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文化財情報 重要文化財 彫刻 木造文殊菩薩及侍者像(5躯)
指定
国指定 重要文化財 彫刻 指定年月日 明治44年 4月17日
名称
木造文殊菩薩及侍者像(5躯)
所在地・所有者
高知市五台山・竹林寺
解説
像高 文殊菩薩 60.4cm 仏陀波利三蔵[ぶつだはりさんぞう] 81.2cm
最勝老人[さいしょうろうじん] 84.9cm 優填王[うてんおう] 83.1cm
善財童子[ぜんざいどうし]80.8cm 平安時代後期
当寺の本尊文殊菩薩騎獅像とその侍者像である。本尊の文殊菩薩は秘仏のため拝観できないが、獅子座と侍者4躯は収蔵庫に安置されている。
本尊の文殊菩薩はクスの一木造、彫眼の彩色像で、小像ではあるが頭部を大きく、太づくりの体躯、厚みのある膝組みにつくられ、これもクスの一木造の古式の獅子の上に蓮華座をのせ、その上に結跏趺坐[けつかふざ]する。侍者像4躯は、台座までクスの一本から彫成した彩色像である。各像とも首をかしげ、あるいは横をむいて多少の動きをみせるが、細部を省略した簡潔な彫り口にかえって生き生きとした表情が表現されており、獅子座とともに素朴でユーモラスな雰囲気をかもしだしている。これらの一群は、その形姿は和風化されてはいるものの、唐様の文殊菩薩騎獅像と侍者像の系統を伝える作例として、現存する日本最古の古様の遺品といわれるものである。獅子の四肢、尾、足下の蓮華などは後補。
写真
仏陀波利三蔵像
最勝老人像
優填王像
善財童子像
文殊菩薩坐像の獅子座