本文
第421回市議会定例会 議案審議結果
市長提出議案
議案番号 | 議 案 名 | 結 果 |
---|---|---|
市第60号 | 平成22年度高知市一般会計補正予算 | 原案可決 |
市第61号 | 平成22年度高知市国民健康保険事業特別会計補正予算 | 原案可決 |
市第62号 | 平成22年度高知市水道事業会計補正予算 | 原案可決 |
市第63号 | 高知市職員の勤務時間,休日及び休暇に関する条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第64号 | 高知市職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第65号 | 高知市職員団体のための職員の行為の制限の特例に関する条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第66号 | 高知市職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第67号 | 高知市火災予防条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第68号 | 高知市春野地区漁業振興基金条例制定議案 | 原案可決 |
市第69号 | 高知市漁港管理条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第70号 | 高知市立高等学校授業料等に関する条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第71号 | 高知市国民健康保険条例の一部を改正する条例についての市長専決処分の承認議案 | 承 認 |
市第72号 | 長浜6号雨水幹線管渠築造工事(22-1)請負契約締結議案 | 原案可決 |
市第73号 | 訴訟の提起について | 原案可決 |
市第74号 | 支払督促の申立てについて | 原案可決 |
市第75号 | 調停の申立てについて | 原案可決 |
市第76号 | 監査委員の選任議案 | 同 意 |
市第77号 | 固定資産評価審査委員会委員の選任議案 | 同 意 |
市第78号 | 人権擁護委員推薦についての諮問議案 | 異議なき旨答申 |
議員提出議案
議案番号 | 議 案 名 | 結 果 |
---|---|---|
市議第62号 | 高知市歩きたばこ等の防止に関する条例制定議案 | 修正可決 |
平成22年6月24日
議案番号
議 案 名
結 果
市議第43号
問責決議案
原案可決
市議第44号
地方財政の充実・強化を求める意見書議案
原案可決
市議第45号
機能性低血糖症に係る国の取り組みを求める意見書議案
原案可決
市議第46号
口蹄疫の防疫対策等に関する意見書議案
原案可決
市議第47号
公立高等学校授業料不徴収交付金に関する意見書議案
原案可決
市議第48号
米の戸別所得補償対策等の見直しを求める意見書議案
原案可決
市議第49号
未就職新卒者の支援策実施を求める意見書議案
原案可決
市議第50号
発達障害やその他文字を認識することに困難のある児童・生徒のためのマルチメディアデイジー教科書の普及促進を求める意見書議案
原案可決
市議第51号
有害鳥獣の駆除及び被害防除対策の合理化を求める意見書議案
原案可決
市議第52号
小規模グループホームの防火体制強化を求める意見書議案
原案可決
市議第53号
実効ある労働者派遣法の改正を求める意見書議案
原案可決
市議第54号
核廃絶への政府の外交努力を求める意見書議案
原案可決
市議第55号
事業仕分け後の制度設計の促進を求める意見書議案
原案可決
市議第56号
財政の健全化を促進し,国債の暴落を避けるための最大限の努力を求める意見書議案
原案可決
市議第57号
人権侵害による被害の救済及び予防等に関する法律案(人権侵害救済法)成立に反対する意見書議案
否 決
市議第58号
生活保護の老齢加算復活を求める意見書議案
原案可決
市議第59号
普天間基地移設をめぐる日米合意の撤回を求める意見書議案
否 決
市議第60号
官房報償費の実態の公開を求める意見書議案
否 決
市議第61号
消費税の増税に反対する意見書議案
否 決
可決された意見書の内容
地方財政の充実・強化を求める意見書
世界同時不況に端を発した経済状況は深刻の度を増しており,地域の雇用確保,社会保障の充実など,地域のセーフティーネットとしての地方自治体が果たす役割はますます重要となっている。
特に,地域経済と雇用対策の活性化が求められる中で,介護,福祉施策の充実,農林水産業の振興,クリーンエネルギーの開発など,雇用確保と結びつけ,これらの政策分野の充実・強化が求められている。
