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第419回高知市議会定例会市長説明要旨(平成22年3月8日)

第419回高知市議会定例会にご出席をいただき,まことにありがとうございます。

議案の説明に先立ち,当面する市政課題に関連して,ご報告と考え方を申し上げ,ご理解を賜りたいと存じます。

1 国政・経済の動向

まず,国政及び経済の動向について申し上げます。

さる2月23日に内閣府が発表しました月例経済報告では,「景気は持ち直してきているが自律性に乏しく,失業率が高水準にあるなど,依然として厳しい状況にある」と報告されています。

財務省が2月24日に発表した今年1月の貿易統計速報では,対米輸出が前年同月比24.2パーセント増と2年5か月ぶりに増加に転じ,中国向け輸出も54.5パーセント増と2か月連続で増加しています。

しかしながら,トヨタ自動車の大規模リコールの問題が景気回復の懸念材料となっているほか,ギリシャを中心とするユーロ圏諸国の財政破綻の問題など,海外景気の動向やデフレの影響等による景気の下振れが懸念されています。

厳しい経済状況が続く中で,先月23日に明治29年以来,110年余にわたり,本市で操業を続けております太平洋セメントの土佐工場が本年9月末までにセメント生産を中止するという大変ショッキングな発表がなされました。

高知市におきましても,県とともに鉱山開発から工場の操業まで最大限の支援をしてきただけに大変ショックであり,この結果は残念でなりません。

土佐工場のセメント生産中止が本市の雇用や地域経済に与える影響を可能な限り最小限に抑えるために,県等の関係機関と緊密に連携しながら,同社との間で具体的な協議を行い,早急に必要な対応を図ってまいりますので,ご支援賜りますようお願いいたします。

こうした厳しい国内経済状況の中,国における平成22年度当初予算案は,「国民生活が第一」,「コンクリートから人へ」という民主党連立政権の理念の下,国民生活に安心と活力をもたらす施策を中心に「いのちを守るための予算」として現在,国会で審議中であります。

新年度の地方財政対策については,国税及び地方税の税収の大幅な落ち込みに対する補てん措置として,1.1兆円の地方交付税の増額が図られるなど,地方への一定の配慮がみられる国家予算となっています。

しかしながら,地方団体がこれまで強く要望し,総務省が事項要求として概算要求しておりました「交付税の法定率の引上げ」は見送られ,交付税増額の財源は特別会計への償還先送りなどで措置されましたので,後年度における交付税の実質的な減額が懸念される予算編成となっています。

また,平成20年度からは国の経済対策による財源として多額の国債が増発されてきましたが,本年度末には,国と地方を合わせた政府部門の資産から負債を差し引いた正味資産がマイナスに転じることが確実視されており,国債頼みの財政運営からの脱却が急がれます。

そのため,政府は本年6月までに,中期的な財政再建目標と平成23年度からの3か年の予算を管理する中期財政フレームを策定することとしていますが,平成22年度に実施される地方への予算的な配慮が23年度以降も維持される保障はありませんので,去る2月27日に来高されました鳩山総理との意見交換の場で,直接,総理に交付税の継続的な充実を切にお願いしたところであります。

鳩山総理からは,「現政権にとって,地域主権は一丁目1番地の重要施策であり,今後とも交付税の充実に向けて努力する」とのご回答をいただいたところでありますので,今後とも地方六団体と連携しまして,その実現に向けて積極的に働きかけてまいります。

2 財政再建・行政改革・組織改革

次に,本市の財政再建について申し上げます。

平成20年9月議会におきまして,平成21年度から25年度までの5か年で約300億円前後の財源不足が見込まれる旨をご報告させていただきました。

昨年の地域説明会では,この財源不足を解消するための収支改善策としまして,人件費の削減や事務事業見直し,公共事業の抑制等を行っても,なお不足する部分につきまして,固定資産税の超過税率の引上げ等,市民の皆様への新たなご負担をお願いいたしましたが,固定資産税の税率引上げに関しましては,新政権の下で税の扶養控除の廃止等が論議されてきたことや,厳しい経済状況に鑑みまして,昨年12月にその提案の撤回を決断いたしました。

その後の状況でありますが,平成22年度の地方財政対策での1.1兆円の交付税の上積み等によりまして,市税,交付税,臨時財政対策債の合計では,当初予算比20億円,21年度普通交付税算定結果からは5億円の一般財源の増加を見込むことができました。

また,清掃工場の和解解決金の活用や高知医療センターのPFI割賦金の借換えによる負担減など新たな収支改善要素も見込めることとなりました。

これらの要素を直近の財政再建計画に反映させまして,再試算した財政収支見通しでは,平成21年度も含めた25年度までの5か年の財源不足は総額で244億円前後と見込まれ,当初の300億円前後の不足額から約56億円の改善となっています。

残ります244億円の財源不足への対応として,まず,平成22年度の約53億円の不足額を解消するため,人件費の削減や事務事業見直しなど予算編成等を通じまして,徹底的な歳出削減に努めました。

