本文
第419回市議会定例会 議案審議結果
市長提出議案
議案番号 | 議 案 名 | |
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市第1号 | 平成22年度高知市一般会計予算 | 原案可決 |
市第2号 | 平成22年度高知市下水道事業特別会計予算 | 原案可決 |
市第3号 | 平成22年度高知市中央卸売市場事業特別会計予算 | 原案可決 |
市第4号 | 平成22年度高知市国民健康保険事業特別会計予算 | 原案可決 |
市第5号 | 平成22年度高知市老人医療事業特別会計予算 | 原案可決 |
市第6号 | 平成22年度高知市収益事業特別会計予算 | 原案可決 |
市第7号 | 平成22年度高知市駐車場事業特別会計予算 | 原案可決 |
市第8号 | 平成22年度高知市国民宿舎運営事業特別会計予算 | 原案可決 |
市第9号 | 平成22年度高知市産業立地推進事業特別会計予算 | 原案可決 |
市第10号 | 平成22年度高知市土地区画整理事業清算金特別会計予算 | 原案可決 |
市第11号 | 平成22年度高知市へき地診療所事業特別会計予算 | 原案可決 |
市第12号 | 平成22年度高知市農業集落排水事業特別会計予算 | 原案可決 |
市第13号 | 平成22年度高知市住宅新築資金等貸付事業特別会計予算 | 原案可決 |
市第14号 | 平成22年度高知市母子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算 | 原案可決 |
市第15号 | 平成22年度高知市介護保険事業特別会計予算 | 原案可決 |
市第16号 | 平成22年度高知市後期高齢者医療事業特別会計予算 | 原案可決 |
市第17号 | 平成22年度高知市水道事業会計予算 | 原案可決 |
市第18号 | 平成21年度高知市一般会計補正予算 | 原案可決 |
市第19号 | 平成21年度高知市下水道事業特別会計補正予算 | 原案可決 |
市第20号 | 平成21年度高知市国民健康保険事業特別会計補正予算 | 原案可決 |
市第21号 | 平成21年度高知市産業立地推進事業特別会計補正予算 | 原案可決 |
市第22号 | 平成21年度高知市へき地診療所事業特別会計補正予算 | 原案可決 |
市第23号 | 平成21年度高知市介護保険事業特別会計補正予算 | 原案可決 |
市第24号 | 平成21年度高知市後期高齢者医療事業特別会計補正予算 | 原案可決 |
市第25号 | 平成21年度高知市水道事業会計補正予算 | 原案可決 |
市第26号 | 高知市報酬並びに費用弁償条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第27号 | 公聴会参加者等の費用弁償条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第28号 | 高知市長等の給与,旅費等に関する条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第29号 | 高知市職員給与条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第30号 | 高知市職員等旅費条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第31号 | 高知市財産条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第32号 | 高知市地域活性化・公共投資基金条例制定議案 | 原案可決 |
市第33号 | 高知市消防本部及び消防署の設置等に関する条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第34号 | 高知市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第35号 | 高知市グリーンニューディール基金条例制定議案 | 原案可決 |
市第36号 | 高知市ふれあいセンター条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第37号 | 高知市立児童館条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第38号 | 高知市立保育所条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第39号 | 高知市立へき地保育所条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第40号 | 高知市母子福祉センター条例を廃止する条例制定議案 | 原案可決 |
市第41号 | 高知市急患センター条例制定議案 | 原案可決 |
市第42号 | 高知市保健福祉センター条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第43号 | 高知市廃棄物の減量及び適正処理等に関する条例の一部を改正する条例議案 | 否決 |
市第44号 | 高知市国民健康保険条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第45号 | 高知市教育基金条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第46号 | 高知市鏡吉原ふれあいの里条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第47号 | 高知市立高等学校授業料等に関する条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第48号 | 高知市工石山青少年の家条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第49号 | 経営健全化計画策定に関する議案 | 原案可決 |
市第50号 | 包括外部監査契約締結議案 | 原案可決 |
市第51号 | 市道路線の廃止に関する議案 | 原案可決 |
市第52号 | 市道路線の認定に関する議案 | 原案可決 |
市第53号 | 高速液体クロマトグラフ質量分析計購入契約締結議案 | 原案可決 |
市第54号 | 支払督促の申立てについて | 原案可決 |
市第55号 | 調停の申立てについて | 原案可決 |
市第56号 | 教育委員会委員の選任議案 | 同意 |
議員提出議案
議案番号 | 議 案 名 | |
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市議第1号 | 高知市議会の議員の定数を定める条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市議第2号 | 高知市議会委員会条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市議第3号 | 高知市議会政務調査費の交付に関する条例の特例に関する条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市議第4号 | 高知市報酬並びに費用弁償条例の特例に関する条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市議第5号 | 県単独事業における市町村補助についての意見書議案 | 原案可決 |
市議第6号 | 予算編成のさらなる透明化を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第7号 | 政治資金規正法の制裁強化を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第8号 | 地方の公共交通の維持存続に向けた国の支援制度の充実を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第9号 | 児童虐待を防止するための親権制限を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第10号 | 「木の社会」の実現に向けた森林・林業再生に関する意見書議案 | 原案可決 |
