本文
第450回市議会定例会 議案審議結果
市長提出議案
議案番号 | 議 案 名 | 結 果 |
市第103号 | 平成27年度高知市一般会計補正予算 | 原案可決 |
市第104号 | 高知市行政情報公開条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第105号 | 高知市個人情報保護条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第106号 | 高知市税条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第107号 | 高知市養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第108号 | 高知市特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第109号 | 高知市軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第110号 | 高知市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第111号 | 高知市児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第112号 | 高知市旅館業法施行条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第113号 | 高知市こども科学館(仮称)名称候補選定委員会条例制定議案 | 原案可決 |
市第114号 | 高知市特色ある学校づくり・地域連携推進事業実施校選定審査会条例制定議案 | 原案可決 |
市第115号 | 高知市水道事業等及び公共下水道事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第116号 | 高知市税条例及び高知市税条例等の一部を改正する条例の一部を改正する条例についての市長専決処分の承認議案 | 承 認 |
市第117号 | 高知市介護保険条例の一部を改正する条例についての市長専決処分の承認議案 | 承 認 |
市第118号 | 長浜地区津波避難タワー新築工事請負契約締結議案 | 原案可決 |
市第119号 | 三里地区神幸道津波避難タワー新築工事請負契約締結議案 | 原案可決 |
市第120号 | 35メートル伸縮水路付先端屈折式はしご車購入契約締結議案 | 原案可決 |
市第121号 | 旭駅周辺地区都市再生住宅(第一期北棟)新築工事請負契約の一部変更議案 | 原案可決 |
市第 122号 | 人権擁護委員推薦についての諮問議案 | 異議なき旨答申 |
議員提出議案
市議第20号 | 高知市議会会議規則の一部を改正する規則議案 | 原案可決 |
市議第21号 | 高知市議会委員会条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市議第22号 | 高知市議会情報公開条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市議第23号 | 高知市議会個人情報保護条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市議第24号 | 認知症への取り組みの充実・強化に関する意見書議案 | 原案可決 |
市議第25号 | 環太平洋戦略的経済連携協定の交渉状況に関する情報開示を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第26号 | 農林水産業の輸出促進に向けた施策の拡充を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第27号 | 国の責任による35人以下学級の前進を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第28号 | 地方財政の充実・強化を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第29号 | 先生のいない教室,教職員不足を解消するために,臨時教職員,正教職員確保のための一層の施策充実を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第30号 | 大学生への給付制奨学金創設を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第31号 | マイナンバー制度施行に伴う環境整備を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第32号 | 地方単独事業に係る国保の減額調整措置の見直しを求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第33号 | 雇用の安定を求める意見書議案 | 否 決 |
市議第34号 | 安保関連法案に反対する意見書議案 | 否 決 |
