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第455回市議会定例会 議案審議結果
市長提出議案
議案番号 | 議 案 名 | 結 果 |
市第2号 | 平成28年度高知市一般会計予算 | 原案可決 |
市第3号 | 平成28年度高知市卸売市場事業特別会計予算 | 原案可決 |
市第4号 | 平成28年度高知市国民健康保険事業特別会計予算 | 原案可決 |
市第5号 | 平成28年度高知市収益事業特別会計予算 | 原案可決 |
市第6号 | 平成28年度高知市駐車場事業特別会計予算 | 原案可決 |
市第7号 | 平成28年度高知市国民宿舎運営事業特別会計予算 | 原案可決 |
市第8号 | 平成28年度高知市産業立地推進事業特別会計予算 | 原案可決 |
市第9号 | 平成28年度高知市土地区画整理事業清算金特別会計予算 | 原案可決 |
市第10号 | 平成28年度高知市へき地診療所事業特別会計予算 | 原案可決 |
市第11号 | 平成28年度高知市農業集落排水事業特別会計予算 | 原案可決 |
市第12号 | 平成28年度高知市母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算 | 原案可決 |
市第13号 | 平成28年度高知市介護保険事業特別会計予算 | 原案可決 |
市第14号 | 平成28年度高知市後期高齢者医療事業特別会計予算 | 原案可決 |
市第15号 | 平成28年度高知市水道事業会計予算 | 原案可決 |
市第16号 | 平成28年度高知市公共下水道事業会計予算 | 原案可決 |
市第17号 | 平成27年度高知市一般会計補正予算 | 原案可決 |
市第18号 | 平成27年度高知市国民健康保険事業特別会計補正予算 | 原案可決 |
市第19号 | 平成27年度高知市産業立地推進事業特別会計補正予算 | 原案可決 |
市第20号 | 平成27年度高知市住宅新築資金等貸付事業特別会計補正予算 | 原案可決 |
市第21号 | 平成27年度高知市介護保険事業特別会計補正予算 | 原案可決 |
市第22号 | 平成27年度高知市後期高齢者医療事業特別会計補正予算 | 原案可決 |
市第23号 | 平成27年度高知市水道事業会計補正予算 | 原案可決 |
市第24号 | 平成27年度高知市公共下水道事業会計補正予算 | 原案可決 |
市第25号 | 高知市行政情報公開条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第26号 | 高知市個人情報保護条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第27号 | 高知市行政手続条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第28号 | 高知市行政不服審査法施行条例制定議案 | 原案可決 |
市第29号 | 高知市一般職の任期付職員の採用等に関する条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第30号 | 高知市人事行政の運営等の状況の公表に関する条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第31号 | 高知市職員の勤務時間,休日及び休暇に関する条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第32号 | 高知市報酬並びに費用弁償条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第33号 | 公聴会参加者等の費用弁償条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第34号 | 高知市長等の給与,旅費等に関する条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第35号 | 高知市職員給与条例及び高知市職員給与条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第36号 | 高知市立高等学校の教育職員の給与その他の勤務条件の特別措置に関する条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第37号 | 高知市職員の降給に関する条例制定議案 | 原案可決 |
市第38号 | 高知市職員特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第39号 | 高知市職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第40号 | 高知市職員の退職管理に関する条例制定議案 | 原案可決 |
市第41号 | 議会の議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第42号 | 高知市特別会計設置条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第43号 | 高知市次期清掃工場整備基金条例制定議案 | 原案可決 |
市第44号 | 高知市税条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第45号 | 高知市手数料並びに延滞金条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第46号 | 高知市民のくらしを守る条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第47号 | 高知市消費生活センターの組織及び運営等に関する条例制定議案 | 原案可決 |