市議第11号 | 公立学校施設整備に関する意見書議案 | 原案可決 |
市議第12号 | 中小企業等金融円滑化法の実効性を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第13号 | 若者の雇用創出と新卒者支援の充実を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第14号 | 林業の担い手育成の抜本的な強化を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第15号 | 国会議員の歳費の支給方法の見直し(日割り化)を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第16号 | 地域主権の確立に関する意見書議案 | 原案可決 |
市議第17号 | 地方財政制度の抜本的な改革を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第18号 | 国会議員の「政治とカネ」問題の徹底した疑惑解明を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第19号 | 永住外国人に対する地方参政権付与の法制化に慎重な対応を求める意見書議案 | 否決 |
市議第20号 | 国として直接地方の声を聞く仕組みを保障することを求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第21号 | インターネットを活用した選挙活動等の自由化の促進に向けた公職選挙法の改正を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第22号 | 時代の要請にこたえる住宅政策の推進を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第23号 | 介護保険制度の抜本的な基盤整備を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第24号 | 介護療養病床の存続を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第25号 | 食料自給率向上のための食料・農業・農村政策に関する意見書議案 | 原案可決 |
市議第26号 | 教育再生・教育の正常化の徹底を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第27号 | 教員免許更新制の存続を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第28号 | 生産性の高い競争力に富んだ農家の育成を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第29号 | 子供読書活動を推進するための予算確保を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第30号 | さらなる総合経済対策の策定を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第31号 | 安全,安心な国民生活実現のため,防災・生活関連予算の拡充・国土交通省の地方出先機関の存続を求める意見書議案 | 否決 |
市議第32号 | 「非核三原則」の法制化を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第33号 | 六ヶ所再処理工場や高速増殖炉「もんじゅ」運転再開の中止,プルサーマル計画の中止を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第34号 | 米軍普天間基地の無条件撤去を求める意見書議案 | 否決 |
市議第35号 | 国土開発幹線自動車道建設会議の廃止など道路行政の改革を求める意見書議案 | 否決 |
市議第36号 | 民法改正の実現を求める意見書議案 | 否決 |
市議第37号 | 地球温暖化対策基本法の制定を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第38号 | 国民健康保険制度の改善を求める意見書議案 | 否決 |
市議第39号 | 無料低額診療事業の対象に院外処方せんによる調剤薬局と介護保険の負担金も含めることを求める意見書議案 | 否決 |
市議第40号 | 選択的夫婦別姓などの民法改正を求める意見書議案 | 否決 |
市議第41号 | 温室効果ガスの大幅な削減のために排出量取引制度の創設を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第42号 | 雇用対策の拡充を求める意見書議案 | 否決 |
可決された意見書の内容
県単独事業における市町村補助についての意見書
高知県では,平成19年度から県下全域における特定不妊治療について,国の補助基準に上乗せして助成する措置を行ってきたが,22年度からは中核市であることを理由に,高知市に対する補助を廃止した。
本市としては,中核市であることにより国基準を超える特定不妊治療への助成が地方交付税により措置されるなど,本市を除外する明確な理由があるならば受忍せざるを得ないとして,県に対して根拠を求めたが,納得できる説明は得られていない。
そのため,厳しい財政状況下にある本市としては,特定不妊治療利用者に対する助成額を平成22年度から削減せざるを得ない状況となっている。
また,認可・認可外保育園及び幼稚園に就園する第3子以降の子に対する保育料の無償化についても高知市が対象とされていない。
この点についても,他市町村と同率の補助率での対応を何度となく県に申し入れしたが,本市を他市町村と区別する合理的な回答は得られず,財源確保ができないために,本市での第3子以降の子に対する保育料の無償化は,見送らざるを得なかった。
本市が中核市に移行した際,県単独事業である乳幼児等の医療助成の存続が県市の課題事項となったが,平成12年の県市の合同幹部会議において,県側から中核市を理由として高知市だけに特別な負担を求めることはせず,全県的に対応していく方針が示されている。
このような経過があるにもかかわらず,昨今の県の対応は,当時県市で確認された方針を覆すものであり,将来的な医療助成の県費負担の減額や廃止まで危惧するところである。
言うまでもなく,本市は県都として,県全体の半数近い人口の県民が在住し,個人県民税の54%を負担している。その高知市民が,中核市であることだけでもって,明確な根拠もないまま,他市町村民と同等の県民サービスを受けられないことは,看過できない事態である。
高知県においては,県単独事業として行う事業については,合理的な理由のない限り,中核市であることをもって本市に対する補助率に差異を設け,あるいは本市を対象外とすることのないよう,強く要望する。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:高知県知事
予算編成のさらなる透明化を求める意見書
現在,国においては,公共事業の予算配分方針(箇所づけ)の「仮配分中間報告」が一部の政党に対して通達されたことに関して,さまざまな議論が起こっている。
国はこの議論を深く受けとめ,国民に疑念を持たれぬよう情報管理に対する的確なルール整備を早急に行わなければならない。
しかし,この議論によって,現在までの箇所づけのあり方について,一石を投じたことも事実である。
そもそも,参議院において成立しなければ箇所づけを出さないというこれまでのやり方は,納税者の視点からしても,国会での審議の深化,正当性においても一種の不透明さがあると言わざるを得ない。
