本文
令和3年1月20日 市長定例記者会見
会見項目
- 新型コロナウイルス感染症最新情報
- 高知市パートナーシップ登録制度
配布資料
会見内容
配布資料を用いて市長から説明
質疑応答
(記者)
高知市のグリーン戦略についてお伺いします。折しも、政府が昨年10月、2050年までに脱炭素社会に向け、二酸化炭素の排出を実質ゼロにするというカーボンゼロを達成する目標を掲げました。今や企業や家庭から出るCO2などの温暖化ガスを減らして気候変動を無くすということは、国内外で急務と言われています。高知県は森林面積割合が83パーセント強と、全国で1位です。この豊かな自然を活用しないという手もありません。今後、基礎自治体の高知市が脱炭素社会に向けて、カーボンゼロに向けて取り組む施策があれば教えてください。
(市長)
これから、政府も思い切った政策を打ち出すこととなりましたので、特に先程もおっしゃられました高知県の場合は、森林面積が全国1位ということもありますし、高知市は元々都市部でしたけれども、土佐山・鏡と平成17年に合併しましたので、合併した高知市は、森林面積が6割近くになっていますので、森林をできるだけ有効に活かしたいというふうに我々も考えているところです。今般の国のグリーン政策につきましては、まだ詳細が出てきていない部分もありますので、まだ予算審議とか国会の審議を踏まえた上で、また詳細がいろいろと出てくると思いますので、その点は我々も留意していきたいと思いますが、高知市の取り組みを少しご紹介申し上げますと、いわゆるCOOL CHOICEは全国的な運動でもありますけれども、CO2削減削減を広く広報していこうということで、特によさこいを媒体としまして、COOL CHOICE宣言を行いまして、よさこい祭りとCO2の削減をコラボいたしまして、スポンサーにサントリーさんがついていただいて、例えば紙コップを大量に、20万個以上いただいたり、また、COOL CHOICEの宣伝をしていただいたりということで、サントリーさんとコラボでその運動を広げております。昨年は残念ながらありませんでしたけれども、今年はよさこいを我々としては是非やりたいというようにも考えておりまして、今年、もしもよさこいがやれるということになったら、またCOOL CHOICEの運動を、またここでもやりたいと考えております。それから、高知市独自の助成制度、蓄電池型設備の導入、公民館等(現状は民間事業者)へ太陽光発電を設置した場合等の市単独の設備等の助成金等についても設けておりますので、国の動向を見ながら、また、どういう部分へ補助金を出していくかということは、精査をしていきたいというふうに思っております。高知市には、バイオマス発電等を中心といたしまして、いろいろ種類が異なります、それぞれの発電施設が入っておりまして、例えば高知県の県内の木材、これは間伐材で発電をしております土佐グリーンパワー株式会社とか、さまざまな種類が異なる発電所が高知市内にそれぞれ立地をしておりますので、それぞれの企業の皆様方とも協力をして、できるだけCO2を減らしていく運動をしていきたいと思います。それから高知市役所ですが、この本庁舎に限らず、高知市の公共施設、特に学校施設が50校近くありますので、学校施設を含めた排出量でいいますと、高知市の公共施設の排出量は、市内でも2番目に多いということになっておりますので、地域全体のCO2削減の約4パーセントを占めているという状況もありますので、更なる削減の計画を作っていきたいというふうに考えております。来年度からになりますけれども、新しい計画を今策定をする予定になっておりまして、区域施策編ということになっておりますが、地球温暖化対策の地域推進の実行計画、いわゆるアクションプランの改定版を、令和3年度からの予定なのですが、2021年度から2030年度まで、今、改訂版を今作り込んでいるところでして、この中でも新しい目標値を設定する予定になっております。3月議会でたぶん説明することになると思いますが、これを新たに作りまして、従前の目標より引き上げたものを議会にお示ししたいと考えているところです。
(記者)
新型コロナの会食制限についてお伺いします。今月12日から、午後8時までの営業時短要請が解除されました。会食での感染拡大を懸念する声もありますが、多くの飲食店がある高知市の市長としての受け止めをお願いいたします。