2010年度予算において地方交付税が前年度比 1.1兆円増加されたことは,三位一体改革で深刻な影響を受けた地方財政に対し,新政権が地方交付税の充実という地方の要望にこたえたものとして評価できるものであり,来年度予算においても本年度の予算規模を地方財政計画,地方交付税措置に継続的に取り入れるなどの大胆な予算措置が必要である。
よって,政府に対し,2011年度の地方財政予算全体の安定確保に向けて,次のとおり対策を求める。
記
1.医療,福祉分野の人材確保を初めとするセーフティーネット対策の充実,農林水産業の再興,環境対策など,今後増大する財政需要を的確に取り入れ,2011年度地方財政計画,地方交付税総額を確保すること。
2.地方財源の充実・強化を図るため,国,地方の税収配分5対5を実現する税源移譲と格差是正のための地方交付税確保,国の直轄事業負担金の見直しなど,抜本的な対策を進めること。
3.2010年度予算において創設された地域活性化・雇用等臨時特例費などに相当する額を恒久的に地方財政計画,地方交付税措置に取り入れ,自治体が安心して雇用対策に取り組める環境整備を行うこと。
4.景気対策を通じて拡大する公共事業に対して,地方負担を増加させることのないよう十分な財政措置を講じること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:内閣総理大臣/総務大臣/財務大臣
機能性低血糖症に係る国の取り組みを求める意見書
慢性的に血糖値が高い状態が続くと糖尿病を発症することは知られているが,膵臓の機能失調等による血糖値の調節異常によって発症する機能性低血糖症は医師ですらまだ認知度が低い病である。
機能性低血糖症は,糖の過剰摂取や過激な食事制限,過食といった食生活の乱れやストレスなどが原因となって,血糖値が急激に低下したり,低い状態にとどまってしまう疾患で,現代の食生活も誘因の一つと指摘されており,近年,研究が進むとともに患者数もふえている。
機能性低血糖症は,脳への血糖補給不足に加え,アドレナリンなどの内分泌系異常や自律神経にも影響し,慢性疲労やうつ状態,集中力不足,情緒不安定,記憶障害など,身体面,精神面ともに実にさまざまな症状が引き起こされることがわかってきている。症状から精神疾患や神経疾患などと誤った診断をされるケースも少なくない。また,妊産婦の低血糖症は,新生児低血糖症の要因となり脳障害を引き起こすことが知られており,発達障害(自閉症スペクトラム)の危険因子の一つであると指摘されている。
この機能性低血糖症の診断には,糖尿病診断に用いられている常用負荷試験及び耐糖能精密検査が有効とされているが,保険適用で行われる一般的な2時間検査では,上昇するはずの血糖値が上昇せず,変化のない平たんな曲線を描く無反応性低血糖症や,4時間経過後に血糖値が急落する反応性低血糖症などを診断することが難しい。精度を高めて5時間かけて検査を行うことが必要であり,さらに膵臓の機能障害の程度を診るためにはインシュリン値を調べることも重要なポイントである。ところが,5時間の耐糖能精密検査は保険適用されておらず,高額な自己負担が必要なほか,実施する医療機関も少ないのが問題である。
機能性低血糖症と正しく診断されたことで,機能性低血糖症のための治療により症状が改善し,社会復帰する事例は数多くある。
よって,政府に対し,機能性低血糖症に関する調査,研究,病名の認知及び意識啓発,検査体制の拡充等が図られるよう,以下の取り組みを要望する。
記
1.機能性低血糖症についての医学研究の進展と診断,治療法の普及に向け,国として調査,研究を進めること。
2.機能性低血糖症診断のための5時間の耐糖能精密検査を保険適用の対象とすること。
3.新生児の機能性低血糖症による障害発生を予防するため,周産期医療において妊産婦の生活習慣の改善を図るとともに,早期発見と治療の体制づくりを推進すること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:内閣総理大臣/厚生労働大臣
口蹄疫の防疫対策等に関する意見書
宮崎県で発生した口蹄疫は,関係者による懸命の防疫措置にもかかわらず,拡大の一途をたどり,宮崎県知事により非常事態宣言が発せられるなど深刻な事態になっているとともに,いまだ感染源や侵入経路が特定されていないことから,本県,本市の畜産関係者の不安は日ごとに増すばかりである。
この状況に対し,高知県では,宮崎県への家畜防疫員の派遣などの支援を継続し,口蹄疫を絶対に侵入させないという認識のもと,水際対策として港での九州からの車両消毒の実施や畜産農家全戸への緊急調査,消石灰の配布による一斉消毒を行うなど,あらゆる対策を講じている。
国におかれては,ワクチン接種による新たな清浄化対策の実施や口蹄疫対策特別措置法を早期に制定し,施行したところであるが,宮崎県での一刻も早い終息への対応と畜産農家の経営再建に全力を注ぐとともに,次の事項を実現するよう強く要望する。
