本文
平成31年1月21日 市長定例記者会見
会見項目
2018年度の高知市の重点事業の進捗について
配布資料
会見内容
2018年度の高知市の重点事業の進捗について
(市長)
新年第1回目の定例記者会見となります。今年もよろしくお願い申し上げます。
明治22年4月1日に県庁所在都市が市制施行されていますので,高知市におきましても,今年は市制施行130周年ということになります。今,新庁舎の建設中ですけれども,例えば落成などの時には,こういう冠をつけた形でのお披露目になるよう準備をしております。またよろしくお願い申し上げます。
それでは今年度,平成30年度の(重点事業の)進捗状況についてお話ししたいと思います。31年度の新規事業につきましては,今月末から2月のだいたい1週間をかけて市長査定をして決めていきますので,今日は,30年度の重点事業の進捗ということで報告をさせていただきます。
まず,南海トラフ地震関係ですけれども,ハード関係では,特に国土強靱化3か年計画(防災・減災,国土強靱化のための3か年緊急対策)が正式に閣議決定されましたので,全体的に事業規模については7兆円ということがよく報道されていますが,よく使われます「真水の」工事費でいうと,補正予算を含めて約3兆円となっています。1月28日から通常国会が始まり,まずは補正予算の審議から入りますが,補正予算に国土強靱化の予算が1兆円入っており,新年度(31年度)予算にまた1兆円が入って,32年度(2020年度)の予定でまた1兆円ということで,(総額)3兆円の予算が入っていますので,高知市の生命線である三重防護の対策(高知港海岸における第1~第3の3つのラインで行う浦戸湾の地震・津波対策)は,国の補正予算によって進捗の度合いがさらに早まると想定しております。高知市の予算につきましても,補正予算を積極的に活用していく準備をしています。配布資料1ページの事業は,そのような中で,L2(レベル2。内閣府「南海トラフの巨大地震モデル検討会」において設定された最大クラスの巨大な地震・津波)の場合に長期浸水が予想されますので,長期浸水になった場合の連絡体制を準備しております。L1(レベル1。東海地震,東南海地震,南海地震とそれらが連動するマグニチュード8程度のクラスの地震・津波)ですと,三重防護が完成しますとかなり抑制できると思いますけれども,L2の場合には,潮江,下知などの長期浸水エリアで孤立をするということが想定されておりますので,スマートフォンを利用した「スマホdeリレー」というシステムを開発しておりました。市民の皆様方にご利用いただけるよう,本年の4月から,アプリの公開とダウンロードの開始を予定しております。これによりまして,スマートフォンで中継をしまして,現在はこの学校,もしくはこの津波避難ビルに,だいたい何人くらいの避難者がいて,その中には,例えば小さい子どもさんもいるというような情報を市へ伝達していただこうとするシステムが仕上がってきますので,準備をしていきたいと考えております。
2ページ目ですけれども,今年は阪神・淡路大震災の発生から24年目になります。また,(近年は)熊本地震等,北海道から九州まで地震が頻発しております。熊本地震のときにもやはり,物資の配送の管理,そして仕分けが課題になりました。2ページの中ほどに書いていますように,国は物資を調達してプッシュ型(発災当初に,国が被災府県からの具体的な情報を待たないで,避難所避難者への支援を中心に必要不可欠と見込まれる物資を調達し,被災地に緊急輸送すること)で,国のルートで物資を送り込んできますので,熊本(の各避難所)も混乱しました。仕分けができなくて混乱しましたので,これは全国的に課題が多いと考えております。高知県におきましても,県全体での物資配送計画を組み上げましたので,高知市においても,物資の配送計画をマニュアル化したいと考えております。基本方針は今年度末までにだいたいできますので,2019年度にかけて,この計画をマニュアル化していきたいと考えております。県の計画では,県の受け入れ先として,自衛隊の活動拠点となる春野総合運動場,それと(香南市)野市の青少年センターを拠点としています。(補足:これらの拠点から市の物資拠点まで配送される。)これを,高知市指定の避難所へ,東部エリアと西部エリアに仕分けをして配送するという具体のマニュアルを作っていかなければなりませんので,民間事業者の大手,それから県内の配送事業者の皆様方のご協力とお知恵をいただきながら,マニュアル化していきたいと考えております。これは非常に重要な課題であると考えており,例えば,粉ミルクなどをプッシュ型で厚生労働省が調達して送り込んでくるということも想定されますが,(物資拠点で)下の方に積み込み,その後,上に(他の物資を)どんどん重ねていったために取り出せない,ということがありましたので,そういうことがないようにしていきたいと考えております。