(市長)
はい。年末から年始にかけまして、飲食は11月位は戻りかけていたのですが、国のGoToトラベルの停止があり、また、GoToイートの中断もありましたので、やはりかなり冷え込んでおります。たぶん国会でもこれから代表質問等で議論になると思いますが、いわゆる規制を優先させるのか、経済とバランスを取ったものをやるのかどうかというのは、国会の代表質問の中でも大きな論点になると思いますけれども、経済的には、かなり飲食・旅館・ホテルを中心に今は疲弊しております。やはり感染予防を徹底させるというのは最優先だというふうに認識をしておりますので、高知市には市域外から周辺の市町村からたくさんお客様が入ってくるので、全体を規制するのは知事の権限ということになっておりますけれども、年末からの規制、1月11日までの規制は、一定の効果があったというふうに評価をしております。ただ、課題はいろいろと残っておりまして、昨日、知事の方から経済産業大臣に提案をしておりましたけれども、規制をする為の協力金、補償金とは少し違いますが、協力金が、国の明確な規定がないということで、今般、法律改正によりまして、その協力金の一定の根拠も作っていくということにはなるかと思いますが、やはり協力金の支援が弱いということを感じておりますので、国の一定の支援の確立をしてもらいたいという認識を持っております。それと、報道ではあまりまだ出ていないですけれども、例えば年末年始にかけまして、11月末位まで非常に観光客がかなり入ってきていましたので、年末年始の予約が、実は宿泊予約がかなり入っていました。ただ、GoToトラベルが中止になりましたので、一挙にキャンセルが発生しまして、旅館・ホテルは年末年始に閉めたところがあるのですが、11月末まで結構予約が好調に入っていたので、実は食材の業者が旅館・ホテルを中心に卸している食材の業者が、例えば分かりやすくいうと蟹とか、正月の食料品を大量に仕入れていました。当然、冷凍ですので保存はできるのですが、お客様のキャンセルによって、売り先が今なくなっているという状況もありますので、そこもかなり深刻な影響があります。そこで一定の支援を考えていかないといけないのですけれども、やはり交付金が少ないということもありまして、やはりそういう態勢を、交付金の増額も含めて、国についてはしっかりとやっていただきたいというふうに考えているところです。自粛の効果は一定の効果はあったという認識をしておりますが、今、11都府県が緊急事態宣言を出されていますので、これの動向というのは、なお注意をしていきたいと考えております。
(記者)
ワクチン接種のことでお伺いしたいのですが、ワクチン対応は、当面は兼務で人員体制を増強するというお話だったのですが、他の市では、ワクチン接種の調整課や対応課を新設しているようなところもありますが、高知市ではそのようなことは考えていないのですか。
(市長)
関東近辺などの各都市を見ますと、ワクチン対策室や推進室をすでに立ち上げているところもあります。現在は、健康福祉部と保健所が中心となって準備体制を整えていまして、準備としての兼務発令は行っております。これから立ち上げの時期を決めていかなければいけないのですけれども、専任のワクチン推進の、室にはならないとは思うのですが、係の専任組織を立ち上げたいと思っておりまして、いつ立ち上げるかは、人的配置の問題がありますので調整中です。
(記者)
ワクチン関係でもう1点なのですけれども、いまのところ想定されているワクチンが、超低温の状態で保存をしなければならないということで、その保管機のようなものを接種する場所には用意しなければならないということなのですけれども、先日県知事は、医療機関に対して設置場所の確保の要請をしているということだったのですが、高知市で、たとえば今後集団接種をしなければならないという状況になった場合に備えて、私有施設の確保なども調整は行われているのでしょうか。
(市長)
ディープフリーザーという呼び名がつけられておりますが、特にファイザー社のワクチンなどはマイナス70℃前後で冷凍した状態で来ますので、どういうオペレーションとどういう管理をするのか、というのを技術的に協議がいるということになっております。
(保健所長)
