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市長から職員の皆さんへ 当選後初の市長訓示(令和元年12月2日)

5期目就任に当たって

​ 市民の皆さま、職員の皆さんおはようございます。

 去る11月24日の市長選挙におきまして、多くの市民の皆さま方のご信任を賜り、引き続き5期目の市政を担当さ
せていただくことになり、改めまして、その責任の重さを痛感し、身が引き締まる思いをさらに強くしております。
先週の11月30日から、5期目の任期がスタートし、再び皆さまとともに、まちづくりを進めることができることを、うれしく思います。

 振り返りますと、平成15年11月に、多くの市民の皆さまや市議会の皆さまから温かいご支援を賜り、市長に就任させていただきまして以来、4期16年間、市民の皆さまの「生命と財産を守る」ことを念頭におきながら、市議会や職員の皆さまとともに、市政の発展に向けて全力で取り組んでまいりました。

 いま、令和という新しい時代を迎え、これまで皆さま方とともに積み上げてまいりました実績を次の世代に着実に繋げながら、今後、一人ひとりが手を携え、ともに支え合いながら生きる「高知市型共生社会」の実現に向けて、市民の皆さまの「生命と財産を守り、暮らしを守る」強い決意を持って、全力で取り組んでまいります。

 これまで4期16年の間、市政の発展のために職員の皆さんと共に多くの施策を展開してまいりましたが、今般5期目の公約として、新たな気持ちで次の4年間に向けて5つの政策ビジョンを掲げております。

 今後の社会の中で重要となる、一人ひとりが手を携え、ともに支え合いながら生きる「高知市型共生社会」の実現を目指し、市長選挙では、高知市の将来像として「次代へつなぐ共生とあんしんのまちづくり」をテーマに掲げ、次の4年間で、「あんしん」「あんぜん」「すこやか」「にぎわい」「共につくる」という5つの基本政策に基づく36の施策と111の事業を進めていくことを訴えてまいりましたので、順次、この5つのビジョンについて申し上げます。

あんしんの高知市

 まず、基本政策の1点目の「あんしんの高知市」について申し上げます。

 南海トラフ地震等の災害対策の総仕上げに向けて、「生命を守り」、「守った生命をつなぎ」、被災しても「迅速に復旧する」ことが特に重要になります。

 そのためには、国や県と連携した浦戸湾三重防護を着実に進めながら、住宅の耐震化を促進させ、緊急輸送道路の沿道における建築物の耐震化を推進するとともに、老朽住宅の除去や倒壊の危険性が高いブロック塀等の安全対策を講じ、市民の避難路を確保します。

 そして、「守った生命をつなぐ」ため、長期浸水区域内の避難者対策として、津波避難ビルへの資機材配備や飲料の備蓄、避難者等への食料品や生活必需品の備蓄を急ぐとともに、情報伝達手段を整備するなど、救助・救出対策を充実させ、広域避難の取組を合わせて進めます。

 また、遅れております、高齢者や障がい者などの配慮を要する方の避難支援対策を急ぐとともに、避難所のトイレ等の環境対策を推進し、内閣府や厚生労働省とも連携して、災害関連死ゼロを目指す対策に全力で取り組みます。

 さらに、万が一被災した場合、速やかに復興できることが重要でありますので、復興計画の事前の策定に向けた検討を進めます。

あんぜんな高知市

 次に2点目の「あんぜんな高知市」では、まちのインフラ整備やバリアフリー化を積極的に進め、暮らしの利便性と快適性を重視したまちづくりを進めます。

 老朽住宅が密集し、狭隘(きょうあい)な道路が多いなどの防災上の課題が残る下島地区や中須賀地区など、旭駅周辺の土地区画整理事業を着実に推進するとともに、立地適正化計画に基づくまちづくりを推進し、公共交通機関の利用を促進します。

 市営住宅再編計画のもとで、老朽化住宅の建て替えや小規模団地の集約化に取り組むとともに、空き家対策として、生活環境の保全や空き家の有効活用を進めます。

 また、市民の皆さまの「生命、身体及び財産」をあらゆる災害から守るため、北消防署、中央消防署など拠点となる消防署の完成に引き続き、地域における消防分団屯所を計画的に整備し、大規模災害等に対する防災・減災体制の強化を推進します。

 高知市型共生社会の一歩として、ごみ出しが困難な方を支援するふれあい収集をモデル地区から全市域内への実施へ拡大するとともに、路線バスの運行が困難な地域でのデマンド型乗合タクシーの利用促進を図ります。

すこやかな高知市

 次に3点目の「すこやかな高知市」では、「子育てへの安心と安全」を中心に、子ども支援の拠点づくりを進めて、子育て・教育における環境整備を推進するとともに、高齢者や障がい者の方々の相談受け入れの窓口を拡げ、支援体制を強化していきます。

 まず、子育てが安心してできるための対策として、市内東部に子育て世代包括支援センターを新設し、関係機関や地域と連携した切れ目のない支援体制となる高知市版ネウボラを推進します。

 厳しい環境にある子どもたちへの貧困対策等の充実や、保育所、幼稚園、小学校及び地域との連携による子どもの将来を見据えた、保幼小の連携を強化します。

 新たに、子ども・子育て支援施策として、中学校卒業までの子どもさんを対象に、インフルエンザ予防接種費用の一部助成を実施することで、接種率を向上させ、子育て家庭の健康維持に取り組みます。