3ページ目ですが,中央消防署の建設が順調に仕上がってきております。場所は筆山のふもとになりますけれども,ここが中央(高知市中心部)の拠点ということになります。イラストがありますが,特に訓練塔は四国最大規模の,地上30メートル,10階建てで,後程詳細説明をいたします。あと,予備車を含めて格納する車庫棟ができますので,(庁舎棟とあわせて)三棟立ち上がり,今年の10月1日に開署の予定です。それに併せまして,現在春野にある南部分署を南消防署に格上げする予定としております。訓練塔については4ページに詳細を記述しておりますが,これは四国の中でも非常に大規模なものということで,特色的なものになります。この4階5階6階は,マンションのベランダや部屋をイメージした構造にいたします。7階から8階にかけては,ホテル,9階はテナント(をイメージした構造),10階ははしご車の放水訓練ができるような場所ということで想定しております。消防の方々のお話によりますと,マンションのベランダというのは,我々は同じように考えていましたが,メーカーごとに構造が異なっているそうで,いろいろなメーカーのマンションのベランダを作りこんで進入していく訓練ができる,非常に実践的なものになってまいります。(平成29年度に完成した)北消防署には,パンケーキクラッシュという,神戸(阪神淡路大震災)で発生した,(直下型の強い地震の揺れによって)つぶれた構造物の中に入っていく訓練施設を作り,これも全国初でしたが,こちらには高層の大規模な(中高層建物での災害対応に即した)訓練塔を作ってまいります。
5ページ目ですけれども,いま,(秦南町の)イオンの東側に,日赤病院の非常に大きい建物が立ち上がってきており,4月から5月にかけて,天皇の即位の関係で10連休が予定されていますが,今のところ新しい日赤病院は,5月6日の開院とお伺いしております。救急対応をしていますので,この日から新しい病院で受け入れをするということで,今は移転の準備を綿密にされていると聞いております。北消防署をすでに稼働しておりまして,日赤病院も非常に大きい病院で,救急搬送もかなりありますので,ここが開院しますと,救急搬送の進入路,そして救急車が出ていくルートを確保しなければなりませんので,県市連携をして,この街路を整備しております。久万川の橋からだいたい見えてくるようになっていますので,日赤病院の開院のときには,(県道高知北環状線が通る)北詰のところまで,この道路を通行できるように鋭意工事をしているところです。(久万川を渡る)橋を新たにもう一本架けますが,橋の整備には時間がかかりますので,架かるのは平成33年度末くらいまでに,と県から聞いております。まずは北詰まで道路を開けることにしたいと考えております。
6ページの旭の区画整理ですけれども,下島町につきましては順調に移転補償が進捗をいたしました。あと1年くらいかかりますが,下島町の区画整理は順調に整備されてきております。下島町の区画整理と旭の区画整理の関係で,もう1棟の都市再生住宅,第2期棟の整備に入る予定でございます。中須賀の方はエリアも広いですので時間がかかりますが,本年3月に仮換地の指定を予定しております。
観光関連ですけれども,7ページになりますが,客船や個人の外国人観光客も非常に増えてきていますので,インバウンド観光客向けの観光案内所を,ひろめ市場の斜め向かい,セントラルさんの横のビルの1階に,3月末にオープンしたいと考えております。ここは外国語対応もできますので,7ページの中ほどの「機能-その1」に書いていますが,日本語,英語,そしてクルーズ船の対応のときには,台湾語を含めた語学のできる方を配置するということにしております。また,外国人向けのパンフレットも揃えたいと考えております。もう一つ書いてありますが,AIを活用した外国語の観光案内を,特にスマートフォンを(お持ちの外国人観光客を)中心に実施したいと考えておりまして,これも構築する業者が決まりましたので,翻訳機能付きのサービスも(3月に)開始したいと考えております。インバウンド観光は非常に好評ですので,今後も拡大に努めていきたいと考えております。日本語,英語,中国語,それから台湾語ということで,それぞれ順次対応していきたいと考えております。
