県内で就職した場合,奨学金の返済を免除するといった手を打っています。そういうことについても,県と協議をしていますが,まだ予算化には至っていません。

 高知大学は,現在,県内からの学生と県外からの学生の割合が3対7くらいだったと記憶していますが,県外から来た学生も高知のことが大好きになっていますので,仕事があれば残りたいという方がたくさんいます。仕事がなかなか無いので帰っていくというところです。そういう方々に残っていただいた場合に何か手当てをするということが,いくつかの県で始まっていますので,高知県も考えていかなければならないと思っています。

(記者)

 今回の人口移動報告の結果をご覧になった時に,市長としては,予想よりも悪かったのかどうなのか,どのようなお気持ちになりましたか。

(市長)

 過去のデータと詳細には見比べていないのですが,12万人というのは以前と比べると減ったのではないですか。

(記者)

 昨年よりは増えています。

(市長)

 昨年より増えているとしても,トレンドとしては減少傾向にあるのではないかと思います。そこを見ていく必要があると思います。

(記者)

 今回,東京一極集中が進んでいるということで,国の地方創生施策が行き詰ったのではないかという見方もありますが,国の地方創生施策について,今回の結果も踏まえて市長はどのように見ておられますか。

(市長)

 行き詰ったと見るのはまだ早いと思います。特に安倍政権の場合は,内閣を変える度にテーマを変えており,現在は子育てと働き方改革がメインになっています。地方創生の場合は,いろいろな力関係がありますので,当初の勢いからすると少し落ちている感じはありますが,地方創生の旗印を総務省が下ろしたわけではありませんし,必要な政策ですので,今後も取組を進めていかなければならないと思っています。本市でも,れんけいこうちという新しい枠組みで進めていきますが,大きくとらえればそれが地方創生になります。地域を守ること自体が地方創生ですので,旗印を下ろしたとは感じていません。しかし,予算的にはあまり使い勝手の良い予算ではありませんので,そこは全国市長会からも意見を言い続けています。

(記者)

 使い勝手が良くない予算というのは,地方創生関連の交付金が付かないので,使い勝手を良くしてほしいということですか。

(市長)

 そうです。ボリュームも少し小さいです。

(市長公室長)

 採択基準のハードルが高く,非常に使い勝手が悪いという部分があります。

(市長)

 一応,地方創性関係は交付税の中で枠として1兆円入っていると思います。交付税で1兆円,それから交付金が1千億円になっていますから,総務省としても一定力を入れていると認識しています。

(記者)

 南国市の談合の件で確認ですが,市長は適正に発注されていると認識しているとのことでしたが,随意契約自体は,今も仕組みとしてあり得るのですね。

(市長)

 そうですが,現在ではほとんど行われていません。

(道路整備課長)

 先程も言いましたように,緊急の場合と,この1者しかできないというケースが考えられますが,私の経験では,この1者しかできないというのは長期間該当がありません。昨年のように台風で道が閉塞したような場合には,緊急という対応もしています。

(記者)

 今回,南国市の場合,業者に見積書を3通も出させるような仕組みに問題があったと思うのですが,高知市では,見積もりはどのような形で取られているのか。そもそも仕組みとして高知市ではあり得ないことなのか,確認したら無かったのか,そこを確認したいです。

(市長)

 あり得ません。現在,容疑が官製談合になっていると思いますが,役所が作ってはいけない見積書を作ったという疑いです。一般的にそういうことはあり得ません。

(記者)

 見積もりは3者から取る形になっているのですか。

(道路整備課長)

 先ず,担当職員が設計書を作り,決裁後に金抜き設計書を作成します。3者お呼びして,その金抜き設計書をお渡しし,それぞれが積算した金額を入れて,入札の際に持って来ていただいています。

(記者)

 それぞれの業者が持ってくるということですね。

(市長)

 社判が必要ですから,偽造することはできません。

(記者)

 仕組みとして,南国市のようなことは起きないということですね。

(吉岡副市長)

 そういう仕組みになっています。

(記者)

 食肉センターについて,何点か確認したいことがあります。先日の会に中澤副市長が出席されていましたが,執行部は新食肉センターのイニシャルコストを県と市町村とJAが負担して,市町村はランニングコストを負担しないという枠組みを表明しています。これについて,高知市としては,どこまでが良くてどこが賛成できないのか,確認を含めて改めてお伺いします。

