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文化財情報 天然記念物 佛性寺の大椎
指定
高知県指定 天然記念物 指定年月日 昭和35年 1月16日
名称
佛性寺の大椎
所在地・所有者
高知市大津・佛性寺
写真
佛性寺の大椎
解説
樹齢 推定約400年 樹高 10.5m
根元周囲 8.5m 目通り 4.3m
シイはわが国の温暖帯を代表する樹木で、高知県の低山帯は大部分シイの植生によって占められる。シイは従来その殆んどが薪炭林として輪伐されたり、経済性が少ないため、スギ、ヒノキの造林地に更新されたため、寺社林以外に古木の保存されることはない。
樹齢は割と長く保つものの、穿孔[せんこう]害虫や木材腐朽菌に弱く、巨樹となって現存するものは、終戦後急激に減少した。
佛性寺の大椎も、十数年前から衰弱が著しくなり、衰弱枯死した大枝を伐切除去したため、往時の美しい樹冠のひろがりはみられなくなったものの、株の下方から多数萌芽した新条が、勢いよく伸長しはじめているので、株そのものは枯死の心配はないが、新条にかくされて風格ある古木の、幹の下部は見づらくなった。
シイには2種あり、樹皮に縦に割れ目ができなくて、実の小粒で丸い「コジイ」=「ツブラジイ」と、樹皮に縦の割れ目ができて、実のやや長い「スダジイ」があり、佛性寺のものは「スダジイ・Shiia Sieboldii」である。