まず,人件費では,新陳代謝による減額等と併せて職員給の独自カットについて職員の協力を得ることができましたので,若年層を除きまして最高5パーセントの給料月額の独自削減や管理職手当の最高10パーセントの引下げを行うことといたしました。

これらによります平成22年度の職員給与の削減額は,対前年度比較で一般会計では約9億6千万円の減,全会計では11億3千万円余りの減額となり,平成21年度も大幅な削減をしておりますので,平成20年度当初予算との人件費比較では,全会計で約20億円の削減となっております。

さらに,事務事業見直しでは約7億2千万円,公共事業の抑制で約16億4千万円の削減を行っておりますが,その上で,なお財源が不足します部分につきましては,基金の取崩しや退職手当債の発行で対応することとし,本年度の収支不足をなんとか補ったところであります。

平成23年度以降の3か年に残ります財源不足額約164億円につきましては,さらなる経費の削減を進め,減量を目的とします家庭ごみ処理の有料化などをお願い申し上げながら収支改善を果たしてまいりたいと考えております。

今議会におきまして,これらの取組を新たな財政再建推進プラン案としてお示しさせていただきましたが,財政破綻は絶対に回避するという強い決意で取り組んでまいりますので,議会の皆様方の今後とものご理解とご協力をお願いいたします。

次に,行政改革の取組について申し上げます。

まず,平成20年3月に策定しました新・定員適正化計画につきましては,平成20年1月1日の総定数3,133人に対しまして,実人員ベースでは約330人削減し,22年度当初時点で約2,800人の見込みとなっています。

組織機構改革の取組をはじめ,行政改革第二次実施計画やアウトソーシング推進計画の推進,事務事業の抜本的な見直しなどを行うことによりまして,計画達成に向けた職員数の削減を進めております。

次に,機構改革についての取組ですが,厳しい財政状況が続く中で,地域産業の活性化をはじめ地方分権改革の推進,地域コミュニティの再構築や消費者行政の推進など,新たな行政課題へ対応できるように,効率的かつ柔軟な組織運営を図ることを目的として,組織・機構の見直しを行ってきております。

新年度に向けましては,これまで市民の皆様との信頼関係で培ってまいりました市民協働を,さらに継続・発展させていくまちづくりを推進するため,市民生活部を市民協働部に改組し,地域コミュニティの再構築などの課題に対応しながら,安心安全のまちづくりを一層進めていく組織体制として再編いたします。

また,3区画整理事業の完成などハード事業の縮小に伴いまして,今後,維持管理を重視した効率的な管理体制を図るため,都市整備部と建設下水道部を統合し都市建設部として再編します。

そのほか,保健所の危機管理体制や総務機能の充実を図るため保健総務課の新設や,合併地域の今後の振興に主眼を置き,鏡・土佐山地域にあるそれぞれの課を地域振興課に改組,さらには,ごみの減量化などを通じて今後の課題であります低炭素都市を目指していくための低炭素都市推進室の設置など,業務の関連性の深い部署の統廃合をはじめ,部局を越えた業務の再編や意思決定の迅速化など,機動力のある行政運営を行ってまいります。

次に,指定管理者制度の導入とアウトソーシングの推進について申し上げます。

まず,指定管理者制度につきましては,来年度から,自由民権記念館,春野文化ホールピアステージ,春野市民図書館,春野郷土資料館について,新たに指定をした指定管理者による管理がスタートします。

平成20年3月に策定しましたアウトソーシング推進計画につきましては,来年度から,庁内印刷業務,水道局料金課業務,移動図書館業務の民間委託や,競輪事業の包括委託などを進めていくこととしています。

ごみ収集業務につきましては,本年4月には環境部と総務部が連携しまして,庁内の検討委員会を立ち上げて,ごみ収集業務の今後の方向性や,業務体制及び法令関係の整理,定員の適正化や部分委託の一部試行等に向けて具体的な検討と協議を進めてまいります。

また,潮江東小学校で試行しております学校給食調理の外部委託につきましては,特段の問題もなく,ご好評をいただいておりますので,さらに,検証委員会の報告も受けて,平成23年度からの方向性を決定してまいります。

次に,行政改革実施計画について申し上げます。

本市では,平成14年策定の行政改革大綱に基づき,平成19年度から21年度までの3か年の行政改革第二次実施計画を策定し,改革を推進してまいりました。

今般,この第二次実施計画を踏襲継続し,平成22年度から24年度までの3か年の第三次実施計画を策定することとしました。

今次の計画は,「市民の暮らしに視点を置いた行政経営改革」を目標に掲げ,市民の皆様のご協力を得ながら,組織を挙げて取り組むべき行政経営改革の行動計画として位置付け,引き続き,「事務事業の抜本的改革,業務プロセス改善の徹底化,業務アウトソーシングの推進」の3つの柱を最重点項目として取り組むとともに,外郭団体の見直しや企業会計への移行,公会計制度改革への対応,遊休資産等の売却の推進,既存施設の長寿命化,市税等の徴収率の向上などを重点項目として,全体で58項目の取組を推進することとしています。