記
1.今後の防疫体制の充実を図る上でも,口蹄疫の感染源と侵入経路を早期に解明すること。
2.国において,蔓延防止対策に必要な量の防疫資材について,常時の備蓄体制を強化すること。
3.口蹄疫の侵入防止のために要する消毒薬,その他防疫資材に係る経費について,財政支援を講じること。
4.消費者が,国産の牛肉,豚肉等の購入を控えないよう,的確な風評被害防止対策を行うこと。
5.畜産農家への被害額全額保障と生活支援を可及的速やかに行うこと。
6.大規模経営農家の従業員の雇用保障対策を実施すること。
7.すでに多額の負債を抱える畜産農家の実態にかんがみ,新たに家畜を導入するための資金及び家畜が成長し販売できるまでの無収入期間に,融資ではなく直接支援を行うこと。
8.口蹄疫に感染し得るシカやイノシシなど野生動物と家畜との接触を防ぐため,必要な措置を講じること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/財務大臣/農林水産大臣
公立高等学校授業料不徴収交付金に関する意見書
公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校就学支援金の支給に関する法律が平成22年4月1日に施行されたことに伴い,今年度から公立高等学校の授業料が無償化され,これまで地方公共団体が生徒から徴収していた授業料に相当する額を,国が公立高等学校授業料不徴収交付金として負担することとなった。
しかしながら,都道府県や市町村に交付される交付金の額は,これまでに各地方公共体が生徒から授業料として徴収していた収入額ではなく,基礎授業料に10月1日の生徒数を乗じて得た額に,全国一律の調整率(交付税措置の0.115を除いた0.885)を乗じて算定した額とされている。この一律の調整率を乗じて交付金を算定すると,各地方公共団体の授業料減免額の実績が異なるため,多額の収入減となる地方公共団体が生じる。
本市を初め,現在の厳しい地方の財政状況からすると,収入減となる地方公共団体においては一般財源に影響が出ることが想定され,さらに厳しい財政運営が求められることになる。
今般の授業料不徴収制度は,高等学校の進学率が約98%の中で,その費用については社会全体で支え,家庭の状況にかかわらず,すべての意志ある高校生等が安心して勉学に打ち込める社会をつくるという制度の趣旨から導入されたものである。
ついては,学校運営上必要となる財源は,一般財源化される普通交付税措置とセットになった手法ではなく,地方公共団体の財政力にかかわらず確実に担保できるよう,交付金に一本化すべきであり,公立高等学校授業料不徴収交付金について,国に対して下記のとおり要望する。
記
1.公立高等学校授業料不徴収交付金は,基礎授業料と生徒数で求めた授業料収入相当額を全額交付金として国が負担すること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/財務大臣/文部科学大臣
米の戸別所得補償対策等の見直しを求める意見書
米の戸別所得補償モデル対策について,4月1日より加入受け付けが始まったが,各地の農家からはいまだに不安と戸惑いの声が絶えない。周知不足や準備のおくれも否めず,制度運用面での変更も相次いでおり,安心して営農できない状況である。
よって,来年度からは本格実施を行うとしているが,生産現場と地域ごとの事情に配慮し,稚拙な制度にならぬことを求めるとともに,今年度の制度について以下の点の改善を政府に求める。
記
1.算定方式の見直し
米の生産費について,一番高い四国と一番低い北海道では約 1.7倍の差があり,生産費と販売価格の差額として全国一律とした算定方式は不公平であり,見直しを求める。
2.地域の自主性を尊重すること
今まで,地域ごとに産地づくりとして支援してきた特産品作物に対する加算措置がなくなり,産地づくりに取り組んできた農家の経営を阻害する要因になっている。地域の自主性,特色が尊重される仕組みに見直すべきである。
3.農山漁村の基盤整備の促進
行政刷新会議は先般の事業仕分けにおいて,農道整備事業や森林整備事業を廃止した。また,米の戸別所得補償モデル事業の実施においても土地改良事業費を約6割削減するなど,必要な環境整備が進んでいない。用排水路等の更新時期も来ていることから,農村の生活環境の改善,農地の確保や基盤整備,用水の確保や道路などインフラ整備を早期に実施,促進するべきである。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:内閣総理大臣/農林水産大臣
未就職新卒者の支援策実施を求める意見書
平成21年度大学等卒業予定者の就職内定率は,ことし2月1日時点で80%となり,前年同期比 6.3%減で過去最低となった。社会人として第一歩を踏み出す時に職業につけないということは,日本の将来を担うべき若者の人生にとって厳しい問題であり,経済,社会の活力低下という点から見ても大変憂慮すべき事態である。
