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文化財情報 有形文化財 森山八幡神像
指定
高知市指定 有形文化財 指定年月日 昭和 35年
名称
森山八幡神像
所在地・所有者
春野町森山・八幡宮
写真
伝日野資朝像
解説
森山八幡宮には、日野資朝(ひのすけとも)とその子孫の藤原貞光・照清の肖像と伝えられる三体の神像があります。日野資朝は、後醍醐天皇をたすけて鎌倉幕府を倒す計画を立てますが、捕らえられたのち佐渡へ流され(正中(しょうちゅう)の変)、暗殺されます。その後、孫の勝朝が森山にきて八幡宮を建て、先祖の霊を祀ったといいます。
資朝像と伝えられるものは、高さ35cmほどのヒノキの一木造(いちぼくづくり)です。烏帽子(えぼし)をかぶり合掌して座っていますが、額や口のあたりにシワを刻み、太い眉の下に両目を開き、身体全体には力がみちあふれる印象を受けます。冠に少し黒色が残るのみで、ほとんど素地が出ています。このような像は礼拝のためのものではなく、実在の人物を長く伝えるための肖像とみられます。他の二体も彫法は資朝像と変わりませんが、木材はマツで、一方は口を開き、他方は閉じています。これらは金剛力士にならってつくられたものであり、資朝像の左右に安置したものでしょう。ともに作者などな不明ですが、室町時代の作と想像されます。