(市長)

 最終報告でも,市町村は経営には入らない,県とJA,そして食肉組合の3者で出資金を出して新会社を立ち上げ基本的にJAが運営する,赤字が出た場合はJAがグループで支援する,ということが明確に書かれていますので,その方向性としては了としています。大きな方向として,この取りまとめについては了解ということにしています。

(記者)

 イニシャルコストを負担することについても,了としているということでよろしいですか。

(市長)

 金額がどの程度になるかは別にして,負担しないということは考えていません。

(記者)

 今後,県が市町村向けに説明会を行う予定もあるようですが,県に求めることがあれば教えてください。

(中澤副市長)

 先日の検討会でも申し上げたように,どのような形になるのか分かりませんが,最終的に整備事業費を各市町村が負担するということになれば,当然,予算という形で議会の承認をいただく必要があります。そういったところで,執行部としてしっかり説明できるような形を示していただきたいです。それが適切な額かどうか,私どもとしても考えなくてはいけませんし,自信を持って議会で説明できるような形で出していただきたいと思います。そうしていかなければ,市民の皆さんのご理解もいただけないと思います。

(記者)

 先日の会というのは,基本的に最後の取りまとめの会で,あまり新しい議論を出すような場ではなかったと思います。その中で,あえて県が市のスタンスを確認するような質問をされたことについて,なぜそのような質問をされたのか,というような思いはありましたか。

(中澤副市長)

 私の方から意見を言ってほしいと言ったのではなく,県の方で何らかの思いがあって言われたことだと思いますが,その前段に,本市と複数の自治体が,県に対して整備事業費等についていろいろとご質問する会を持っています。私どもは会の流れの中では何も申し上げていませんが,そういった経過から,何か他にも思いがあるのではないかと考えられ,お聞きになったのではないかと思っています。

(記者)

 おそらく,その打ち合わせの場で,職員の方が了とした方針とは違うようなことを言われたということだと思います。それ自体については適切なことを聞いたのであって,問題がないということを先日の会でも言われていましたが,方針としては了としているということですね。

(中澤副市長)

 そうです。職員は,あらゆる角度から物事を考える必要があります。そういった意味で,いろいろな疑問を見つけることは必要だと思います。細かい事柄について,県は分かっているけれども自分たちが分かっていないことなども引き出せるかもしれませんので,あらゆる角度から質問することについては,職員が一生懸命努力してくれていると評価していますし,最終的に市としてこの方針でいきますと決まったら,しっかりとその方針に基づいて動いていただいたら良いと思っています。7回目の検討会で概ね方向性が決まりましたが,その前の段階でしたので,最終判断するにあたって質問したことについては,職員がよくやっているという認識です。

(市長)

 職員は,私どもに正確な情報を上げなくてはなりません。特に,将来にわたる収支見込で疑問があれば,それを聞くのは当然だと思います。部の判断材料にもなりますし,市長が政策決定をする時にも正しい情報が必要です。

(吉岡副市長)

 私ども市町村は基礎自治体です。県と連携していく場合,疑問に思うことは質問して正確に情報を伝えていただき,それをもって判断して,市民の皆さんや議会にご理解をいただいています。分からないことをきちんと聞かずにうやむやにしてしまうと,私どもも説明ができません。これは,どの部局でも,どのルートでも同じだと考えています。

(記者)

 それでは,あくまで最終決定の会の前に当然の質問をしたのであって,検討会の場で了としたので,今後はその方向に進んでいくという理解でよろしいでしょうか。

(中澤副市長)

 方向性としてはそうですが,これから出される整備事業費がいくらになるのか,また,誰がどういう割合で負担するのか,そういうところは決まっていませんので,また,いろいろ皆さんと協議をしていただけるものと思っています。

(市長)

 この方向で進めるということは,少なくともイニシャルコストについては高知市も負担をするということですので,今後,議会に説明していく責任があります。そうすると,総事業費がこれで正しいのかどうか,内訳をきめ細かく検討しているわけではありませんので確認が必要です。また,市町村と県・JAの負担割合をどうするか,これから意見を申し上げていくことになります。

(記者)

 市長としては,全市町村で負担した方が良いというお考えですか。

(市長)

 いろいろな考え方がありますので,他の市町村について発言することはできません。例えば,酪農家のいる市町村とするとかなり限定されますので,それには疑問も感じますし,県民の皆さんそれぞれ,何らかの形で食肉センターの恩恵を受けますので,一定の負担をするという考え方もありますが,他市町村の考え方について発言することはできません。