市長からも説明がありましたように、ディープフリーザーの設置場所について、高知市医師会と協議をさせていただいております。基本的には、地域の拠点となる医療機関に配置をお願いする方向で相談して、概ね了解をいただいておりますので、各エリアの中心となる病院に設置のお願いに行く予定としております。また、個別接種だけではなく集団接種の可能性もまだありますので、それに対応するようなディープフリーザーの配置も並行して考えております。まだ、ワクチンの接種と体制については流動的な部分がありますので、国、県の動向に注意して、高知市においても、ワクチン接種が遅れないよう、関係部局と調整をしながら準備を進めています。
(市長)
オペレーションでいうと、やはりいろいろと課題があると思います。日本の場合はまだ打ち始めていないのですけれども、ヨーロッパやアメリカでは打ち始めていますので、例えば集団接種を行っているところでは、スタッフの確保、それと、マイナス70℃前後で冷凍された状態でアンプルが来ますので、いったん解凍をすると、4日か5日以内に打たなければなりません。解凍したものをもう一回冷凍することはできませんので、基本的に医療機関で受ける場合には予約制にしないと、1日に何人分出るかが分からないので、そういうオペレーションやスタッフの問題を含めて、100人分を構えたらきっちりと100人分使うということになるのかどうか、というオペレーションが難しいと思います。そこを含めて、しっかりと協議をしています。
(記者)
県外の市町村ですと、「早ければ何月位から打てる」などの目途が少しずつ示されています。高知市の方でも、春ごろだとか、何月上旬からだとか、お分かりになる範囲で、どれ位から始まりそうなのか伺えますでしょうか。
(市長)
あくまでも予測ですけれども、ワクチンの本体がまだ来ていませんので、また、厚生労働省の認可があります。厚生労働省とは、いろいろな仕事を一緒にしておりますので、ワクチン対策室の室長とは、分からないことがあれば直接電話をして協議をしておりますけれども、報道では、国は2月下旬に医療関係者から始めて、副作用が出ないかということを含めて、手を挙げていただいた方から接種をするということですが、国の方は、1万人規模で、まずは医療関係者のなかで希望された方からまず打って、重篤な副作用などがないかを確認して、その後すべての医療関係者に打っていくというスケジュールになっております。3月から医療関係が始まると聞いておりますけれども、医療関係者の準備と、ワクチンの確保は都道府県が行うことになっております。県が準備をして構えて、各医療機関に渡して、打っていくことになりまして、その後は65歳以上の高齢者、基礎疾患のある方、それと、介護施設の職員、と言われています。その後一般の方、ただ、子どもさんがどうなるのかと言っていましたけれども、先日の発表で、16歳以上ということになりましたので、(小中)学生はいったん外れることになっていますが、16歳以上に広げていく、というスケジュールになります。具体的にいうと、まずは医療関係者が3月から始まるという段階です。
(記者)
今のお話ですと、国が言っている順番であるとか、2月下旬、3月位から医療関係者の接種、というスケジュール感で高知市でも始まる、という理解でよろしいですか。
(市長)
そうですね。ただ、明確には言いにくにのは、ワクチンは多分、まだ国内にも入っていないと思われるからです。ワクチンは,冷凍されて空輸されてくるのですが、まだ届いていないと思うので、地方では、いつという明確なスケジュールは言いにくい時期です。
(記者)
いわゆるコロナ条例の制定についてお聞きしたいのですが、今、国内の、県であったり市町村であったり、自治体単位でコロナ感染者の差別禁止であったり、マスク着用であったりというような内容を定めた条例を制定をする自治体が少しずつ増えてきて、県の方でも議会の方でちょっと話し合いが始まったりしていると思いますが、高知市として、今後制定をするお考えがあるのかというのと、もし制定するのであればどういった内容になるのかというところを教えていただければと思います。
(市長)