本来,仮配分でない正式な箇所づけを国会に提出し,それぞれについて理屈に基づいた議論を行うべきであり,あわせて納税者や関連する自治体に対しての情報公開を徹底すべきである。
よって,国においては,今回の議論を深く受けとめ,箇所づけのプロセスを透明化する新たなルールを早急に整備し,予算編成のさらなる透明化を図るよう強く求める。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/財務大臣/国土交通大臣
政治資金規正法の制裁強化を求める意見書
政治資金をめぐる国会議員らの不祥事が発覚するたびに再発防止策が議論され,収支の公開方法や献金規制の強化などの政治資金規正法改正が繰り返されてきた。しかし,本年1月,政治資金規正法違反で現職国会議員を含む秘書らが逮捕される事件が再び起き,極めて遺憾なことである。
国民の政治不信を招く「政治とカネ」の問題を断ち切るために,再発防止に向けた法整備にしっかり取り組むことが強く求められている。特に,「秘書が勝手にやったことで自分は知らない」と,議員みずからが責任をとろうとせず,会計責任者が不正行為を働いた場合には監督責任のある政治家が責任をとる具体的な仕組みをつくる必要がある。
現行法では,国会議員など政治団体の代表者が「会計責任者の選任及び監督」について「相当の注意を怠ったときは,50万円以下の罰金に処する」と規定されているが,実際に会計責任者が収支報告書の虚偽記載などの不正を犯した場合,その人を会計責任者に選ぶ段階で「相当の注意を怠った」と立証するのは困難であり,実効性に欠けると言わざるを得ない。
したがって,会計責任者の「選任及び監督」を「選任又は監督」に変更し,政治団体の代表者が会計責任者の監督についてだけでも「相当の注意」を怠れば,罰金刑を科せられる仕組みに改めるべきである。
政府におかれては,より一層の制裁強化を図るため,秘書などの会計責任者が違法行為を犯した場合に,監督責任のある国会議員の公民権(選挙権や被選挙権)を停止する政治資金規正法改正案の今国会での成立を強く要望する。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/総務大臣
地方の公共交通の維持存続に向けた国の支援制度の充実を求める意見書
地方の公共交通事業は,自家用自動車の普及や人口の減少に伴う利用客の落ち込みなどで長期的に厳しい経営を余儀なくされてきたが,一昨年のリーマンショックに端を発した景気の低迷によるビジネス客や観光客の落ち込みに加え,高速道路料金の見直し,新型インフルエンザによる影響なども加わり,一段と厳しい経営環境に陥っている。
もとより,公共交通は,地域住民の通勤,通学,通院,買い物を初め日々の生活を支える重要な移動手段である。観光やビジネスの視点でも,それぞれの役割を担っている。
そうしたことに加え,本県が全国に先駆けて進んでいる高齢化社会に向けて,公共交通の重要性は一層増すことが容易に想定され,また今後目指すべき低炭素社会の実現に向けても公共交通は大きな役割が担える移動手段である。そうした観点からすれば,地方の公共交通を単に採算ベースのみで論じるべきでない。また,その維持存続を単に,交通事業者の経営努力にだけ求めることでは,解決できない状況となっている。
県や市町村といった地方自治体も,また地域住民自身も地域社会の将来のために,今こそ,それぞれができ得る努力を最大限行うことが求められるが,そうした努力を行ってもなお,地方だけで将来にわたって地域の公共交通を維持確保していくことは,もはや困難であると言わざるを得ない。
よって,国におかれては,折しも高速道路の料金見直しの社会実験が行われようとしている今,それが公共交通に少なからぬ影響を与えることが広く全国各層から懸念されていることを踏まえ,社会実験にあわせ,時期を失することなく,適切に,公共交通事業に対する国の支援制度の格段の充実を図ることはもとより,今後の高齢化社会,低炭素社会を見据え,地域の公共交通を将来にわたって維持・充実していくための総合的な仕組みづくりを,喫緊の課題として取り組まれるよう強く求めるものである。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/副総理・財務大臣/総務大臣/国土交通大臣
児童虐待を防止するための親権制限を求める意見書
児童虐待防止法の制定により,児童相談所の体制強化や市町村における虐待防止ネットワークなど,地域における児童虐待防止に向けた取り組みが進められてきています。一方で,児童相談所の一時保護の増加や,児童養護施設からの父母による強引な連れ戻しなど課題も多く,子供たちを虐待から守るために今後の早急な対策が求められています。
とりわけ親権を盾にし,その陰で行われている児童虐待に対しては,新たな法整備が必要です。子供の安全確保や施設責任者の判断の優先化などについて,より実効性のある対応をすべきです。
現行の民法には,親権を全面的に剥奪する「親権喪失」に関する規定がありますが,親権のすべてが無期限に奪われた場合,その後,親子関係を回復することが難しくなるなどの問題点があります。このため,虐待の対応に当たる教育・福祉関係者などからは,より弾力的に親権を制限できる制度を求める声が上がっています。
法務省も,親による子の虐待を防止するため,民法上の親権を制限できる制度を導入する方針を固め,民法の関連規定の見直しについて検討して同法改正を目指していると報じられています。
新たな法整備を行うに当たっては,父母の「親権の一時停止」や「監護権の停止」を認める制度とするなど,より弾力的に親権制限を行使できるものとするよう要望します。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:内閣総理大臣/法務大臣/文部科学大臣/厚生労働大臣
「木の社会」の実現に向けた森林・林業再生に関する意見書
戦後植林した人工林が成長し,利用可能な段階に入っていますが,地域の林業は,路網整備や施業の集約化のおくれなどから生産性が低い状況にあります。また,長期的な低落傾向にある材価は,昨年来の深刻な経済状況,住宅着工の急激な落ち込みを反映して,さらに低迷を続けています。こうした中,森林所有者の林業への関心は低下し,森林の適正な管理に支障が生じています。
こうした状況に対応するため,政府は2009年末に「森林・林業再生プラン」を策定し,路網の整備,森林施業の集約化及び必要な人材育成を軸として,効率的かつ安定的な林業経営の基盤づくりを進めるとともに,木材の安定供給と利用に必要な体制を構築することとしています。
森林・林業の再生は,地域経済を活性化させ,雇用の創出にもつながるものであり,地域にとってその推進は極めて重要な意義を有しています。
よって,本議会は国に対し,「木の社会」の理念のもと,プランの早急かつ確実な推進により森林・林業を再生させるため,地域の実情も十分に踏まえた上,次の項目を実現するよう要望します。
記
1.森林所有者に対して森林の適切な経営を義務づけるとともに,間伐等の森林整備を支援する「森林管理・環境保全直接支払制度」を創設するなど新たな政策を推進すること。
2.森林の整備や木材生産の効率化に必要な路網の整備を行うため,低コストで耐久性のある路網作設技術の早期確立,普及を行うこと。
3.森林・林業に係る人材を育成するため,「日本型フォレスター」制度の創設,森林施業プランナーの育成の加速化,緑の雇用担い手対策を講じること。
4.低炭素社会を実現するとともに,林業が産業として再生できるよう,公共建築物などへの木材利用の推進,石炭火力発電所での間伐材等の利用の推進などにより,木材需要を拡大すること。
5.国民共通の財産である国有林野の公益的機能の維持,増進を一層図っていくため,国有林野事業の組織,事業のすべてを一般会計に移行するとともに,その技術力を森林・林業行政一般にも活用すること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/農林水産大臣
公立学校施設整備に関する意見書