市第48号 | 高知市暴力団排除条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第49号 | 高知市土佐山へき地診療所条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第50号 | 高知市福祉医療費助成条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第51号 | 高知市養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第52号 | 高知市特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第53号 | 高知市軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第54号 | 高知市手話言語条例制定議案 | 原案可決 |
市第55号 | 新点字図書館サービス等検討委員会条例制定議案 | 原案可決 |
市第56号 | 高知市指定障害福祉サービスの事業等の人員,設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第57号 | 高知市国民健康保険条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第58号 | 高知市指定居宅サービス等の事業の人員,設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第59号 | 高知市指定地域密着型サービスの事業の人員,設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第60号 | 高知市指定介護老人福祉施設の人員,設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第61号 | 高知市介護老人保健施設の人員,施設及び設備並びに運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第62号 | 高知市指定介護療養型医療施設の人員,設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第63号 | 高知市指定介護予防サービス等の事業の人員,設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第64号 | 高知市指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員,設備及び運営並びに指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第65号 | 高知市指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第66号 | 高知市指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第67号 | 高知市興行場における構造設備等及び衛生措置の基準に関する条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第68号 | 高知市理容の業を行うときに講ずべき衛生措置等に関する条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第69号 | 高知市美容の業を行うときに講ずべき衛生措置等に関する条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第70号 | 高知市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第71号 | 高知市建築審査会条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第72号 | 高知市空家等対策協議会条例制定議案 | 原案可決 |
市第73号 | 高知市消防団員等公務災害補償条例及び高知市消防団員等公務災害補償条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第74号 | 高知市火災予防条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第75号 | 高知市教育振興基本計画策定委員会条例制定議案 | 原案可決 |
市第76号 | 高知市人権教育推進委員会条例制定議案 | 原案可決 |
市第77号 | 高知市立学校設置条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第78号 | 高知市立市民図書館条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第79号 | 高知市水道事業等及び公共下水道事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第80号 | 高知市過疎地域自立促進計画策定に関する議案 | 原案可決 |
市第81号 | 市域内にあらたに生じた土地の確認議案 | 原案可決 |
市第82号 | 町及び字の区域の画定議案 | 原案可決 |
市第83号 | 包括外部監査契約締結議案 | 原案可決 |
市第84号 | 市道路線の廃止に関する議案 | 原案可決 |
市第85号 | 市道路線の認定に関する議案 | 原案可決 |
市第86号 | (仮称)高知市東部総合運動場多目的ドーム新築工事請負契約締結議案 | 原案可決 |
市第87号 | 高知市北消防署(仮称)新築工事請負契約締結議案 | 原案可決 |
市第88号 | (仮称)高知一宮団地の共同開発に係る団地整備業務(その2)委託契約締結議案 | 原案可決 |