こうした中で,大企業を中心にした新卒優先採用の雇用慣行が卒業後の就職活動を困難にするため,就職活動に有利な新卒の立場を続けるためにあえて留年する希望留年者を生み出している。今春,就職未定の新卒者は大学・高校卒などで約20万人とも推計されているが,この推計には希望留年者は含まれていないため,未就職新卒者は実質的に20万人以上に上ると見られる。
また,景気低迷が続く中で大企業の採用が落ち込んでいるにもかかわらず,学生は大企業志向が高く,一方で,中小企業は採用意欲が高いにもかかわらず人材が不足しているといった雇用のミスマッチ(不適合)解消も喫緊の課題と言える。
若者の厳しい雇用情勢に対応するため,速やかに国を挙げて雇用確保のための成長戦略を初め,経済政策,雇用支援策など全面的に手を打つべきである。
よって,政府に対し,特に未就職新卒者の支援策を早急に実施するよう,以下の項目を強く要請する。
記
1.大企業を中心とした新卒優先採用という雇用慣行や就職活動の早期化を見直し,卒業後3年間は「新卒」扱いにするなど,企業,大学の間で新しいルールを策定すること。
2.大企業志向を強める学生と人材不足の中小企業を結びつけるための情報提供を行う政府版中小企業就活応援ナビを創設するなど,雇用のミスマッチを解消すること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:内閣総理大臣/文部科学大臣/厚生労働大臣/経済産業大臣
発達障害やその他文字を認識することに困難のある児童・生徒のためのマルチメディアデイジー教科書の普及促進を求める意見書
平成20年9月に障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律,いわゆる教科書バリアフリー法が施行された。
この教科書バリアフリー法の施行を機に,平成21年9月より財団法人日本障害者リハビリテーション協会(リハ協)がボランティア団体の協力を得て,通常の教科書と同様のテキストと画像を使用し,デジタル化対応することで,テキスト文字に音声をシンク口(同期)させて読むことを可能にしたマルチメディアデイジー版教科書(デイジー教科書)の提供を始めた。また,文部科学省において,21年度より,デイジー教科書などの発達障害等の障害特性に応じた教材のあり方やそれらを活用した効果的な指導方法等について,実証的な調査,研究が実施されている。
現在,デイジー教科書は,上記のとおり文部科学省の調査,研究事業の対象となっているが,その調査,研究段階であるにもかかわらず,平成21年12月現在で約 300人の児童・生徒に活用され,保護者などから学習理解が向上したとの効果が表明されるなど,デイジー教科書の普及推進への期待が大変に高まっている。
しかし,デイジー教科書は教科書無償給与の対象となっていないことに加えて,その製作は多大な時間と費用を要するにもかかわらず,ボランティア団体頼みであるため,必要とする児童・生徒の希望に十分にこたえられない状況にあり,実際にリハ協が平成21年度にデジタル化対応したデイジー教科書は小中学生用教科書全体の約4分の1にとどまっている。
このような現状を踏まえると,まず教科用特定図書等の普及促進のための予算のさらなる拡充が求められるが,平成21年度の同予算が1億7,200万円に対し,22年度は1億5,600万円と縮減されており,これらの普及促進への取り組みは不十分であると言わざるを得ない。
よって,政府に対し,必要とする児童・生徒,担当教員等にデイジー教科書を安定して配付,提供できるように,その普及促進のための体制整備及び必要な予算措置を講ずることを要望する。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:内閣総理大臣/文部科学大臣
有害鳥獣の駆除及び被害防除対策の合理化を求める意見書
現在,我が国の山村及び都市周辺の中山間地域において,イノシシ,シカ,猿,カラスといった有害鳥獣による農作物被害が深刻化している。その被害は,農業経営に打撃を与え,農業者の生産意欲の減退,耕作放棄地の拡大,さらに自然破壊など,中山間地域の住民生活にも甚大な影響を及ぼしている。
この事態に対し,既に各自治体では,国,県の補助制度を活用し,地元猟友会など関係団体とも連携しつつ,それぞれの実態にあわせた対策を講じてきているところであるが,中心対策である捕獲用おりや電さくの設置は実効性の点で不十分な状況である。
また,狩猟については,実効性は高いと思われるが,狩猟免許保持者の減少や高齢化に加え,免許がなければ被害農地の所有者本人であっても有害鳥獣の捕獲ができないなど非合理的な法制約上の課題も多く,根本的な問題解決につながっていないのが実情である。