県議会の場合は、コロナの特別委員会(新型コロナウイルス感染症対策調査特別委員会)を立ち上げています。議会としての特別委員会は桑名さん(桑名龍吾県議)が確か委員長だったと思います。名称はまだ未定だと思いますが、コロナの対策条例みたいな感じになるのかと思いますが、議論をスタートしております。これは議員立法なのか、知事部局から出すのかというのは聞いていないのですが、場合によっては議員立法の可能性もあると思います。まだ我々としては特措法と予防接種の法律の改正がたぶん予定されていると思いますので、特措法は通常国会で早めに成立すると思いますが、コロナの予防接種法の中のどこに位置付けるかというのがいろいろと議論があるところなので、その改正もたぶん出てくるというふうに聞いていますので、その法律の動きを見ながら、そして、県の条例で県民全体がカバーできるかどうかを見ながら、もし必要があれば市でも検討するということになりますけれども、県の条例でだいたいカバーできていれば、市の単独の条例はいらないのではないかという判断もありますので、そこはこれからの動きをみながら分析をして検討していきたいというふうに思います。
(記者)
ワクチンの接種の時期ですけれども、先程、3月からという市長の見解もありましたけれども、先日、知事は3月中旬から医療関係者、下旬から高齢者や基礎疾患のある方、などというだいたいのスケジュール感がありましたけれども、基本的に高知市もそういう方針で間違いないのか、ということが1点と、先程もエリアごとの拠点の病院で、というお話がありましたが、これは例えばどれ位の数を想定しているのかということと、全く別の質問になりますが、間もなく新年度予算の編成時期になるのですけれども、特に南海トラフ対策で市長が力を入れておきたい点についてお聞かせいただきたいと思います。
(市長)
まず、スケジュールについては、県のスケジュール感と同じです。ただ、ワクチンがいつ入るかなど具体のスケジュール感が分かっていないので、分からないところは厚生労働省に直接聞きながら進めていきたいと思います。
新年度の予算関係ですけれども、大きく言うと、国の予算と同じように15か月予算になる予定です。恐らく国の方は3次補正予算が先に成立しますので、早ければ1月中に成立すると思いますので、その予算を使いながら、全体としては15か月予算として組みたいと思います。コロナ対策と、特に令和3年度の新年度予算は、南海トラフ地震への対応を含めまして織り込んでいきいと思います。ポイントは、国の予算でいうと国土強靭化が延長されるかどうかというのはポイントでした。最悪の場合、延長されなかったら、三重防護などの工事が途中で止まってしまいますので、我々にとってはここがいちばんの重点のポイントでした。全国市長会からも、国土強靭化の本部長は二階さん(二階俊博氏)になっていますので、二階さんのところや政府への陳情を重ねまして、5か年の延長が決まりました。単なる延長だけではなくて、我々が想定した以上に、5か年で15兆円というのが閣議決定されましたので、高知県のためには非常によかったと思います。予算自体は国土交通省の四国地方整備局の予算が中心になりますので、四国地方整備局としての予算の目途がたったと言っていますので、これから、浦戸湾の石油基地であるタナスカ(高知市五台山)の耐震補強工事が残っていて、これをやっておかないと、浦戸湾内に石油が流出したら、浦戸湾は津波が入りにくいけれども、逆に入口が締まっていて油が出にくいために大変なことになるので、こういうことを含めて有効に、早く進めていただきたいと考えています。
高知市の予算としては、災害関連死、避難してから亡くなる方をできるだけゼロに近づけないといけないので、熊本の地震の時も、直接の地震で亡くなった方以上の数の方が避難所やご自宅で亡くなっているので、それを考えると、南海トラフ地震では、L1想定でも7万人近い方々が避難される想定なので、恐らく相当厳しい避難所での生活と健康状態になると思うので、それを意識して徹底していきたいと思います。これは中期長期の仕事になりますけれども、令和3年度予算の中でも考えていきたいと考えています。
(記者)
漠然としたもので結構なのですが、関連死を防ぐために、市長のお考えとして、こんなことが考えられる、というお考えを教えていただけますか。
(市長)