(記者)

 県市の関係で言うと,先日の会はかなり異様な会になったと受け止めています。この問題についての市長のこれまでの言動から,県の高知市に対する不信があり,打ち合わせでの職員の意見を過剰にとらえたのではないかと思っています。良い物をつくるために責任を果たします,というメッセージが伝わってないのではないでしょうか。

(市長)

 これまでの流れの中で,二つの立場で意見を言ってきました。一つは一部事務組合の管理者として,28市町村の意見を言う立場。もう一つは,高知市長として高知市の意見を言う立場です。一部事務組合の方は,早期に解散すべきだというところで一度まとめていますが,一本化すべきなのか,両方置くべきなのか,いろいろな意見があります。それをまとめるのが県の検討会でしたが,最終的にこういう報告書が出て,概ね方向性が決まりましたので,高知市としてはこれで了とするということです。一部事務組合の方は,2月23日に行われる組合議会でご報告し,それぞれご意見を聞く形になると思いますが,そこでの意見集約ということは想定していません。

(中澤副市長)

 検討会は,全市町村の参加ではありませんでしたので,一部事務組合の議会で内容をご説明すると思います。ただし,これからの動きにつきましては,一部事務組合でどうするのかということではなく,各市町村で判断していただく形になるかと思います。県からしっかりと説明していただきながら,それぞれにご理解を求めていくという,個々の作業になるだろうと思っています。

(市長)

 一部事務組合としては廃止という方向性を決めていますので,スケジュールを組みながらその流れに乗っていきます。新食肉センターについては,それぞれ個別に判断していくということになります。

(記者)

 先日の会でも,高知市はどうなっているのかというような空気がありましたが,そういう状況は高知市にとっても,市民にとっても良くないと思います。これまでの経過の中では行き違いがあったと思いますので,了というに留まらず,行き違いにならないような発信をしていくべきではないでしょうか。

(市長)

 最終報告が承認されていますし,一本化か両方かということについての意見は申し上げてきましたが,方向が定まってきた段階からは,中央に必要だという県の意思に対する反対はしていません。

(記者)

 随意契約の話に戻りますが,50万円以下の修繕だと随意契約もあるということですか。

(道路整備課長)

 緊急修繕ということで,随意契約という場合もありますが,基本的には複数の業者から見積もりを徴収しています。

(吉岡副市長)

 見積もりを徴収するということは随意契約です。

(道路整備課長)

 2者から見積もりを徴収し,基本的に安い方と契約をしています。

(記者)

 2者ですね。

(市長)

 行政では,見積もり合わせと言いますが,複数の業者から見積もりを取り,確認して安い方の業者と契約します。

(記者)

 そうしますと,随意契約は修繕や工事を全て含めて,緊急の場合と1者しかない場合しか行わないということですか。

(市長公室長)

 見積もりを徴収するのも随意契約です。入札以外が随意契約になります。

(記者)

 では,50万円以下の修繕だと随意契約ということですね。

(市長公室長)

 それが基本ですが,随意契約の手順を明確にしていますので,南国市のようなことはないということです。しっかりと個別の業者から見積もりを取り,比較して決めています。

(記者)

 西敷地についてですが,この妥当性検討委員会というのは,当初から設置する予定だったものですか。

(市長)

 スケジュールは以前からお示ししていますが,優先交渉権者との協議に2月から入る予定になっています。この件の所管は商工観光部ですが,契約に係る法律の問題や,収支の見通しなど,総合的に見ていく必要があります。また,建築確認の申請の際に都市計画の制限が入る場合などがありますので,全庁的に役所の中で調整していく必要があると当初から考えていました。それを具体的に組織として2月5日に立ち上げたということです。

(記者)

 当初から設置する予定だったということですね。

(市長)

 妥当性検討委員会という名称ではありませんでしたが,総合的に調整する組織の設置は予定していました。

(記者)

 優先交渉権者との協議は,商工振興課が中心になって進めていくという表現でよろしいですか。

(吉岡副市長)

 商工振興課が事務局になります。

(記者)

 スケジュールに3月中旬に議会へ報告とあるのは,これまで言われてきたように,議会の経済文教委員会で報告するということで変わりありませんか。

(中澤副市長)