3 新しいまちづくり

次に,地域コミュニティの再構築について申し上げます。

新政権では基礎的自治体である市町村を地域主権の中心として捉え,事務事業の権限と財源を大幅に委譲する方向で検討が進んでおり,地方分権の流れがこれまで以上に加速され,今後ますます市町村の果たすべき役割は重要となってまいります。

そうした社会背景の下,高知市がこれまで進めてまいりました「市民と行政のパートナーシップによるまちづくり」の施策展開も,次のステージに進めていかなければならないものと考えています。

高知市では,平成3年に策定しました高知市総合計画1990において,コミュニティ計画を,「市民参加と創造による住民自治」を基本に,人間性豊かな心の触れ合う地域社会の形成を目指す計画として位置付けて,計画策定と推進に努め,一定の成果を挙げてきたところです。

しかしながら,これまで積極的に地域コミュニティを支えていただきました方々の高齢化や固定化など今後の担い手不足が懸念されるとともに,それぞれの組織活動の弱体化も心配されています。

これらの課題解決のために,本年4月から,町内会・自治会などの地縁組織や各地域の民協や社協,青少協,コミュニティ推進市民会議などの各種団体と意見交換を行いますとともに,市民と市職員で構成する(仮称)「地域コミュニティ検討委員会」を設置し,今後の地域主権に向けて地域に根ざした活動の活性化を図るため具体的な仕組みづくりに取り組んでまいります。

次に,平成22年度末の策定を目指しております次期総合計画につきましては,本年3月末の原案作成に向けて,庁議メンバーで組織する総合計画策定委員会で議論を重ね,最終案として取りまとめを進めております。

新しい共生文化の創造を目指す次期総合計画の将来の都市像として「森・里・海と人の環(わ) 自由と創造の共生都市 高知」を掲げた基本構想の原案部分につきましては,本年1月22日から2月18日の間,市民の方々を対象にパブリックコメントを実施するとともに,2月9日には町内会連合会の役員の方々との意見交換会を行い,新たなまちづくりの方向性について様々なご意見をいただいたところであります。

また,将来の都市像を実現する基本計画につきましては,「環境維新・高知市」を,高知らしさを活かし地域の活力を高める総合戦略と位置付け,「低炭素都市・循環型都市の創造」,「環境と食を軸に据えた産業振興」などをはじめとする6つの方策を「維新推進のエンジン」と位置付け,総合的な連携を図りながら,すべての人々がいきいきと活躍できる活力に満ちた高知市を目指してまいりたいと考えております。

来年度は第一次実施計画の策定とともに,各種団体の代表者や学識者の方々,議会の代表の皆様など60名で構成する審議会において,これまでの総合計画の総括も含め,次期総合計画原案の審議を行ってまいりますので,よろしくお願いいたします。

今後も総合計画に関します市民の皆様方への情報公開をさらに進めながら,様々な機会を通じて市民の皆様のご意見を幅広くお聞きし,計画に反映してまいりたいと考えております。

次に,定住自立圏構想への取組について申し上げます。

次期総合計画の策定と並行する形になりますが,高知市と周辺の南国市,香南市,香美市とが一つの圏域形成を目指す定住自立圏構想につきまして取組を進めております。

定住自立圏構想は,原口総務大臣が「原口ビジョン」として打ち出しています「緑の分権改革」推進プランにおいて,地域の力を高める地域主権型社会への転換を目指す重要政策の一つとして位置付けられており,今後,定住の受皿として圏域で取り組む様々な地域活性化策に国の財政支援が行われるものであります。

昨年9月30日に中心市宣言を行い,本年中には南国市,香南市,香美市と1対1の協定を締結し,具体的な事業計画となる「圏域共生ビジョン」の策定を行ってまいりたいと考えております。

次に,過疎地域自立促進特別措置法,いわゆる過疎法につきましては,本年3月末をもちまして現行の過疎法が期限切れとなりますので,平成22年度から6年間制度を延長することで与野党が合意し,改正法案が今国会に提出されております。

高知市域のうち現行の過疎法で過疎地域とみなされております鏡,土佐山地域では,これまでも財政的に有利な過疎債を活用して市道や農道林道などの整備を実施してまいりましたが,改正過疎法では,新たに認定子ども園や図書館などの施設整備が過疎債の対象事業に追加されるとともに,医師や生活交通の確保といったソフト事業にも拡充される予定であります。

改正過疎法が本年4月1日から施行されますと,国からは新たに過疎地域における自立促進計画策定に向けた具体的なスケジュールと事務要領が示されてまいりますので,次期総合計画との整合性を図りながら精力的に取り組んでまいります。 

4 ごみ収集有料化と低炭素社会への取組

次に,ごみ収集有料化と低炭素社会への取組について申し上げます。

政府は地球温暖化を防止するために,2020年に温室効果ガスを1990年比でマイナス25パーセントの削減目標を掲げ,地球環境を守り,未来の子どもたちに引き継いでいくための様々な施策を打ち出しています。