避難所は小中学校の体育館がなっていますので、空調がないことが日本の大きな欠陥でして、ヨーロッパなどでも学校の体育館が避難所ですけれども、全部空調が入っていて、壁にベッドが埋め込んであり、すぐに引き出せるようになっています。そこまでになるかは別として、体育館の空調は考えなければいけないのと、あとはトイレの確保をしっかりとしていないと、水分を控えてしまって血中濃度が上がると(血栓ができると),倒れてしまったり、いろいろな病気になることも考えられますので、トイレの確保も意識していきたいと思います。
(保健所長)
病院の関係について報告いたします。ディープフリーザーの配置につきましては、2月から7月にかけて高知市に約20台の配置を調整しなければいけません。医療機関につきましては、これまで、南海トラフ地震対策として高知市の各エリアに、救護病院を、医師会と協議したうえでお願いしています。これが21か所あります。災害拠点病院が2つあります。トータルで23ございますので、こういった病院を中心にディープフリーザーを置くということで、高知市医師会と協議し、そういった方向でご同意をいただきました。ただ、これから各病院にはお話しをする予定としております。一方で、先週末(1月22日)締め切りで、県医師会に対する県のアンケート調査を行っておりまして、自院でどれ位のワクチン接種ができるかどうか、また、集団方式となった場合どれ位の執務が可能かどうか、といった調査を行っております。そういった調査結果を見せていただきながら、概ね各エリアでどういうスキームを考えるのが適当か調整しながら、関係者の意見を聴きながら、細かなところを調整しようと考えています。
(記者)
パートナーシップ制度についてお伺いします。これまで市長は前向きな態度だったと思いますけれども、2月1日から制度が施行されるにあたって、改めて意気込みなど何か目的や社会へ求める姿などがありましたらお願いいたします。
(市長)
それぞれの時代に応じてテーマがあると思いますけれども、21世紀にすでに入っていますので、人によって捉え方はいろいろ違うと思いますけれども、21世紀というのは自分自身が多様性の時代になるというふうに考えております。多様な考え方や、多様な性ということも含めて、家族のかたちも変わってくると思いますし、地方都市ではそういう流れが少し遅めに入ってきますけれども、高知市でもできるだけそういうものにSDGsの考え方をベースにしながら、多様な人々のニーズを満たしていくということを進めていきたいというふうに考えております。先に県知事の浜田が参りましたということで意見交換を市民の方々と知事、そして私も含めて行いましたけれども、やはりそういうニーズがあるということを改めて、この関係者の方々もそこにおられましたので、改めて認識をしたところです。知事もあとで少し言われてましたけれども、高知市の都市部での住民のニーズが非常に多様にあるということを再認識をしたというご挨拶を最後にしていましたので、それにできるだけ寄り添うという言い方もどうなのかというふうに思いますけれども、多様性をお互いに認め合う社会、そういうものを作っていきたいというふうに考えておりまして、テーマとしては共生社会の構築ということになっておりますが、そういう共生社会の構築の中の一つのパーツとしてこれも入っていくとそういう認識です。これをまた円滑に進めていきたいというふうに思います。
(記者)
私もちょっとパートナーシップについて1点だけ教えてください。この申請要件なのですけれども、このパートナー、これは戸籍上の二人とも同性であるということも条件なのですか。
(市民協働部長)
高知市の制度は、戸籍上同性であることを条件にしておりません。
(市長)
少し補足をしますと、例えば「パートナーシップ」というと、同性同士というイメージがあるかもしれませんけれども、異性同士でも、性同一性障害がありますので、異性のカップルでもこういう適用の範疇にあるということも考えられますので、同性同士という限定にしていないです。
(記者)
財源についてお伺いしたいのですが、去年の10月時点で、市長から、コロナ対策の影響で、60億円位の財源不足になる見通し、というお話をお伺いしたと思うのですけれども、12月にコロナが拡大したことで影響などはありますでしょうか。
(市長)
