本文
令和6年1月23日 市長定例記者会見(議事録・Youtube動画)
会見項目
- 令和6年能登半島地震への支援
- 住民税非課税世帯等生活支援給付金
- 「うまいもの市高知フェア」の開催
- 高知中央産業団地(布師田地区)の分譲開始
配布資料
会見内容
配布資料を用いて市長から説明
質疑応答
【能登半島地震について(1)】
(記者)
能登半島地震で様々な問題・課題が出てきていると思うが,高知市の地震対策として見直さないといけないものや,急がないといけないと思う取組はあるか。
(市長)
まずは被災された皆さんの一日も早い復旧復興というものを願うところでございますし,それを支援していかなければならないと思っている。
対策としては,受援体制が未だに整っていないのが現状であり,本市もどう整えていくのかを改めて検討しなければならないと考えている。
高知県と石川能登半島は同じような立地をしており,他県から入ってくる道が1つ寸断されたら,高知県も陸の孤島になってしまうという恐れがある。
空からの支援というのも,救助作業時はヘリコプターの音がうるさいということで,今回被災したエリアに入れなかった。
陸の孤島になった場合は,空からの支援というものを期待していたが,それがなかなかうまくいかなければ,1,2週間は自力で生き抜かなければならない覚悟を持たなくてはならないので,検証して,新たな本市の防災対策を作っていかなくてはならない。
あとは,本市の場合も避難所だけでは全ての人をまかないきれないということになったら,先般,下知地区の皆さんが広域避難に係る協定を締結している仁淀川町への避難訓練を行ったが,広域避難というものもさらに考えていかなくてはならないと感じた。
(記者)
受援体制について,現状足りていないところは具体的に何か。
(市長)
各種団体と防災協定を結んでいるが,締結から20年ほど経過したものもあり,実効性を持たせるため,一度見直していく必要があるのではないかと考える。
(記者)
第1回高知市事前復興まちづくり計画策定検討委員会が本日開催されるが,市長として本計画をどのようなものにしたいか。
(市長)
被災後すぐに新しいまちづくりを進めることは,当然していかなければならない。
少し作業が遅れていると聞いているので,順調にいくように進めていきたい。
計画策定に当たっては,やはり住民の皆さん方の声もしっかり聞いて進めていくことが大切だと思っている。
(記者)
どういうところがポイントというか,重要だと考えているか。
(市長)
被害が甚大にならないようなまちづくりを心がけていきたい。
【副市長選任について】
(記者)
12月議会の副市長選任の議案について,可決はされたものの,棄権者を含めて賛成が少なかったが,このことに対する市長の受け止めと,その後議会の方からも,説明や説得をする努力が足りなかったのではないかという意見も聞かれたが。
(市長)
人事案件は本来ならば全会一致というものが望ましいというのは,当然のことであるかと思う。
今回,棄権者また反対票があり,そこは確かに私の説明不足というものがあるとすれば反省をしなければならない。
弘瀬副市長は人格また識見とも十分であり,このような結果にはなったが,しっかり務めていただいており,私としては任命したことは間違っていなかったと考えている。
(記者)
ご自身の議会との向き合い方について反省すべき点はあるか。
(市長)
説明不足と言っても,各会派の代表にはそれぞれ話をしており,各会派がどのような判断をするかというところは,各会派の代表の皆様方にお任せをしており,決して私が独断でやったわけではない。
【消防統計速報について】
(記者)
令和5年消防統計速報が出たが,救急出動件数が過去最多の出動件数になった。
まずこの過去最多になったということの受け止めと,他県では軽症者を対象に一部救急車の利用について有料化を検討する自治体も出てきているが,高知市ではどのように考えているか。
(市長)
救急出動件数が多くなっているというのは,高知県も高齢者が多くなっているということの表れだと考える。また軽症者が救急車を使うことについては,「♯7119」救急医療電話などを活用してもらうようなことを勧めていかなければならない。
救急車の有料化については,消防局の方から,そういった声はまだ聞いていない。
(記者)