市議第35号 | 再生可能エネルギーを主役にする電源構成案を求める意見書議案 | 否 決 |
市議第36号 | 年金情報流出の再発防止と来年からのマイナンバー制度運用の一旦中止を求める意見書議案 | 否 決 |
可決された意見書の内容
認知症への取り組みの充実・強化に関する意見書
今日,認知症は世界規模で取り組むべき課題であり,本年に開催されたWHO認知症閣僚級会議では,各国が認知症対策への政策的優先度をより高位に位置づけるべきとの考えが確認された。
世界最速で高齢化が進む我が国では,団塊の世代が75歳以上となる2025年には,認知症高齢者数は約 700万人にも達すると推計されており,日本の認知症への取り組みが注目されている。
政府は本年1月,認知症対策を国家的課題として位置づけ,認知症施策推進総合戦略,いわゆる新オレンジプランを策定し,認知症高齢者が,住みなれた地域のよい環境で,自分らしく暮らし続けることができる社会,認知症高齢者等に優しい地域づくりを目指すこととした。
しかし,今後の認知症高齢者の増加等を考えれば,認知症への理解の一層の促進,当事者や家族の生活を支える体制の整備,予防・治療法の確立など,総合的な取り組みが求められるところである。
よって,政府においては,下記の事項について適切な措置を講じるよう,強く要望する。
記
1.認知症の方々の尊厳,意思,プライバシー等が尊重される社会の構築を目指し,学校教育などにより認知症への理解を一層促進するとともに,認知症の予防・治療法確立,ケアやサービスなど,認知症に対する総合的な施策について,具体的な計画を策定することを定めた,(仮称)認知症の人と家族を支えるための基本法を早期に制定すること。
2.認知症に見られる不安,抑鬱,妄想など,心理行動症状の発症,悪化を防ぐため,訪問型の医療や看護サービスなどの普及促進を,地域包括ケアシステムの中に適切に組み入れること。
3.自治体などの取り組みについて,家族介護,老老介護,独居認知症高齢者など,より配慮を要する方々へのサービスの好事例(サロン設置,買い物弱者への支援等)を広く周知すること。
4.認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)の効果を見きわめるため,当事者や介護者の視点を入れた点検,評価を適切に行い,その結果を施策に反映させること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:内閣総理大臣/厚生労働大臣
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環太平洋戦略的経済連携協定の交渉状況に関する情報開示を求める意見書
現在,環太平洋戦略的経済連携協定(以下,TPP協定という)の交渉が山場を迎えている。TPP協定の発効は,国民生活及び国民経済に多大な影響を与えることから,交渉参加に当たっては,衆参農林水産委員会において,交渉により収集した情報については,国会に速やかに報告するとともに,国民への十分な情報提供を行い,幅広い国民的議論を行うよう措置することとの決議がなされている。
しかし,交渉参加後,相当期間が経過した現時点でも,十分な情報開示がなされているとは言えない。交渉参加国でもある米国においては,国会議員に対し,協定案の開示を行っているとともに,重大な影響を受ける利害関係者へも,部分的に開示を行っている。
このように,交渉参加国間で情報開示の程度に差があることは,妥結に向けた交渉を進めるに当たって,国益の確保に支障が出る可能性を否定できない。
よって,国に対し,このような憂慮すべき事態を打破し,TPP協定の与える影響について,国民各層を交えた議論を行うことができるよう,下記の施策を実施することを要望する。
記
1.政府は,衆参農林水産委員会決議にのっとり,TPP協定の交渉状況と妥結後の影響とその対策について,国民に広く情報を開示すること。
2.政府は,衆参農林水産委員会決議にのっとり,TPP協定の交渉状況について,定期的に国会へ報告を行うこと。また,国会からの求めがあった場合には,速やかに資料の提出を行うとともに,説明を行うこと。
3.政府は,地方議会など重大な影響を受ける利害関係者から求めがあった場合には,交渉中のTPP協定条文案などの関連文書について,開示に努めること。
4.国会は,上記1から3の取り組みを行うに当たって,TPP協定交渉参加各国の情報開示の状況に照らし,必要な秘密保全の仕組みを検討すること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/外務大臣/農林水産大臣/経済産業大臣/経済財政政策担当大臣
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農林水産業の輸出促進に向けた施策の拡充を求める意見書
少子・高齢化社会の到来により,農林水産物の国内マーケットは縮小する見込みにある一方,海外には,世界的な日本食ブームの広がりやアジア諸国等における経済発展に伴う富裕層の増加,人口増加といった,今後伸びていくと考えられる有望なマーケットが存在する。