今後,人口減少や高齢化の進行に伴う有害鳥獣駆除の担い手の減少を見通すと,現在の法体制下での取り組みは,問題の重要性に比して極めて不十分であり,改めて有害鳥獣防除対策を見直す時期に来ている。
ついては,最も実効性が高い狩猟の免許手続の簡素化や免許に係る費用軽減など,有害鳥獣駆除の狩猟体制の合理化を図るため,関連法を改正するよう強く要望する。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/農林水産大臣/環境大臣
小規模グループホームの防火体制強化を求める意見書
ことし3月13日未明に発生した札幌市の認知症グループホームの火災は,入居者7名が亡くなるという大変悲惨な結果となった。
以前にも平成18年に長崎県大村市,21年には群馬県渋川市で,同様の火災により多くの犠牲者を出した。
政府は,平成18年の長崎県大村市での火災を受け,19年6月に消防法施行令を一部改正し,認知症グループホームにおける防火体制の強化を図った。21年度からは,厚生労働省も小規模福祉施設スプリンクラー整備事業でスプリンクラーを設置する施設に対し交付金措置を行うなど,対策を進めてきた。
しかし,今回札幌市で火災が起こった施設は,スプリンクラー設置基準である 275平方メートル以下の施設であり,こうした小規模施設がこれからも増加する傾向にあることから,防火体制の強化に向けて以下の点を国に対し要望する。
記
1. 275平方メートル以下の施設も含め,すべてのグループホームにスプリンクラーの設置を義務化するとともに,交付金等による国の支援を拡充すること。
2.小規模グループホームにおける人員配置基準を拡充するとともに,介護保険料の値上げにつながらない方策をとり,介護報酬の引き上げを図ること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/総務大臣/厚生労働大臣
実効ある労働者派遣法の改正を求める意見書
第 174回国会の閉会に伴い,政府が提案していた労働者派遣法改正案が継続審議となった。
2008年秋より,製造業大手企業を中心とした大量の派遣切りが問題となり,職とともに住む家をも失う多くの労働者を生み出した。派遣切りの元凶となった労働者派遣法を直ちに抜本的に改正することは国民的要求であり,その必要性は論をまたない。
しかし,政府提案の労働者派遣法改正案は,(1)製造業派遣の原則禁止を言いながら,常用雇用(2カ月を超える短期契約であっても1年を超えて雇用する見込みがある場合も含む)の派遣を認めており,派遣切りで大問題となった製造業派遣を事実上温存するものであること。(2)登録型派遣の原則禁止をめぐり専門26業務を例外として容認,事務用機器操作やファイリングなど専門的知識が必要とされない業務まで含まれるなど,この2つの大穴を初めとした多数の問題点が指摘されており,真に実効ある改正が求められている。
よって,政府においては,労働者の権利を守るため,派遣法改正に当たり下記の事項の実現を強く要望する。
記
1.製造業への派遣,日雇い派遣は全面的に禁止すること。
2.専門業務の内容を見直し,真に専門的な業務に制限すること。
3.違法派遣があった場合に,派遣先が当該労働者に労働契約を申し込んだとみなす「みなし雇用」は,短期契約ではなく期間の定めのない契約で直接契約したものとすること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:内閣総理大臣/厚生労働大臣/内閣官房長官
核廃絶への政府の外交努力を求める意見書
ニューヨークの国連本部で開かれた核不拡散条約(NPT)再検討会議が,ことし5月28日,行動計画を盛り込んだ最終文書を全会一致で採択し閉会した。
採択された行動計画は,核兵器のない世界へ向け,重要な一歩を踏み出す意義あるものとなっている。
最終文書へは,2000年の再検討会議で確認されていた核兵器廃絶の完全廃絶を実現するという核兵器保有国の明確な約束を再確認すると明記。すべての国が,核兵器のない世界を達成し維持するために必要な枠組みを確立するための特別な取り組みを行う必要について確認することが盛り込まれている。とりわけ,核兵器保有国に,核兵器廃絶への一層の取り組み,具体的な進展を求めている点は重要である。
また,会議の過程では,核兵器の完全廃絶のための行程表(ロードマップ)を検討する国際交渉の開始が提起され,多くの条約加盟国に支持された。行程表については,一部の核保有国が同意せず,最終文書には盛り込まれなかったが,核兵器廃絶交渉の開始を求める声は今や世界の大勢になっている。その国際世論を形成するために,唯一の被爆国である日本の被爆者と市民の声が果たした役割は大きい。
国際社会が,核兵器のない世界に向けた必要な枠組みのための特別な取り組みの必要性を確認したからには,今後はこの合意に基づいて,その具体化と実行が強く迫られる。