高知市におきましても,豊かな地球環境を次の世代にしっかりと引き継ぐために,ごみの減量や3Rの推進による循環型社会の形成や,温室効果ガスの発生を抑制することなど低炭素社会への転換を図ることが強く求められており,その取組を進めてまいらなければならないと考えています。

まず,ごみ減量等を目的とした家庭ごみ有料化につきましては,昨年7月14日から12月10日まで市内74か所で地域説明会を開催し,市民の皆様にごみ減量の必要性を訴えるとともに,家庭ごみ有料化の具体案をお示しし,多くのご意見やご要望をいただきました。

説明会でいただいた1,298件のご意見と,アンケートでのご意見1,142件につきましては,議会にご報告いたしますとともに,市のホームページなどで広く公表しているところです。

家庭ごみ有料化につきましては,ごみ減量や再資源化を進め循環型社会の形成を図っていくとともに,現状の危機的な財政状況の中で,安定的な環境行政を行っていく上でも避けられないものと考えております。

市民の皆様のご意見や議会でご議論いただきました内容等を踏まえ,ボランティア清掃によるごみへの対応や,減量が困難な紙おむつを使用されている方々や乳幼児への負担を軽減する措置などを導入するとともに,あまりごみを出されない方々のご意見等も踏まえ,より小さな指定ごみ袋も作製することとし,今議会に関連する議案をお諮りしたところであります。

また,新年度予算におきましては,平成23年2月からの円滑な制度導入に向けまして,市民の皆様方への周知をさらに図ってまいりますとともに,指定ごみ袋の製作や,保管・販売等につきましては,市民の皆様からご提案いただきました町内会・自治会での販売も含め,効果的・効率的な仕組みづくりに取り組み,ごみの減量・リサイクルの促進,不適正排出・不法投棄等の防止に向けた一層の取組を進めてまいります。

今後,資源循環型の環境都市を目指して,これまで培ってきた高知方式の維持・発展を図りながら,市民の皆様とともに,ごみの減量化を推進してまいりたいと考えておりますので,ご理解賜りますようお願いいたします。

次に,低炭素社会に向けた取組につきましては,来年度から環境部に低炭素都市推進室を設置し,体制を強化することとしております。

特に,地球温暖化対策の一層の推進のため,業務・家庭部門における省エネルギー対策の強化を図る目的で改正された「エネルギーの使用の合理化に関する法律」が本年4月から施行されることに伴い,本市も市長部局,教育委員会及び水道局が国の指定を受ける特定事業者として,エネルギー使用の低減に向けた中長期計画書の作成を行うなど必要な対策に取り組んでまいります。

また,平成21年3月に策定しました「高知市地球温暖化対策地域推進計画」に基づき,昨年,市内量販店等14社及び市民団体等5団体と「土佐から始まる環境民権運動推進協定」を締結しました結果,早速レジ袋の配布枚数の削減等の効果が現れてきておりますので,今後は,さらに幅広く他の事業者にも参加を働きかけ,協定締結の拡大を図ってまいります。

5 平成22年度当初予算

次に,平成22年度当初予算について申し上げます。

平成22年度は,未来につながる協働都市「高知」を目指し,財政再建を着実に果たしながら,「市民の暮らし・安心安全の確保」と「地域経済の活性化」に重点的に取り組むことを目標に予算編成いたしました。

・重点施策の取組

以下,重点施策について順次ご説明申し上げます。

[市民の暮らし・安心安全の確保]

一つ目の重点の柱が「市民の暮らし・安心安全の確保」についてであります。そのうち,まず,少子化対策への取組について申し上げます。

子ども手当につきましては,民主党マニフェストに基づき,中学校修了までの児童を対象に所得制限を設けることなく,養育しているすべての方々に支給する子ども手当が創設されることとなりましたが,平成22年度の支給額は児童一人につき半額の月額13,000円となっており,23年度以降は26,000円に増額される見通しであります。

平成22年度は国の財源が不足する関係で,子ども手当の中に従来の児童手当分が含まれる制度設計となっており,事業主と地方公共団体の財源負担が1年間継続されることとなりましたが,本格実施となります23年度からは,全額国費による支給方法を国に対して強く求めてまいります。

次に,子育て支援センターの整備について申し上げます。

核家族化の進展や地域のつながりの希薄化などにより,家族や地域の中で子育ての知恵や経験を共有することが難しくなり,周囲に手助けを求めにくい状況にもありますので,子育てしやすい環境づくりが大切です。

本市では,子育て家庭に交流の場を提供し,子育て相談や子育て情報の提供を行うなど,地域の子育て家庭に対する総合的な支援施設として,市内8か所に子育て支援センターを設置し,多くの子育て家庭に利用されています。

今回,今まで地域の子育て家庭への支援施設が少なかった東部地域におきまして事業を新たに開始するため,東部健康福祉センター1階にあります旧高齢者デイサービス施設部分を子育て支援センターとして改修整備することとし,東部地域での子育て支援の拠点施設として平成23年度からの開設を目指してまいります。

