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市長コラム内和外順 2021年5月号

市長コラム 内和外順
高知市広報「あかるいまち」より

ようこそ!市長室へ

弥太郎と渋沢栄一

コラムイラスト

今春、幻冬舎から「渋沢栄一と岩崎弥太郎」(河合敦あつし・著)の文庫本が出版されています。ことしのNHK大河ドラマ「青天を衝(つ)け」の渋沢栄一と岩崎弥太郎との生涯にわたる確執を描いた力作です。

一言で二人を分けるとしたならば、「弥太郎は独裁主義、渋沢栄一は資本主義」だと分析しています。この二人は、日本の海運業の独占支配をめざして、激しくぶつかっています。

ご承知のとおり、弥太郎は、土佐藩重役の後藤象二郎を通じて、長崎での交易を行う土佐商会を、土佐開成商社、九十九(つくも)商会、三菱商会へと発展させ、日本の海運業を独占的に支配します。

一方の渋沢栄一は、三菱が海運業を独占していくことに危機感を持ち、日本国郵便蒸気船会社を立ち上げ、双方、死力を尽くした激しい総力戦になります。

両社共倒れの危機もありましたが、明治18年に弥太郎が50歳で病死し、後を継いだアメリカ帰りの弟・弥之助のもとで、激烈な争いに終止符が打たれ、大手海運二社が合併し、日本郵船会社が誕生し、現在に至っています。

渋沢栄一は、龍馬が暗殺された時には、フランスへ渡航しており、ヨーロッパでの見聞をもとに、資本主義制度の重要性を説きながら、鉄道業や郵便、製紙業など、日本を代表する500社に及ぶ企業を創立します。

一方、アメリカ帰りの岩崎弥之助は、銅山や石炭開発、造船業をはじめ、ニューヨークのウォール街のようなビジネス街をめざして、現在の東京丸の内の大規模開発を行います。

日本の近代国家の建設のために、欠くことのできない二人の活躍に敬意を表します。

市長サイン

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※このページは、高知市広報「あかるいまち」に掲載されている「市長コラム 内和外順」のコーナーを再掲したものです。