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市長コラム内和外順 2020年12月号
高知市広報「あかるいまち」より
介護保険制度創設20年
介護保険制度の議論は長く、平成6年から論議がスタートしましたが、苦難の末に平成12年に制度が創設され、ことしで20年を迎えています。
当時すでに高齢化が進みつつあり、「寝たきり老人」や「認知症」などの患者さんが急増し、病院では「社会的入院」といわれる特殊な入院の実態が増えている状況にありました。
この頃は、現在のような介護保険制度がなく、特に働く女性の方々が、やむなく仕事を辞めて、介護につかざるを得ない現状が多く見受けられました。家族だけで介護をすることが現実には困難な時代となり、「介護は社会全体の問題」として捉え、健康保険と同じように、社会保険の制度として構築できないのか、という議論が始まりました。
しかしながら、日本の古い慣習や、従前からの家制度を唱える人々も多く、論議は難航します。最終的には、厚生労働省の不退転の「覚悟」もあり、難産の末に平成12年から介護保険制度がスタートしました。
現在も高齢化が進んでいる最中であり、2025年には、日本で一番人口の多い「団塊の世代」が、すべて75歳以上になることから、さらなる超高齢社会を迎えることになります。
新しい「地域共生社会」の構築が急務となる中で、制度として不可欠な「介護保険制度」の重要性を改めて再認識しながら、介護が必要な状態になっても、できる限り地域で生活を営めるように、介護保険制度の充実を図ってまいります。
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※このページは、高知市広報「あかるいまち」に掲載されている「市長コラム 内和外順」のコーナーを再掲したものです。