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文化財情報 有形文化財 石造 こま犬
指定
高知市指定 有形文化財 指定年月日 昭和 56年 12月 4日
名称
石造 こま犬
所在地・所有者
春野町甲殿・住吉神社
写真
石造 こま犬
解説
こま犬は中国文化の影響で生まれたもので、魔よけのためのものです。こま犬のこまは、「高麗」と同義語ですが、朝鮮から入ってきたという意味ではなく、舶来のものという意味です。日本犬と違っていますので、異国の犬(こま犬)と考えたとみられます。
住吉神社のこま犬は台座ともに砂岩で口を開いた「阿」の方は、高さが74cmで、63×34×10cmの直方体の台座ごとつくっています。この台付こま犬の下には2段の台石を積んでいますが、この台石の北面には「天保二辛卯/九月一三日/甲殿村/若者中」、南面には「世話人/島田幸之進東諸木村/森尾菊之助 石切頭/大石エ門 茂助仕成」とあいます。一方「吽」のこま犬は、高さが77cmで63×33×11cmの台座ごとつくり、その下には2段の台石を積んでいます。台石の北面には「天保二辛卯/九月十三/甲殿村/若者中」とあり、東面には「島田勝馬」ほか7名、南面には「慶蔵」ほか17名の名前がそれぞれ刻まれています。
この一対のこま犬は、大きさなどは平均的ですが、春野地域最古のもので、石工も判明しているところに価値があります。