市第89号 | 訴訟の提起について | 原案可決 |
市第90号 | 調停の申立てについて | 原案可決 |
市第91号 | 副市長の選任議案 | 同 意 |
市第92号 | 教育委員会委員の選任議案 | 同 意 |
市第93号 | 固定資産評価員の選任議案 | 同 意 |
市第94号 | 固定資産評価審査委員会委員の選任議案 | 同 意 |
議員提出議案
議案番号 | 議 案 名 | 結 果 |
市議第1号 | 高知市報酬並びに費用弁償条例の特例に関する条例制定議案 | 原案可決 |
市議第2号 | 高知市議会情報公開条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市議第3号 | 高知市議会個人情報保護条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市議第4号 | 地方公会計の整備促進に係る意見書議案 | 原案可決 |
市議第5号 | 無電柱化の推進に関する法整備を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第6号 | ビキニ水爆実験に関する元乗組員等への健康影響について国の公式見解を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第7号 | 児童虐待防止対策の抜本強化を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第8号 | 奨学金制度の充実等を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第9号 | TPPの影響に関する国民の不安を払拭し,対策の確実な実行を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第10号 | 寡婦控除を未婚の母子世帯まで拡大することを求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第11号 | 女性差別撤廃条約批准国として条約上の責務を積極的に果たすことを求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第12号 | TPP協定を批准しないことを求める意見書議案 | 否 決 |
― | 市第2号平成28年度高知市一般会計予算に対する附帯決議案 | 否 決 |
可決された意見書の内容
地方公会計の整備促進に係る意見書
地方公会計の整備促進に関しては,昨年1月の総務大臣通知により,全国の各自治体において,統一的な基準による財務書類を原則として,平成27年度から29年度までの3年間で作成するよう要請されているところである。
よって,国に対し,この通知に基づき,統一的な基準に基づく財務書類の作成,活用を進めるに当たっては,高齢化,人口減少という深刻かつ共通の課題を抱えている各地方自治体の厳しい財政事情に鑑み,可能な限り早期の整備ができるよう,下記の措置を講じることを強く要請する。
記
1.統一的な基準による財務書類を作成するに当たり,さまざまな相談内容に対応できるよう,公認会計士等の専門家を派遣するなど,実務面でのきめ細かな支援を実施すること。
2.統一的な基準による財務書類を作成,活用するためには,複式簿記の知識等が必要となるため,自治大学校等における自治体職員向けの研修をさらに充実すること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/財務大臣/総務大臣
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無電柱化の推進に関する法整備を求める意見書
電線地中化は浸水時の復旧時間の長期化が懸念されることや,その費用が莫大になること,特に市街地においては複数の事業者間の調整が必要なことなどから,我が国の実施率は,欧米はおろか,アジアの主要都市と比較しても著しく低い状態である。
しかしながら,無電柱化の取り組みを計画的かつ円滑に進めることは,安全で円滑な道路交通環境の改善につながる点や,良好な景観の形成によって,さらなる観光振興につながる点,また,近い将来の南海トラフ地震発生が危惧されている本市においては,町全体の防災性の向上という点でも重要であり,近年,地域住民やそれぞれの関係者からの要望が強くなっている。
よって,国に対し,無電柱化の推進に関する基本理念や,国,地方自治体を初めとする関係者の責務,国等による費用負担,推進計画の策定等を定めることにより,電線地中化工事を総合的,計画的かつ迅速に推進する,無電柱化の推進に関する法律の整備に早急に取り組むよう強く求める。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/財務大臣/経済産業大臣/国土交通大臣
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ビキニ水爆実験に関する元乗組員等への健康影響について国の公式見解を求める意見書
62年前のマーシャル諸島ビキニ環礁での米水爆実験によって,周辺で操業していた高知県の船員が,がんなどを発症したとして,去る2016年2月26日,元船員6名と遺族4名が船員保険の労災適用を求めて,全国健康保険協会高知支部に集団申請した。
1954年3月から5月にかけての,延べ6回の核実験に遭遇した船隻数は 1,000隻,そのほぼ3分の1の 270隻が高知県船籍で,高知県の船員は 2,300名ほどと推測されるとも言われている。しかし,第五福竜丸の乗組員以外,船員保険適用を受けた事例はない。
高知県の高校生が,土佐清水市や室戸市の元マグロ漁船乗組員の調査に入って31年となる。これまでの取り組みにおいて, 350名の高知県の元漁船員の水爆実験遭遇時の体験等について粘り強く聞き取りを行うなど,実態を明らかにすることに努めてきた。