8ページですが,4期目の(市長)公約に挙げていて,実施が難しいと考えておりました学校の空調整備ですけれども,国の補正予算がつきましたので,(市立の)小学校中学校について,国の予算を活用しまして,全ての学校(市立学校の普通教室)に設置できるよう準備をしております。小規模校7校につきましては,資料に学校名を書いていますが,昨年末に契約が完了しまして,6月末までの工事完成を目指しますので,今年の夏には間に合う予定です。残りは50校,800教室くらいありますので,これにつきましては都市ガスエリアの29校と都市ガスが来ていないエリアの21校に分けて業者の選定を行い,今年の3月の市議会のなかで契約の議決を目指したいと考えておりますので,鋭意,発注の準備にむけて対応をしてまいりたいと考えております。
9ページは二段階移住についてですけれども,様々なツールが今年度揃ってまいりましたので,関東または大都市圏へ向けて,様々なツールを活用しながら移住定住の促進を図ってきているところです。高知県におきましては(年間)約800組(平成29年度実績816組)ですが,もう少しで1,000組いけるのではないかと知事も言われています。高知市におきましては,そのうちだいたい200組が移住されてきていますが,想定よりも若い20代,30代,40代が多くて,Uターンが少ないということがひとつの特色なので,これからはターゲットを拡充していきたいと考えております。
最後に10ページ,人権尊重のまちづくり条例についてですが,平成28年に障害者差別解消法,ヘイトスピーチ解消法,部落差別解消推進法がそれぞれ施行されました。この背景には,2020年の東京オリンピック,パラリンピックの開催が国としてはあったと聞いておりますけれども,様々な差別を撤廃していこうという法律が整備されましたので,高知市におきましても,今年の3月議会で人権尊重のまちづくり条例の制定を目指したいと考えておりまして,今月末までパブリックコメントを募集しておりますので,議会と調整をしたうえで,3月市議会への議案提出を図ってまいりたいと考えております。
質疑応答
(記者)
今年の11月で任期満了を迎えられると思います。4期目の最終年ということになるかと思いますが,選挙公約で掲げておられました4期目の公約でどの程度達成できているのか,やり残したことはあるのか,それは何か,最終年に力を入れていかれることは何なのかを教えていただければと。
(市長)
4期目就任させていただいて,いま3年が終わったところですけれども,4期目の公約の中では,全体の事業の項目数でいいますと,100の事業を掲げております。3月議会での質問も出るかと想定していますが,この100の事業につきましては,だいたい着手もしくは完了出来てきておりまして,かなり出来ているという認識を持っております。
4期目の中では,ハード整備におきましては,三重防護をはじめとした南海トラフ地震の対応。そして学校,保育所の施設の耐震化,これは民間施設も含めてですが,着実に進んできております。新庁舎の建設は,少し台風の影響で遅れる見通しですけれども進んできております。難しいと思っておりましたが,4期目の公約では中学校の校舎の空調整備が入っていました。小学校(の空調整備については公約に)はまだ入っていませんでしたが,小中学校全ての(普通)教室の空調設備の目途がつきました。ソフト面では,子どもの医療費の助成を小学校6年生までに拡充しておりますので,一定の成果があったと思います。それと,オーテピアの建設についてですけれども,(旧)追手前小学校の統合から8年間がかかっていますので,昨年の7月24日にオープンができたということは,我々も非常によかったと思います。それと,人口減少が厳しい現実でありますので,(県内全)34市町村で,地域を守るための新しい組織として,れんけいこうち広域都市圏が立ち上がりました。これは全国で初ということになりますが,34市町村が全て同じ目標に向かっていけるようになったということは,かなり大きなことだと思います。
あと,残っておりますものが何かということですけれども,西敷地(新図書館西敷地利活用事業)の課題があります。それから,仁井田の産業団地,これは土地の買収の見通しが立たなくなりましたので,できなくなったということがあります。一宮の産業団地の分譲が終わり,仁井田ができなくなりましたので,(平成30年度に着手した)布師田に全力で県市で入りたいと思っております。あと,長浜の道の駅構想は,いろいろなご意見がありまして,地域との協議を進めており,様々なアイデアをいただいておりますので,活性化を今後も図っていきたいと考えているところです。全体としては100の事業がありますが,概ね着手もしくは完了に向かって進んでいます。