 学校教育の充実に向けて、不登校児童生徒の支援対策として教育支援センターにスクールカウンセラーを配置し、専門的な心理的支援を必要とする児童生徒等への対応や教育相談機能の充実を図ります。

 また、新学習指導要領に対応した学力向上アクティブ・プランを積極的に推進するとともに、地域や関係機関と連携した、不登校への支援をはじめとする子どもを見守り支援する体制を構築します。

 高齢者の方々への支援では、「いきいき・かみかみ・しゃきしゃき百歳体操」の実施等による介護予防事業と保健事業を一体的に進めるフレイル対策を充実強化するとともに、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年に向けて、高齢者の方々が住み慣れた地域で、希望する生活を送ることができる地域包括ケアシステムの構築をさらに進めます。

 障がいのある方々への支援では、基幹相談支援センターを中心とした相談や支援を充実するとともに、生活支援相談センターを拠点にした生活困窮者の方々への支援を強化してまいります。

 平和を守り人権を尊重するまちづくりでは、さまざまな人権課題の解決に向け人権尊重のまちづくり条例に基づく施策の展開を図るとともに、ダイバーシティへの対応を推進し、一人ひとりがお互いの違いを認め合い尊重し合えるまちを築いてまいります。

にぎわいの高知市

 次に4点目の「にぎわいの高知市」では、中心市街地の西敷地の活用方針を策定するとともに、はりまや橋周辺の活性化の検討を進めます。

 また、来訪する外国観光客への新しい体験周遊ルートとの連携をはじめ、農産物や鮮魚など「食」のブランド化を進めます。

 (仮称)高知布師田団地の早期完成を目指すとともに、新たな産業団地の検討を進め、観光の振興では、桂浜公園の再整備を早急に進めるとともに、宿泊者数の増加につながる新たな夜の観光資源を掘り起こし、各市町村と連携した自然体験型周遊ルート商品の販売促進を支援し、広域観光を推進します。

 農林漁業の振興では、障がい福祉の分野と連携した農福・水福連携等を通じ、担い手の育成や確保に取り組み、イタドリなどの地域特性の強みを活かした農業を支援します。

 また、森林環境譲与税を活用した森林整備を行うことによる林業の成長産業化と森林資源の適切な管理を進めます。

共につくる高知市

 次に5点目として「共につくる高知市」について申し上げます。

 地域社会と市民生活のうるおいを「共につくる」ことを目指し、地域コミュニティの再構築を進め、地域内連携組織の充実・拡大を図り、「こうちこどもファンド」等の推進による、子どもたちの社会参画を促します。

 地域活動の拠点整備として、あんしんセンター内に「高知市社会福祉協議会」や「高知市生活支援相談センターなど」を配置して、地域活動に関する情報の提供・相談・研修などを充実させます。

 老朽化が進む木村会館を旭地区のコミュニティセンターとして整備し、機能の充実を図ります。

 団塊の世代が2025年までに後期高齢者の世代になることから、地域の担い手が高齢化し、世代交代がうまくいっていない地域があるため、地域リーダーの養成をさらに進めるとともに、行政と民間・地域が一体となり、きめ細やかな支援サービスを構築するため、地域における高齢者や子育てなどのサービスを検索できるシステムの構築を進めます。

 地域の薬局や薬剤師会と協定を結び、身近な地域で何でも気軽に相談できる「相談窓口」を設置するとともに、「地域福祉コーディネーター」の増員を支援します。

 これらの施策により、地域と連携しながら、人と人が寄り添い、生涯を支え合って楽しく過ごすことが可能な共生社会をつくりあげていきます。

 

 以上、5つの政策ビジョンの概要について申し上げましたが、今後4年間「高知市・共生社会実現への5つのビジョン」を中心とした、高知市の新しいまちづくりを皆さまとともに進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 さて、今回、高知県知事選挙におきましては、この12年間ともに県市連携で歩んでまいりました尾崎知事から浜田知事へとバトンタッチがなされました。

人口減少が加速化する中で、持続可能な県域を築いていくためには、県全体の発展を見据え、各市町村と共栄を図っていくことが特に重要でありますので、「れんけいこうち広域都市圏」の取組を推進し、県都としてのリーダーシップを発揮してまいります。

 今般、選挙期間中に、市内各地をくまなく回りましたが、改めて、南部地域の人口減少の厳しさや高齢者向けのデイサービス事業所の急速な増加等を目の当たりにし、本市がおかれている社会状況を再認識しましたので、これからの政策に反映させていきたいと考えます。

 市民の皆さま方からは、人口減少等により衰退する地域の厳しい実情など切迫した数多くのご要望やご意見等をお伺いしておりますので、これらの貴重なご意見を大切な財産として受け止めながら、今後の市政運営に活かしてまいります。

 いよいよ今月28日には待望の新庁舎の落成式が予定されており、年明けには市役所新庁舎への移転が始まり、移転した部局ごとに新庁舎での業務が始まります。

 今年は、市制施行130周年の節目の年でもあり、新たな気持ちで市民の皆さまの幸せを強く願い、市議会や職員の皆さまとともに精力的に政策に取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。

 以上で、5期目のスタートにあたりましてのご挨拶とさせていただきます。