次に,認定子ども園について申し上げます。

近年,出産後の母親の就労復帰時期が早くなっているため,低年齢児の保育ニーズが高まってきており,待機児童の解消が課題となっています。

このことへの緊急的対策として,平成22年度に県の子ども基金を活用し,幼稚園型認定こども園に対しまして,保育部分に入所している0歳から2歳までの保育に欠ける児童に係る事業費の一部を助成することといたしました。

同様に,幼稚園の認定こども園への移行を前提とした,保育所機能部分の増改築工事に要する事業費の一部を補助するなど,子どもさんを安心して育てることができる体制整備を行ってまいります。

次に,高齢者福祉と障害者福祉について申し上げます。

昨年度策定しました高齢者保健福祉計画及び第4期介護保険事業計画に基づき,特別養護老人ホームを整備するため,施設整備費の一部を補助することといたしました。

介護保険制度が平成12年にスタートとして以来,本市において新たに特別養護老人ホームが整備されるのは初めてのこととなりますが,既存施設の増床と施設新設により,700名を超す入所申込者があることや介護療養病床の廃止を平成23年度末に控えておりますので,可能な限り前倒しして整備したいと考えております。

併せてショートステイ専用の居室も増床又は新設することとしており,介護を必要とする高齢者の方々が,できる限り在宅生活を継続できるように支援する環境を整えてまいります。

また,身体障害者授産施設「小高坂更生センター」につきましては,昭和44年竣工の施設で老朽化が著しいために,本館等の建替え及び入所部分のグループホームへの改修などの整備事業に対して補助を行うことにより,利用者への障害福祉サービスの一層の向上を図ってまいります。

火災や今後想定されます南海大地震などの防災面におきまして,利用者の安全を確保するとともに,障害者自立支援法に基づく新体系事業への円滑な移行を図るものであり,平成22年度中の竣工を予定しております。

次に,後期高齢者医療制度の見直しの動向とその対応等について申し上げます。

新政権の下で,平成24年度末で現行制度を廃止した後の新たな制度設計を検討するために設置されました「高齢者医療制度改革会議」が先月までに3回開催され,私も改革会議の委員として,全国市長会を代表し意見を述べております。

第1回,第2回と各委員によるフリーディスカッションを行い,第3回の会議では,各委員の意見を基に「制度の基本的な枠組みと運営主体の在り方」について論議しております。

引き続き,概ね月1回のペースで開催が予定されており,今月には「費用負担の在り方」,4月には「保険料,給付,医療サービス等の在り方」について論議いたしまして,この夏には中間取りまとめを行う予定であります。

これまでの論議を通じまして,各委員の認識として,新たな高齢者医療制度の受け皿としては国民健康保険が有力であり,国保制度の都道府県単位での広域化及び再編は避けて通れないとの共通認識が広がりつつあり,新制度の財政構造の在り方を含めまして,論議を深めていく必要がありますので,今後とも積極的に発言してまいりたいと考えております。

次に,総合あんしんセンターについて申し上げます。

平成20年3月から建設工事を進めておりました総合あんしんセンターが,いよいよ完成し,3月23日にオープンすることとなりました。関係者の皆様に,改めまして感謝を申し上げます。

総合あんしんセンターには,保健所,危機管理室,消防局の高知市の機関に加え,医師会,歯科医師会,日赤高知県支部などの関係団体が入居するほか,初期救急医療を担う急患センター,歯科保健センターも設置されることとなっており,保健,医療,防災の総合的な拠点施設として,市民の皆様方の安心,安全を守る重要な機能を担うこととなります。

中心となります保健所につきましては,中核市としての高知市保健所が完成することにより,これまで県の保健衛生総合庁舎と塩田町の保健福祉センターに分散して行ってきた保健所業務の統合と検査機能の充実によりまして,効率的で迅速な対応が可能となります。

加えて,医療に関する心配事や苦情などの相談に対応する「医療安全支援センター」や,障害のあるお子さんや発達に心配があるお子さんの相談に対応できる「こども発達支援センター」の設置など,市民に身近な中核市保健所としての機能強化を図りながら,関係団体との密接な連携の下,一層の保健,医療,福祉の充実に努めてまいります。

また,ここ数年本市においては,幸いにも台風や豪雨による大きな被害は出ておりませんが,全国的には山口県や兵庫県などで豪雨災害が相次いでおり,また,次期南海地震は本年1月に今後30年間の発生確率が60パーセント程度とされましたので,地震は間違いなく刻々と近づいています。

総合あんしんセンターは,保健所機能に加えて消防局と災害対策本部機能を併せ持つとともに,医師会等関係団体の施設も含めた総合的な防災拠点施設ともなりますので,大規模災害時には災害情報の早期把握と緊急を要する事象への迅速かつ的確な対応や,災害医療救護活動など密接な連携が可能になってまいります。

「市民の命と財産を守る」ための総合防災センターとしての機能を発揮し,防災関係機関等との連携強化を一層進め,「災害に強いまちづくり」「安心・安全のまちづくり」の実現を図ってまいります。