公立学校施設の整備については,安全,安心で良好な教育環境を確保するため,耐震化はもとより,地デジ対応,太陽光発電の導入,児童・生徒の減少による学校統合への対応など喫緊の課題が山積している。
特に,学校施設の耐震化については,一昨年の中国・四川大地震の甚大な被害を契機として,地震防災対策特別措置法が一部改正され,国の財政支援措置が大幅に拡充したことを受けて,地方自治体は耐震化への取り組みを加速しているところである。
しかしながら,国の平成22年度当初予算案では,国の助成対象となる耐震化棟数が 2,200棟と,昨年8月の概算要求時点における 5,000棟の半分以下に減少しており,今後の計画的な公立学校施設の整備が危惧される事態となっている。
また,このような予算状況のもと,地震防災対策特別措置法による補助率のかさ上げ措置の期限である平成22年度までに,すべての学校施設の耐震化を完了させることは到底不可能である。
よって,国におかれては,次の事項を実現するよう強く要望する。
記
1.耐震化など公立学校施設整備に必要な予算を確保すること。
2.地震防災対策特別措置法の補助率かさ上げ措置の期限延長を行うこと。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/財務大臣/文部科学大臣/防災担当大臣
中小企業等金融円滑化法の実効性を求める意見書
金融機関に中小企業等の金融の円滑化を促す「中小企業等金融円滑化法」が平成21年12月4日に施行され,約3カ月になります。同法は,弾力的な融資,返済緩和などの貸付条件変更,旧債の借りかえ等,中小企業支援を旨とした適切な措置をとるよう金融機関に努力義務を課しています。
しかし,「貸付条件変更対応保証制度」を申請できる企業の資格要件が,既に別の信用保証を受けている企業や政府系金融機関の日本政策金融公庫,商工中金等から融資を受けている企業は対象外となっていることから,本保証制度の対象は信用保証協会や政府系金融機関から融資を受けていない企業,すなわち財務体質のよい優良企業に限定されるということになり,制度の趣旨から見て対象企業は皆無であり,制度が完全に骨抜きになっていると言わざるを得ません。
実際に,これまでに利用した中小企業はわずかです。日本経済新聞社がことし1月22日にまとめた「中小企業経営者調査」によると,「中小企業等金融円滑化法」の利用に対し「既に利用した」という回答は4%「利用する予定」は2%にとどまり,逆に「利用しない」「利用は難しい」は合わせて83%にも上り,中小企業の円滑な資金繰りを図るには同法は実効性が不十分であることが明らかです。
しかも,厳しい経済情勢により,売上減少に苦しむ中小企業の資金繰りは年度末に向かって一層逼迫することが懸念されます。
よって国は,「中小企業者等において経営の安定化や活性化が確保されるよう,長期にわたって資金供給に万全を期す」という同法の附帯決議の趣旨を踏まえ,一日も早く同法が真に実効性あるものとなるようあらゆる手だてを講じるよう強く要請するものです。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:内閣総理大臣/金融担当大臣
若者の雇用創出と新卒者支援の充実を求める意見書
若者の雇用環境は,先が見えない不安で覆われています。一昨年秋のリーマンショック以降,厳しい状況が続き,昨年12月の若年層(15から24歳)失業率は 8.4%で,全体の完全失業率 5.1%を大きく上回っています。
こうした中で,新規学卒者の就職内定状況も非常に厳しくなっています。大卒予定者の就職内定率は昨年12月1日現在で73.1%(前年同期比でマイナス 7.4ポイント),高校新卒者は同11月末現在で68.1%(同マイナス 9.9)と,いずれも過去最低となりました。
さらに,ニートやひきこもりなど困難を抱える若者への支援が希薄であることも危惧されており,その十分な対策も急務です。このような状況を踏まえて,若者の雇用に対する公的支援のあり方を抜本的に見直す必要があると考えます。
よって,政府におかれては,若者の雇用創出と新卒者支援を図るため,以下の項目につき強く要請するものであります。
記
1.地域の実情に基づいた雇用機会の創出を強化するため,「ふるさと雇用再生特別交付金」「緊急雇用創出事業」の基金( 7,000億円)をさらに積み上げること。
2.「訓練・生活支援給付」の恒久化及び未就職新卒者に対する同給付の適用拡大を図るとともに,次の雇用へつなげるための「トライアル雇用(試行雇用)」の拡充や,フレキシブル支援センターなど「働く場」と「職業訓練」を一体的に提供する「雇用付研修体系」の促進を図ること。
3.新卒者の内定率の低下と就職活動に係る費用負担が非常に重いことにかんがみ,「就活応援基金」を創設するなど,経済的負担の軽減を図ること。また,「ジョブカフェ」の持つ就職活動のノウハウを教育機関に提供するため,大学構内に「ジョブカフェ大学出張所」の設置を推進すること。
4.中小企業の求人と新卒者の求職のミスマッチを解消するため,中小企業の求人やその魅力について情報提供を行う「政府版中小企業就活応援ナビ」を創設すること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:内閣総理大臣/厚生労働大臣
林業の担い手育成の抜本的な強化を求める意見書
森林は,木材資源の供給とともに,国土や環境の保全,水資源の涵養,生物多様性の保全など,国民生活にとって欠かせないものです。地球温暖化の要因とされるCO2を吸収・固定(伐採後も固定)しており,木材利用を拡大することは化石燃料の使用を削減することになります。
また,森林全体の年間成長量は消費量に匹敵する 8,000万立方メートルとなるなど木材は国内で再生産が可能な資源であり,林業の停滞を打開し,林業・木材産業の再生の取り組みを強めることは大きな意味があります。森林面積日本一の高知県の浮揚にとっては不可欠な課題です。
しかしながら,林業を取り巻く状況は,丸太やチップ・パルプは無税,製材,合板などでも6%前後という輸入自由化のもと木材の自給率は2割にまで低下しており,木材価格の低迷,後継者不足など深刻な事態が続いています。
新政権は昨年末に作成した「森林・林業再生プラン」で2020年までに木材自給率50%を掲げていますが,そのためには,林道,作業道など生産基盤整備が非常に重要です。日本では林道,作業道の整備状況が1ヘクタール当たり17メートルですが,日本と同様に急峻地が多いオーストリアは87メートル整備され,日本の2倍の生産性を上げています。ドイツでは森林面積は日本の4割程度にもかかわらず,自動車産業を上回る 130万人が木材関連産業に従事しており,整備された路網と高性能機械の導入で,収益性の高い大径木を中心に生産しています。
産業としてすばらしい潜在力を持っている林業を再生するために,とりわけ深刻なのが担い手不足です。林業就業者は1997年の9万人から5万人に減少し,高齢化も進み,林業就業者の育成は緊急課題です。技術の継承に困難な地域も生まれてきています。
国の「緑の雇用担い手対策事業」(2010年度末まで)があります。高知県においても 567名が利用するなど一定の役割を果たしていますが,研修期間が15カ月で,一人前の技術をつけるには余りにも短いことが課題となっています。また,技術を身につけるための研修だけでなく,作業員が正社員として長く働き続けられ,生活し家庭を持てる見通しが立つように制度を充実することが不可欠です。
よって,喫緊の課題である担い手育成についての抜本的な対応を強く求めるものです。
記
1.緑の雇用担い手対策事業を,2011年度以降も継続すること。その際には,研修期間の大幅な延長を行うこと。
2.担い手育成の観点から,林業就業者に対する所得を補償する制度を創設すること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/副総理・財務大臣/農林水産大臣
国会議員の歳費の支給方法の見直し(日割り化)を求める意見書
昨年8月30日に執行された先の第45回衆議院議員選挙では,就任わずか2日間で8月分全額の歳費を受け,多くの国民から批判があった。もっとも,国会議員の中には,この歳費を返上しようとする者もいたが,寄附行為に当たることもあって,返すに返せず戸惑っていることが報道された。
