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歴史万華鏡コラム 2020年12月号

歴史万華鏡
高知市広報「あかるいまち」より

身近な嫌われ者 ―蛇―

12月号写真
●左上から時計回りにシマヘビ、アオダイショウ、ニホンマムシ、ヤマカガシ

四国で見つかっているヘビの仲間は八種で、全ての種が高知市でも見つかっている。このうち、よく見かけるシマヘビ、アオダイショウ、ヤマカガシ、ニホンマムシ四種を紹介する。なお、これら四種は全てが日本固有種である。

シマヘビは、体の色が黄土色の地に、はっきりとした茶褐色の縦じまが四本目立つ。幼蛇は赤茶色の横じまがあり、まるで別のヘビに見える。四国には、全身黒色の個体もいて、カラス蛇と呼ばれるが、同じ種である。毒は持っていないが歯は鋭く、むやみに触るのは控えた方がよい。

アオダイショウは、昔から人の近くに住んでいて、目にする機会が多いヘビである。古い家などでは天井裏にすみ着いて、ネズミを捕ってくれるので、昔の人は大切にしていた。四国で見られるヘビの中では一番大きくなり、一メートル以上の個体がよく見つかる。本種も体の色が、幼蛇と成蛇では大きく変わる。

ニホンマムシは、有名な毒ヘビで、高知では「ハメ」と呼ばれる。毒牙は口の前の方にあって、攻撃する時は口を大きく開いて、相手をたたくように牙を突き立てる。強い毒を持っているが、性質はおとなしい。見つけられ次第、殺されたり、まむし酒にされたりするため、最近は数が少なくなってきている。

ヤマカガシは、水辺でよく見かけるヘビである。体の色は赤、黄、黒のまだら模様で、幼蛇にはとても目立つ黄色い首輪模様がある。本種も毒を持っている。毒牙は奥歯なので、仮に人が噛まれても毒が入りづらいが、やはり触らない方がよいだろう。ヤマカガシには、牙から出す毒のほかに、首の所にも毒を出す仕組みがある。体を強く押さえると、毒を出す首の部分を盛んに押し付けてくるので注意が必要だ。

ヘビで不思議に思ったことがあれば、ぜひ博物館(0889-26-1060)へ問い合わせを。

横倉山自然の森博物館学芸員 谷地森 秀二

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※このページは、高知市広報「あかるいまち」に掲載されている「歴史万華鏡」のコーナーを再掲したものです。