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文化財情報 天然記念物 辷山北麓の含化石石灰岩塊
指定
高知市指定 天然記念物 指定年月日 昭和42年 5月13日
名称
辷山北麓の含化石石灰岩塊
所在地・所有者
高知市丸ノ内1丁目
解説
高知城の北側、高知市丸ノ内1丁目の五叉路の道路上に、約2mの高さで突き出した石灰岩礫岩[れきがん]。
高知公園辷山一帯には、砂岩や泥岩と共に石灰岩礫岩が確認されており、この礫岩の岩塊は辷山一帯に分布する地層を構成する1岩種とみなすことができる。辷山南側の高知城の小丘には、これらの堆積岩と断層関係で、角閃石片麻岩や蛇紋岩などの黒瀬川構造帯の構成岩類が分布する(『高知城の地質』)。黒瀬川構造帯とは、四国では、徳島県から高知県を経て愛媛県へと、高知市付近を東西にのばした線上に連なる大規模な断層帯である。かつて、存在したと考えられる”黒瀬川微小大陸”を形造っていた花崗岩類や片麻岩類などの基盤岩類が蛇紋岩を伴って分布する。辷山の石灰岩礫岩の年代は、岩相や紡錘虫[ぼうすいちゅう]化石が確認されたことから判断して、ペルム紀中期(今から約2億6千万年前)と考えられる。