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文化財情報 史跡 新川のおとし
指定
高知市指定 史跡 指定年月日 昭和 35年
名称
新川のおとし
所在地・所有者
高知市春野町森山 新川
写真
新川のおとし
解説
野中兼山の遺構です。弘岡井筋は農業面の灌漑用水としてだけでなく、交通路としても利用されました。かつて、奥仁淀の村々の木材や薪炭などは仁淀川を下り、仁淀川河口から太平洋に出て、浦戸湾から城下へ運ばれていましたが、八田堰と弘岡井筋建設以降、上流からの物資は井筋を通り、新川川を経て浦戸湾へと入るようになりました。ただし、井筋と新川川には高低差があったため、新川川の入口に高低差を調節するための「おとし」がつくられました。
上流から運ばれたイカダは「おとし」の上につながれ、ここで解いて「おとし」の上を流して落とします。そのとき、水門によってためられた水が一気に流れ落ちるため、「おとし」の上は激流となり、それは壮観なものであったといわれます。ときには「イカダのり」という余興もあったようで、弘化2(1845)年には藩主もこれを見にきたという記録もあります。