 基本的には,これまで申し上げてきたように,できれば3月議会の経済文教委員会でご報告したいと思っています。庁内でいろいろな調整が必要な中で,効果的に交渉を進めるために検討委員会を立ち上げました。商工振興課が窓口になって優先交渉権者と協議しながら,話がまとまれば3月議会でご報告したいと思っています。

(記者)

 経済文教委員会以降になるということですね。

(市長)

 そういうイメージです。協議が長引けば遅れるということです。

(記者)

 食肉センターについて,県と高知市の関係がぎくしゃくしているとは思われませんか。

(市長)

 ぎくしゃくしているとは思っていません。先ほどから段々お話が出ているとおり,疑問点を確認し,その疑問点について県から回答をいただきながら整理をしてきたということです。

(記者)

 お堀の内と外で認識がずれているのでは,と言う人も多いですが,そのようには思われませんか。

(市長)

 最初の段階で,一本化か両方かということについて,いろいろな議論があったことは確かです。しかし,知事も含めて,県としては中央にどうしても必要だと強く言われていますので,そこは一定の理解をしたということです。

(記者)

 この件について,知事とお話される予定はありませんか。

(市長)

 今のところ,直接という予定はありませんが,副市長との調整はしています。

(記者)

 もう一度談合の話に戻しますが,起きた出来事そのものについての受け止めを一言お願いします。

(市長)

 まだ容疑が確定していませんが,官製談合ですので,それは絶対あってはいけません。あってはいけない官製談合をやってしまったというのは,やはり認識が甘かったと,はっきり言えると思います。

(記者)

 10年ほど前の苦い経験があると思いますが,今回の事件とは不適切な発注の仕方というところで共通点があるかと思います。南国市でもこれから再発防止に取り掛かられると思いますが,高知市がその際に学んだ教訓と言いますか,発注はどうあるべきだと思われますか。

(市長)

 経験的に,小規模工事や修繕は日常的に多くあるという感覚を持っています。例えば,施設で雨漏りをし始めたのですぐに直してもらいたいといった工事が結構多いです。そのような場合で,入札にかける時間がなかったというところから,本来,適正に行うべき発注にまで段々広がってきた感覚がありました。意図的な分割というのが目についてきたので整理をしたのですが,やはり,安易に小規模工事の随意契約を利用して,拡大しては駄目だという認識をしています。

(記者)

 特定の業者と発注側の歪んだ関係も見えるような気がします。

(市長)

 特に南国市の場合は官製談合で,再逮捕のきっかけは予定価格を漏らしたということになっています。そういうことは絶対にあってはいけないと思います。例えば,修繕の場合でも,すぐに,そして適正にやってくれる業者さんというのはあります。しかし,発注が偏らないように現場でも十分注意しているはずですので,そのようなことがないようにしていかなければならないと思います。

(記者)

 バスの件で,今後さらに減便していくことが予想されます。市民の移動手段を守るという点では,あまりあってはならないことですが,一方で経営のことも考える必要があります。市として,事業者に求めることを教えてください。

(市長)

 今回,地域公共交通会議の中でもいろいろな意見が出ていました。一定数の利用者がいるところも減便になっているのではないかという意見も出ていたと思いますが,やはりバランスが問題だと思います。乗車人員が非常に少なければ見直しをして,その路線を廃止するということは経営の効率化からやむを得ないと思います。しかし,周辺部に行くほど高齢化率が高く,皆さんが病院に行くために毎日タクシーを利用するのは困難です。ですから,デマンド型乗合タクシーで代替交通の仕組みをしっかり組み上げていくようにしています。本市は県内で最もデマンド型乗合タクシーが広がってきていますし,成功していると思います。また,全国的に見ても成功している地域に入るのではないかと思います。今後も,路線廃止の提案はあると思いますので,デマンド型乗合タクシーに切り替えができそうなところは考えていくことになります。

(記者)

 会社の成り立ちとして,住民の移動手段を守ることを最優先に考えてほしいというところがあると思いますが,その思いは強いですか。

(市長)

 私どもも,市役所の経営を預かっていますので,一定の見直しをして,効率化するべきところは当然効率化します。乗車の実人数が定員を相当下回っているところについては,ある程度やむを得ないと思います。しかし,そのことによって病院にも行けないということには問題がありますので,行政で代替措置ができるようであれば,考えていかなければなりません。

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