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(小児慢性特定疾病)特例措置・重症患者認定について
自己負担上限月額に関する特例措置
下記のいずれかに該当する方は,自己負担上限月額が軽減されます。
1. 受診者が小児慢性特定疾病以外に指定難病(特定医療費)を受けているか,同一保険世帯に,小児慢性特定疾病または指定難病(特定医療費)の助成を受けている方がいる場合。(世帯内按分特例)
受診者が承認される小児慢性特定疾病以外に指定難病(特定医療費)を受けている場合,または,同一保険世帯に受診者以外に小児慢性特定疾病もしくは,指定難病(特定医療費)を受けている方がいる場合は,自己負担上限額が世帯単位で按分され,自己負担上限月額が個人ではなく世帯単位になり,自己負担上限月額最上位者の金額になります。
例:同一保険世帯に難病認定者がおり,難病の上限額が3万円,小児慢性の上限額が1万円の場合
⇒難病の上限額(3万円)が世帯の自己負担上限額となります。
- 難病の自己負担上限額
3万円×(3万円÷(3万円+1万円))=2万2,500円 - 小児慢性の自己負担上限額
3万円×(1万円÷(3万円+1万円))= 7,500円
該当の受給者証の写しと支給認定申請書を提出してください。
≫ 支給認定申請書
2. 人工呼吸器等を装着している方
気管切開を介した人工呼吸器,鼻マスクまたは顔マスクを介した人工呼吸器,体外式または埋め込み式補助人工心臓を常時装着している方で,以下の定める認定基準を満たす場合は,人工呼吸器等装着者の限度額が適用されます。
【全般】
- 食事,更衣,ベッドから車いす等への移乗,屋内外での移動について,全介助または部分介助の状態であること。
【人工呼吸器】
以下の全てを満たすこと
- 小児慢性特定疾病の認定を受けた疾病で装着していること
- 常時(ほぼ24時間)装着していること
- 現に装置を稼働させ人工呼吸を施工していること
- 離脱の見込みがないこと
【体外式補助人工心臓・埋め込み式補助人工心臓】
以下の全てを満たすこと
- 小児慢性特定疾病の認定を受けた疾病で装着していること
- 現に装着を稼働させ循環の維持をしていること
- 離脱の見込みがないこと
適用には「人工呼吸器等装着者申請書」の提出が必要です。申請書の「人工呼吸器等装着者証明書欄」は医師に記載を依頼してください。
3. 先天性血液凝固因子障害(血友病等)の方
以下の対象疾病の方は,自己負担がありません。
- 血友病A,血友病B,先天性フィブリノーゲン欠乏症,先天性プロトロンビン欠乏症,フォンウィルブラント病 等
詳細はお問い合わせください。
重症患者認定について
対象疾病の認定基準を満たしている方のうち,以下に定める重症患者認定基準に該当すると認められた方は,自己負担の軽減があります。
一旦,重症患者認定が認められても,継続更新毎に再申請する必要があります。
1. 費用が高額な治療を長期間にわたり継続しなければならない者として厚生労働大臣が定めるもの(厚生労働省告示第四百六十二号の一)
高額な医療が長期的に継続する方は重症患者として申請することができます。
- 階層区分がC1・C2・Dの方で,小児慢性特定疾病医療の1ヶ月の医療費総額が,5万円を超える月が1年間で6ヶ月以上ある方。
申請には「小児慢性特定疾患医療費支給認定申請書」と「重症患者認定申請書」と5万円を超えた月の「自己負担上限額管理票の写し」が6ヵ月分(1年内)必要です。
申請を受理した翌月からの認定となりますので,該当月が6ヶ月に達したら速やかに申請してください。
2. 療養に係る負担が特に重い者として厚生労働大臣が定めるもの(厚生労働省告示第四百六十二号の二)
身体の状況または当該小児慢性特定疾病に係る治療の内容に照らして,療養にかかる負担が特に重いものについては,重症患者として申請することができます。
下記のいずれかに該当すると認められたものとなります。
1) 小児慢性特定疾病児童等であって,次の表に掲げる症状のうち,1つ以上が長期間(おおむね6ヶ月以上)継続すると認められたもの。
対象部位 | 症状の状態 | 具体例 |
眼 | 眼の機能に著しい障害を有するもの | 両眼の視力の和が0.04以下のもの |
聴器 | 聴覚機能に著しい障害を有するもの | 両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの |
上肢 | 両上肢の機能に著しい障害を有するもの | 両上肢の用を全く廃したもの |
両上肢の全ての指の機能に著しい障害を有するもの | 両上肢の全ての指を基部から欠いているもの又は 両上肢の全ての指の機能を全く廃したもの | |
一上肢の機能に著しい障害を有するもの | 一上肢を上腕の2分の1以上で欠くもの又は一上肢の用を全く廃したもの | |
下肢 | 両下肢の機能に著しい障害を有するもの | 両下肢の用を全く廃したもの |
両下肢を足関節以上で欠くもの | 両下肢を足関節以上で欠くもの | |
体幹・脊柱 | 1歳以上の児童において,体幹の機能に座っていることができない程度又は立ち上がることができない程度の障害を有するもの | 1歳以上の児童において,腰掛け,正座,あぐら,横すわりのいずれもできないもの又は,臥位又は座位から自力のみでは立ち上がれず,他人,柱,杖,その他の器物の介護若しくは補助によりはじめて立ち上がることができる程度の障害を有するもの |
肢体の機能 | 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が,上記(眼及び聴器を除く)と同程度以上と認められる状態であって,日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの | 一上肢及び一下肢の用を全く廃したもの又は四肢の機能に相当程度の障害を残すもの |
2) 小児慢性特定疾病児童等であって,次の表に掲げる疾患群のいずれかについて,同表の治療状況等の状態にあると認められるもの。
疾患群 | 治療状況の状態 |
悪性新生物 | 転移又は再発があり,濃厚な治療を行っているもの |
慢性腎疾患 | 血液透析又は腹膜透析(CAPD(持続携帯腹膜透析)を含む)を行っているもの |
慢性呼吸器疾患 | 気管切開管理又は挿管を行っているもの |
慢性心疾患 | 人工呼吸器管理又は酸素療法を行っているもの |
先天性代謝異常 | 知能指数が20以下,又は1歳以上の児童において,寝たきりのもの |
神経・筋疾患 | 知能指数が20以下,又は1歳以上の児童において,寝たきりのもの |
慢性消化器疾患 | 気管切開管理又は挿管を行っているもの |
皮膚疾患 | 発達・知能指数が20以下,又は1歳以上の児童において,寝たきりのもの |
染色体又は遺伝子に変化を伴う症候群 | 上記の項目のいずれかに該当するもの |