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市長コラム内和外順 2021年4月号
高知市広報「あかるいまち」より
多様化するヘルスデータ
最近、NHK放送などメディアへの出演が多い、宮田裕章(ひろあき)慶應義塾大学教授が、「健康データ(ヘルスケアデータ)」の重要性と、その幅広い活用を提言しています。
宮田教授は、医療をはじめとするデータ活用の優れた専門家であり、コロナ禍における新しい生活様式を構築していく中で、ヘルスデータなどの有効活用について、注目すべき取り組みを進めています。
インターネット社会の急速な進展に伴うグーグルやアマゾンなど世界的な新興企業の出現により、世界中のデータが集積され、「そのビッグデータを社会のために有効に使っていこう」とする議論が始まっています。
日本でも国民健康保険や企業の健康保険等に集積されている、レセプトなどのビッグデータは、既に糖尿病などの重症化予防のために、そのデータが活用されています。
宮田教授は、世界的な経済活動についても、限られた資源である石油などの有機物を中心とする経済活動から、これからは、「ビッグデータのような共有財産としてのデータを中心とする経済活動にシフトしてくる」と予測しています。
そのとき、特に重要になるのが、「社会生活をより良くするために、人々の共有財産としてデータを活用することだ」と言われています。
国家が統制のために独占的にデータを利用するのではなく、例えば、人々の健康寿命を伸ばすため、過去の検診データや医療データを有効に活用するためのシステムづくりが重要です。
高知市がめざす「人々が安心して暮らすことのできる共生のまちづくり」のためにも、ビッグデータが有効に生かしていけるといいですね。
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※このページは、高知市広報「あかるいまち」に掲載されている「市長コラム 内和外順」のコーナーを再掲したものです。