それを受け,厚生労働省は,延べ 550隻の検査結果を含む公文書を開示した。また,存在が否定されていた水産庁の文書も開示され,実験に遭遇した漁船等の総数が 1,423隻に達するとも言われている。
関係者は既に8割方亡くなっている中,今回の文書開示が契機となり,高知県の健康相談会,関係機関への連絡調整,助言などもあり,このたび申請に至ったと申請者は話している。
高知県の要請もあって,厚生労働省が設置した開示文書の研究チームによる科学的検証の分析結果が待たれる。
よって,国に対し,その検証結果に基づいて,乗組員等への健康影響に関して国が公式見解を取りまとめ,そして,検証の結果,健康への影響が認められる場合には,適切な救済措置を実施するよう強く求める。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/総務大臣/外務大臣/厚生労働大臣/農林水産大臣
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児童虐待防止対策の抜本強化を求める意見書
本年1月の埼玉県狭山市における3歳女児の死亡事件や,東京都大田区での3歳男児の死亡事件など,児童虐待により幼い命が奪われる深刻な事態が続いている。
家庭や地域における養育力の低下,子育ての孤立化や不安・負担感の増大等により,児童虐待の相談対応件数は増加の一途をたどり,複雑,困難なケースも増加している。
こうした現状に鑑み,政府は昨年12月,すべての子どもの安心と希望の実現プロジェクトにおいて,児童虐待防止対策強化プロジェクトを策定した。
よって,政府に対し,同プロジェクトで策定された施策の方向性を踏まえ,児童虐待発生予防から発生時の迅速かつ的確な対応,自立支援に至るまでの一連の対策強化のため,早期に児童福祉法等改正案を国会に提出するとともに,下記の事項についても速やかに実施するよう強く要請する。
記
1.児童虐待の発生を予防し,妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援を実現するため,子育て世代包括支援センターを法定化し,全国展開を図ること。
また,孤立しがちな子育て家庭へのアウトリーチ支援を強化するため,子育ての不安や悩み等を抱える家庭への養育支援訪問事業や,ホームスタート(家庭訪問型子育て支援)事業を全ての自治体で実施できるようにすること。
2.児童相談所全国共通ダイヤル 189のさらなる周知を図るとともに,児童相談所につながるまでに数分かかっている実態等を早急に見直し,通報しやすい体制を整えること。
また,通報に対し,緊急性の判断や関係機関との連携を的確に行える体制整備にも努めること。
3.児童虐待が発生した場合,迅速かつ的確な初期対応が行われるよう,児童相談所の体制や専門性を抜本的に強化すること。
特に,児童福祉司,児童心理司,保健師等を初め,職員配置の充実,子供の権利を擁護する観点等から,弁護士の活用等を積極的に図ること。
4.学校や医療機関,警察等関係機関における早期発見と適切な対応を図るため,児童相談所と関係機関との間における緊密な連携体制を再構築すること。
特に,警察と児童相談所においては,虐待の通報を受けた場合,虐待の有無にかかわらず,情報共有を図ること。
また,一時保護等において,警察と児童相談所が共同対応する仕組みを全国で構築すること。
5.一時保護所における環境改善を早急に図るとともに,量的拡大を図ること。
また,里親や養子縁組を推進し,家庭的養護のもとで,子供たちが安心して養育される環境を整えること。
6.被虐待児童について,18歳を超えても引き続き自立支援が受けられるようにするとともに,施設退所後や里親委託後の児童等に対し,きめ細かなアフターケア事業を全国で実施すること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:内閣総理大臣/総務大臣/法務大臣/文部科学大臣/厚生労働大臣/国家公安委員会委員長
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奨学金制度の充実等を求める意見書
学費が高騰し,一方で世帯年収が下がり続ける中で,家庭の教育費負担がかつてなく重くなっている。既に,大学生の5割超,大学院生の6割超が,何らかの奨学金を受給しなくては,学業を続けられないのが実態である。
我が国の公的な奨学金制度の中心である独立行政法人日本学生支援機構による奨学金は,貸与型の奨学金制度であり,その7割超(貸与金額)が年3%を上限とする利息付の奨学金(第2種奨学金)となっている。
近年,貸与者数及び貸与金額が増加を続ける一方で,学生の就職難や非正規労働の増加などから,卒業後も奨学金の返還ができずに,生活に苦しむ若者が急増している。同機構は返還期限の猶予や減額返還などの制度を設けているが,適用の要件が厳しく,民間サービサー(債権回収会社)による過酷な債権回収などが社会問題ともなっている。
よって,国に対し,学習意欲と能力のある若者が家庭の経済状況にかかわらず進学し,安心して学業に専念できる環境をつくるため,下記の事項について,十全の対応をとるよう強く求める。
記
1.高校生を対象とした給付型奨学金制度を拡充し,大学生等を対象とした給付型奨学金制度を創設すること。
2.無利子奨学金を充実させ,延滞金制度の加算利息については,さらに引き下げること。
3.返還猶予,返還免除,減額返還などの救済制度の周知と拡充を図り,柔軟に適用させること。
4.高等教育の学費の引き下げを図ること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/財務大臣/総務大臣/文部科学大臣/内閣官房長官
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TPPの影響に関する国民の不安を払拭し,対策の確実な実行を求める意見書