今、新年度予算と3月補正予算の15か月予算になる予定なのですが、(財務)部長査定が終わったところです。今、財政当局で整理をしていますので、1月下旬から市長査定が始まります。その中で財源の見通しをもっと明確にしていきます。コロナ対応では、3次補正の成立後になりますけれども、第3回目のコロナ対策の交付金が入ってくる予定ですので、一定それを財源にして対策ができると思います。あと、ワクチンの投与の経費が結構かかりますので、これは国の2次補正にも入っているのですが、今回の3次補正を見ましても、6,000億円近い経費が入っていますので、それだけ経費がかかるということかと思います。課題は、ワクチンが全国統一単価、1回あたり2,070円になりましたので、そこで足りない場合も想定されますので、その点についてはこれから精査をしていきたいと思いますので、できるだけ60億円足りないという中での圧縮を図らないといけないのですが、査定の中で詰めていきたいと思います。
(記者)
旭の木村会館の、今後の改修と言いましょうか、そこのお考えがありましたら、ちょっと教えていただきたいのですが。
(市長)
木村会館ですけれども、次の南海トラフ地震を考えると、旭地域の重要な避難場所になるので、全面改築の予定で今設計に入っていますので、設計が完了したら議会へ建築の予算を出して、ご承認をいただいて進めて行きたいと思います。特に旭地域は高齢者が非常に多く、特に85才以上の高齢者がかなり多いので、できるだけ次の南海トラフ地震に間に合うように、建て替えを円滑に進めていきたいと思います。
(記者)
かなり防災面での役割というのが増してきているということですね。将来的に。
(市長)
そうですね。木村会館自体がもともと、地元の木村様という篤志の方からいただいた施設でもありますので、そのことを大事にしながら、今、バリアフリーでいうと非常に使いにくくて、これから高齢化はさらに進みますので、高齢化社会に対応できる施設にしていきたいというふうに思っています。
(記者)
この前のスポーツ振興課の件です。12月に公表されましたが、公文書の偽造ということで、スポーツ振興課の職員がそれをやったと、それで公になったと。停職6か月でしたでしょうか。懲戒処分を下して、依願退職という形だったと思うのですが、文書の関連で言ったら不始末の件もありましてですね。これ、従来から市長がずっとその不始末の件についてはおっしゃってきた。この記者会見を通じて、市民の方にもそうですし、市議会にもそうですけれども、文書主義の徹底をずっと図っていくのかということで強くおっしゃられてきたなかでああいうことが起きた。ですから、市長がずっと訴えて来られた文書主義に穴を開けると言いましょうか、覆すというか、そういう衝撃的な内容と僕は受け止めたのですけれども、市長のその辺のご認識はいかがでしょうか。
(市長)
いわゆる文書偽造は、非常に悪質なケースでもありますし、完全に関係のない書類をコピーして作り込んでいるのと、決裁自体も偽造に近い形で決裁をしていますので、非常に悪質なケースでありましたので、人事問題委員会の方で審議をしていただいて、停職でいうと長い6か月の停職を処分として行う、厳しい処分を行いました。その後退職ということになりますが、あってはならない事案でありますので、これから公文書管理条例を作り込んでいく予定でもありますし、国の公文書の取り扱いのマニュアルなどを見ると、かなり詳細に書き込んでいますので、条例を作るだけではなくて、条例とセットでそういうものを作り込んでいく予定なので、そういうなかで、やはり許されない事案でしたので、厳しい処分を行いました。公文書につきましては、やはり事後にいろいろな審査とか判断と検証ができるようにということがいちばんの原点ですので、そのことを踏まえて、条例の制定と、併せてマニュアルをしっかりと作り込んでいきたいと思います。
(記者)
その関係でいいましたら、元職員の方に対して刑事告発を検討されるというご主旨で、市教委の方でも、委員会でも説明をされてたと記憶していますが、刑事告発をしなければならないという法令上の決まりがあるのか、それとも刑事告発をするというお考えについて教えてもらいたいのですけれども。
(市長)
原則論でいいますと、公務員の場合は、犯罪があると考える場合は、告発の義務が公務員には課せられておりますので、今回は非常に悪質なので、そのことを踏まえて対応していきたいというふうに考えております。
(記者)