(記者)
概ねということですが,100という数字が出てきましたので,具体的に着手もしくは完了したのは100分のどれぐらいでしょうか。
(市長)
(正確な数字は)3月議会に向けて,政策企画課で拾ってまいります。
(記者)
お手元で,例えばだいたい90とかですか。
(市長)
だいたい90は超えています。完全に未着手なのは,西敷地も含めて5項目前後だと思います。ただ,正確に事業名を拾う必要がありますので。90は超えていると思います。
(記者)
補足で確認ですが,仁井田産業団地をやり残したというように言われましたが,文脈から言うと,仁井田ができなかったので布師田を全力でやりますということで,仁井田をやり残したのでやりますという意味ではないですよね。
(市長)
違います。仁井田は浸水しないエリアですし,場所的にも高知南インターも近いのでやりたかったのですが,地権者との協議が整いませんでしたので残念でしたけれども,布師田に全力で県市で集中的に入るということで,31年度はそういう予算が県市で出ていくということです。
(記者)
関連で,4期目の公約はかなり進捗されているということですが,一方で,西敷地のような時間がかかるテーマが残っています。4期目で仕事が完了しなかった場合は,はっきり言えば5選出馬ということは今のところいかがですか。
(市長)
そこについては,後援会の方々,また,与党会派の皆様方と今後またご意見をいただきながら,特に後援会とすり合わせをしながら決めていきたいと思います。今の段階では申し上げる段階ではないです。
(記者)
西敷地問題なのですけれども,12月議会の閉会後に,市議13人が事業計画の白紙撤回を申し入れました。年が明けた現時点で,市長の考えにお変わりがないのか,今の考えをお聞きかせいただければと思います。
(市長)
仮設の図書館が撤去されまして,あのエリアは2,500平方メートルありますので,相当に広いという実感を市民の方々も持たれていると思います。私どもは一貫して,中心市街地活性化基本計画の政策の網がかかった場所なので,中心市街地の活性化や商業,そして産学連携に資する事業にしたいと一貫して申し上げております。いま,議会でも賛否両論がありますし,市民の方々にもいろいろなご意見があります。現在は事業提案を受けている段階ですので,今後また,事業者の方々,また関係者の方々と協議をしながら,ご理解を広めていきたいです。また,3月議会でも様々なご意見をいただくと思いますので,関係者の方々に今後とも広くご意見をいただきながら意見交換をしていきたいと考えております。
(記者)
冒頭にご説明いただいた2018年度の事業の関係でまず伺いたいのですが,スマートフォン活用のシステム整備に関して,いわゆる行政機関として,有事の際に避難情報の確認ができます,とかそういった効果があるかと思うのですが,そういう情報が得られることに対して,市としてどういった効果を期待されていますか。
(市長)
スマホdeリレーは,それぞれ議会でもいろいろなご意見をいただいていますが,例えば,東日本大震災のときに長期浸水になった石巻では地盤沈下が発生しました。高知市も,昭和21年の地震(昭和南海地震)のときに,すぐに東京大学が調査に入っていますが,ほぼ平均的に1.8メートル沈降しています。東日本の場合は場所によって違いますが,1メートル以上沈降していますので,そこに津波が入り込むと,結果的に水が引かないという状況になります。L2の場合ですけれども。L1の場合は,三重防護で(浸水を)一定食い止められると思います。これは石巻市の長期浸水時の写真なのですが,こういう状態で昭和21年のときも1か月位ほぼ水没していました。当時と違うのは,人口が多いことです。昭和21年と比べると,今の方が(浸水想定)エリアの中の人口が多いので,いかにして要支援の方々をそこから救助するかというのが非常に大きなテーマで,県市で重点的に協議して,対応策はだいぶん決まってまいりましたが,情報の伝達が1つの大きな課題ですし,SOSの発信方法を,東日本大震災のときにも皆さん苦労していました。白い布でSOSを書いたりなどです。そういう(救難)情報の伝達を(スマートフォンを使って)して,災害対策本部,そして県,自衛隊,警察,消防,こういうところに早く伝えるということを大きな目標にしています。効果はあると思います。ただ,学生さんから大人の方々まで,(専用のアプリケーションを)ダウンロードをしてもらう必要がありますので,ダウンロードの啓発は積極的に行う必要があると思います。広報のご協力も仰いでいきたいと思っています。
(記者)