地方議会では,こうした課題にはいち早く対処してきており,月報酬を日割り計算のもとで支給している。国会議員の対応の遅さには今さらながら驚いている。今や国は,多額の国債を発行しなければ予算の編成ができない状況であり,さらに累積する国債残高が金利の高騰を招くおそれさえ出てきている。事業の仕分け等の大胆な見直しが進んではいるが,国民はこのことは当然の努めだと認識している。
国会議員の歳費の支給方法が現状のままでよしとされる理由はなく,議員の皆さんは,みずからの歳費について,その矛盾を是正することにちゅうちょしてはならないと考える。国民の税金の使われ方の透明性や説明責任が叫ばれている中で,この課題解決に向けて超党派で早急に取り組み,改善されることを強く求める。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長
地域主権の確立に関する意見書
豊かで活力のある地域社会をつくり,地方を再生するためには,地域のことは地域で決める地域主権を確立し,自治体が地域の実情や住民のニーズに的確に対応した行政サービスを提供できるようにしなければなりません。
地域主権の確立を「1丁目1番地」の重要課題と位置づける鳩山政権は,2009年11月に地域主権に資する改革に関する施策を検討,実施すること等を目的に地域主権戦略会議を発足させました。また,同年12月には63項目, 121条項の「義務付け・枠付けの見直し」を閣議決定しました。さらに,国と自治体の関係を,国が地方に優越する上下の関係から,対等の立場で対話のできる新たなパートナーシップの関係へと改めるため,国と地方の協議の場を法制化することを予定しています。
地域主権の確立は,明治以来の中央集権体質から脱却し,この国のあり方を根本から変える大改革であり,その実現にはさらなる取り組みが必要不可欠です。
よって,本議会は国に対し,以下の取り組みを推進するよう強く求めます。
記
1.国と地方の協議の場の法制化を急ぐとともに,法制化前であっても国と地方が十分協議した上で政策決定をすること。
2.住民に身近な市町村の役割を重視する観点から,国と地方の役割を抜本的に見直した上で,国から地方への事務事業の移譲を大幅に進め,地方の権限を拡大すること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/財務大臣/地域主権推進担当大臣
地方財政制度の抜本的な改革を求める意見書
小泉政権における三位一体の改革によって,わずか3年の間に地方交付税及び臨時財政対策債が約 5.1兆円削減され,地方は疲弊し,格差が拡大しました。
そこに追い打ちをかけるように,アメリカに端を発した世界的な金融危機が日本の景気を後退させ,大きな打撃を与えています。まさに,地方財政は未曾有の危機にあると言えます。
また,現行の地方交付税などによる財政調整制度,財源保障制度では,地方が直面する厳しい財政状況,拡大した地方間財政格差に対応しきれなくなっています。
よって,本議会は国に対して,地方財政の安定的な運営のため,以下の施策を含む地方財政制度の抜本的改革を行うよう強く求めます。
記
1.厳しい地方の財政状況を踏まえ,住民が必要とする行政サービスを維持するため,地方の財源を安定的に確保すること。
2.すべての国庫補助負担金を,原則として自治体がその裁量によって使途を決めることができる一括交付金に改めること。一括交付金の交付に当たっては,住民の生活に不可欠な行政サービスの維持に必要な額を確保すること。
3.財政調整機能と財源保障機能を強化した新たな財政調整制度の創設や,地方交付税の拡充等により,地方間格差の是正を図ること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/財務大臣/総務大臣
国会議員の「政治とカネ」問題の徹底した疑惑解明を求める意見書
鳩山首相がみずからの政治資金問題について,知らなかったと言っているのは「納得できない」が80%,小沢民主党幹事長の政治資金問題で小沢氏は「国会で説明する必要がある」が75%,鳩山政権の内閣支持率の急速な低下を示しているメディアの世論調査も伝えられています。
「政治とカネ」の問題での国民の鳩山政権への圧倒的な批判は,問題が相次いで表面化しているだけでなく,鳩山首相を初め政権の担当者が,真相の究明と政治的道義的責任の明確化に背を向けていることへの,厳しい不満となってあらわれています。
みずからの政治資金を亡くなった人など虚偽の名義で届け出ていた鳩山首相自身の問題では,母親からの巨額の資金提供などが明らかになってもなお「知らなかった」と言い張り,収支の全容や脱税などの疑惑に答えていません。
小沢氏の場合も3人の元・現秘書が政治資金規正法違反の虚偽記載の罪で起訴されたのに,「嫌疑不十分・不起訴」となっただけで潔白と言い張り,公共事業の発注をめぐる税金の還流など核心的な疑惑に答えていません。膨大な不動産購入は何のためか国民に説明しないことにも,批判が集まっています。
小沢氏の元秘書の石川知裕衆議院議員の逮捕,起訴や,小林千代美議員をめぐる違法な労組献金の問題でも,鳩山政権と民主党が全く議員個人任せで,真相と責任を明らかにしようとしていないことが批判されています。
国会議員が「政治とカネ」の問題で疑惑が持たれた場合,みずから疑惑を解明し,責任を明らかにするとともに,所属する政党としても自浄能力を発揮して,真相と責任を明らかにするのは当然です。鳩山政権と民主党がその責任を果たしていないのは重大で,まさに国民の信頼を裏切っていると言われても仕方がありません。
民主党は,「政治とカネ」問題での与野党協議を言い出していますが,実効が期待できません。国会の場で,証人喚問など徹底した疑惑の解明を求めます。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/内閣官房長官
国として直接地方の声を聞く仕組みを保障することを求める意見書
地方の声を国政に伝える上で,中央政府に対し要望することは極めて重要な手段である。
政府・与党では,窓口を民主党本部幹事長室に一元化したシステムづくりが進められた。これに対しては,地方自治体から「国に地方の声が本当に届くのか」といった不安や危惧の声が多く上がっている。また,原口一博総務大臣も記者会見で「地方自治体の長は選挙で選ばれた地域住民の代表であり,中央政府とアクセスするのに何か制限があることはあってはならない」との趣旨の発言も行っている。
本来,政治と行政の役割は切り離して考えるべきであり,特に多様化,専門化している行政への要望等を,立法府を構成する政党が一元化して受けることで,事実上,行政への窓口を閉ざすことは,憲法で保障する国民の請願権を侵害することにもつながりかねない。
よって,国におかれては,行政府として直接地方の声に耳を傾け,しっかりと受けとめる適切な仕組みを保障するよう強く要望する。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/副大臣・財務大臣/総務大臣/内閣官房長官/国家戦略担当大臣
インターネットを活用した選挙活動等の自由化の促進に向けた公職選挙法の改正を求める意見書
国会議員の多くや地方議員,さらには選挙に立候補しようとしている人たちのインターネット上での情報公開は,多種多様な形態で行われている。今日の情報社会にあっては,こうした個人のパソコンの活用による情報提供は,政治活動の大きな武器であり,欠くことのできない利器となっているのである。しかし,インターネット上のこれらの情報提供は,現行の公職選挙法下では大きな制約を受け,選挙の公示とともにその開設や更新は断念せざるを得ないのである。
法改正が進まない背景には,資金力の差等により,かえって不公平を発生するおそれがあることや,誹謗・中傷,成り済まし等の違法行為に対する取り締まりが困難になること等,諸課題のあることも事実である。
