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本文

文化財情報 有形文化財 絵金の笑い絵および台提灯絵(絵馬台)一式

指定

高知市指定 有形文化財 指定年月日 平成 16年 6月 28日

名称

絵金の笑い絵および台提灯絵(絵馬台)一式

所在地・所有者

高知市春野町芳原

写真

一式
絵金の笑い絵および台提灯絵(絵馬台)一式

解説

 台提灯(だいちょうちん)とは芝居絵屏風(しばいえびょうぶ)をはめ込む台枠のことで、この台提灯は愛宕(あたご)神社の祭礼で展示されるものです。両面に絵金(えきん)派の絵師が描いた、縦170cm、横185cmの芝居絵屏風を2点ずつ(計4点)、両脇と下辺部に小襖(こぶすま)をそれぞれはめます。このうち、下辺部の縦24cm、横190cmの小襖に絵金の筆による笑い絵(戯画)が描かれています。

 絵金とは絵師金蔵を略したもので、江戸時代後期の土佐の画家です。狩野派出身で藩のお抱え絵師でもありましたが、罪を得てその地位を追われたのちは、多くの芝居絵屏風や絵馬、絵馬提灯などを描いています。それらの作品は、現在では数がすくなくなっているものの、この絵馬台のように祭礼で展示されるところもあります。

 この笑い絵は、鎌倉時代の武将である朝比奈三郎義秀と藪医者を擬人化した藪井竹庵をそれぞれモチーフとして、おおらかな性を自由奔放に描いたものです。絵金の作品といえば、「血みどろ」「残酷」などのことばで語られることも多いのですが、この小襖のようなものも各地で残っています。この猥雑さもまた絵金の画風の特徴といえるでしょう。