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第503回市議会定例会 議案審議結果
市長提出議案
議案番号 | 議 案 名 | 結 果 |
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市第104号 | 令和6年度高知市一般会計補正予算 | 原案可決 |
市第105号 | 令和6年度高知市卸売市場事業特別会計補正予算 | 原案可決 |
市第106号 | 令和6年度高知市収益事業特別会計補正予算 | 原案可決 |
市第107号 | 令和6年度高知市駐車場事業特別会計補正予算 | 原案可決 |
市第108号 | 令和6年度高知市国民宿舎運営事業特別会計補正予算 | 原案可決 |
市第109号 | 高知市個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第110号 | 高知市職員給与条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第111号 | 高知市国民健康保険条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第112号 | 高知市都市公園条例の一部を改正する条例議案 | 原案可決 |
市第113号 | 高知県後期高齢者医療広域連合規約の一部変更に関する議案 | 原案可決 |
市第114号 | 災害用マンホールトイレ上部構造物購入契約締結議案 | 原案可決 |
市第115号 | 調停の申立て等について | 原案可決 |
市第116号 | 令和5年度高知市水道事業会計利益の処分に関する議案 | 原案可決 |
市第117号 | 決算の認定議案 ※令和5年度高知市一般会計及び特別会計歳入歳出決算 | 認 定 |
市第118号 | 決算の認定議案 ※令和5年度高知市水道事業会計決算 | 認 定 |
市第119号 | 決算の認定議案 ※令和5年度高知市公共下水道事業会計決算 | 認 定 |
市第120号 | 監査委員の選任議案 | 同 意 |
市第121号 | 固定資産評価審査委員会委員の選任議案 | 同 意 |
議員提出議案
議案番号 | 議 案 名 | 結 果 |
市議第15号 | ひきこもり支援基本法の制定を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第16号 | 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の潜在的な患者に対する適切な対応を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第17号 | 自動運転移動サービス等の社会実装に向けた環境整備を求める意見書議案 | 原案可決 |
市議第18号 | 地方財政の充実・強化を求める意見書議案 | 否 決 |
市議第19号 | 公立小中学校等の老朽化対策等施設整備のための予算確保,拡充を求める意見書議案 | 否 決 |
市議第20号 | 子ども医療費助成の後退を許さず,さらなる充実を求める意見書議案 | 否 決 |
市議第21号 | 酷暑から命と健康を守る生活保護制度の運用改善を求める意見書議案 | 否 決 |
市議第22号 | 教員配置の在り方を見直し,学校現場への配置を優先するよう求める意見書議案 | 否 決 |
可決された意見書の内容
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ひきこもり支援基本法の制定を求める意見書
従来,若年層の問題とされてきたひきこもりは,平成30年の国の調査以降,40歳から64歳の中高年層にも及ぶことが明らかとなっており,高齢の親と働いていない独身の50代の子とが同居している世帯に係る問題である,いわゆる8050問題に象徴されるように,ひきこもり状態の長期高年齢化が深刻な社会問題となっている。
ひきこもり状態の長期化は,身体的機能の低下が懸念され,年齢相応の学習や社会的体験の機会を逃すこと,就労の障害となりやすいこと,精神的健康を維持しにくいことが指摘されており,社会生活の再開が困難となる場合がある。
ひきこもりの背景には,本人や家族の病気,介護,離職,経済的困窮,人間関係の孤立などの要因が複雑に重なり合っていることに加え,本人が希望する社会との関わり方も様々であることから,一人一人に寄り添った多種多様な支援の選択肢が求められている。
このため,国は,地方自治体がひきこもり支援に取り組みやすい環境整備を加速化していく必要がある。
よって,国に対し,ひきこもりを社会全体で取り組むべき課題と捉え,ひきこもり支援に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための基本法の策定など,ひきこもり支援に関する法整備を早期に図られるよう強く求める。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/総務大臣/財務大臣/厚生労働大臣/内閣官房長官/孤独・孤立対策担当大臣
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慢性閉塞性肺疾患(COPD)の潜在的な患者に対する適切な対応を求める意見書
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は,主としてたばこの煙やPM2.5などの有害物質を長期に吸入暴露することで生じた肺の慢性疾患であり,症状としては咳,痰,息切れを特徴とする。