農林水産物,食品の輸出促進は,新たな販路拡大や所得の向上,国内価格下落に対するリスクの軽減,国内ブランド価値の向上や経営に対する意識改革などが図られ,国民全体にとっては,生産量増加による食料自給率の向上,輸出入バランスの改善,日本食文化の海外への普及など,幅広いメリットが考えられる。
政府は,昨年6月に閣議決定された日本再興戦略において,2020年における輸出額の目標を1兆円と定めている。近年の輸出は,円高や原発事故の影響などにより,落ち込みが生じていたが,2014年の輸出額は過去最高の 6,117億円となった。
よって,政府に対し,官民一体となった一層の促進策によって,国産農林水産物の輸出拡大につなげていくため,下記の事項を強く要望する。
記
1.原発事故に伴う輸入規制を行っている国々に対し,国境措置を科学的根拠に基づく判断とするよう,多国間協議の場で提議,要請するなど,撤廃に向けた働きかけを行うこと。
2.国や日本貿易振興機構(JETRO)等が一体となって支援し,ブランドの確立や産地間の連携を図るとともに,諸外国の輸入規制情報の提供や関連する相談窓口の設置,諸外国から要求される証明書の国による一元的な発行など,国内輸出事業者への支援策を行うこと。
3.輸出先となる国や事業者から求められるHACCP,ハラール,GLOBALG.A.P.等の認証取得を促進するとともに,国際的な取り引きにも通用する,HACCPをベースとした食品安全管理に関する規格・認証の仕組みや,G.A.P.に関する規格・認証の仕組みの構築を推進すること。
4.国内・海外商談会の開催や輸出に必要な情報の提供,輸出相談窓口体制の充実,トップセールスによる支援など,日本食文化・産業の一体的な海外展開を一層推進すること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:内閣総理大臣/農林水産大臣
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国の責任による35人以下学級の前進を求める意見書
さまざまな課題を抱えた子供たちがふえていく中,一人一人に行き届いた教育を保障するため,全国の多くの自治体が,独自に少人数学級を実施してきた。国は,地方の動きに後押しされ,2011年度は小1の,2012年度は予算措置で小2の35人学級を実施した。
しかし,2013年度以降は,35人学級の前進は3年連続で見送られ,教職員定数改善計画についても,1959年に開始して以来,初めて,自然減を上回る教職員定数の純減が2年連続で強行された。
国に先駆けて少人数学級を実施している自治体では,学級規模が小さくなることで不登校や生活指導の件数が減り,学習に対する理解や意欲も高まり,また,定数増で教職員が子供と向き合う時間がふえて,学校が落ちついてきたなど,これらの施策が有効であることが報告されている。
文部科学省は,1月27日に,公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引の策定についてを各都道府県教育長等に通知し,小規模校の統廃合を押しつけようとしている。
国が本来行うべきは,教育の機会均等とその水準の維持,向上である。子供の数が減少している今,わずかな教育予算増だけで,35人以下学級を計画的に前進させていくことが可能である。子供たちの学ぶ権利を奪う統廃合ではなく,35人以下学級などの教育条件整備こそ行うべきである。
2月23日の衆議院予算委員会で安倍首相は,小学校1年生,2年生では,(35人学級を)実現をしているわけでございますが,さらに35人学級の実現に向けて,鋭意努力をしていきたいと答弁した。35人以下学級の拡充は,圧倒的多数の父母,教職員,地域住民の強い願いであり,自治体独自の少人数学級は,今年度も確実に前進しているが,自治体間の格差が広がっている。教育の機会均等を保障するためには,地方に負担を押しつけることなく,国が責任を持って35人以下学級の前進と,そのための教職員定数改善を行うことが強く求められている。
よって,国に対し,下記の事項を要望する。
記
1.国の責任で,小学校3年生以降の35人以下学級を計画的に前進させること。
2.国は35人以下学級実現のため,標準法を改正して教職員定数改善計画を立てること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/財務大臣/総務大臣/文部科学大臣
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地方財政の充実・強化を求める意見書
地方自治体は,子育て支援,医療,介護などの社会保障,被災地の復興,環境対策,地域交通の維持など,果たす役割が拡大する中で,人口減少対策を含む地方版総合戦略の策定など,新たな政策課題に直面している。
一方,地方公務員を初め,人材が減少する中で,新たなニーズの対応が困難となっており,公共サービスを担う人材確保を進めるとともに,これに見合う地方財政の確立を目指す必要がある。
しかし,経済財政諮問会議においては,2020年のプライマリーバランスの黒字化を図るため,社会保障と地方財政が2大ターゲットとされ,歳出削減に向けた議論が進められている。
本来,必要な公共サービスを提供するため,財源面でサポートするのが財政の役割である。
