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市長から職員の皆さんへ(令和3年 年度当初あいさつ)

 市民の皆様、職員の皆さんおはようございます。

 職員の皆さんには、喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症対策をはじめ、日々、それぞれの職務に真摯に取り組んでいただいておりますことに、感謝申し上げます。

 本日から、新しい体制で、令和3年度の新たな業務がスタートいたします。コロナ禍の中で迎える令和3年度は、新たに策定した高知市総合計画後期基本計画がスタートする重要な年であり、本日の業務開始に当たりまして、本市の重要施策について、順次申し上げます。

総合計画後期基本計画

 まず、総合計画後期基本計画について申し上げます。

 本年3月定例市議会におきまして、ご決定を賜りました令和3年度当初予算は、「支え合いと絆で希望を紡(つむ)ぐ高知市型共生社会を目指して」をテーマに、「新型コロナウイルス対策」、「高知市型共生社会の実現」、「南海トラフ地震対策」を3本柱として、10カ年の総合計画後期基本計画に基づく第1次実施計画に掲げる施策を着実に推進させる予算となっています。

 この後期基本計画では、新たに、ウィズコロナの対策やデジタル社会への迅速な対応を盛り込み、南海トラフ地震や少子高齢化・人口減少問題への対策強化とともに、SDGsに向けた具体的な活動に取り組むこととしており、「誰一人取り残さない」という理念を重視しながら、高知市型共生社会の実現に精力的に取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。

新型コロナウイルス感染症対策

 次に、新型コロナウイルス対策について申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症については、昨年12月から第3波となる感染が急拡大し、医療提供体制が逼迫する憂慮すべき事態を迎えていましたが、県民、市民の皆様に感染防止対策への積極的なご協力をいただき、現在は、比較的落ち着いた状況にあります。

 一方、先月には、感染力が強いとされる変異株が県内で初めて検出されています。

 全国的には、約2か月半に及んだ緊急事態宣言が全て解除された状況の中で、人々の往来が活発になる年度変わりの時期を迎え、感染拡大の第4波が懸念されていますので、現在、新型コロナウイルス感染症の収束に向けて、その効果が期待されるワクチン接種の円滑な実施に向けて、全庁を挙げて取り組んでいるところです。

 本県におけるワクチン接種につきましては、国から示された、4月中旬からの高知県への配分量が「5万4、600回分」と限定的になり、その配分時期についても来週から今月第4週までの段階的な配分となりました。

 県内人口の約半分が集中し、65歳以上の高齢者が、約9万7、000人の本市にとりまして、現時点で十分なワクチン量は確保できていませんが、来週から段階的に、「約1万5、000回分」のワクチンが配分される予定です。

 今後のワクチンの日本への輸入量によって、本市の準備作業も大きく変わってきますので、国の情報に十分留意するとともに、まずは、今月のワクチン配分量に合わせ、優先接種となります高齢者の方の中で、重症化の可能性が高い、長期入院の高齢者の皆様を最優先に接種体制を整え、円滑な接種を目指してまいります。

 また、現在、大きな影響を受けています地域経済の再生に向けて、県内外の感染状況に留意しつつ、2月臨時議会及び3月定例市議会でご承認いただいた関係予算を速やかに執行しながら、地域経済の復興に積極的に取り組んでまいります。

高知市型共生社会の実現

 次に、地域共生社会の構築について申し上げます。

 地域共生社会を実現していくためには、「支え合いの地域づくり」をきめ細かく、進めていく必要がありますが、地域活動を支えていただいている方々の高齢化や人材の固定化などにより、担い手の確保や、若い世代の方々の地域活動への参加促進が大きな課題になっています。

 特に、新型コロナウイルスの感染拡大によって、人と人が直接つながることが難しくなる中で、就労や住まいなどの課題を抱える、貧困問題が重なり、現場の相談内容は複雑かつ多様化しています。

 そのため、本年4月から施行される改正社会福祉法で新設されました、介護・障害・子育て・生活困窮の各分野における「断らない相談支援」や「参加支援」、「地域づくり」に向けた支援等を一体的に実施するため、「重層的支援体制整備事業」の令和4年度からの実施に向けまして、高知市社会福祉協議会をはじめとする関係機関との協議を精力的に進めます。