次に,旭駅周辺整備計画について申し上げます。

旭駅南側周辺の地区は狭隘な道路が多く,災害時に倒壊が予想される木造住宅も密集しており,近づきつつある南海大地震から命を守るための防災対策上の観点からも密集市街地の解消を早期に図る必要性に迫られており,住環境を改善し,安心・安全のまちづくりを進めていくことが重要です。

今年度は,昨年度に引続き,まちづくりワークショップを開催し,まちづくりの計画を住民の皆様方と一緒に考えてまいりました。

平成22年度はその計画に基づき,特に優先的に整備すべき地区と考えております中須賀町と下島町の2地区において,住民の皆様方と合意形成を図りながら具体的な整備計画を取りまとめるとともに,平成23年度からの段階的な事業化を目指してまいります。

 次に,学校施設の耐震化について申し上げます。

学校施設の耐震化につきましては,全220棟の施設のうち今後耐震化対策が必要な施設が97棟残っておりますので,特に大地震によって倒壊等の危険性が高いとされる学校施設の耐震化対策を最優先で進めているところです。

 現在,国の平成21年度補正予算を活用し,昨年の6月補正予算で前倒しして校舎9棟,体育館4棟合わせて13棟の耐震補強工事を,22年度にかけまして実施することとしており,これらの工事が完了しますと,耐震化の進捗率は62パーセントとなります。

また,平成22年度当初予算では,潮江東小学校体育館の改築工事を2か年の継続事業により実施するとともに,高知商業高等学校の図書館・食堂棟の耐震改修工事を実施することとしました。

さらには,校舎,体育館合わせて4棟の耐震補強設計と10棟の耐震診断等を実施することとし,より一層の耐震化対策の推進に努めてまいります。

次に,本市の学力向上の取組等について申し上げます。

本年度の「全国学力・学習状況調査」の結果から,本市における中学生の学力や学習習慣の定着状況が,前年度と比べて改善されてきたことが明らかになりました。

県からの重点的な支援もいただきながら,これまで各校において進めている「授業改革」や「中学校学習習慣確立プログラム推進事業」の成果が出始めたことによるものと捉えており,平成22年度も本事業を継続するとともに,放課後学習支援員・中学校学力向上補助員・学習チューター等の人的支援についても充実を図ってまいります。

学力向上や学習習慣の確立をさらに確かなものにするためには,小学校・中学校9年間のスパンで子どもたちの学びや育ちを捉えることが重要であり,そのために,来年度は8中学校区をモデル地域とした「小・中学校連携推進事業」をスタートさせることとしております。

小・中学校の教職員が,学習指導や生徒指導等について連携し,一貫性のメリットを活かした教育活動を実践しながら,すべての子どもの学びと進路を保障する取組を進めてまいります。

また,「道徳教育重点推進事業」を活用し,学校における道徳教育の指導体制を確立することや,「人間関係づくりプログラム」の取組を推進し,心の教育の充実に努めたいと考えます。

さらに,本年度,原田隆史先生のご協力をいただき開催しました高知教師塾においては第1期30名,第2期42名の教員が参加され,1日8時間の研修を5回にわたって受講する中で,まず,教師としての人間形成に努めること,社会全体や世界の情勢など広い視野に立った教育観を持つこと,さらに自らの目標を設定し,その評価活動を行うことなど,教員としての資質向上を図っております。

今後はその内容が各学校に広がり,高知市の教育力向上にも好影響を与えるものと確信しておりますので,平成22年度も引き続き,原田隆史先生のご協力をいただきながら,高知教師塾を開催してまいります。

次に,浄化槽管理システム整備事業について申し上げます。

この事業は,本市浄化槽清掃業許可業者との情報ネットワークシステムの構築により,浄化槽の設置状況や保守点検並びに清掃の実施状況の把握,さらに,指定検査機関との連携による検査情報を活用することで,浄化槽の適正管理の向上を図ることを目的に,平成21年度から3か年計画で進めております。

平成22年度は,新設される浄化槽について,関係機関とのオンライン業務の一部運用を開始するとともに,既設浄化槽のデータ入力を関係者のご協力の下で進めまして,平成23年10月の全体運用開始に向けて取り組んでまいります。

 また,併せて,平成22年度末には,浄化槽設置情報と公共下水道,し尿汲み取りに係る既存システムを連携させることにより,本市の汚水処理状況を示すマッピング情報を作成し,下水道計画の見直しへの反映等を行い,本市の実情に即した総合的な汚水処理対策の推進を図ってまいります。

 次に,下水道事業について申し上げます。

 まず,雨水対策につきましては,98豪雨以降,ここ数年,大きな台風災害などはありませんが,浸水のないまちづくりを進めるため,重点課題として継続的に取り組んでいます。

平成22年度は,現在,整備を進めております長浜雨水ポンプ場の暫定供用を開始するとともに,長浜6号雨水幹線管渠工事を引き続き行ってまいります。

また,宅地化が急速に進んでおります一宮徳谷地区におきましては,通学児童の安全を守るため,雨水幹線管渠の工事に順次着手するとともに,新たな高知の玄関口として街並みの整備が進んでおります北江ノ口地区の浸水対策事業にも順次,着手してまいります。