法律に則ってやるということですね。
(市長)
そうです。
(記者)
その関連なのですが、本人は停職6か月という非常に重い処分があって、そして依願退職ということで、ご本人が依願退職ということですが、お辞めになって、更にそこに刑事告発が乗ってくるという非常に重い流れだと思いますが、これで、なかなか市長ご自身には嫌な話で上がってきにくいかもしれませんけれども、例えば、私達が取材で出入りする限りでは、やはり都市計画マスタープランのことと比較をする声を、結構、庁内で私は聞きまして、つまり、やったことはやったことでスポーツ振興課の方も処分は処分で致し方ないだろうと。けれども、それが重ければ重いほど、やはりその手前で何もなかったということが不公平ではないかということが際立ってくるという声を私は聞いたわけですが、そのあたり、何か偽造ではないということでずっとお話になっていますけれども、改めてそれも含めて、何らかのけじめをつけて終わらせるというようなお考えはあるのかどうか。
(市長)
案件の性質が違うので、同一的には判断はできないです。それで、我々は今回、都市マスの関係で問われましたのは、やはり、公文書管理に対します組織としてのあり方ですので、その点については、やはり公文書条例や公文書管理の徹底、そして、具体的に国のマニュアルなどを見ましたら、かなり詳細に書き込まれていますので、そういうことを作り込んで徹底していくというのが、我々のいちばんの責任というふうに考えていますので、そのことの徹底をしていきたいと思います。
(記者)
12月議会で取材をしている時に、ちょっと議員さんから聞いたのですが、処分が公表された日というのが委員会の初日で、一般質問の終わった翌日というタイミングであったかと思います。結局、議会の本会議でも前段の都市マスについていろいろと質問があって、当然やりとりがある中で、それが終わってから事案が公表されたということで、確かに人事問題委員会などで時間がかかったということがあろうかと思いますが、いわば結局は外部の機関がやっているわけではなくて、自分らの庁内でやっている話なので、調整のつけ方によっては、もっと早くにケリをつけて議会の一般質問に間に合うように報告もできたのではないかという指摘を聞いたわけですけれども、言葉が悪くて非常に失礼な言い方ですが、質問をさせない意図があったのではないかというような言い方をする議員さんもおりましたけれども、そのあたりお考えはいかがでしょうか。
(市長)
基本的にいうとそういう意図はないです。処分したのが12月18日だったと思いますので、議会の言い分というのは、処分の前に先に報告してくれという話でしたけれども、やはりそういうことをやったことがないので、やはり処分をして、それを皆様方に知らせた時と同時に議会にお話をしているので、そういう対応を取らせていただいたところです。意図的なものはなくて、処分前に皆様方にお知らせする前に議会にだけ報告するということは、こういう件に関してはやっていないので、その手順でやっていたところで、遅らせたという意図はないです。
(記者)
処分も、かかった日数というのは適正な事務というか順序で、それは日がいったという主旨ですよね。
(市長)
そうですね。人事問題委員会の委員長が中澤副市長ですから、補足で説明します。
(中澤副市長)
今回、いろいろとご指摘いただきましたように、公文書に関することでございましたので、処分につきまして、やはり議会への報告が必要ということで、実は2回人事問題委員会を開いたわけですけれども、その中で最終的に、確か14日位だったと思いますが、質問になっている(第481市議会定例会の個人質問初日の)月曜日に人事問題委員会を開きまして、最終的に処分が停職と決まりましたので、その後、人事問題委員会の後に最終的に決裁の処理も必要となります。そういったことから、ちょうど質問の最後の日(12月17日)に処分が決まったということです。いずれにしましても、通常でしたらもう少し時間がかかったかもしれないような内容につきましては、できるだけ早く12月議会でご報告をさせていただきたいということで、処理をさせていただいたというところです。
(市長)
基本的に言うと、その処分の決定を、本人に処分通知書を渡さないといけないので、渡す前に公表するということはないです。
以上