西敷地の関連で,12月議会に提出予定だった土地の賃貸に関する議案の提出が残っていますけれども,これは3月議会の提出を目指すお考えなのでしょうか。
(市長)
関係のそれぞれの事業者,そして関係の会派の方々との協議を精力的に行って,方針を決めていきたいと考えております。
(記者)
現段階では3月議会で。
(市長)
それを目指してまいりますけれども,それぞれの議会会派のご意見がありますので,意見交換をしていきたいと考えております。
(記者)
西敷地の関連なのですが,年明けに新たに説明会などを設けて,市民への理解を普及させていく機会を設けるとおっしゃっていましたけれども,今のスケジュールなどは。
(市長)
前回の2回のやり方とは違うのですけれども,各種団体の意見を聞きたいということを考えております。現在,西敷地の件ではないですが,「市長と語ろう会」という事業で,若い方々と意見交換をしています。西敷地に限ったことではないのですが,政策提言をいただきたいということで,これまで高知大学,高知県立大学,それとこのあいだ,高知商業高校とも行いました。高知商業高校のプレゼンは非常にしっかりとしていて,中心市街地活性化についてのプレゼンもあって,非常にいいアイデアをいただいていて,このあと高知学園短大との意見交換もありますので(2月下旬に実施予定),そういう若い方々との意見交換を済ませたあとになりますが,各種団体との意見交換もやっていきたいと考えております。例えば,商店街はそれぞれ理事会等がありますので,そういうところをはじめとする団体の方々との意見交換を,スケジュールを立てながら行っていきたいと思います。
(記者)
現段階では新たな説明会の日程は立っていないということですか。
(市長)
今の段階では立っていないです。
(記者)
それと,3月議会に出すというのはおっしゃいませんでしたけれども,やはり伸ばす可能性もあり得るということですよね。
(市長)
我々は目指してまいりますけれども,それぞれの会派のご意見がありますので,ご意見を聞きながら,また,3月の新年度予算の会派との意見交換もありますので,そういう中で,また協議をしていきたいと思います。
(記者)
予算の話も残りあと1か月位。出すかどうかは市長が決めることなので,3月議会の提出を目指していくけれども,まだわからないということですね。
(市長)
そうですね。意見交換をしていきます。
(記者)
ただ,以前の話だと,6月議会だと間に合わないということだったと思うのですが。
(市長)
我々は,31年度の国の概算要望に間に合わせたいと思っていますが,そこは議会の議決がいる前提になっていますので。目指していますけれど,タイミングによっては間に合うか間に合わないかということになります。
(記者)
あと,高知大学がおっしゃっていることと市長が言っていることにずれがありまして,高知大学は50年いるということは言わなくて,こっちで決めてくれたら考えます,という話です。市長が確認を取れているというのは,どういうことなのか。
(市長)
高知大学は,前の前の学長の段階から,都心キャンパス構想というのがあります。ずっと申し上げているように,高知大学の生き残りをかけて,という意味です。都心キャンパス構想というのがずっとありますので,今の(優先交渉権者の)提案に乗っています。(高知大学は)あくまでも事業者ではないので,今の提案に乗るということは,高知大学の意思決定機関で決めているということを確認していますので,我々は意思決定はされているという認識です。
(記者)
西敷地に限らず,中心市街地には来たいということはおっしゃっていますけれども,西敷地でなくてもいいんです,とおっしゃっているので。
(市長)
ただ,今の事業提案に乗るということは経営協議会(役員会)を含めて高知大学の機関決定があるので,そこで決定されているという認識は持っています。一部教授会でいろいろなご意見があるという段階であります。
(記者)
与党会派から,議員さんが市長選に出るという意思表明をされています。いま,与党会派と相談をしながらという話でしたけれど,その与党会派から市長のやり方ではダメなんだという意思表示が強くあったわけですけれども,そこはどう受け止められていますか。
(市長)
今回の市長選挙に出られるという会派については,西敷地については広場の方がよいのではないか,ということです。西敷地に関して,政策的に中心市街地活性化に資する複合的な機能なのか,公園のようにして広場を残すのか,という政策の違いですので,そこを中心に選挙戦で問うという意味だと思います。そこはひとつの争点になると考えています。どなたが出ようと,西敷地の対応については,市長選の争点になるという認識を持っています。