次に,下水道事業の公営企業化につきましては,下水道事業は地方財政法上,公営企業と位置付けられており,独立採算による長期的に安定した経営を目指す必要がありますので,経営の健全化や計画性・透明性の向上を図るため,地方公営企業法の適用が求められております。

そのため,平成21年度から企業会計の移行に向けて,先進地への照会や職員の研修派遣等による情報収集を行うとともに,基本方針の検討を進めており,平成22年度は資産調査等の具体的な準備に着手いたしまして,平成26年4月からの企業会計への移行に向けて取組を進めてまいります。

[地域経済の活性化]

次に,二つ目の重点の柱であります「地域経済の活性化」について申し上げます。

まず,雇用対策について申し上げます。

本年1月の県内の有効求人倍率は,県全体で0.44倍,高知市を含むハローワーク高知管内では0.53倍となっております。

県内の雇用環境の実態は引き続き厳しいものがあり,国の様々な制度を積極的に活用し,雇用環境の改善に向けて全力を挙げていかなければなりません。

平成22年度の重点的な取組として,「緊急雇用創出事業」及び「ふるさと雇用再生特別基金事業」では,雇用創出効果を早期に生み出すため,平成21年度からの継続事業を含めて可能な限り前倒し実施することとし,平成22年度事業に合計49事業,事業費総額4億2,284万円を計上し,374人の新規雇用の創出を目指すこととしております。

今後につきましても,雇用情勢や国の動向等にも留意しながら,新たな制度の導入など積極的に対応してまいります。

次に,市内3地区で施行してまいりました土地区画整理事業は,3地区とも昨年度に工事が概成し,都市機能や居住環境,防災機能が飛躍的に改善しています。

議会の皆様方や地権者をはじめとします関係者の皆様方に心から感謝を申し上げます。

本年度からは,換地処分に向けた作業を進めており,潮江西部地区は換地処分の公告を本年2月に行い,高知駅周辺地区及び弥右衛門地区は夏ごろに換地処分の公告を行う予定であり,3地区とも来年度から清算金の交付及び徴収を行ってまいります。

次に,中心市街地の活性化について申し上げます。

本市の中心市街地の東の拠点に当たります高知西武跡地につきましては,昨年11月に大阪の不動産会社に売却され,遊技系施設の建設が濃厚である旨の報道があり,反対署名活動が行われるなど,多くの市民や関係者の方々から大きな関心が示されております。

このような状況を踏まえて,本年年明け早々に尾崎知事や経済界の方々とともにこの不動産会社を訪問し,はりまや橋地区の歴史的な由来や県民,市民の熱い思いをご説明申し上げ,周辺環境に配慮した施設整備を強く申し入れ,不動産会社からは申し入れの趣旨を損なうことのないプランニングを行う旨の説明を受けております。

また,西武跡地の売却直後に知事と緊急会談を行い,西武跡地問題及び本市の中心市街地の活性化について協議し,「高知の歴史ある城下町の中心的なコアは,高知城からはりまや橋,九反田に至る東西軸であり,このエリアを活性化させていくことが重要である」という共通認識で一致したところであります。

昨年11月には県市合同チームを設置し,高知が全国に誇る「歴史」「食」「文化」の三つのテーマを軸に,「龍馬伝」効果も活かしながら,商店街の活性化や観光振興などを柱とした東西軸の活性化プランの策定を進めているところです。

東西軸の活性化プランでは,現在,65件の事業案が出されておりまして,今後も中心商店街の方々や県民,市民の皆様のご意見などもお聞きしながら,今年度中の活性化プラン策定を目指して作業に取り組んでまいります。

こうした背景の下,昨年,制定された地域商店街活性化法の1号認定事業として,中心商店街にアンテナショップ「てんこす」が先月オープンいたしました。

商店街の若手経営者の方々が新会社を設立し,県内地場産品の販売や,まちづくりのコーディネートなどを展開していく予定であり,今後の中心商店街活性化の拠点の一つとして,東西軸活性化プランの中にも位置付け,県とも連携しながら支援してまいりたいと考えております。

次に,観光振興の取組について申し上げます。

待望の大河ドラマ「龍馬伝」の放送が,本年1月3日から始まり,1月16日には「土佐・龍馬であい博」が開幕いたしました。

1月,2月は観光のオフシーズンに当たりますが,「龍馬伝」の好調さや,プロモーション活動の効果から,「龍馬であい博」のメイン会場である駅前の「高知・龍馬ろまん社中」の入場者は,2月末には予定より早く6万人を突破いたしました。

また,龍馬の生まれたまち記念館では,本年1月から企画展「おりょう物語」を開催するなど,2月までの入館者は,対前年比で約4倍の入館者数となっており,非常に幸先のよいスタートを切っております。