しかし,このような理由のみをもって,このまま何の対策も講じないのであれば,社会の進展とは大きなずれを生じ,選挙民に被選挙人が情報を早く正確に提供しようとする芽を摘むだけでなく,ますます政治への関心をそぐ事態を招くことにもなりかねない。
よって,国におかれては,インターネットを活用した選挙活動等の解禁に向けて超党派で取り組み,早急に公職選挙法改正を実現されることを強く求める。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:内閣総理大臣/総務大臣
時代の要請にこたえる住宅政策の推進を求める意見書
住宅政策は最大の内需拡大策であり,中小企業対策や雇用対策にもつながる重要な経済政策です。また,政府の住宅政策は,現代のライフスタイルとライフステージに合った,より豊かな人生を送ることができる住宅政策に転換することが求められています。
住宅政策を推進するに当たっては,高齢化,人口減少,さらに温暖化という大きな変化に対応するとともに,経済・雇用情勢も見据えたセーフティーネットという視点を一層重視していく必要があります。
よって本議会は国に対し,住宅版のエコポイント制度の創設,住宅金融の拡充,木造住宅の振興,住宅取得等資金に係る贈与税非課税枠の拡大,既存木造住宅の耐震化促進,賃貸住宅の賃借人の居住の安定確保に資する施策等を着実に実施するなど,新しい時代の要請にこたえる住宅政策への取り組みを強く求めます。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/財務大臣/農林水産大臣/国土交通大臣/金融担当大臣
介護保険制度の抜本的な基盤整備を求める意見書
介護保険制度がスタートしてから10年を迎えましたが,介護現場では深刻な問題が山積しています。特に特別養護老人ホームの入所待機者は42万人にも上り,在宅介護においても家族の心身の負担など深刻です。介護保険を利用している要介護認定者とその家族,そして介護事業者及び介護現場で働いている人など,介護保険制度にかかわる方々から,必要なサービス及び介護施設の確保,経済的負担の軽減,介護報酬や処遇の改善などを要望する切実な声が数多く上がってきています。
しかも,15年後の2025年には65歳以上の高齢者人口がピークを迎えると言われています。今後さらに進展する超高齢化社会を見据え,「安心して老後を暮らせる社会」の実現を目指すには,介護施設の大幅な拡充や在宅介護の支援強化,利用者負担の抑制,公費負担割合の引き上げなど必要な見直しが求められています。
そのために,2012年に行われる介護保険制度改正では,抜本的な制度設計の見直しが必要と考えます。
政府におかれては,介護保険制度の抜本的な基盤整備をすべく,特に以下の点について早急な取り組みを行うよう強く要望します。
記
1.2025年までに「介護施設の待機者解消」を目指す。そのために,介護3施設(特別養護老人ホーム,老人保健施設,介護療養型医療施設)を倍増させ,特定施設(有料老人ホーム,ケアハウスなど),グループホームを3倍増する。
2.在宅介護への支援を強化するために,24時間 365日訪問介護サービスへ大幅な拡充を行うほか,家族介護が休息をとれるよう「レスパイト(休息)事業」も大幅に拡大する。
3.煩雑な事務処理の仕分けを行い,手続を簡素化,要介護認定審査を簡化し,すぐに使える制度に転換する。
4.介護従事者の大幅給与アップなどの待遇改善につながる介護報酬の引き上げを行う。
5.現在,1号保険料は月額 4,160円であるが,このままいけば2025年に 6,300円を超えると見られている。介護保険料の上限が高くなり過ぎないように抑制するため,公費負担割合を5割から当面6割に引き上げ,2025年には介護保険の3分の2を公費負担で賄う。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:内閣総理大臣/厚生労働大臣
介護療養病床の存続を求める意見書
高知県には,ことし1月現在で,介護療養病床は2,461床で,そのうちの55%の1,339床が高知市に集中している。長期の療養が必要となる患者にとって,必要な医療を受けることのできる療養病床は,極めて重要な役割を果たしている。
しかし,自民・公明政権は2006年に療養病床の削減計画を決定し,2011年度末までに医療保険適用の医療療養病床を25万床から15万床に削減し,介護保険適用の介護療養病床の13万床は廃止しゼロにすると発表した。
計画が示された直後から,医療関係者を初め国民からの計画見直しの声を受け,医療療養病床は22万床残す方針に変更はしたものの,介護療養病床の廃止方針は存続されたままであった。
現行の診療報酬では,医療の必要性が低いと判断された場合は,報酬が低く設定されており医療療養病床への入院が敬遠される。そうした状況のもと,介護療養病床は医師が24時間配置されるなど,胃ろうの患者や脳卒中などで急変が心配される患者であっても,安心して介護を受けられる施設として重要な役割を担っており,介護療養病床の存続を求める声は大きく,昨年の総選挙の民主党の政策集には「療養病床を削減する介護療養病床再編計画を中止する」と明記され,また政権公約にも「療養病床削減計画を凍結」と掲げられた。
ところが,ことし1月27日の参議院予算委員会で長妻昭厚生労働相は「基本的に(介護療養病床の)廃止というような方針は変わりません」と答弁,厚生労働省は各都道府県にもそうした方針を伝えており,関係機関も困惑している。
国におかれては,療養病床の廃止・削減を国の計画として都道府県に押しつけることはせず,必要な医療も介護も受けることのできる介護療養病床を存続させる方針を明確にされるよう強く求める。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/副総理・財務大臣/厚生労働大臣/内閣官房長官/国家戦略担当大臣
食料自給率向上のための食料・農業・農村政策に関する意見書
世界的に食料供給に不安がある中で,我が国の農業・農村は,農業者の減少・高齢化,農業所得の激減,農村の疲弊など危機的な状況にあります。いかなる時代においても,安全な国産農産物を国民に安定的に供給することは国の最も重要な責務であることから,国として食料自給率の向上を図るとともに,農業と地域を再生させ,農山漁村に暮らす人々が将来に向けて明るい展望を持って生きていける環境を作り上げていくことが重要です。
よって,本議会は国に対し,以下の事項について早急に検討し,次世代につなげていくことができる政策を構築するよう強く求めます。
記
1.食料自給率を50%に向上させることを目指し,食料・農業・農村基本計画の見直しを行い,新たな政策を確立すること。
2.戸別所得補償制度の本格導入に向け,本県のような地域的事情を十分に踏まえ,検討するとともに,十分な財源を確保すること。
3.農林漁業者による加工・販売の取り組みや異業種との連携などを通じた農山漁村の6次産業化を推進すること。
4.安全・安心な国産農産物の安定供給に向けたトレーサビリティー,危害分析重要管理点(HACCP),農業生産工程管理(GAP)の導入促進と将来の制度化に向けた道筋を明確化すること。
5.多面的機能の基盤となる農山漁村コミュニティの再生とそのための環境直接支払い手法の導入等に対して十分な財源を確保すること。
6.WTOなど国際交渉の推進に当たっては,食の安全,食料の安定供給,食料自給率の向上,国内農業・農村の振興を損なわないこと。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/農林水産大臣
教育再生・教育の正常化の徹底を求める意見書
教育は,数ある行政分野の中でも特に継続が重んじられるべき分野であり,また,多様な意見がある中で公正中立な政策形成が求められる分野であることは言うまでもない。