しかし,財政再建目標を達成するためだけに,不可欠なサービスが削減されれば,本末転倒であり,国民生活と地域経済に疲弊をもたらすことは明らかである。
このため,2016年度の政府予算,地方財政の検討に当たっては,国民生活を犠牲にする財政とするのではなく,歳入,歳出を的確に見積もり,人的サービスとしての社会保障予算の充実,地方財政の確立を目指すことが必要である。
よって,政府に対し,下記の事項の実現を求める。
記
1.社会保障,被災地復興,環境対策,地域交通対策,人口減対策など,増大する地方自治体の財政需要を的確に把握し,これに見合う地方一般財源総額の確保を図ること。
特に,今後,策定する財政再建計画において,地方一般財源総額の現行水準の維持,確保を明確にすること。
2.子ども・子育て新制度,地域医療構想の策定,地域包括生活ケアシステム,生活困窮者自立支援,介護保険制度や国民健康保険制度の見直しなど,急増する社会保障ニーズへの対応と人材を確保するための社会保障予算の確保と地方財政措置を的確に行うこと。
3.復興交付金,震災復興特別交付税などの復興に係る財源措置については,復興集中期間終了後の2016年度以降も継続すること。
また,2015年度の国勢調査を踏まえ,人口急減・急増自治体の行財政運営に支障が生じることがないよう,地方交付税算定のあり方を検討すること。
4.法人実効税率の見直し,自動車取得税の廃止など各種税制の廃止,減税を検討する際には,自治体財政に与える影響を十分に検証した上で,代替財源の確保を初め,財政運営に支障が生じることがないよう対応を図ること。
また,償却資産にかかる固定資産税やゴルフ場利用税については,市町村の財政運営に不可欠な税であるため,現行制度を堅持すること。
5.地方財政計画に計上されている歳出特別枠及び,まち・ひと・しごと創生事業費については,自治体の財政運営に不可欠な財源となっていることから,現行水準を確保すること。
また,これらの財源措置について,臨時・一時的な財源から恒久的財源へと転換を図るため,社会保障,環境対策,地域交通対策など,経常的に必要な経費に振りかえること。
6.地方交付税の財源保障機能,財政調整機能の強化を図り,市町村合併の算定特例の終了を踏まえた,新たな財政需要の把握,小規模自治体に配慮した段階補正の強化などの対策を講じること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:内閣総理大臣/財務大臣/総務大臣/経済産業大臣/内閣官房長官/地方創生担当大臣/経済財政政策担当大臣
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先生のいない教室,教職員不足を解消するために,臨時教職員,正教職員確保のための一層の施策充実を求める意見書
高知県では今,教職員不足が深刻である。
教職員の異動発表時に,臨時教職員が5名着任する予定であると説明された学校で,臨時教職員は3名しか着任せず,その席は空白のまま授業が行われている学校がある。
病気休暇の代替教員が配置されず,教頭先生が学級担任になって,授業を行っている学校がある。
学力向上対策等で支援員を配置する予定であったにもかかわらず,配置する人がいないという理由で,未着任のまま,例えば別室での少人数指導や放課後の加力指導ができないままの学校がある。
養護教諭として着任する人がいないので,隣接校の者に兼務発令をして,日常の業務をこなしている学校がある。
小学校1年生で,県独自の30人学級措置をしようとしても,異動発表後に児童数が判明したため,新たに配置できる教員がいないとの理由で,必要な教員が配置されず,30人学級の措置ができないままで,1年間,授業をしようとしている学校がある。
これらは全て,臨時教職員が不足していることから生まれる事態である。こうした事例が,既に30校以上の学校で起こっている。該当する市町村教委では,対応に苦慮しているのが現実である。
高知県では,1年間に約 300人の教職員が病気休暇,産休等で現場から離れることが起こっている。年度の最初である1学期の時点で,これだけの臨時教職員がいない状態では,これから先の代替教員確保が大変危惧される。
子供たちに教育を保障するためにも,県の施策である学力向上を図るためにも,先生のいない教室を未然に防ぐために,今こそ教職員の確保に対する緊急の取り組みが必要である。
よって,高知県に対し,下記の事項を実現するよう,強く要請する。
記
1.臨時教職員と高知県での教員志望者の確保に向けて,緊急かつ特段の配慮と措置を行うこと。また,より一層の臨時教職員の待遇改善を実現すること。
2.必要な教職員は,正教職員で確保すること。
3.教職員の病休取得者が減るよう,労働安全衛生の施策を充実させること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:高知県知事/高知県教育長
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大学生への給付制奨学金創設を求める意見書
文部科学省の2014年度学校基本調査によれば,高等教育機関(大学,短大,高専,専修学校)への進学率は8割に達している(過年度高卒者等を含む)。