新年度も積極的な事業展開を予定しており,従来から人気が高い「龍馬に大接近」を初めて春に実施するほか,昨年秋にスタートしました「龍馬の生まれたまち歩き」の充実,手紙などに残る龍馬の言葉を活用する事業「龍馬の言葉プロジェクト」,「龍馬伝」の題字の作者である書家の「紫舟さん」の作品展の開催など,観光プロモーションに精力的に取り組み「龍馬のふるさと高知」を全国にアピールしてまいります。

併せまして,今年秋に全国で公開される高知のよさこいが舞台の映画「君が踊る,夏」や,歴史ファンに人気が高まっている長宗我部元親などの新たな素材を積極的に活かすなど,県とも連携しながら,ポスト「龍馬伝」を視野に入れた事業展開を図ってまいります。

また,効果的な観光情報の発信を目指して開設しました新しい観光ウェブサイト「旅色」では,「龍馬伝」の乙女姉やん役の寺島しのぶさんを高知のナビゲーターに起用しましたところ,寺島さんが第60回ベルリン国際映画祭で最優秀女優賞の銀熊賞を受賞したこともありまして,高知のウェブサイトの注目度が一層高まってきています。

高知の「食」のポテンシャルは高く,先月,東京で開催された国内最大級の食品関係を中心とする見本市に高知県ブースを初めて開設し,高知市の企業を含む13社の食品製造業の方々が出展され,多くのバイヤーとの商談実績を挙げられました。

平成22年度以降は,全国の見本市などへ出展する企業に対し,より充実した支援を行い,地産外商の推進を図ってまいります。

次に,農林漁業の振興について申し上げます。

この度,本市では,高知市農林業振興審議会の答申を受け,平成22年度から26年度を計画期間とする第11次高知市農業基本計画を策定しました。

同計画では,市町村合併により多彩な農業地域を併せ持つ本市農業の振興を図るため,基本方針として「地域の特性を活かした農業振興」を掲げ,産業振興計画や各農協の農業振興計画とも連携を図りながら,農業者が意欲を持って農業に取り組めるよう,その実現に向けた施策を実行していくこととしております。

国においては,農政の転換施策の第一歩として,戸別所得補償制度が創設され,平成22年度に実施するモデル対策は,自給率向上のために水田農業のてこ入れを行うねらいがあります。

その内容としては,自給率向上のポイントとなる麦・大豆・米粉用米・飼料用米などについて,シンプルで分かりやすい助成体系の下に生産拡大を促す対策となっています。

また,併せまして,水田農業の経営安定を図るため,恒常的な赤字に陥っています米に対して補てんする対策をセットで行うこととしておりますので,今後,関係協議会の下で,関係機関,団体等とも連携しながら事業推進を図ってまいります。

農業振興において重要である担い手対策については,関係機関,団体等で組織する高知市担い手育成総合支援協議会を中心に,農畜産物価格の低迷などに対応できる安定的な農業経営を目指す認定農業者等の育成確保や農作業の受委託に向けた組織化を支援してまいります。

・当初予算規模等

以上,重点施策についてご説明を申し上げましたが,平成22年度一般会計の当初予算規模は,対前年度当初比22億円減の1,290億円,市債の満期一括償還方式による償還額の借換えによる影響額を除いた実質的な予算規模は対前年度当初比0.5パーセント減となりました。

また,全会計の予算規模は,包括委託に移行します収益事業で11億7千万円余りの減となったことなどによりまして,純計では2,274億8,072万円,対前年度当初比1.2パーセント減となっております。

平成22年度当初予算では,市税や地方交付税等について年間収入見込額を計上しますとともに,減債基金の取崩し等により財源の確保に努めました。

6 平成21年度補正予算

平成21年度補正予算につきましては,国の二次補正予算に伴います「地域活性化・きめ細かな臨時交付金事業」や清掃工場和解解決金を活用した起債の繰上償還,国の一次補正予算による地域活性化・公共投資臨時交付金を活用した事業や同交付金の基金積立てのほか,連続立体交差や港湾等の県営工事負担金,退職手当など,補正総額は全会計純計で54億5,671万余円となっております。

これらの補正財源は国庫補助金等の特定財源のほか,一般財源として地方交付税等を充当いたしました。

7 予算外議案

次に,予算外議案について申し上げます。

条例議案は,法令の改正等によるものなど23件です。

この中で市第29号議案は,平成22年度における職員給について,若年層を除き,最高5パーセントの減額等を行うものです。

市第35号議案は国の地域環境保全対策費補助金を活用して基金を造成するため,高知市グリーンニューディール基金を設置するものです。

市第33号及び市第41号は,総合あんしんセンターの完成に伴う消防局の位置の改正,急患センターの設置を行うものです。

また,市第38号,市第39号及び市第40号は,それぞれ南海保育園,行川保育園,母子福祉センターの廃止を行うものです。

その他議案は,国民宿舎運営事業特別会計の経営健全化計画の策定,包括外部監査契約締結,市道路線の廃止・認定,物品の購入,支払督促及び調停の申立てに関するものなど7件です。

報告5件につきましては,いずれも法令所定の手続によりご報告するものです。

以上,提出をいたしました議案について,概要の説明を申し上げましたが,よろしくご審議の上,適切なご決定をお願いいたします。