(記者)
いま市長がやる,というような話ですか。
(市長)
そういうことではないです。誰が出ようと,西敷地は争点になるという認識を持っています。
(記者)
単に広場が問題という認識ですか,やはり政治姿勢というか,向き合い方というのがベースにあると思うのですが。
(市長)
そうですね。政策的にいうと,公園として平地で残すのか,もしくは複合的で立体的に活用するのかという政策の違いはあります。もうひとつの議論としては,やはり非公開で進めてきましたので,そのことの是非といいますか,それが良かったかどうかを一定問われているという認識です。非公開は特に違法ではないのですが,非公開にすることで中がわかりにくくなったという反省は我々も持っています。ただ,大きくいうと政策の違いです。選択肢は二つありますから。
(市長)
(本日は2018年度の重点事業について説明をしましたが,)まだ新年度予算の査定をやっていないので,31年度の新しい政策というのは査定が済んだ後となります。
(記者)
現時点の西敷地なのですけれども,ロープを張って危険だから入るなというようになっていますが,どうなろうとも,1年近くあの状況が続くわけですけれども,今度の10連休で,あのままロープを張って危険ですと放置するのは違和感があるのではないですか。
(市長)
ひとつは,違法駐車防止のために暫定的にロープを張っています。事業が決まるまで,民間のイベントを含めて使えないのか,というお話はありますが,たぶん現状のままだと土ぼこりが舞うので,周りに飲食店が多くてクレームがきますので,貸し出しは難しいと思います。それを含めて,今の敷地の正面をどうするのかを協議していますので,また議会とも協議をしていきたいです。現状のままで100人200人入るというのは無理だと思います。
(記者)
何か仮の整備をするということですか。
(市長)
何もしないで現状のまま置いておくと,土ぼこりが舞うので,仮の処理はします。
(記者)
処理をして連休に間に合わせて活用するのですか。
(市長)
連休には間に合わないと思います。まだ予算がないので,どういう形で執行するかもありますし,議会と協議する必要があり,勝手に手をつける訳にはいきませんので,5月の連休には間に合わないかなと。具体のスケジュールはまた考えます。
(記者)
市長選について,浜口(卓也)市議が出馬を表明されました。その理由のなかで,道の駅構想や,仁井田産業団地などを含めて行政の形が少し歪んでいると,本来の行政組織に戻ってほしいという思いの中で出馬を意識し始めたということです。現政に批判的な候補が立候補されたという認識だと思うんですけれども,市長の受け止めをお伺いしたいのですが。
(市長)
4期目があと1年になっていますので,高知市の市政の進め方について批判もあるのではないかと思います。我々としては,できるだけ幅広くご意見を聞きながら決めてきたという認識なのですけれども,その意見の聞き方が不十分だという指摘があるのだということを表明されているのではないかな,と思います。もちろん(浜口市議の)記者会見の詳細を存じていないので,新聞で書かれている範囲しか分からないですし,ご本人からも直接聞いているわけではないので,詳しいことはわからないのですが,仕事の進め方,そして地域とのいろいろな意見交換や地域での説明が不十分ではないか,という批判ではないかと思っています。
(記者)
先ほどの繰り返しになりますが,西敷地が市長選の争点になるという認識ですか。
(市長)
それは争点になると思います。どなたが出ようと。
(記者)
ざっくばらんにお聞きしますと,西敷地は議会でも揉めてきて,市長は,政策論争はあっていい,会派と敵対するのではなく,いろいろな考え方があるので,議論を戦わせたらといいというお考えだったと思います。その与党会派から市長選に立つというのは,政策論争というよりも,はっきりと戦になるわけです。市長と戦うという意思表示なわけです。一方で,会派の長は市長の後援会の幹部もお勤めになっているわけで,市長といえども人間ですから,率直な感想はどうですか。
(市長)
いや,そういうのとは違いますけれどもね。無投票というのは決して良くないと一貫して思っていますので。知事は無投票で来られていますけれども,知事も政策を訴える機会がないので,ずっと残念がっていると思います。市長選挙というのは,お互いの政策をいろいろな方々に聞いていただいて,多くのご意見をいただく良い機会なので,やはり選挙はあったほうがいいという認識です。それで,今回は,浜口候補を会派全体として推すのかということは聞いていないので,また個々にお考えになられると思いますので,我々としては当然関与しない話なので,いろいろな考え方があっていいと思います。
