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文化財情報 史跡 桜井跡
指定
高知市指定 史跡 指定年月日 昭和42年 2月 3日
名称
桜井跡
所在地・所有者
高知市桜井町1丁目
解説
水質の悪い下町[しもまち]方面の飲料水を解決するために町奉行馬詰親音[うまづめもとね]が、1800(寛政12)年に近江国彦根の「水工」与八、和助、六弥、清六の4人を招請して中新町で揉貫[もみぬ]き井戸を掘らせた所、清水が湧き出てきた。馬詰はかつて参勤交代の道行きの途中、近江国でこの井戸を見かけ、町奉行に就任した折に思い出して実行したものである。それを記念して、井戸の側に桜の木があったので、「桜井」と名付けると共に、その由来を刻記した記念碑を建てた。碑には自から篆額を書し、大坂の儒者片山北海に撰文してもらい、書は土佐人の高畠衡で、それを大坂の石工岡田治兵衛が彫り込んだ。なお、いまある「桜井」の石碑は、戦災で失われ戦後復元されたものである。