その約半数が貸与制奨学金を利用し,多くの学生が多額の借金を抱えて卒業している。今日,貸与制奨学金制度の前提である,正規職員での安定した雇用制度は崩壊し,低賃金・不安定な非正規労働者が,若者や女性の5割を超えている。
大卒で正規についても3割が3年で退職し,一旦,正規から非正規になると,再び正規に戻れる保障はなく,結婚ができない,結婚しても子供を産み育てる自信がないという若者がふえて,深刻な社会問題となっている。
日本政府は2012年9月,国際人権規約第13条第2項(b),(c)の留保を撤回した。この規約は,教育の権利の完全な実現のために,(a)初等,(b)中等,(c)高等教育の無償化を柱にした保障,(e)適当な奨学金制度を設立し及び教育職員の物質的条件を不断に改善等を求めている。給付制奨学金を意味する,(e)適当な奨学金については批准済みにもかかわらず,35年経過しても,いまだに実現されていない。
OECD加盟34カ国中,17カ国が大学授業料を無償(有償でも極めて安価)としている。授業料が有償の国には全て給付制奨学金があるが,日本にはない。日本とアイスランド以外の32カ国には給付制奨学金があるが,アイスランドは大学の授業料は無償である。つまり,大学の授業料が有償で,給付制奨学金がないのは日本だけという恥ずべき状態となっている。
日本の教育機関への公財政支出の対GDP比(2011年度)は 3.8%でOECD諸国の中では5年連続最下位となっている。
段階的にOECD平均並みの 5.6%まで引き上げていけば,就学前から大学までの教育の無償化を進めることが可能となる。一日も早く,公私ともに高校,大学の無償化を前進させ,社会全体で高校生,大学生の学びを支えることが強く求められている。
よって,国に対し,下記の事項を要望する。
記
1.国は,教育予算をふやして,大学生に対する給付制奨学金制度をつくること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/財務大臣/総務大臣/文部科学大臣
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マイナンバー制度施行に伴う環境整備を求める意見書
マイナンバーは,社会保障・税制度の効率性や透明性を高め,国民にとって利便性の高い,公平,公正な社会を実現するための画期的な制度であることから,本市を初め地方自治体では,非常に厳しい準備期間の中,平成28年1月の制度運用開始に向けて,税や住民票,福祉関連のシステム改修と事務手順などの改善を順次進めている。
一方,本年10月から国民にマイナンバーが通知されることになっているものの,現時点における国民の同制度に対する認知度はまだまだ低く,いまだに個人情報漏えいに関する不安を耳にする状況である。
よって,政府に対し,本市を初め地方自治体において,同制度を円滑に運用開始するため,下記の事項を講じるよう要望する。
記
1.制度導入に係る地方自治体におけるシステム改修等の費用に対しては,実際に要する経費に応じた十分な財政措置を講じること。
2.制度の認知度向上のため,本年末までを重点期間とした広報・周知活動を国が主導して行うこと。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:内閣総理大臣/総務大臣
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地方単独事業に係る国保の減額調整措置の見直しを求める意見書
今国会において,持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律が成立し,国保の財政基盤の強化や都道府県による財政運営に向けて,具体的な改革作業が始まるところである。
国保改革に当たっては,国と地方の協議により,地方単独事業に係る国庫負担調整措置の見直しなどが,今後の検討課題とされたところである。
一方,地方創生の観点から人口減少問題に真正面から取り組むことが求められており,全国の自治体では,単独事業として乳幼児医療費の助成制度の拡充などに取り組む事例が多く見られる。
さらに,平成26年度補正で用意された国の交付金を活用し,対象年齢の引き上げなどの事業内容の拡充に取り組む自治体も報告されているところである。
よって,政府に対し,こうした状況の中で,全ての自治体で取り組まれている乳幼児医療の助成制度など,単独の医療費助成制度に対する国の減額調整措置について,下記のとおり早急に見直しを行うよう強く要請する。
記
1.人口減少問題に取り組む,いわゆる地方創生作業が進む中,地方単独事業による子供等に係る医療費助成と,国保の国庫負担の減額調整措置のあり方について,早急に検討の場を設け,結論を出すこと。
2.検討に当たっては,少子・高齢化が進行する中,子育て支援,地方創生,地域包括ケア等の幅広い観点から実効性のある施策を進めることが必要であり,そうした観点から,子供等に係る医療の支援策を総合的に検討すること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:内閣総理大臣/財務大臣/総務大臣/厚生労働大臣