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文化財情報 有形文化財 夕顔艦絵馬
指定
高知市指定 有形文化財 指定年月日 昭和60年 8月21日
名称
夕顔艦絵馬
所在地・所有者
高知市立自由民権記念館
写真
夕顔艦絵馬
解説
縦89cm 横112cm 江戸時代
本絵馬は1981(昭和56)年末に仁井田神社拝殿で偶然発見された船絵馬で、向かって右方に縦書で「夕顔艦運用方」との墨書が認められることから、土佐藩船「夕顔艦」と指定された。全体に剥落が進んでいるものの、黒と黄の船体、3本マストに張られた帆、一番高いマストに翻る藩旗と船尾側の日の丸等々、細々正確な船体図が描かれており、夕顔艦の航行する姿を充分にうかがえるものである。
本掲額は「夕顔艦」が仁井田村の土佐藩御船方所管となった時点で、1867(慶応3)年3月初め頃、運用方から仁井田神社に諸願成就を祈って奉献されたものとみられる。
「夕顔艦」は1867年6月、坂本龍馬の「船中八策」が練られた船であり、また、同年7月の英国水夫殺害事件では後藤象次郎と英国公使パークスとの談判の場になるなど、土佐の維新史の中で重要な役割を果した藩船であるにもかかわらず、これまでその姿を知り得る資料はなかった。この絵馬によって「夕顔艦」の外観が初めて確認できたわけで、維新史の資料として貴重なものといえる。
現在、高知市立自由民権記念館に寄託保管されている。