(記者)
実際に,後援会の幹部の方とか,市長の支持者の方とか,この数日のうちに反応があったと思いますが,いかがですか。
(市長)
直接は聞いていないですけれども,1月から団体の新年会とか,9月の叙勲のお祝いの会があったので,そこでいろんなお話は聞きます。例えば,ぜひやってもらいたい,といういろいろな声は掛けられています。
(記者)
5選目をやってほしいという声はいただいているのですね。
(市長)
お声はいただいています。いろんな団体から。
(記者)
それに応えるというのは。
(市長)
まだ応えていないです。
(記者)
その進退はいつ発表されますか。
(市長)
後援会と話をしてからなので,まだそれを表明できる段階ではないです。
(記者)
高知商業高校の野球部がダンス同好会の発表会に出ていて話題になっていますが,この件についてはどうお考えですか。
(市長)
サッカーの川淵元チェアマンも,ちょっと厳しすぎるだろうという話をされていましたけれども,高知商業高校のダンス同好会の応援に入っているので,大きく批判をされる問題ではないと思います。ただ,野球の世界の常識では,入場料を取るところにユニフォームを着て出てはならない,高校野球を商業的に利用してはならない,というのが大原則らしいので,高校野球の専門家のほとんどからは,アウトだろうというふうに言われています。そこはよくわからない世界なので,率直にいうと,川淵元チェアマンが言ったように,ちょっと厳しすぎるとは思いますが,高校野球の中のルールがあるので,我々にとやかく言うことはできないと思います。
(記者)
冒頭で重点事業の進捗状況を,質問の中では,これまで公約にある事業をだいたい着手できたという話があったと思うのですが,今年最初の定例会見ということで,市制施行130周年ということもありますし,4期目の最終年ということもありますので,あらためて抱負をお願いします。
(市長)
今年が平成の終わりになりますし,ちょうど平成が30年で1つの区切りを迎えます。市制施行100周年の時が平成元年にあたっていましたので,その時はいろいろなお手伝いをする立場だったのですが,自由民権記念館を建てたり,当時は横山市長でしたけれども,ひとつの大きな区切りだったと思います。それから30年目を迎えるのですが,市制施行130周年を迎えて,そして平成が終わるということで,ひとつの時代が終わるという認識を今は強く持っております。そういうなかで,営々と高知市の発展を行ってこられましたのは,もちろん高知市の歴代の市長様方もおられますが,市民の皆様方なので,そういう意味で,ひとつの節目を迎えるということは感慨深く思っています。私の仕事の話に戻らせていただきますと,4期目の間に東日本大震災もありましたので,南海トラフ地震対策は,具体的に,相当の早さで進むようになりました。県市でかなり詳細に事業の詰めもしていますし,また,追い風は,さきほど言いました国土強靱化で3兆円がある意味確約されたので,非常に進捗すると思います。いつも言っていますように,三重防護は高知市の生命線なので,それが4期目の中で一定目途がつきつつあるのは,非常に大きいと思います。三重防護の工事がまだ10数年かかりますが,これが仕上がると,100年,150年(に1度発生しているL2レベル)の地震の時の浸水はかなり防護できると思います。完璧とは言いませんが,住民の方々の命を守るということだけではなくて,特に工場は基本的に港からものを出せるように,潮江や下知では港湾エリアに工場が張り付いていますので,東日本大震災のように潮江や下知のような工業エリアの事業所が被害を受けると,どう考えても復興に5年かかるので,その間に従業員が別の場所に移るということと,人口が流出するということが今の東日本の非常に厳しいところです。それを事前に防護するということは非常に大きいと思います。人の命を守るということだけではなくて,高知市内の重要な産業を守ることにつながるので,それは非常に大きいと思います。4期目は残り1年になっていますが,着実に今後も続けられるようにということが,知事も市長も求められていると強く感じています。東日本(大震災の被災地)の一番の課題は,人口減少です。町は復興していますけれども,復興してきた街に人がいないということです。そういうことにならないように,というのが我々の大きな目標です。
(記者)
今年の位置づけ的には,防災面に力を入れていくと。
(市長)