昨年秋に土佐市と消防指令業務を共通化したが,メリットを見いだせそうか。
救急車の出動増について,市民の方へメッセージなどはあるか。
(市長)
高知・土佐消防指令センターはうまく機能していると聞いている。
メリットについては,消防局からもう少し話を聞いて,次回以降,改めて話をさせていただく。
救急車については,命に関わる問題なので,救急車を呼ぶのか,自分で病院に行くのか,救急医療電話を利用するのかというのは,冷静に判断をしていただきたい。
【高知県知事と高知市長の意見交換について】
(記者)
知事と人口減対策について25日に話をするということだが,市長の方から持ちかけた会談だというふうに聞いている。
どのようなことを話したいと思って打診したのかと,来年度予算,組織改編も含めて人口減対策に向けてどのような対応をとっていきたいと思っているか。
(市長)
当選後,ご挨拶はさせていただいたが,県市連携をさらに深めていこうということで,今回が本当のキックオフになるかと思う。
人口減対策では,県が市町村を対象とした交付金を創設するということで,それを本市も有効に利用させていただくということと,交付金は4年間と聞いているので,もう少し長期でやっていただきたいということを要望していきたいと考えている。
本市は,県人口の約半分を占めており,人口のダム的機能というものを発揮しなければならないので,ここのところは県と一緒になって取り組む必要があり,会談を設定した。
令和6年度予算について,人口減対策ということで,やはり若い人たちに留まっていただく,帰ってきてもらう,そういった制度を作る。
例えば,奨学金返済の制度,子育てしやすい環境整備や子育て支援,結婚をすることによって子どもを作る機会というものもできるわけなので結婚支援など,そういったものを盛り込んでいきたい。
【能登半島地震について(2)】
(記者)
能登半島地震では家屋の倒壊が目立ったが,津波による被害というのも聞かれた。南海トラフ地震を考えたときに当然,津波対策,また長期浸水の方が高知市では懸念されており,そのあたりどのような対策を今後行っていきたいか。
(市長)
津波対策については,ハード面では国と県が主体となって三重防護をいち早く完成をさせるということで,これはしっかりと要望していきたい。
ソフト面では,やはり大きな揺れが来たらすぐに逃げるということを市民の皆様方に意識として持ってもらいたいし,高めていきたいと考える。
先般,総合防災訓練が高知市でも行ったが,こういったものに多く参加していただいて,防災意識を高めてもらいたいと思っている。
能登半島地震では,住家が多く潰れているというような状況があり,やはり耐震化の重要性というものをこれから訴えていかなければならないと考えている。
(記者)
市民に向けて,改めてどういったことを呼びかけたいか。
(市長)
大きな揺れが来たら,テレビを見て情報を取るというよりはすぐに高いところに逃げてもらう。そのこと一言だと思う。
(記者)
能登半島地震の教訓としてライフラインの件があるかと思うが,高知市も水道に関しては,断水が起きるという状況が想定されるが,現状と今後,水道を確保するために何か考えはあるか。
(市長)
能登半島では水が出ない状態で,断水が今の段階で2か月程度と言っており,水の重要性というものを改めて感じている。
本市では,水道施設や基幹管路,重要給水施設管路の耐震化ということで,目標値も決めて,今順次やっているところであり,こういったものを着実に進めていかなければならないと考えている。
(記者)
目標値,目標年度はかなり先になっていると思うが,今回の地震を受けて前倒しする考えはあるか。
(市長)
限られた予算の中で早くしていきたいとは考えている。特に基幹管路については,令和8年度末で目標値59%としているが,少しでも高まっていくように進めていきたい。
(記者)
給水車の数が十分ではないと思うが,そのあたりの計画はあるのか。
(市長)
今回,本市の給水車も被災地の方に入っていくので,その報告を受けながら対応していきたい。
(記者)
先程,広域避難という話も出たが,高知市は現状の避難所の数ではが厳しく,掘り起こしにも限界があるように聞いているが,新たに旅館ホテルに協力を求めるなどの考えはあるか。
(市長)