よって,政府においては,国際社会の中で,唯一の被爆国の政府として核兵器廃絶の前進のために役割を果たし,国際交渉の開始にイニシアチブを発揮するなど,具体的進展に向けた外交努力を強く求めるものである。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:内閣総理大臣/外務大臣
事業仕分け後の制度設計の促進を求める意見書
民主党政権下での事業仕分けによって,国の事業が存続や縮小,廃止と大胆に振り分けられたことは,国家財政の健全化を図る上でも効果的で,何よりも事業の透明性を高めたものとして多くの国民の共感を得ることとなった。
しかしながら,一連の事業仕分けについて,廃止や縮小,見直しなどの一定の方向性は示されたものの,最終的な成果が明らかにされないと意味をなさない。
仕分け作業が国民監視の中で行われてきただけに,今後個々の経過を追跡して,その道筋を国民に明らかにすることが望まれる。また,審議が短時間であったことも踏まえ,その決定が適正であったかを検証したり,仕分けの具体的な処理方法や手続について法整備を行うなど,実効性を高めるためにはさらなる努力が求められることになる。
よって,政府におかれては,法令整備を含めた制度設計に早急に取り組むとともに,より広範な事務事業の仕分けを行うなど,経費の削減や事業の廃止などにちゅうちょすることなく踏み込むことを強く求める。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:内閣総理大臣/財務大臣
財政の健全化を促進し,国債の暴落を避けるための最大限の努力を求める意見書
世界的な金融危機に伴って,各国の財政が窮地に陥っている。
特に,ギリシャの国家財政は景気後退での税収不足で急速に悪化してきた中で,従前の放漫財政のツケが顕在化し,今やEUのみならず,世界にその危機が伝播する事態に立ち至っている。
一方,我が国の財政状況はギリシャの比ではなく,先進国の中では最悪の財政状況にあると言われている。景気の低迷で税収が落ち込んでいる中で,社会保障費などが大きく伸びていることから,この財源を補うために大量の国債発行を余儀なくされ,ふえ続ける国債残高が子々孫々にわたり,重い負担となるばかりか,国債の格付が低下し,金利の上昇など不測の事態を招きかねない状況を呈しているのである。
不要不急の事業を見直すなど徹底して無駄を排除するとともに,税制改革などの取り組みによって財政の健全化を図ることは,与野党の枠を超えて優先されるべき政治課題である。
よって,政府におかれては,安易な国債増発を避け,財政健全化に向けた取り組みを促進されるよう強く求める。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:内閣総理大臣/財務大臣
生活保護の老齢加算復活を求める意見書
生活保護の老齢加算制度は,高齢者に特有の生活需要(食事への配慮や慶弔費用の増加など)を満たすために,原則70歳以上の生活保護受給者について,月に約1万 8,000円を加算支給するものである。
同制度は,1960年に創設され40年以上にわたり維持されてきたが,2004年度から段階的に削減され,2006年度に全廃された。
ことし6月14日には,福岡高裁で74歳から92歳の高齢者39人が原告となり老齢加算復活を求めた裁判の判決が出され,同制度の廃止が正当な理由のない保護基準の不利益変更に当たり違法と原告の訴えを認め,専門委員会が加算見直しに当たって考慮すべきだとした高齢者世帯の最低生活水準の維持や激変緩和措置などについて,十分考慮しておらず,裁量権の逸脱,乱用に当たると指摘した。
高齢者にとっての健康で文化的な最低限度の生活について十分に検証せずに,財政問題の解決のための社会保障費抑制策の中で進められた同制度の廃止は,国民に最低限度の生活を保障する憲法25条に違反するものである。
現在,格差と貧困の広がりの中で,最後のセーフティーネットとして生活保護制度が果たすべき役割はますます重要になっている。一方で,日本の生活保護捕捉率は,2割に満たない(19.7%-16.3%,1995年-2001年,橘木俊明・浦河邦夫,2006年)と推計されている。生活保護基準以下でありながら保護を受けていない世帯が多数存在する深刻な貧困の現状のもとで,生活保護制度が低所得層の生活を下支えする役割を果たしており,老齢加算の廃止など生活保護水準の切り下げではなく,保護の水準と捕捉率を上げるなど制度の改善こそが求められる。
よって,政府においては,老齢加算制度の廃止を撤回し,即時復活させることを強く求めるものである。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:内閣総理大臣/厚生労働大臣