(力を入れていくのは)防災と,少子高齢化の対策です。国も内閣が1次2次3次と変わるごとに看板を掛けかえるので,基本的にいうと(少子高齢化対策は,現政権においては)「地方創生」なのですが,次の看板はどうなるかわかりません。防災と少子高齢化の対応が2本柱になることは当面は間違いないと思います。高知県全体で,人口は1年間に約7,500人減っていますから,2年で約1万5,000人減ります。たぶん1年後には70万人を切っていると思います。そこにいかに対応していくかというのが,知事も我々も大きなテーマになっているという認識です。
(記者)
外国語対応の観光案内所の関係でお伺いしたいのですが,これは3月末ですか。
(商工観光部長)
今年の3月下旬です。
(記者)
これは高知市がされるのですか。
(市長)
はい。市の設置です。
(記者)
中心市街地には,観光案内所など観光客が目指していって情報を得られる場所はなかったと思います。新たにこういった場所ができることでPR的な面での強化になると思いますが,どうお考えになられますか。
(市長)
これまでは,高知駅がひとつの陸のゲートになっていました(JR高知駅南口前にある「こうち旅広場」)。高知駅は県市で連携して対応していますけれど,一定あそこがひとつの拠点になっています。我々のところは分散していますが,高知市観光協会と観光ボランティアガイド(土佐観光ガイドボランティア協会)を中心にして,上町の龍馬の生まれたまち記念館に観光ボランティアガイドを配置していますので,そこがひとつの拠点になっているのと,高知城の追手門の中にボランティアガイドが常駐している施設があるので,そこを中心に対応をしています。ただし,外国人の対応については十分ではなかった部分があるので,今回はここに力を入れていきたいと思います。外国語対応は,SGG(高知SGG善意通訳クラブ)という,英語の観光案内ができるだけでなく,中国部,韓国部,3つくらいがあるので,かなり詳細の話でも対応できるスタッフが揃っていますので,そのSGGとも連携していきたいと考えております。
(記者)
2018年度重点事業の二段階移住についてお伺いします。9ページにもありましたように,実績ということで,サイト閲覧者数や二段階移住の組数が書かれていますが,こうした実績をご覧になって,市長としての手ごたえをお伺いしたいのとまた,先ほどIターンはあるけれども,Uターンにも今後力を入れていきたいとおっしゃっていましたが,どういった形でUターン者を増やしていきたいか,今後の取り組みについて教えてください。
(市長)
県と市が独自でそれぞれ分析していますが,今の主力は20代30代40代で,7割以上を占めています。50代,60代が少なくなっていますので,たぶん若い方は県や市のプロモーションが今後効いてくるので,一定見通しが立つと思います。しかし,Uターンが非常に少ないので,ひとつのターゲットにしていこうということにしています。二段階移住はまだ件数が少ないですけれども,30年度の前半はいろいろなツールを揃えるのに時間がかかりましたので,去年の11月から集中的にプロモーションに入っています。これが30年度末と31年度にかけて効果がでてくることを期待しております。それと,Uターン者をいかに戻してくるかというのは,たぶん考え方を2つもっていないといけないと思っています。まず,高知から出ていくのは,県外の大学とか専門学校に行かれる方々,それと,高知県内に自分のやりたい仕事がないということで若い方がかなり出ていっています。そこに資格(取得)とか学校卒業の時点で,いかにして高知に帰っていただくインセンティブをつけるかというのがひとつあると思います。例えば,奨学金の免除とか,まだ制度としては十分ではないので,そういうことも考えていく必要があると思います。あと,50代60代は,いわゆる親の介護とかそういうことで帰ってこなければならない年代になるので,そういうところの情報発信と,50代の年齢で帰ってくるときに仕事の問題がどうしても出てきますので,県で立ち上げている移住と仕事のマッチング(高知県移住促進・人材確保センター)を,県市連携のもとでしっかりやっていきたいと思っています。
(記者)
オーテピアの図書館の資料費なのですが,開館して初めての予算をごっそり減らすところがあるのですが,そういうことはないですか。
(市長)
オーテピアの開館によって,従来からもともと増やしていこうということで,県市で協議しております。まだ査定前で詳細は分かりませんが,大幅に落ちるということは聞いていないです。ただ,オープンのときに揃える部分と継続的に買っていく部分の予算は違いますが,一定,県市で資料費は充実していこうということになっています。
以上