環太平洋パートナーシップ(TPP)協定は昨年10月5日に大筋合意し,本年2月4日に署名式が行われた。TPPはアジア太平洋地域に巨大な経済圏を創造し,幅広い分野で21世紀型のルールを構築することにより,我が国の輸出が拡大し,経済再生に資するものと期待される。
一方で,我が国の農林水産業については,関税が即時撤廃となるものや,時間をかけて関税削減,輸入枠拡大となるものがあり,地域への長期にわたる影響が懸念される。
農林水産業は地域の基幹産業であって,食料安全保障のみならず,国土や自然環境,観光資源となる農村景観の保全に不可欠な産業である。国民の不安や懸念を払拭し,成長産業として支援していくために,政府は昨年11月25日に,総合的なTPP関連政策大綱を決定した。
よって,政府に対し,今後,同大綱に基づいた必要な法整備と,速やかな予算の執行を初め,下記の事項について万全の施策を講じることを求める。
記
1.農林水産業の再生産が維持できるよう,恒久的な対策を担保する法整備を行うとともに,政府の責任のもとで,必要な財源を確保すること。
2.農林水産業の体質強化を念頭に,中長期的な対策を講じること。
3.農林水産物の輸出促進に向けた物流インフラの整備を図るとともに,6次産業化をさらに推進し,新たな需要創出を図ること。
4.検疫体制の強化により,輸入食品の安全性を確保し,国民の不安を解消すること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:内閣総理大臣/財務大臣/厚生労働大臣/農林水産大臣/経済再生担当大臣/地方創生担当大臣
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寡婦控除を未婚の母子世帯まで拡大することを求める意見書
寡婦控除は,配偶者と死別または離婚した後,再度結婚していない人で,子供を養育しているひとり親等に対し,一定の所得控除を適用する税制優遇制度である。
この寡婦控除は,一度でも婚姻歴があれば,その後,未婚で子供を産んでも適用されるが,さまざまな事情により,当初から未婚のまま子供を産み育てている母子世帯には適用されない。
寡婦控除が適用されない,合計所得金額が 500万円以下の未婚の母子世帯の場合,死別または離婚の母子世帯と同収入であっても,課税される所得金額が35万円高くなるため,その分所得税が高くなる。
また,寡婦控除の影響はそれだけにとどまらず,保育料や公営住宅の家賃の算定等にも及ぶため,未婚の母子世帯と他の母子世帯の間での経済的な格差は拡大している。
日本弁護士連合会は,この件について,未婚の母親たちから人権救済の申し立てを受け,合理的な理由のない差別であり憲法違反だとして,国と母子が居住する自治体に対して,経済的苦境を救済するよう要望書を出している。
非正規雇用者がふえる中で,さらに低所得者層が多い母子世帯において,婚姻歴の有無により,寡婦控除の対象を分けることは問題であり,母子の人権を守る視点からも,早急に改善すべきである。
民法の分野では,両親が結婚していたかどうかで子供の相続分に差をつける民法の規定は,法のもとの平等を定めた憲法に違反するとした最高裁判所大法廷の判断を受け,2013年に政府が提出した民法改正案が成立し,嫡出子と非嫡出子の相続分は同等になった。税制の分野についても法改正が必要である。
よって,国に対し,下記の事項について強く要請する。
記
1.寡婦控除制度における未婚の母に対する不公平をなくすため,寡婦控除を未婚の母子世帯まで拡大する法律改正を早期に実現すること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/財務大臣/厚生労働大臣
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女性差別撤廃条約批准国として条約上の責務を積極的に果たすことを求める意見書
昨年12月16日,民法の夫婦同姓を強制する規定について,最高裁判所大法廷は,憲法第13条(個人の尊重),第14条(法の下の平等),第24条(両性の平等)に違反しないとする判決を下した。同時に,選択的夫婦別姓を,合理性がないと断ずるものではないとも述べ,この種の制度のあり方は,国会で論じられ,判断されるべき事柄として国会での議論に委ねた。
同時に,女性だけに課せられた,離婚後6カ月の再婚禁止期間については, 100日超の期間を違憲とする判断も示した。
こうした中,国連の女性差別撤廃委員会は本年3月7日,日本の女性差別撤廃条約の実施状況に関する審議の結果をまとめた総括所見を公表した。
総括所見は日本政府に対し,政治参加や雇用,教育,暴力防止など,あらゆる分野で,差別根絶,女性の権利保護を推進する上での懸念と改善すべき課題を勧告し,前回勧告で直ちに是正すべきとされた夫婦同姓の強制,結婚最低年齢の男女差,女性のみに適用される再婚禁止期間などの民法の差別的規定が改正されていないことに対しては,改正のための即時措置を再び勧告した。
また,今回の総括所見では,日本軍慰安婦問題について,被害者の権利を認識し,被害の回復と同時に,公人や政治家の加害を否定する発言の防止を求めた。
さらに,障害女性やLGBT(性的マイノリティー),アイヌや在日コリアンなど,さまざまなマイノリティーの女性たちへの差別解消に言及するとともに,同一価値労働同一賃金の原則に基づいて,男女の賃金格差を縮小すること,雇用差別に遭った女性の司法へのアクセスを保証し,職場でのセクハラを禁止,防止する法的措置をとることを要請している。
よって,国に対し,国連の女性差別撤廃条約の締約国として,国会に選択的夫婦別姓を議論する場を早急に設置することを初め,条約上の義務を実施するという政府の責任を果たすことを強く求める。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/法務大臣/厚生労働大臣/女性活躍担当・男女共同参画担当大臣