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7市長コラム内和外順 2022年07月号

市長コラム 内和外順
高知市広報「あかるいまち」より

ようこそ!市長室へ

人口の貯金

コラムイラスト

先日、久しぶりに社会保障の専門家である山崎史郎さんの講演を聞く機会がありました。現内閣官房参与である山崎氏は、厚生労働省や内閣府で活躍された後に、ヨーロッパのバルト三国のひとつである「リトアニア日本大使」を歴任されています。帰国後すぐに政府の「全世代型社会保障構築本部」に呼び戻され、現在は本部の総括事務局長の重責にあります。日本の人口減少化における、社会保障の危機に対応する重要なキーマンです。

山崎氏は「50年前から合計特殊出生率が下がり続けている一方で、日本の人口が増えてきたのは、戦後の第一次・第二次ベビーブームの貯金があったからだ。また、女性人口も多かったので、出生率が下がったにもかかわらず、赤ちゃんの出生数は大きく落ち込まなかった」と指摘され、これからは新たな人口減少危機に直面すると訴えます。

これまでの日本の発展を支えた要因は、第一次・第二次ベビーブームという大きな「人口の貯金」に救われたものです。

2025年以降の日本の深刻な問題は、15歳から64歳までのいわゆる労働人口が大きく減少することです。現在、この世代の人口は約7500万人ですが、少子化の影響を強く受けて、来年以降、毎年60万人前後減少し続けます。さらに、2025年以降は、毎年90万人以上も減り続けることになります。

当面は、各企業などの定年延長で乗り切ることが想定されますが、全体をカバーすることは難しい局面に突入します。

私たちは、「人口の貯金」を使い果たし、急激な人口減少社会に直面している事実を直視し、お互いに協力しながら、「共に生きる」地域共生社会の構築をていねいに進めていく必要があることを、再認識しています。

市長サイン

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※このページは、高知市広報「あかるいまち」に掲載されている「市長コラム 内和外順」のコーナーを再掲したものです。