日中は人口以上の方がおり,いつの時点で避難所に何人避難できるのかをもう一度洗い直して,新たな避難所が必要となった場合は,場所も含め再検討していく。
特に,ホテルなどには相談していかなければならないと考えている。
また,支援する人たちの宿泊先の確保も検討が必要である。
(記者)
支援する人たちの宿泊ということになれば,受援計画の中に位置づける必要があると考えているか。
(市長)
そういう形になるのではないか。高知県との話し合いにもなると思うが,やはり本市に宿泊先が集中すると考えられる。
【政治資金パーティーについて】
(記者)
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件をどういうふうにご覧になっているのかと,市長自身は政治資金パーティーをやられるのか。
(市長)
派閥は政策を生み,そして人を育てるという役割はあるが,その派閥が人事やお金の配分をしたりすることに問題点があるかと思う。
政治というのは,信無くば立たずというところで,国民の信頼を失ったら政治というのは成り立たないというところから言えば,派閥というのは解散をしていかなければならないと思っている。
政治資金パーティーについては,政治というのは選挙などにお金もかかってくるものであり,それ自体をやるのは悪ではなく,しっかり政治資金規正法に則って行い,報告をすれば問題はないのではないかなと思っている。
私自身,市長になる前は政治資金パーティーは行っていたが,会計報告もしており何ら問題はないと感じているが,今後やるかどうかというのは,まだ決めていない。
(記者)
派閥解消はそうだが,キックバックしたお金がどうなっているのかへのコメントはあるか。
(市長)
当然,裏金を作るためにあえて仕組みを作ったということであれば許されるものではないと思っている。
【少子化対策について】
(記者)
先日,県内の出生数が過去最低をまた更新したというニュースがあったが,高知市の状況と,市長の受け止めは。
(市長)
本市がこれからダム的な機能を発揮しなければならないので,これからのまちづくりの中では,産みやすい育てやすいまち,これを第一に掲げて作っていかなければならないと考えている。
子どもを作って安心して育てられるような子育て支援,結婚に対しても支援をする。また,高知に帰ってきた際の支援や若者の定住支援というものをさらに強化をしていきたい。
本市でも年間で約3,000人の人口が減っており,このことを市民の皆さん方にも知っていただいて,そしてまた子育てしやすいような雰囲気というのも社会として作っていかなければならないと考えている。
(記者)
これまでも,様々な取組があったと思うが,それが功を奏していないんじゃないかというところはあるか。
(市長)
新たなものを作っていく必要があり,例えば医療費の中学生までの無償化や結婚支援など,これまで高知市ではやっていなかったので,6年度予算で盛り込めればと考えている。
県からの交付金を何に使っていくのかというのも考えていきたい。
【能登半島地震について(3)】
(記者)
能登半島地震の関連で,今回,石川県の自治体においては,物資の輸送が遅れているというようなことが言われた。
この点に関して,何がどこにどの程度のものが必要だというのをいち早く国に上げないといけないと思うが,その体制についてどのように考えているか。改善するべき点や,石川県の対応について思われるところはあるか。
(市長)
現地に入っていないので遅いかどうかというのは私自身が言える立場ではないが,例えば道も寸断されていて大渋滞になっている,そこに国が支援をプッシュ型で入れようと思ってもそこまで届くような状況ではないというのが今の現状ではないか。
何が悪いわけでもなくて,やはり受けたいけれども受けられない状況というのが今あるのではないかなと考えている。
全国からのあらゆる支援を精査し何を受け入れるのか,今,石川県は混乱しているので,落ち着いてから何が駄目だったのかというのは検証されていくのではないかと思っている。
被災をされたところも懸命に生き抜こうとしているというところであり,私の方が何が足りないのかということは言い切れない。
ただ,我が身を振り返った場合には,こういった状況には陥らないよう何をしなければならないのかということは,検討しなければならない。
今はおそらく必死でやっており,国が遅れているとも思ってはいない。
以上