しかるに,現政権の教育政策においては,その点に十分な配慮がなされていないと思われるほか,むしろ一部の団体の意見が優先されているのではないかと懸念される。例えば,日本教職員組合(日教組)が公表している「政策制度要求と提言」の内容は,その多くが民主党の「政策集INDEX2009」及び「マニフェスト」に取り入れられており,民主党の教育政策では,日教組など一部の団体の意見が他の多様な意見や教育の継続性よりも優先されているのではないかと疑問を持たずにはいられない。実際,新政権発足早々に,制度面において「教員免許更新制度」の廃止を含む抜本的見直しや「全国学力・学習状況調査」の悉皆方式から抽出方式への変更,教育内容面において道徳教育予算の縮小など,教育現場に混乱を招く政策変更が次々と実行に移されている。
現政権が進めようとしている教育の地方分権,現場主権は,学力が世界一とされるフィンランドの教育制度も参考にしていると考えられる。実際,フィンランドでは,教育の地方分権が徹底されているが,あくまでもその前提において教育の政治的中立が確保された上で,教育の地方分権が行われている。
しかるに,我が国では,政権政党の参議院議員会長が日教組の会合で「教育の政治的中立はあり得ない」と述べ,日教組の側でも中央執行委員長が「政治の壁が低くなり,社会的パートナーとして認知された今,私たちは公教育の中心にいる」と発言したとの報道もあり,さらには,政権政党の衆議院議員と教職員組合との間での政治資金の問題も取り上げられているなど,教育の中立性の確保に危惧を抱かざるを得ない状況が相次いでいる。このような状況下で教育の地方分権化,現場主権化を掲げるのであれば,その前提として,何よりもまず教育の政治的中立,教育の正常化が確保されなければ,目的を達しないだけでなく,教育現場にさらなる混乱をもたらすことが懸念される。
公正中立な教育は国民が第一に求めるものである。現政権におかれては,拙速な制度の改廃や教育内容の見直しを避け,一部の団体のみでなく教育現場を担当している地方公共団体からの意見をよく踏まえた上で,これまでの教育改革の流れをとめることなく教育再生・教育の正常化に取り組むよう強く求める。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/副総理・財務大臣/文部科学大臣/内閣官房長官/国家戦略担当大臣
教員免許更新制の存続を求める意見書
平成21年度より教員免許の更新制度がスタートした。教員免許更新制は,一定期間ごとに教員が技術や知識を得る機会が保障され,時代の変化に的確に対応した教員の資質・能力を保持,技能を向上させる上で必要不可欠なものであり,教育改革の根幹をなすものとして導入された。
しかしながら,政府は昨年10月に教員免許更新制の抜本見直しを表明し,平成22年度予算にも教員免許更新制の効果,検証などを含めた調査・検討事業に予算を計上した。
教員免許更新制度は本格実施から一年もたっておらず,成果や課題も十分にまとめられていない状況である。また,自己負担で講習を受けた教職員への補償についても検討がなされていない。制度改革の方向性も示されないまま「抜本見直し」だけが表明されている現状では,学校現場の混乱に拍車がかかることも懸念される。
質の高い教員を確保し,国民の負託にこたえる教育水準を維持,発展させるためにも,国会及び政府は教員免許の更新制を存続することを強く求める。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/副総理・財務大臣/文部科学大臣/内閣官房長官/国家戦略担当大臣
生産性の高い競争力に富んだ農家の育成を求める意見書
政府は平成22年度予算で米戸別所得補償モデル事業と水田利活用自給力向上事業を導入するとしているが,農業農村整備事業費の大幅削減を初めとして農村現場で大きな混乱を招いている。
これまで政府が推進してきた担い手農家や集落営農の位置づけ,平成23年度の本格導入に向けての安定財源,貸しはがしにより農地集積が進まないこと,米の過剰対策や米価下落対策が講じられていないこと,全国一律単価では地域の産地形成が進まないこと,米以外の果樹・野菜,畜産・酪農が置き去りにされていることなど,多様な農業の展開を阻害し,地域の元気が失われることへの強い懸念がある。特に今回の農政転換に当たって,地方の農村現場の意見を事前に聞くことなく,拙速に制度設計が進められたことが大きな混乱の原因となっている。
よって,国会及び政府におかれては,以下の点に十分留意し,生産性の高い競争力に富んだ農家の育成を進める施策の充実を行うよう強く求めるものである。
記
1.新たな食料・農業・農村基本計画の策定に当たっては,生産性の高い担い手農家や集落営農を推進すべき政策として明確に位置づけるとともに,農地集積の加速化,農家所得の向上に配慮すること。
2.米戸別所得補償モデル事業では米余りと米価下落を招く懸念があることから,しっかりとした出口対策を講じるとともに,米の消費拡大に努めること。
3.全国で多様な農業が展開されていることから,水田利活用自給力向上事業では全国一律単価ではなく,地域の話し合いで決める方式を基本とすること。
4.大幅な削減となった農業農村整備事業費については,予算の復元により,現在進められている事業が計画どおり継続できるようにするとともに,箇所づけの基準を明確にすること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/副総理・財務大臣/農林水産大臣/内閣官房長官/国家戦略担当大臣
子供読書活動を推進するための予算確保を求める意見書
2010年は「国民読書年」です。「文字・活字文化振興法」の制定,施行5周年に当たる2010年,政官民協力のもと国を挙げて読書の機運を高めようと,2008年6月に衆参両院全会一致で「国民読書年に関する決議」が採択され,制定されました。
にもかかわらず,2010年度政府予算案では,「子ども読書応援プロジェクト」事業(2009年度予算額1億 5,506万円)を廃止。そのかわりに,子供読書の普及,啓発予算として 4,900万円を計上したものの,結果的に子供の読書活動の関連予算が大幅削減されてしまいました。また,読み聞かせなどの読書活動を行うボランティア団体に助成金を支給している官民出資の「子どもゆめ基金」も,政府出資金 100億円が全額国庫返納となり,事業の大幅な縮小を余儀なくされています。
このように,鳩山政権によって子供の読書活動に関連する予算が大幅に削減されたことは大変に残念であり,地道に読書活動を推進してきた学校やボランティア団体などからは驚きと不安の声が相次いでおります。
昨年11月に発表された文部科学省の社会教育調査結果によると,全国の図書館が2007年度に小学生に貸し出した本は登録者1人当たり35.9冊と過去最多となり,1974年度の調査開始時(16.5冊)に比べて 2.2倍に伸びました。この結果は,「子ども読書活動推進法」の制定(2001年)を機に,学校での「朝の読書」や,家庭や地域,学校などでの「読み聞かせ」活動などが着実に根づいてきたこと,また国が積極的に読書活動推進の事業を行ってきたことのあらわれと言っても過言ではありません。
読書活動推進の取り組み効果があらわれているにもかかわらず,まさに「国民読書年」の本年に予算を削減するというのは,2008年の国会決議にもとるものです。
子供の読書は,言葉を学び,感性を磨き,論理的思考力や創造力などを高め,豊かな心をはぐくむとともに,さまざまな知識を得るなど,生きる力を養う上で欠かすことのできない活動であります。「政官民協力のもと国を上げてあらゆる努力を重ねる」という国会決議を真に履行し,子供の読書活動を守り育てていくため,政府は子供の読書活動を推進するための十分な予算を確保するよう強く求めます。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:内閣総理大臣/文部科学大臣
さらなる総合経済対策の策定を求める意見書
デフレや急激な円高など,景気の先行きが依然不透明な中,国民一人一人の所得は伸びず,生活への不安が日増しに膨れ上がっています。
しかし,本年1月に成立した第2次補正予算の実質経済対策規模は1兆円にすぎず,まさに「小さ過ぎて遅過ぎる」対策です。また,昨年末に策定された新成長戦略では「2020年度までに平均で名目3%を上回る成長」「2020年度における我が国の経済規模(名目GDP) 650兆円程度を目指す」としていますが,その具体策は何ら示されていません。
