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市長コラム内和外順 2022年05月号
高知市広報「あかるいまち」より
らんまん
来年の春から、NHK朝ドラ『らんまん』がスタートします。神木隆之介さん主演の牧野博士は、日本の近代植物分類学の権威であり、生涯を植物の研究にささげた「植物学の父」ともいわれる世界的な博士です。
特に、類いまれな絵の才能が際立っており、精密な描写力を持った上に、印刷技術まで学び、植物の細部にわたる描写は、他の学者にはまねができないもので、世界中から絶賛されています。
県立牧野植物園による牧野博士の年譜では、幼少期は、出身地の佐川町にあった「名教館」で西洋の諸学科を学び、その後、佐川小学校に入学した牧野博士は、授業の内容に満足せず、14歳で早々と自主退学し、翌年には15歳で佐川小学校の臨時教員となるなど、当時から優秀さが際立っています。
独学で植物の知識を身に付けながら、帝国大学理科大学(現東京大学理学部)の矢田部良吉教授の許しを得て、植物学教室への出入りが許されてからは、さらに研究に没頭しました。
権威的なものに関心を示さない博士の人柄から、大学教授などとの軋轢が生じ、研究の道が何回も閉ざされましたが、結果的には大学になくてはならない人材として、周りの人々の支持を得て、呼び戻されています。
助手時代から47年間、大学に在籍していますので、やはり魅力的な人であったと思います。
研究のために巨額の借金を抱えるなどの困難にも負けず、生涯にわたって、自らの足で、94歳で亡くなるまで、精力的に植物の研究を続けられた土佐のいごっそうの牧野博士と、その家族のドラマが今から楽しみですね。
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※このページは、高知市広報「あかるいまち」に掲載されている「市長コラム 内和外順」のコーナーを再掲したものです。