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文化財情報 有形民俗文化財 虫送りの大太鼓
指定
高知市指定 有形民俗文化財 指定年月日 昭和42年 5月13日
名称
虫送りの大太鼓
所在地・所有者
高知市朝倉米田・米田公民館
写真
虫送りの大太鼓
解説
稲作儀礼のひとつである虫送りは毎年旧暦5月20日を祭日として1935(昭和10)年ごろまで行われていた。朝倉地区は、針木、大谷、城山[じょやま]、海老巻[えびまき]、宮前、米田などの各組からなるが、まず前もって虫送りを行う日取り順位を決める。例えば20日は米田、21日は針木といった日取りである。20日には米田に朝倉地区全組の鉦[かね]・太鼓が勢揃いをする。各組が複数の鉦・太鼓を持ち寄るので、その列は200~300mにも及んだという。行事は夜間に行われ、最先頭には松明振りがおり、これが松明を合図にしての総指揮者であった。各組の太鼓には提灯振りがおり、松明の合図があると、各組の提灯が揺れ、一斉に鉦・太鼓が鳴り響いた。「斎藤別当実盛稲の虫はひしゃげた」の文言に合わせて鉦・太鼓を一斉にたたくからそれは耳をつんざくような情景であり、その音は隣の伊野町や春野町までも響いていたという。鉦は桐の撞木、太鼓は藤カヅラでたたいたが、いずれもその音色や大きさを競っていた。
現存するは径124cm、胴長135cmで、1925(大正14)年張替、吾川郡弘岡中ノ村張替人国沢藤松の墨書がある。