今こそ,産業活動を活性化させ国民生活に安心を与えるため,切れ目のない経済財政運営とともに,景気を刺激し経済成長を促し政策の予見性を確保する具体的な経済成長戦略が求められています。
政府におかれては,以下の項目を含め,さらなる総合経済対策を速やかに実行することを強く要請します。
記
1.事業の創出
・主に環境分野に対する資源配分と規制緩和を徹底し,新規事業創出を促すことでイノベーションを加速させるなど産業の活性化を図ること。
・農業,医療,教育など強い規制のもとで非効率に運営されてきた分野について抜本的な規制緩和や集中投資を行い,産業としての活性化を図ること。
2.中小企業への支援
・緊急保証制度の要件の大幅緩和,小口零細企業保証制度の拡充を図ること。
・倒産防止緊急相談窓口業務を強化すること。
・債務返済猶予の実施対象を銀行や政府系金融機関だけでなくノンバンクやリースなどにも拡大し,さらに中小零細企業の法人税率を引き下げること。
3.グローバル戦略支援
・人口減少による国内市場のパイの持続的な拡大が困難なため,日本企業がアジア新興国など海外市場の開拓に注力できるようFTA・EPA交渉を迅速に進め企業がグローバル戦略を展開しやすい環境を整備すること。
4.為替の安定と適切な資金供給が行えるよう所要の措置を講じること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:内閣総理大臣
「非核三原則」の法制化を求める意見書
政府は「日米密約」についての外務省の報告で,核兵器を積んだ艦船や航空機の通過や寄港を事前協議の対象とはしない密約について,文書はあったが「核持ち込み」の「明確な合意」でなかったと主張しながら,これまで核兵器が持ち込まれていた可能性は否定しないという姿勢を示しました。
「密約」を密約として認めなければこれまでの無法な核持ち込みの説明にはならず,その密約を廃棄しなければ,今後核持ち込みを許さず,非核三原則を政府が守る保証にもなりません。政府はきっぱり核持ち込みの密約を認め,廃棄すべきです。
1991年,アメリカのブッシュ大統領は核戦力削減措置についての演説で,「通常の状況下では我々の艦船は戦術核兵器を積載しない」とは述べたものの,「将来の危機に際して必要な場合に利用できるよう,中央地域に保管」すると言っています。今後一切核兵器を搭載しないと約束したものではありません。1994年のクリントン政権の「核態勢の見直し」報告も,「もし必要な場合には,将来の予期せぬ挑戦にも対応する」と言っています。「平時」ではない「有事」の状況が生まれたとアメリカ政府が判断すれば,いつでも核兵器の再配備を可能にする態勢が生きていることは明らかです。
日本への原潜寄港回数は増加の一方です。核巡航ミサイル「トマホーク」を特定の攻撃型原潜に搭載する構えも今のところ変わっていません。三沢基地(青森県)には核兵器搭載可能なF16戦闘機がいます。嘉手納基地(沖縄県)などには核兵器搭載能力のあるF15Eイーグル戦闘機が米本国から飛来してきています。米政府が軍事的に必要だと判断すればいつでも,核兵器搭載艦船や航空機の通過や寄港の危険があることは否定できない事実です。
非核三原則は,唯一の被爆国日本の国民が核兵器廃絶の思いを込めてつくり上げた大事な平和原則です。
よって,核持ち込みの密約を認め廃棄し,「非核三原則」を厳守するため,法制化することを求めます。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/外務大臣
六ヶ所再処理工場や高速増殖炉「もんじゅ」運転再開の中止,プルサーマル計画の中止を求める意見書
昨年8月の衆議院総選挙において,歴史的政権交代が実現した。国は原子力政策について大きく転換するべきである。
まず手始めとして,これまでの不透明な安全審査を,経済産業省から原子力安全・保安院を切り離し,内閣府に移管して透明性を図ることが国民の不安を解消することとなる。
日本は使い道のないプルトニウムを過剰に保有している。技術的に未熟で困難にもかかわらず,プルトニウムをウランと混合したMOX燃料を,通常の原発で燃焼するプルサーマルを各地の原発で実施するという。これらの原発は老朽化し,安全対策に数々の不安があり,原発立地地域住民で反対運動が高まっている。したがって,プルサーマル計画を中止すべきである。
また,1995年にナトリウム漏えい火災事故を起こした「もんじゅ」を耐震性の安全確認を待たずに試運転再開を認めた国の姿勢は問題である。ゆえに,徹底した安全性や業務の透明性の確保,徹底した情報公開等が担保されていないことから高速増殖炉「もんじゅ」の運転再開は中止するべきである。
原発は送電ロスが約20%に及ぶこと,定期点検のたびごとに大量の被曝労働者が生み出されていること,六ヶ所再処理工場が本格操業すればおびただしい放射能が大気と海中に放出されること,核廃棄物の処分方法も定まらないまま,原発と再処理工場の後始末費用等が約18兆円かかること,全国各地の原子力施設の立地点で活断層が新たに発見されていること,以上の事実を踏まえるならば,脱原発と脱プルトニウムを選択すべきことは明らかである。
風力発電や太陽光発電,バイオマス,さらに燃料電池や水素発電等々の再生可能なエネルギーを活用できる今日の時代,危険な核廃棄物を処分できない原子力や再処理に依存する原子力政策を早急に大きく転換すべきである。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/経済産業大臣
地球温暖化対策基本法の制定を求める意見書
政府は,未来の子供たちに美しい地球環境を引き継ぐために,温室効果ガスの排出量を2020年までに1990年比で25%削減する目標を掲げました。
この目標を達成するためには,あらゆる政策を総動員していかなければなりません。そのために目標達成のための各政策の根幹となる基本法が必要です。
よって本議会は国に対し,地球温暖化対策の基本原則,国・地方公共団体・事業者・国民の責務,温室効果ガス排出削減に関する中長期目標,政策の基本的な方向性が明記された「地球温暖化対策基本法」の制定を強く求めます。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/外務大臣/農林水産大臣/経済産業大臣/環境大臣
温室効果ガスの大幅な削減のために排出量取引制度の創設を求める意見書
鳩山首相が国連で発表した「我が国の2020年における1990年比25%の温室効果ガス削減」
の目標数値は,先進工業国の中でも野心的なものとして歓迎されている。
しかし,COP15のデンマーク国際会議では,世界各国の思惑が交錯し,ポスト京都議定書の締結は先送りされた。
こうした中で,地球温暖化の様相は一段と危機的に迫ってきていることは,識者のみならず,国民一般の共有する認識となってきており,もはや「取り返しのつかない地点(ポイント・オブ・ノーリターン)」を迎えようとしていることが指摘されている。発展途上の国々は先進国がまず範を示せと迫り,片や先進国側は発展途上国も同調しなければならないと,互いにその責任を転嫁し合うことは時間の空費にほかならず,最低でも「プラス2度」の範囲内に世界各国が協調して取り組まなければならないのである。
幸い我が国には環境先進技術があり,エネルギーにおいても世界屈指の高効率な燃費を技術的に可能としている。こうした点を考慮すると,産業界がすべての分野で温室効果ガスの思い切った削減に大きく踏み出さなければならないのであり,そのことが新しい環境産業の進展を促し,雇用を拡大し,経済や産業の活性化を生むことになる。
既に環境省においては,「オフセット・クレジット(J-VER)制度」を育ててきているが,今こそ,国を挙げての「キャップ・アンド・トレード方式」による排出量取引制度として,一段のスケールアップを図ることが重要であると考える。
よって,政府においては,温暖化対策基本法制定の時期に確固たる姿勢で取り組むよう強く求めるものである。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:内閣総理大臣/経済産業大臣/国土交通大臣/環境大臣