現在,COPDは,健康日本21において,がん,循環器疾患,糖尿病と並び,対策を必要とする主要な生活習慣病に位置づけられている。COPDでは,肺胞が破壊されることにより,酸素の取り込みや二酸化炭素を排出する機能が低下する。ここで一度破壊されてしまった肺(気管支や肺胞)は,治療によって元に戻らないため,重症化する前段階で治療を開始することで進行を遅らせたり,急激に状態が悪化することを予防したりすることが大切になる。
また,COPDが進行し,息切れや症状悪化により身体活動性が低下することで,フレイル(健康な状態と要介護状態の中間段階)に移行し,要介護や寝たきりの可能性が増大するとも言われており,今後,介護費用の増大につながる可能性も示唆されている。
さらに,COPDは循環器疾患(狭心症等の心血管疾患,脳血管疾患),がんなど,他の慢性疾患との関連性も注目されている。日本COPD疫学研究(NICE study)の調査によれば,国内のCOPD患者は推定530万人とされているが,厚生労働省等のデータからは実際に治療を受けているのは約36万2,000人にとどまっており,約500万人が未診断であると考えられる中,COPDの早期診断・早期治療への取組の強化が必要である。
よって,政府に対して,高齢化が進行する我が国において,国民におけるCOPDの認知度を高めると同時に,潜在的なCOPD患者の早期診断と早期治療への取組を強化し,その重症化予防対策を適切に進めるために,以下の事項について特段の対応を求める。
記
1.地域におけるCOPDの検査体制の強化
・地域の医療機関へのCOPDを診断するスパイロメーターの配備を支援すると同時に,臨床検査技師・保健師等
により正確な計測を可能にする研修の実施やガイドラインの周知徹底。
・画像検査(胸部X線や胸部CT検査)とプログラム医療機器を用いた肺の炎症状態を定量的に測定する検査法の
開発と普及。
2.受診勧奨対策及び重症化予防対策の推進
・地方自治体における受診勧奨対策に対しての財政支援や保険者努力支援制度等,COPDの重症化や増悪を抑え
るための取組推進へのインセンティブ制度の導入。
・COPD関連の厚労科研費等の研究資金の確保など,COPDの重症化や増悪を抑える新規治療薬開発のサポー
ト体制の強化。
3.COPDに対する認知度並びにヘルスリテラシーの向上
・COPDに対する情報や知識の普及啓発について,かかりつけ医等の正しく豊富な知識・経験に基づく適切な指
導の展開や,学校教育から企業団体の保健指導など,幅広い年齢層に対する教育や研修の推進。
・COPDの症状などを紹介するチラシやCOPDのリスクが分かるチェックシート(COPD集団スクリーニン
グ質問票など)の作成と配布等,COPDの認知度向上及び死亡率低下への自治体の活動に対する財政支援。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:内閣総理大臣/財務大臣/厚生労働大臣
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自動運転移動サービス等の社会実装に向けた環境整備を求める意見書
高齢化社会が進んでいる現在,高齢者の運転による交通事故が社会問題となっている。2023(令和5)年の高齢ドライバーによる交通事故発生件数は4,819件,事故全体に占める高齢運転者の事故割合は15.4%となっており,2019(令和元)年の 18.1%からは減少しているものの,依然として多発している状況である。
75歳以上,80歳以上の運転免許保有者数の推移を見ると,2019年の75歳以上,80歳以上の免許保有者数(75歳以上583万人,80歳以上229万人)は,2009年の数値(75歳以上324万人,80歳以上119万人)と比較して,75歳以上は約1.8倍,80歳以上は約1.9倍となっており,今後ますます高齢ドライバーが増えていくと想定される。
地方公共団体では,加齢に伴う身体機能や認知機能の低下により運転に不安を感じている高齢運転者や,交通事故を心配する家族等周辺の方々から相談を寄せられていた等の経緯から,運転免許の自主返納の取組が進められる中で,免許返納後の移動の足の確保が大きな課題となっている。政府では,高齢運転者による交通死亡事故の深刻な社会問題化を背景に,免許返納者への公共交通割引施策を新規で実施する地方公共団体への支援を検討しているが,公共交通の空白地域には課題が残る。
よって,政府に対して,全ての地方公共団体が高齢運転者の免許返納を安心して推進することができるよう,自動運転移動サービス等の社会実装に向けた環境整備に向け,十分な予算措置や自動運転車両の利活用への環境整備等,下記の事項について特段の取組を求める。
記
1.高齢者の免許返納の促進に伴う自動運転移動サービスの導入において,過疎地域を包含する地方公共団体に寄り添う形で,国の相談窓口の開設や,専門家の派遣等の伴走型の支援体制を整えること。
2.自動運転技術の開発があらゆるメーカーで進められている中で,自動運転システムが主体となって車の操縦・制御等を行うレベル4以上の車両の開発促進とともに,遠隔操作システムの導入を含めた行政における利活用の仕組みの検討など,自動運転車両の実用化に向けた環境整備を加速すること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
提出先:内閣総理大臣/経済産業大臣/国土交通大臣