 また、地域でのコミュニティ活動を持続可能なものにするため、「市税の1%を地域活動に活用・還元する」制度の創設に向けて、地域で活動されている様々な団体の皆様からのご意見をお伺いしながら制度設計を進めます。

 本年度の機構改革で、健康福祉総務課内の「地域共生社会推進室」を課に昇格させるとともに、庁内組織の「地域共生社会推進委員会」を、本日付けで、市長を本部長とする推進本部に昇格させ、庁内体制の強化を図ったところであり、庁内一丸となって、地域共生社会の実現をめざしてまいります。

南海トラフ地震対策

 次に、南海トラフ地震対策について申し上げます。

 南海トラフ地震等の大規模災害時に、トイレ環境が十分整備されていない避難所等では、日常的な排せつを我慢し水分を控えることによって、血栓症などの命に関わる疾患を招く危険性が高くなることから、「守った命をつなぐ」ための避難所における環境対策として、令和3年度に、8か所の避難所へマンホールトイレを整備し、令和7年度までに39施設への整備をめざします。

 併せて、本市では、「避難行動要支援者対策」として、高齢者や障がいのある方々など、災害時に自ら避難することが困難な方々が安全に避難するための個別計画作成の取組を推進しており、昨年度は、沿岸地域の5地区において、個別計画作成のモデル事業を進めました。

 これらのモデル地区の中には、お一人で避難ができ、心身ともにお元気な方も多くおられますので、本年度からは、ご自身で個別計画を作成していただく「マイプラン方式」を導入し、自助力を高めていただくとともに、個別計画を地域の支援者の皆様と共有することにより、共助による地域防災力の向上と支え合いのあるまちづくりを目指します。

 国においては、「強靭な国土づくり」を強力に進めるため、総額で15兆円規模となる「国土強靭化5か年加速化対策」を進める予定ですので、本市における南海トラフ地震対策の「生命線ともいえる三重防護対策」の早期整備を期待するとともに、橋梁等の老朽化対策を加速化してまいります。

財政の健全化に向けて

 次に財政の健全化について申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症により、市民生活の活動範囲が制限され、地域経済の景気が落ち込んでいる現況は、これまでの財政危機とは全く状況が異なり、国及び地方とも、まさに未曽有の危機を迎えています。

 本市では、新型コロナウイルス感染症の影響が長引く中で、令和3年度当初予算では、市税収入が前年度比較で18億円減収となるなど、厳しい予算編成を強いられました。

 最終的には財政調整基金と減債基金を計32億2千万円取り崩して、何とか収支の均衡を図ったところですが、財政の先行きについては不透明さが増しています。

 本市における今後の収支見通しについては、令和3年度の税収が大幅な減収となる異常値となっているほか、足元の景気の大幅な変動も想定されるため、歳入面での見込みが立ちにくい状況にありますので、適宜、収支推計を見直しながら、「高知市財政健全化プラン」に基づく慎重な財政運営を行ってまいります。

新年度に向けて

 最後になりますが、引き続き、新型コロナウイルス感染症の拡大防止と経済再生の両立を図りながら、市民の皆様の生活を支えていく必要があります。

 日常的な業務を処理しながら、新型コロナウイルス感染症対策の対応を余儀なくされますので、職員の皆さんには、市民の皆様の「健康と生活を守る」ことを最優先に、庁内一丸となって現在のコロナ禍を乗り越えてまいりましょう。

 幹部職員をはじめ、職員の皆様には、本日から新たな体制で、職務を遂行いただきますが、我々が担っている公共の業務は、市民の皆様から付託を受けているものです。

 今一度、最終目的である住民福祉の増進に向けて、職場内でしっかりとコミュニケーションをとりながら、適正な業務遂行を徹底し、デジタル化の進展をはじめ、それぞれの課題事項を共有していただき、スピード感ある施策を展開していただくことをお願い申し上げ、新年度のスタートに当たってのあいさつといたします。

 本年度もよろしくお願いいたします。

 

市長サイン